表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

禁書

作者: せおぽん

この魔法の国には1冊の禁断の書がある。その書を開くとこの世界が終わってしまうといわれている。


この世界は最高だ。偉大な魔法使いの私は大活躍をしている。空を飛び、火炎を操りゾンビ軍団を退け、吹雪を呼び巨大なゴーレムを封じ、閃光の矢で邪悪な魔竜を塵に変える。邪悪な魔竜を倒した後は、各国の王子達からの求婚がひっきりなしだ。人は私を「至高の魔女」と呼ぶ。


今、私の目の前に禁断の書がある。この本を開けばこの世界が終わるという。世界が終わるなんて。この私、「至高の魔女」の力があればそんな事が起こるはずがない。


私は、好奇心と慢心から本を開く。分厚い本は細かい文字でびっしりと埋め尽くされている。高位の学者でも一読するのに数年はかかるだろう。私は呪文を唱えた。

「イク ブレッターレ イン ビューヘァン」

本の内容が瞬く間に私の頭に流れ込む。


本には、以下の文があった。


「空中飛行には土地所有者の許可が必要です」

「許可のない死体の焼却は禁止されています」

「魔法生命体の冷蔵保存には許可が必要です」

「竜は絶滅危惧種として保護されています」

「不特定多数の異性との交際は罰せられます」

「立ち読み禁止」


世界から魔法の力が失われていくのを感じた。


その禁書の名は「ルールブック」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ