白の始まり
地球では未来か過去か不明だが
神様、いや管理者にとっては大昔の出来事である
むかーしむかし、あるところに
1人の少女が無責任に満ちていた地球に生まれて過ごしていました
少女は1桁の年齢の時から誰かを優先する性格であり
「誰かのために」をモットーに生きていた
それを見ていた周りの人達は
少女のこと「いい子」と思って
様々な頼み事をしていました
それは、めんどくさい事を押し付けるようなこともしてもやっていました
それから数年、経ちました
順調に成長していましたが、周囲の人物たちはどんどん無責任になってきました
学校の係の仕事も委員会の仕事も自分でやらずに少女に任せていました
少女は「誰かのために」と思ってましたが
それは「断れない」の言い訳だったのです
周囲の人たちは悪い意味でその良さに気がついて利用していました
周囲から勝手に期待されて過ごしてきたそんな日々、人間の体というものはとても脆くて倒れてしまいました
無機質で真っ白な病室の中…1つの出会いがあった
自分と同い年の少年と出会った
その子はとても弱気で傷だらけで話せないない健気な人でした
少女は困っている人を放って置けなかったので積極的に話しかけていました
しばらくの入院生活中、少年の家族や同級生から見舞いがありました
話しかけようとしましたが少年は酷く怯えてました
渡された千羽鶴はその人たちが帰ったあと少年は千羽鶴を投げ捨てました
千羽鶴を拾って戻そうとしましたが少し違和感を感じました
折り紙を開いてみると、そこには悪口以上のことが書かれてました
少女は「少年が酷い目に遭ってる」ことを理解しました
放っておけない性格の少女は少年に「君のことを守る」と伝えました
少年はまるで救われたような顔で少女を見て泣きました
退院しているときも、退院してからも少女は少年に話しかけてました
退院後も少年に対する悪意はありました
それは少女の想像以上のものでしたがそれでも守る決意は変わりませんでした
少年は少女といる時だけ表情が柔らかくなることもありました
少年が殴られている時は間に立って
少年が家を追い出されている時は家族に内緒で家に泊めていました
少年を守ると同時に頼まれたことをやっていたから過労で疲れてしまいましたが
それも関係なかった
また数年が経って、少年は少女のおかげで自分だけに会話するようになりました
まだ自分だけだけどいつか普通に話せるようになれると思いました
そんな時、少女は自分の心が温かい気持ちになりました
まだ若い少女は恋と思いました
それはただの自分を頼られていた優越感か固執かもしれませんが少女にとってはどうでもよかったです
少年から学校が終わったあとに公園に呼ばれる約束を受けました
少女は告白だと思って楽しみに思いました
学校が終わったあとその公園に向かおうとしました
しかし、それはできなかった
少女が学校を出ようとしたその時
突然後ろから殴られました
急なことに意識を手放しました
意識を失う前に思ったとこは「約束」のことでした
意識が覚めた時は周囲は真っ暗でした
とても肌寒い状態でした
少し目が慣れてきて周りを見てみると
そこは山の中だということがわかりました
ひとつのノートが置いてあって
「邪魔者」と書いてありました
少年の敵の物なのは明らかでした
けれど、理不尽にここに連れてこられる理由がわからなかったからです
人のために行動していたのにこんな酷い目をすることに
ここから出たら警察を呼ぶつもりでした
けれど、いくら目が慣れてもあかりはほとんど無かったです
寒さはかなりあって
このまま朝を待つと命に関わると思って
真っ暗な道を無理をして歩いていきました
けれど、誰かのために行動していた少女は全身に疲労が溜まって判断力も鈍っていました
くらい中、足場も悪く歩を進めていましたが
足を踏み外しました
宙を舞う、手を必死に伸ばすけど何も掴めない
落ちていく、幾ら足掻いても落ちていく真実に口から金切り声が放たれる
山の中に反響するけど誰にも聞かれませんでした
闇に落ちていく、少女はとても絶望にも落ちていきました
地面に落ちて、全身が痛む
体が全く動かない、寒くて痛くて本当に不幸な目に散々あった挙句このような終わり方になって
誰も嫌わなかった少女は世界に強く恨みました
薄れていく意識の中、最期に少女は思いました
「ごめんなさい、約束を守れなくて
ごめんなさい、あなたを守れなくて
誰かのためだけでは
何もかもから手を離してしまうのですね」