試作 やけに情報量の多い二百文字小説 作者: 曲尾 仁庵 中学校(生徒数百人ほ) (どの小さな学校。県内) (産の木材を使った総檜) (造りの校舎が特徴で、) (現校長は話が長いこと) (で有名) からの帰り道には必ずこの 公園(バブル期) (に地域環境整備の名目) (で造られたが規模の割) (に維持費が高額で、建) (設会社と議員の癒着が) (噂されている) を通る。 幽霊(ブランコ) (の鎖に絡まり命を落と) (した女子高生の霊だと) (いうことだが、この公) (園で死者が出たという) (記録はない) が出ると 評判(大学生四) (人組が肝試しに行くと) (言ったまま帰ってこな) (かったとか) の 公園。(滑り台とブラ) (ンコがあるが、どちら) (も塗装が剥げた動物の) (キャラクターが描かれ) (ており、ホラー味を演) (出している) 少年(十三歳、) (中学二年生。両親と妹) (の四人暮らし。ただい) (ま絶賛反抗期中だが、) (食事は家族で揃って食) (べる) は 幽霊(目撃する) (と全身の穴から血を吹) (き出して死ぬという噂) (だったがそんなことは) (なかった) と会うためにここに通う。 「また来たの?(昨日も来てました)」 近所(緩やかな) (坂道をおおよそ五百メ) (ートル上った先の桜並) (木の向こう) の 高校(かつては) (県下有数のマンモス校) (だったが、過疎化の波) (に抗しきれず徐々に定) (員数を減らしている) の 制服(品質の割) (にやたらと値段が張る) (ため、学校関係者と業) (者の間に何らかの不正) (があるのではという噂) (が絶えない) を着て 錆びた(ここ数年ほど)ブランコ(はメンテナンスも) (されず放置されている) に座る 幽霊(足はあり) (ます) は 呆れたよう(ちょっと嬉しそう) に声を上げた。少年は 無言で(照れてる) 彼女に近づくと、 鞄(学校) (指定を中二で使うと真) (面目と言われるのでよ) (く似た市販品) から 本(愛読) (書だが大切に扱ってい) (るため傷一つない。当) (然ブックカバーが掛け) (てある) を取り出して 突き付けた(照れてる)。 「持ってきてくれたんだ」 「持ってこい(昨日そんな話に)っつったろ」 ぶっきらぼう(照れてる) に言う少年に 微笑み(天然)、 幽霊(物体を通) (り抜けたりはしません) は 本(数年) (前に流行った魔法学園) (物全十巻の第一巻) を受け取った。 「ありがとう」 少年(照れてる) の顔を夕日が照らし、 赤に染めた。(あらあら夕日が赤い)