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灰色は、彩やかな色に染まる

白と黒がまじわって灰色に染まった世界

その世界に生命があれば

とても賑やかなはずでした

けれど、灰色の世界は完全に静寂に包まれていた

この世界にある生命はたった2つ

それも、この世界の生命ではなく

別の世界から理不尽に無責任に連れてこられた

子供2人だけであった


2人は歩いて、この世界で再会を果たした廃墟にまた再会した

理性を失っていた2人は

互いに「ありがとう」と言って

互いに「どういたしまして」と言って

互いに「おかえり」と言って

互いに「ただいま」と言った

それから、また話したいことを話した


話して、話して話して...とにかく話し続けた

この世界にいるのは正真正銘2人だけだった

お互いのことは恋人でも家族でも尊敬する関係でも依存する関係でも

それ以上の歪んだ狂気の関係と言える関係であった

ずっとずっと、互いにいたいと思った

この世界の全ての生命を殺して回ったから、増大な力を持っていたし、本当に「なんでも出来る」そんな力を持っていたし人間として生命活動に大切なこともしなくて済む状態でしたが2人はそんなの考えてなかった



...


そんな歪んだ関係の日々を何日も、何年も過ごしたその時

2人はある時思った、変わった形をしている「1つの懺悔」を

この世界に元々いた「住人」には恨みがあった

けれど、この「世界」そのものには恨みはなかった

土地も空も灰色に染っており

水も食料もなく生きていくには不可能な状態になっていた

そんな可哀想な世界を見て2人は心を痛めた

狂気に陥っていたから正しいのか歪んでいるのか分からないそんな感情が2人にあった

そのため、2人で世界を歩き回りながら世界の再生をすることにしました


自分のいた世界を擬似的に再現しようとしました

まずは水、生命に必要なのは水

2人でたくさんの水を降らせて海を作りました

しょっぱくはなかったですが

2人にとっては、この世界にとっては海でした

灰の土地に植物を育てました

種や苗木などはありませんでしたが想像するだけでなんでも育てられました

2人が元々居た世界にある植物や木もあれば、見たことないのような植物も育ちました

大地は緑色に染まりました

けれど空は灰色のままでした

空の色も綺麗に染めました

世界は綺麗な色になりました


2人はまた話し合いをしました

新しい世界を作るための会議のようなものでした

会議はかなりの時間がかかりました

それで2人は決めました

色の無い白と黒に染められた世界とは打って変わって

色とりどりで鮮やかな「虹」

それを参考にすることにしました

海と大地を大規模に変化させて7つの大陸を作りました

森だけでなく様々な気候を作りました

気候だけでなく、この世界に生き物を用意したくなりました


この世界は管理者がおらず大量の魂が漂っていました

2人が殺した黒の種族と白の種族の魂が大量に漂っていました

2人は試しに、差別の気持ちを持たれないように「全ての記憶」を消して新しい生命体を作ろうと試みました

1匹の犬と1匹の猫が出来ました

2人に懐いてとてもいい子です

その行いは2人は知らずとも、管理者による浄化による輪廻転生と同じでした

気候がそれぞれ虹の色に合わせて7つあるなら種族も同じように7つの用意しようとした


白と黒の彩りのない世界をカラフルにしました


赤の国は非常に暑く、ツノが生えている種族を作りました

全体的に誰もが赤く、岩のような種族

橙の国は暖かく、動物のような体の特徴がある種族を作りました

全体的に誰もが橙で、動物のような種族

黄の国はとても快適で、機械で作られているような種族を作りました

全体的に誰もが黄で、機械のような種族

緑の国はとても爽やかで、植物でできたような種族を作りました

全体的に誰もが緑で、植物のような種族

青の国は涼しく、ヒレなど非常に潤っているような種族を作りました

全体的に誰もが青で、水生生物のような種族

藍との国は非常に冷たく、影でできているような種族を作りました

全体的に誰もが藍で、影のような種族


6つの種族を作って1つの問題点が生まれました

虹の色としてあと1色を作ろうとしたけど、2人はもう思い浮かびませんでした

2人は元の世界での様々な経験が薄かったので想像力はあまりまりませんでした

ある時少年は、「赤の種族」と「藍の種族」の2人が仲良さそうにしている様子を

そのことを少女に伝えました

少女は1つ思い浮かびました

前世で読んでいた漫画にて「異種族」のことを思い出しました

けれど異種族の子供は物語の中では差別をよく受けていました

そんはハーフが差別がなく「普通に」生きられる平和の象徴として紫のハーフの種族を作成


紫の国は特に特徴のない気候、けれど両親の特徴や能力を受け継いだ種族を作りました

全体的に誰もが紫で、個性豊かな種族


元々の黒と白の種族のような「種族差別」が起こらないように「差別の考え」を完全に消しました

そして、前世の世界と白と黒の世界では悲しみや苦しみ、怒りに悲劇という残酷な有様

そんな苦しみなんてない「楽しい世界」にするために世界中で「娯楽」が発展していきました


......

.........





あれからまた沢山の年月が経ちました

少年と少女が前世で生きていたよりも長く、それどころか人間が生きるにしては途方もない時間が経過しました

けれど少年と少女は幸せでした

2人は狂依存しているから幸せでした


その世界の神様として問題のないようにその世界で生きている生命を観て共に過ごしていました

その世界はとても楽しく幸せです

「なんでも出来る」力で元々の白と黒の種族が持っていた「同族を傷つけることができない」能力も消していましたがお互いに幸せなので死ぬつもりは絶対にありませんでした

そんな時、突然少年と少女は知らない人に呼び出されました

それは「管理者」という者たちでした

管理者というものは名前の通り「世界を管理する者」分かりやすく言うなら神様のようなものでした

少年と少女は「発想さえあれば何でも」できる能力で知らずのうちに「管理者」と同じようなことをしていたので管理者として働くことを命じられました


とは言っても普段とやることは変わりません

管理者の人は2人に名前を聞きました

けれど2人は「なんでも出来る」能力で自分たちがいた世界で「自分自身」のことを記憶から消していたので名前はありませんでした

そこで管理者は元々いた「地球」のカラーコードから

黒い少年の方には「ロクゼロ」

白い少女の方には「ロクエフ」

と名付けました

2人は堅苦しい名前に不満を感じました

管理者の人は「ニックネームを自由につけていい」と言っていたので神様として呼ばれていた名前で呼ぶことにもしました

黒い少年の方は「オーラ」

白い少女の方は「レイン」

と呼び合いました


管理者から「世界の管理をするのは基本的に1人1つ」と言われました

2人が管理していた世界は死んだ人をどうするか悩んでいましたが決まりました

世界を半分こにしてそれぞれの世界を2人がかりで管理することにしました

世界に名前をつけて欲しいと言われていたので

それぞれ半分こにした世界を「アンレイ」「オンレイ」と名付けました


それからは、管理者としてまた幸せに過ごしました


……





また、沢山の時が経ちました

別の世界から魔物が漏れたりしたこともありましたが管理者による生命の能力上昇による調整で魔物による悪い影響はありませんでした

そんな小さな問題を解決している中、管理者の中で大きな問題が起こりました

地球ともアンレイともオンレイとも違うある世界で「異世界召喚によって自身の世界を救う」という行いをした管理者がいたことでした


その世界で魔王がいて、ほかの世界の勇者を召喚して自身の世界を救っていました

それだけならまだ良かったのですが、その世界に行く時に与えた能力を所持したまま生き返らせて元の世界に帰していた

生死の運命もねじ曲げられて、行き過ぎた能力によって滅んだ世界もありました

そして地球からも召喚された人が2人いて、片方はまともな人生を送れましたが片方は魔法みたいな能力でテロのような行為を行って射殺されたこともありました


管理者間では緊急の会議を開いて対策を練りました

そこでオーラとレインは1つの決まりを作りました


「どんな理由があっても、別の世界にいる人を喚び出したりしては行けない、当然別の世界に影響しないように浄化もきちんとやること」


オーラもレインも自分自身に起きたことと重ねていた

自分たちのような被害者を出したくないという願いの上の決まりでした

管理者たちはすぐに承諾しました



……



それからというもの、いやそれまでも地球の管理者のずさんさにより、記憶を持ったまま転生する人がいたりしましたが地球の管理者は何もしませんでした

管理者も完ぺきではないのでしたがそれでも目に余るほどでした

「レイン」のかつての最期のように理不尽に突き落とされて死んだ人が記憶を持ったままアンレイに転生する人もいました

「オーラ」のかつての最期のように散々否定された挙句に自ら命を絶つ人が記憶を持ったまま別の世界に転生することもありました

レインとオーラはそんな人たちを救っていきました

管理を勝手にすると地球の管理者が苦労するところもありましたが

2人にとっては復讐のつもりもありましたので関係ありません

記憶を浄化しいつもと変わらない日常にするために管理し続けるのです

2人は色とりどりに染まった世界で幸せになりました

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