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第二話 エルフ、ドワーフ、猫耳、猿耳

気がつくと、俺たち4人は木々が茂る森の中に立っていた。

周りに俺たち以外の人はいないようだが、やけに頭の中が騒がしい。

「ついたのか?」

茶色の髪にやや緑がかった瞳の男が言った。

「っぽい。」

背の高い、褐色の肌にライトグレーの髪の筋肉質の男が言った。

「…ところで、誰が誰だ?」

俺が言うと、3人は他の3人の姿をお互いに見合った。

「ライトはわかるが…。目の色とかは若干違うけど…。」

猫耳の白い髪に、紫色の瞳の色白の男が言った。

「そうだな、じゃあ俺から。」

俺は真っ先に手を挙げて言った。

「俺が入江 治也。見ての通り、エルフだ。」

俺が言い終えると、ライトが

「確かにナオヤっぽい面影があるな。」

といった。

次に白髪の猫耳の男が言った。

「白井 翼。猫耳族になれましたー。」

猫耳男ーツバサは真っ白な尻尾を揺らしていた。

「と、言うことは…。」

唯一見た目が前世に近いライトが褐色の筋肉男に言った。

「勝俣 進。ドワーフ。」

筋肉男ーススムが言った。

「ドワーフ!?」

俺は思わず叫んでしまった。

「?」

ススムは不思議そうに首を傾げた。

「ドワーフってもっとこう…背の低い髭もじゃのおっさんみたいなのじゃ…。」

「偏見もいいところだな。」

ライトが呆れ顔で言った。

こいつ、前世でもイケメンだったくせに、転移したらもっと整った顔になりやがった。

「まあいい。みんなステータスは開けるか?」

ツバサが言った。

「どうやって開くん…、おわ!」

俺が言い終わる前に目の前に青いステータス画面が展開された。

「なるほど、心に思い浮かべるだけでいいのか。」

「じゃあ、キャラクターシートを見せ合うか。」

「シート?」

ススムの聞きなれない単語に俺が聞くと、ライトとツバサが「嘘だろこいつ」みたいな顔で俺を見つめてきた。

「このステータスみたいのが書かれてるやつだ。」

やや投げやりにライトが言った。

「ああ!オッケーオッケー。」

俺はステータスが書かれたシートを掴んだ。

「お、動かせる。」

「テーブルみたいなのが欲しいね。」

ツバサがぽそっと言うと、ススムが言った。

「ちょっと待ってて。」

そう言って、スタスタとやや幹の太い木に向かって歩いて行った。

そして手頃な鋭そうなやや大きな石を木の枝に括りつけると、斧のように振りかぶって、幹に打ちつけた。

『スキル・剛腕』


バゴオン!!


とんでもない音と共に、幹に石が食い込んだ。

「…。」

ツバサはやや引き気味にススムの筋骨隆々の後ろ姿を見つめていた。

今度はススムは木の裏に回って、俺たちに向かって言った。

「木が倒れるから、だいぶ離れてー。」

俺たちは急いでその場を離れた。

もう一度ススムが大きく振りかぶったのを見て、俺たちは一斉に耳を塞いだ。

『スキル・剛腕』


ドゴオン!!!


目を開けると、木が丁度いい高さにへし折れていた。

そして、さらにススムは薄い石を拾ってへし折れた部分に添えた。

『鍛治スキル・研磨』


ザリザリザリ…


数分後、ようやくススムの納得のいく形になったのか、地面にマルバツゲームをして遊んでいた俺たちを呼んだ。

ススムの前には、絵本で動物たちが仲良く座るような、綺麗な切り株があった。

大きさは立って使えるようにやや高めだが。

「すごいなススム!鍛治スキルを取ってたのか!」

ライトが興奮気味に言った。

「うん。楽しそうだったから。」

すごいな…。

ススムが珍しく嬉しそうに笑っていた。

「さて、じゃあ気を取り直して、シートを並べていこう。」

俺は並べられたみんなのスキルを見た。


前崎 頼渡

種族 人間(猿耳族)

称号 女たらし タンク 戦士

Lv1 次のレベルまで100P

体力50 魔力20 防御力50 力40 賢さ20 運5

スキル

暗視 遠距離視認 火炎耐性 脚力強化 体力強化 粘糸 防御力増強

魔法

固有魔法・ライトリカバリー


白井 翼

種族 人間(猫耳族)

称号 エスパー 剣術師 猫武術師

Lv1 次のレベルまで90P

体力60 魔力15 防御力50 力45 賢さ35 運7

スキル

火炎耐性 交渉術 高速移動 先読み 体力増強 直感 変化

魔法

固有魔法・ダクト


勝俣 進

種族 ドワーフ

称号 鍛治師(見習い) 魔道具の収集家

Lv1 次のレベルまで100P

体力65 魔力10 防御力55 力60 賢さ18 運4

スキル

鍛治(Lv2) 解読 鑑定 剛腕 細工 建築

魔法

種族魔法・エンチャント(土・木) ライトコート


ついでに俺のも。


入江 治也

種族 エルフ

称号 錬金術師 呪術師 なおほび

Lv1 次のレベルまで100P(フィールド効果により−30P)

体力40 魔力30 防御力20 力20 賢さ19 運4 (フィールド効果によりそれぞれ+30)

スキル

火炎耐性 脚力強化 千里眼 体力増強 変化 略奪不可 錬金術 森林移動

魔法

種族魔法・キュア ベリーグロウ

基礎魔法・ビリージア レイザ ピリム フレア

固有魔法・古代魔法 サモン


「なるほど。」

ツバサが納得したように頷いた。

「ナオヤ使える魔法多いな。」

「フィールド効果?」

聞きなれない単語に今度はススムが首を傾げた。

「エルフは森に住む種族だから、能力が上がるんだろう。」

ツバサが俺のシートを見ながら言った。

「あ?なんかナオヤの方だけ持ち物ってシートもついてるぞ。」

ライトがシートの上に付いているタグを見ながら言った。

「ヘルプ」の隣に「持ち物」という欄ができている。

早速俺はそこをタップしてみる。

するとステータスが消え、正方形が並んだシートが現れた。

そこには、今身につけている布の服がデフォルメされたアイコンのような状態で、正方形の中を埋めていた。

「多分、スキルの略奪不可の能力かな?」

シートをスクロールすると、「ズボン」という欄があり、二つの枠があり、左の枠に銀色のメダルのようなアイコンが入っていて、アイコンの下に小さく3と白い文字で書かれていた。

俺はメダルのアイコンをタップしてみた。

すると、ズボンの左のポケットから500円玉くらいの大きさのメダルが飛び出してきた。

そして俺の左手に収まると、アイコンの下の数字が3から2に変わり、「左手」と書かれた枠に銀色のメダルのアイコンが現れた。

「これは、銀貨か?」

俺がつぶやくと、自分のシートのヘルプを読んでいたツバサが口を開いた。

「どうやらそれは、小銀貨ってやつらしい。銅貨100枚分の価値があるらしい。この世界では全ての国でお金が統一されてるらしい。どこへ行ってもこの小銀貨は使えるらしい。」

「お前らのポケットには入ってるのか?」

俺が聞くと、

「入ってるぞ。俺も小銀貨3枚。」

ライトが薄茶色のズボンの左ポケットから、俺が持っているのと同じ、小銀貨を3枚取り出して言った。

「これ、服もそうなんだろうけど、女神様からの餞別的なやつなのかなあ?」

俺がいうと、ススムが多分、と頷いた。

「それじゃあ、まずは近くにある街か村へいこうぜ。」

ライトがシートを消して言った。

「でもどの方向に行けばいいんだ?」

「…。」

「ナオヤ、頼んだ。」

「俺が!?」

「だってエルフだろ。森はエルフのフィールドじゃないか。」

「それはそうだが…。」

俺は背後から俺と似たような雰囲気を纏ったなんとも言えない気配を感じた。

まるで、俺がもう1人いるかのような感覚だったが、不思議と気味悪さはなかった。

俺は素早く振り返った。

「!」

そこにいたのは、金髪の長い髪を一本結びにした、エルフの女性だった。

弓矢を俺たちに向けて木の影に隠れるように立っていた。

それに気がついたツバサが耳をピンと立て、警戒する。

俺はツバサに向かって、

「大丈夫だ。」

と言った。

なんの根拠もないが、なぜか彼女をみた途端、謎の安心感が湧いたのである。

「お前たちは、なんだ?」

エルフの女性は弓矢をおろし、言った。

「俺たちは…。」

ライトが何か言おうとするのを、彼女が遮った。

「お前ではない。生き汚い、猿耳族め。私は同族に聞いているのだ。」

ライトはむっとしながらも、話を進めるためにあえて何も言わないようにした。

「彼らは俺の命の恩人です。種族差別をここで持ち出すべきではありませんよ。」

俺は極めて朗らかに言った。

すると彼女はふっと肩の力を抜いて、

「そうだな。すまなかった。」

と、ライトに向かって謝った。

「私はこの近くのエルフの集落の者で、ラミアという。最近、エルフを奴隷として狩る連中がこの付近を彷徨いていてな。お前たちもそうなのではないかと疑ってしまった。」

「いや。別に構わないが…。」

「彼らは俺をその連中から助け出してくれたんですよ。」

俺は自分たちは転移者だということを隠して、俺は奴隷として売られるところだったが、この3人がたまたま通りかかって助けてくれたのだと説明した。

ツバサからは流石に無理があるだろ、というような冷たい視線を浴びることになったが。

ラミアさんはそれで納得してくれ、同族を助けてくれたお礼として、自分たちの集落へ案内させてくれると言った。

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