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06 探査船〈ホライズン〉乗員の覚悟
この船の乗組員は、ただの宇宙好きじゃない。
全員が志願兵。
そして誰もが、ここが 片道切符になる かもしれないと知っている。
航路の先には、父が消えた星雲がある者。
母の行方を追って乗艦した者。
還らぬ兄を探すために、戦闘艦から転属した者。
誰も口にはしないが、みんな、何かを失っている。
だから艦内はいつも静かだ。
ふざける者がいないわけじゃないが、その笑顔の奥に、必ず影がある。
ブリッジの窓の外には、あと十九万光年、そんな絶望的な距離が広がっている。
それでも、誰も退かない。
手がかりが一つでも見つかるなら、たとえ帰れなくてもいい、と
そんな覚悟を胸に乗り込んだ連中ばかりだ。
乗っている人間が皆、「家族をもう一度見たい」
その一点だけで繋がっている。
だからこそ、この船は前へ進む。
十九万光年の先にある、かすかな光を信じて。




