表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

辞世の句

作者: ひろ
掲載日:2025/11/15

※本作はフィクションです。実在の法律・人物・団体とは一切関係ありません。


 時は戦国。桶狭間の地で、今まさに今川義元の命運は尽きようとしていた。


 「今川義元殿、御覚悟ぉ!!」


 「くっ、最早これまでかっ」


 「殿ぉっっっっ!!」






 『ちょっと待ったあ!!!!』



 「「「「!!!」」」」


  •

  •

  •


 「どうも。わたくしたち、辞世の句保存会の者です」


 「はあ…辞世の句保存会…?」


 「今川さん、貴方、辞世の句きちんと用意してますか?」


 「イエ、、、マダデスケド」汗


 「はぁっ!?まだ詠んでないんですか!?もう死ぬのに?」


 「いやまあ、ここで負けるとは、思ってなかった、ですし…」モゴモゴ


 「その慢心が、今のこの状況を、招いたんじゃ、な、い、で、す、かっ!?」


 「まあそうですけど……」イラッ


 「とにかく!なら今すぐここて詠んでください辞世の句!」


 「えっ!?今ここでですか?」


 「今詠まないでいつ詠むんですか!?あと死ぬだけなんですよ!自覚ありますか?」


 「まあそうですけど…」ショボン


 「はい、わかったらさっさと詠む。

 待っていただいてる織田さんにも迷惑です!」


 「あっはい。」




-------------半刻後


 「口惜しや ああ口惜しや 口惜しや」


 「……舐めてんですか?

 貴方、戦国きっての文化人気取ってましたよね?」


 「いやね、そう簡単には出てこなくてね」


 「前々から用意してないからこうなるんです、自業自得です。はいやり直し」


 「えぇ〜…」


 「わたしは良いんですよ、ええ。

 でもそれ、未来永劫残りますからね?

 良いんですか?『自称文化人(笑)今川義元の辞世の句が酷い件』とか後世の人に馬鹿にされても」


 「それは嫌だなぁ…」


 「じゃあさっさと詠んでください。海道一の文化人に相応しい句を」


 「…」イラッ




-------------さらに半刻後


 「夏山の 茂みふきわけ もる月は 風のひまこそ 曇りなりけれ」


 「…驚きました。この短時間でここまで仕上げてくるとは。

 流石です」


 「ありがとうございます」


 「それではわたしたちはこれで失礼します。

 みなさーん、おまたせしましたー、死合再開して結構でーす。

 ああ、それと、そこの茂みにいる信長さーん。貴方です貴方。

 貴方も早めに辞世の句用意して下さいねー。貴方みたいな人、身内に裏切られていつ逝ってもおかしくないですからねー。」


 「あ、はい」



 こうして、今川義元は無事辞世の句を残し、彼岸へ旅立ったのであった。








 「言いましたよね!?私言いましたよね!?さっさと用意しなさいって!

 なんで詠んでないんですか!!熱いんですけどっ!(怒髪天)」本能寺ボゥボゥ


 「いやどうもホントにすみません」アツモリ−




おしまい

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ