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プロローグ

──“読者と対等に戦う気のある推理小説”って、どこ行った?


はじめて推理小説を読んだとき、私は思ったんです。

「これ、めちゃくちゃ面白い……!」って。


誰かが殺されるたびに、「次は誰が!?」「どうやって!?」とページをめくる手が止まらない。

犯人を推理して、証拠を拾い、現場の謎を一つずつ組み立てていく――

すべてがカチッとハマる、あの“理屈で解ける快感”。


現場にいるような没入感。

そして、“余りの出ない数学”みたいなロジックの美しさ。

あの感覚、わかりますよね?


……あなたも、きっと取り憑かれた側だと信じてます。



最初の出会いは、ブックオフでまとめ買いした文庫本の中の一冊。

吉村達也『トリック狂殺人事件』でした。


そこから私は完全に沼落ち。

ブックオフが、もはや我が家の書斎に(笑)。


・綾辻行人で「おい、最後どうなってんだよ……!(震)」

・有栖川有栖で「いやそれヒント出てたじゃん!くやしい!」

・島田荘司で「その発想はなかった!!」

・東野圭吾で「ロジックも感情も持ってくるの反則でしょ……」

・伊坂幸太郎で「構成どうなってんの!?ニクい!」

・湊かなえで「いや、後味えぐぅ……でも読んじゃう……」


……ね? わかってくれるでしょ、この感じ。

※ちなみにこの方々は、ハズレのない“信頼と実績のプロ”です。


でもね、読書人生が長くなると……出会っちゃうんですよ。

「ちょ、待てや。それ、推理させる気あった!?」なやつに。


「俺の時間を返せぇぇぇぇぇ!」

……って本をゴミ箱に投げた経験、ありますよね?


私はそこで思ったんです。

「自分が書くなら、まずは“自分が納得できるやつ”を書こう」って。


・読者とガチで勝負する。

・読者をナメない。

・読者を、“ちゃんと”騙す。


このエッセイは、そんな私の「理想の推理小説」を、いったん整理しておこうと思って書いたものです。

書き手としての自戒であり、読者への誓約書でもあります。


もちろん偏ってる。でも、それが“本気のミステリ愛”ってやつでしょ?


「わかる……その気持ち!」って思ったあなた。もう共犯成立です。


次章からは、

「いやその密室、無理ありすぎでしょ!」とか、

「なんでアリバイが“たまたま”成立してんの!?」みたいな話を、

ミステリ愛とツッコミを込めてお届けしていきます。


さあ、いきましょう。

このモヤモヤ、ツッコミたかったのは――あなただって、そうでしょう?

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