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10 【閑話休題】お洋服が届きました。

いつもお読みいただきありがとうございます!


「こんにちはー! お洋服が仕立て上がりましたんで、お届けに上がりましたー!」


 そう言って元気な呉服屋さんが門の前に現れたのは今朝のことである。


「エマ、誰の服ですか?」

「お嬢さまのに決まっているではないですか」


 エマが呆れたように笑っていうのでミラはその日いちびっくりした。しかも量がえぐい。

 多めに見積もって5、6着かななんて思っていたら、なんと20着だそうな。


 うそやん。


「え? あのダサい洋服たちの布、そんなに高く売れたん? あ、でもそうか、装飾が多かったもんね~」


 疑問が降ってわいたが、すぐに答えに思い当ってミラは一人で完結させた。

 今回の衣装選びは全部エマ任せだ。

 選んだり考えたりするのも楽しそうだと思ったがいかんせん魔法の勉強で忙しくて、それどころではなかったのだ。


 それにエマのセンスは信用できる。


「ふ~んどれどれ~、どんなのがあるんかな。おっ! これ、素敵ですね!」


 手に取ったのは向日葵(ひまわり)色のサマーワンピースだ。

 くるぶしが隠れるくらいのマキシ丈のティアードワンピースで、腰のところにぎゅっとギャザーが入っている。


 夏の太陽の光を取り込んだみたいに(あざ)やかな(いろ)

 生地はコットンでさわやかに。この白いサンダルを合わせても、夏っぽくてカワイイ。


 おぬしやりよるなという目でエマを見ると、ニヤリといたずらっぽく返された。


「あっ! これもかわいい!」


 (すみれ)色のギンガムチェックのスカートに、日の光をはじく白いリネンのシャツ。

 全体的にすっきりと軽やかなスタイル。


「パンプスはやっぱり上品に黒がいいかなぁ!」


あれもいい! これもいい! と服を見る手は止まらない。

図らずも顔がにこにこしてしまう。


「む? これは……?」

「そちらは伯爵様がお嬢さまに、とあつらえた、夕茶会(ゆうさかい)用のドレスでございますよ」


 エマがすかさず気づいて教えてくれた。


「ゆうさ……かい?」


 聞いたことのない言葉だ。なおも首をかしげると、またエマが教えてくれた。


「この国の貴族は、お嬢さまくらいの年のころにあちこちの夕茶会に招待されます。

夜会となると子供だけでは少々早すぎますので、夕方の16頃から19時頃にかけて茶会を行って、夜会でするような社交を少しだけ経験しておくんです。夕茶会は子供たちだけの社交場で、夜会の予行演習のようなものですね。礼儀作法も挨拶も、きちんと覚えて他家の方々に失礼のないようにする必要があります」

「ほうほう。それ用のドレスというわけですな」


 それにしてもお父様センスがいいなとミラは思った。

 夕空を思わせる深い濃紺の布地。

 トップスは清楚にハイネックだけど、デコルテのオーガンジーで固く見せない。

 スカートにはふんわりとチュールがかかっていて、揺れるたび、ちりばめられたビーズがきらきらと(またた)く。

 しかし決して華美でなく、うるさく感じない。


「うーむ。これは着るのが楽しみですねえ」

「お嬢さまが最近お勉強を頑張っている、とそれはもう嬉しそうでございました」


 エマがまるで自分が褒められたみたいに顔を明るくする。


「そうかー! 私、このドレス、大切にします!」


 満面の笑みでそう返すとエマもうんうんと頷いてくれた。


「あ、これもドレスだ!」


 こちらはさっきのとはまたずいぶん(おもむき)が違い、浅葱色のカジュアルドレスだ。

 胸元に品よくフリルをあしらい、デコルテはレースで控えめに肌見せ。

 真珠の首飾(ネックレス)がアクセントになり、シフォンのスカートがひらりと(なび)いたら、きっととてもきれいだろう。


「そちらは奥様から普段の茶会用にと。女性同士だから、少し肌をみせても下品にはならないでしょうからと言っておりましたよ。最近普段の言葉遣いや行動が大人っぽくなったから、このドレスもちょうどいいでしょう、とも」

「いやー、うれしいなぁ」


 父様も母様も超がつくほどの大忙しで、ミラが顔を合わせるのは食事時くらいだ。

 けれどその食事は絶対に意地でも一緒に取るんだという気迫はいつもミラに伝わってくる。

 それは紛れもなくミラを大切に思ってくれている証で、両親が急ぐたびにいつも、悪いと思いつつミラは嬉しい気持ちになってしまう。

 前世でも今世でも、家族には本当に恵まれた。

 もう十分すぎるくらいもらっている。

 大事にしたいなと、思う。


「この二着は大人になっても捨てないでとっておきます!」


 やや興奮気味に伝えるとエマは力強く頷いた。


「せっかくだし今日一着着てみようかなー。着替えまだだったし。んー、迷う……」


 隣を見るとエマも一緒に考え込んでいて、その真剣な顔がやっぱりミラは嬉しい。

 家族が自分のことを考えてくれるなら正直何でも嬉しいのだとミラは思う。言わないが。


 さんざん二人で悩んだ末に、今日は最初に見た向日葵色のワンピースに決めた。


 今日はエマに魔法の実践を教えてもらう日だ。

 着替えて身支度を整えて、魔法の練習に行こう。



服の描写を書きたくて…。

魔法のところ楽しみにしていてくださった方、申し訳ないです…。

次回からまた魔法(次は実践)のところ書きます。

そして、次回で今作の(一応)ヒーロー登場です。(多分)

もっと早く出す予定だったんですが…。

計画性のない作者で面目ないです。

どうか気長にお付き合いください。(ほんとごめんなさい)


いつもお読みいただき、本当にありがとうございます!

些細なことでも構いませんので、もしよかったら、ご感想ください!

おもしろいじゃんと思ってくださった方、もしよかったら高評価ください!

お待ちしてます!


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