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プロローグ





昔から、自分の顔に既視感があった。

勿論毎日手鏡で見ているから既視感はあるのは当然なんだけど………その、もっと前。生まれる前から知っていたような気がするんだ。


「なんなんだろなー、コレ」

「まあた始まった、シルビアの不思議発言」


からかうような口調で隣に座ってきたのは、幼馴染のルイスだ。みんなからはルイと呼ばれている。いつも通りつやのある黒髪に自信満々な紅い目がうらやましい。私はどっちかと言うと水色の猫目で、髪の色はギラギラとした金色。雨の日には爆発しちゃう天然パーマなんだよね。


「しょうがないじゃない。なぜかそう思っちゃうんだから」

「ふーん?あ、そういやそろそろ飯の時間だろ?早く行こうぜ」

「はいはい。まったく、食い意地張ってるんだから」


重い腰を上げて、ルイに手を引かれる。ルイは本当に元気な男の子そのままで、よく食べるしよく眠るしよく話す。運動を禁止されていなければ、きっと私とじゃなくて他の子と鬼ごっこをしていたんだろう。


「本当に食い意地張ってるのはどっちなんだろうな」

「なんか言った?」

「何にもー?」


食堂に行くと、私たちはいつもの決まった席についてみんなとご飯を食べる。

ここにはたくさんの子供たちが居て、私たちを守るための規則はそれだけ細かい。


「いっただきまーす!」


これだけの子供がいる中で、私の友達はルイ一人だ。


「いただきます」


あーあ、早くここから出て大人になりたいな。





***




「シルビア、貴方の番ですよ」

「はーい!」


二日に一度行われる成長の時間。私はこの時間が好きだった。だってみんなから大人気のライア先生と、二人でお話しできるんだもの!


「最近何か悩み事とか、逆にうれしかったことはない?」


先生が機械の用意をしながら言った。先生の手は静かで、声は陽だまりみたいに温かい。茶色っぽいふわふわの髪の毛を先生はあんまり好きじゃないって言ってたけど、そんなことないと思うんだよね。

私はホットミルクを飲みながら答えた。


「悩み事は全くないよ。しいて言えばルイが意地悪言ってくるくらいかな。うれしかったことはたくさんあるんだ!」

「そう、なら良かった」


先生は私の飲み終わったカップを取ると、準備ができたと告げた。

機械についている椅子に座って先生とお話していると、いつも眠たくなっちゃう。それがすごく残念。


「おやすみ、シルビア」

「おやすみなさい、先生」


そして起きた時には、私はベッドの上……のはずだった。







「なにこれ、転生?」







前世の記憶なんて厄介なものが芽生えなければ。




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