エピローグ5 side 須藤旬
里依さんとキョウコさんに対する双方への思いを語ってくれてます。
須藤クンってずるいっちゃ狡いんですよね。両方手にしているから。でも
そう里依のこと。
僕の投資会社も順調に大きくなって、僕自身が好き勝手できなくなってきた。僕は面白い会社を作る手伝いの方が好きなので、個人事務所を作って、そこでちまちまやる方が合ってる。まあ、そういうことで、里依を呼んで、個人秘書というか雑用というか、身の回りのこと全てを任せた。
その頃、僕は里依が望むなら結婚してもいいと思っていたんだ。お互い独身の方がいいならそれでいいしと。
まあ大学からかれこれ10年位一緒だから、腐れ縁なんだろうね。
それに里依はどこに連れて行っても恥ずかしくない女性だった。見た目も美人で華やかだし、そつがなく、人当たりもいい、その上外国語も堪能。本当に、そう里依には怒られるけど、カネを得た男が手に入れる分かりやすいステータス。それが里依だ。
なので、僕の隣にいてくれると、とても便利。だってお金目当ての女の子からすれば、見た目だけでなく、仕事も有能な点で勝てないから、あのくらいでなくてはと。里依は里依で、やはり僕くらい若くってお金ないと、靡かないんだと思われているらしく、学生時代からwin-winの関係だった。
そうそれはキョウコさんと出会うまではということ。
だから、里依が僕の子を妊娠したと結婚をしてほしい。もしくは認知をと言われても、なんで里依が妊娠するの? という感じだった。
関係はあったし、まあ、僕の落ち度もあったんだ、でもまさか里依が妊娠を切り札にするとは思わなかった。
その辺の事、少し女を舐めていたんだね。
まあそれだけ、キョウコさんの存在が里依を追い詰めてしまったと、それは僕の責任なんだね。
だから僕は入籍を承諾した。だって僕と里依の子供だもん、きっと優秀で可愛い子が産まれるはず。
まあ、恐喝もとい、告白を受けた時は托卵か?とか疑い、条件は付けさせもらった。そうキョウコさんとの事に口出すなってね。
よく考えれば分かる筈なのに、里依がそんな危ない橋渡る事はない筈なのにね。
それはキョウコさんに
「女はセックスで妊娠するの、病気うつされたりと罹ったりとリスクを背負っているの、だからだれかれ問わずそんな事しない」
と言われて、気がついたんだけど、僕また、カネカネ亡者に振り回されたってね。里依は僕の金で変わらなかった人なのにね。
さすが、僕のキョウコさん。僕の目を覚ましてくれた。
そうやっと、その後、キョウコさんと男と女の関係になれた。妻がいるのに世間ではいけない事かもしれないが、僕には里依の方が、いや妻の悪口を言うのは止める。僕の子供を産んでくれるのだから。
キョウコさんは僕を甘やかし、フォローしてくれる。もうかけがえのない人。離れたくない。
だからね、僕は里依の譲歩にすがり、弱味につけこんで、キョウコさんと二人で旅行へ行こうと思ったんだ。
だって、里依は子供産まれたら育休取るとか言ってるからね。そのご褒美を先に頂いちゃおうと思った。僕は悪くないよ。だって今しかないと思ったんだよ。子供が産まれれば、どうなるか分からないからね。キョウコさんとの関係もさあ。投資家だから期を見て利を取るのは得意。なので、二人で出かけた。
人生ってうまくいかない。そんなことわかっているけど、もう少し、器用に生きれたらとの思いを込めて。