表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/61

第17話:悠乃「ミルクが出んのんじゃけど!?」


翌朝。  目覚めた俺は、文字通り「骨抜き」にされていた。  両腕には、スヤスヤと眠る銀狼姉妹。  右にはダイナマイトボディのフェン。左にはスレンダーながらも吸い付くような肌を持つルナ。


 昨晩の風呂場での乱入劇の後、どうなったかは詳しく語るまい。  ただ、フェンの情熱的なリードと、ルナの初々しくも大胆なご奉仕によって、俺は管理者権限(スタミナ無限)をフル活用する羽目になった。  おかげで、姉妹の仲は深まり、俺たちのパーティ結束力(と俺の賢者タイム)はかつてないほど高まっていた。


「……んぅ、主様……おはようございますぅ」 「……ん……朝……?」


 二人が同時に目を覚まし、左右から俺に抱きついてくる。  この幸福な重み。これがあるから、異世界生活はやめられない。


 ◇


 身支度を整え(ルナが俺の顔を見るたびに赤くなってモジモジするのが可愛い)、俺たちは再びホルスタインの村へと向かった。  道をしばらく歩いていると――。


「あ、あれは……!」




挿絵(By みてみん)





 フェンが声を上げた。  道端の木陰に、ピンク色の髪をした女性が力なく座り込んでいる。  俺たちは慌てて駆け寄った。


「おい、大丈夫か!?」


 声をかけた俺は、彼女の姿を見て息を呑んだ。  デカイ。  座っていても分かる、フェンと同じ170センチ級の長身。  だが、何より目が釘付けになったのは、そのファッションだ。


 農作業用のデニム生地の「オーバーオール」。  だが、その下にはシャツもブラジャーも着ていない。  素肌にじかでオーバーオールなのだ。


 横から見れば、脇腹から豊かな胸の膨らみが無防備に覗いている。  動くたびに、硬いデニム生地と柔らかい肌が擦れ、隙間からピンク色の乳輪がチラリと見え隠れする――そんな、男の想像力を極限まで掻き立てる、防御力ゼロの服装だった。


「うぅ……もう、歩けへん……」


 彼女はぐったりと顔を上げた。  ピンクのショートボブに、頭には白黒の牛耳。  顔立ちは整っているが、今は顔色が悪い。


悠乃ゆのちゃん!? 悠乃ちゃんじゃない!」 「……あら、フェンちゃん? それにルナちゃんも……?」






挿絵(By みてみん)







 どうやら顔見知りらしい。  悠乃と呼ばれた牛娘は、安堵したように息を吐いた。


「よかったぁ……。村へ助けを呼びに行こう思うてたんじゃけど、途中で倒れてしもうて……」


 彼女はコテコテの田舎の方言で話した。そのギャップがまたいい。


「一体どうしたの? 村からの連絡も途絶えてたし……」 「それがのぉ……村のみんな、『謎の病』にかかってしもうて……」


 悠乃は涙目で、自身の豊かな胸元を両手で押さえた。


「ミルクが……出んのよ」


「は?」


「うちら牛人族にとって、ミルクは生命力の源じゃ。それが出んようになったら、体力も魔力もガタ落ちじゃけぇ……。うちも、もうカラカラなんよ……」


 ミルクが出ない。  それはつまり、このオーバーオールの隙間にある国宝級の資産が、機能不全に陥っているということか。  事態の深刻さに、フェンとルナが真剣な顔になった。


「それは大変……! 本当に一滴も出ないの?」 「うん……詰まっとるような感じで、苦しくて……」


「ちょっと見せて。私が確かめるね」


 フェンが悠乃の背後に回り、ルナが前に立った。  え、ここで? 俺の前で?


「失礼するわね、悠乃ちゃん」


 フェンが後ろから、オーバーオールの隙間に手を滑り込ませた。  ルナも前から、デニム生地を少しめくって手を伸ばす。


「あ、あんっ……! そこ、張ってて痛いんよ……!」 「うわ、すごい張り……。固いけど柔らかいわね」


 ムギュッ。むにゅぅぅぅ。


 二人がかりで、悠乃の巨大な双丘をマッサージし始めた。  オーバーオールの前当てが波打ち、横の隙間からは白く柔らかな肉がこぼれ落ちそうになっている。  フェンの白い獣の手と、ルナの小さな手が、健康的な白い肌色の果実に沈み込む。


「んくっ……! ふあぁ……ッ! だ、ダメぇ……!」 「うーん、本当に柔らかいんだけど。全く出る気配がないね」 「これじゃ出ないわね……。可哀想に」

「ちょっと吸ってみるね…」「フェンちゃん…♡今は気持ちいだけじゃけぇ…♡」「私も…ごめんね悠乃」「んん…ルナちゃんくすぐったい…♡」


 眼福。  まさに眼福である。  俺は神に感謝しつつ、その物理演算の奇跡を網膜に焼き付けていた。


こんなことがあっていいのだろうが?目の前の美人な牛娘の大きいお乳を、二人の獣娘が取り合っているように見えるこの絵。


もしかしたら、前世でいい行いをした者だけが来れる世界に、俺は来てしまったのかもしれない。


涙が…止まらねぇ…


なんで俺はこれを見ていることしかできないんだ?己の無力さを感じるとともに、永遠にこの光景を見ていたいとも思った。


 だが、同時に俺の中で「ある感情」がマグマのように沸き上がってきた。


 ミルクが出ない、だと?  こんなに素晴らしい生産プラントがありながら、稼働停止中だと?  俺の楽しみにしていた濃厚ミルクも、チーズも、バターも食えないだと?


 ――ふざけるな。  それは世界のバグだ。修正されるべきエラーだ。


「ふざけんなぁぁぁあぁぁぁぁぁあ!」


 俺は怒りの咆哮を出し、地面をドンッ!と踏みつけた。


「え? 主様?」


 俺の突然の怒気に、フェンたちが手と口を止める。  俺は悠乃の前に歩み寄り、芝居がかった動作で、恭しく片膝をついた。  まるで、姫に仕える執事のように。


「お嬢様……。その苦しみ、このカイ・ウォーカーにお任せください」


 俺は悠乃の手を取り、真剣な眼差しで見つめた。


「貴女のミルクが出ないなど、この世界の損失です。私が必ずや原因を究明し、その豊かな泉を復活させてみせましょう。……さあ、私に全てを委ねて」


 キリッとした顔で、俺は彼女のオーバーオールの肩紐に手をかけた。  まずは直接、触診(データ解析)をする必要があるからな。


 しかし。


 バチィィィィィンッ!!!


 乾いた音が森に響いた。  俺の頬に、真っ赤な手形が浮かび上がる。


「な、なにしとんじゃワレェェェェ!!」


 悠乃が激昂し、俺の手を振り払った。  さっきまでの弱々しさはどこへやら、方言のドスの効いた声で怒鳴りつける。


「初対面の男が、気安う触るんじゃねぇわ! うちはこう見えても身持ちは固いんじゃ! 変態かオドレは!」


「えっ、いや、治療を……」 「治療じゃったら、触らんでもできるじゃろがい! このスケベ!」


 悠乃はオーバーオールの胸元を両腕でガードし、軽蔑の眼差しで俺を睨みつけた。  フェンとルナも、「あーあ……」という顔で遠巻きに見ている。


「ぬ、主様……。いきなり脱がそうとするのは、さすがに……」 「カイ、あんたやっぱり最低ね」


 どうやら俺の管理者としての使命感(と性欲)は、牛娘には伝わらなかったらしい。  頬の痛みをさすりながら、俺は前途多難なクエストの始まりを予感していた。


(続く)









おまけ

挿絵(By みてみん)


なんとなく悠乃が一番人気っぽそう



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ