表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/33

エピローグ4 sida 須藤旬

須藤クンの話が続きます。ヨッシーとの出会いです。

 そんな時だった、吉川希と再会したのは。


 向こうは、新進気鋭のデザイナーの彼女ができたばかりなのに、仕事もイマイチでカッコいい姿見せられなくて、焦っていたらしいと。その事は後から飲みの時にミヤちゃんに聞いた。 

(のぞむ)ってへんなとこ格好しーだからね」

と。


 その時は、僕はまた、お金欲しい昔の知り合いが来た、しかも元同級生と警戒していた。


 ヨッシーはどちらかと言えば、学校より塾の方が近かった。そう成績が同じくらいだったんだ、なので、僕がよくなるとヨッシーが下のクラス、ヨッシーがよくなると僕は落ちる。そんな関係だった。そして、無事、中学入試に失敗して、公立校へ進学した。

 いや、受かった学校はあるんだけど、その学費とその後の進学先考えると公立の方が良くない? と思ったんだ。ヨッシーも同じだった。なまじ地頭がいいから、勉強すれば良いとかなんだよな。


 クラスの半分は僕らと同じで、中学の時点で人生の不幸を全て背負ってるって感じ? だけど、なまじ頭がいいので、不良になれない。新卒の先生がくれば、揚げ足取りしたり、からかって笑っていた。


 まあそれも前期が終わるくらいまでで、その後はみんな次の目標に向かって進んで行った。


 僕も勉強が面白くなった頃で、すごい勢いで勉強していた。中学では、ヨッシーとは一度も同じクラスにならなかった。そんなこともあり、中学ではほとんど接点がないまま卒業してしまったし、高校も向こうは私立の大学附属高。こっちは都立と別れてしまった。まあもう再会はないとその時は思った。


 声をかけられて、誰だか分からなかったんだ。それくらい離れていた。向こうは、僕が学校で、塾で、一緒にだった、そう同級生と知っていたみたいだが。まあ僕の経歴見たんだよな。分かるよ。


「よっ! 久しぶり。もう覚えていないか? 吉川希だよほら、塾でCクラスのトップ争いをした」


 そう言われて、思い出した。面影もある。


「あっ! ヨッシー。今何しているんだ?」


「オレ、代理店にいるんだよね。販売戦略とかやってる」


 らしい。らしい。

 そう思った。

「すごく有名になったじゃん。裏山」


「もう、どこに行っても、金の話ばかりだよ。草生える」


「おい、おい、お前の近くにいて、カネの話しないヤツってヤバいぞ、それ。オレだって、カネ欲しいもん。独立して彼女にいい格好見せたいし、社長とか呼ばれたいよ。ねっ! 社長さん」


 そう昔みたいに普通に話してくれた。その上、金欲しいと最初からちゃんと言ってくれた。僕は嬉しくなった。もう、これで騙されるなら、騙されたっていいのよ、という悲劇のプリンセス並みに感動したんだ。だからさ、そんな感じで、先程の警戒心はどこかに行ってしまった。


 まあ、後から聞いたら、ヨッシーは本当にカネの話をしに来たのに、昔と変わらず、無防備に話してる僕をみて、何も言えなくなったらしい。一応警戒はしていたよ。でも信じたいと思ったんだよ。昔の友達を。


 その話は、僕がキョウコさん絡みでヤツの独立、会社設立を後押しした時に


「分かっているよ、あの時独立してもうまく行きっこないのは。だけど、できた彼女に、『オレ社長』とか自慢したかったんだよね。だって、あの時、あっちの方が名前売れていたし稼いでいたからなあ。だから、幼馴染みなら出資してくれるかな? と思ったんだよ。そしたら、あれほど冷たい対応していたのに、オレが幼馴染みと分かると、もうニコニコして捨てられたワンコのようにしっぽ振ってくるじゃん、もう言えなくて」


 と、話してくれた。まあその時、再会してもう5年位経っていたけど。


 ヨッシーとは、それからよく僕の愚痴を聞いてくれて、僕の立ち回り方を教えてくれた。


 カネ、カネが来るのだから、ちゃんとした恰好をする。話し方は丁寧に、敵を作らず、言質を取られないようにと、当たり前だけど忘れてしまいそうな、色々なアドバイスをくれた。


 そうすると、僕を馬鹿にしていたり、すぐ怒ってきたりするヤツが少なくなってきた。銀行も当たりが柔らかくなってきた。ふうーん。と思ってると、


「大体、金欲しい奴なんてどうしようもなく卑しくって、下品なんだよ。だからってこっちが上から見れば、怒るの当たり前なんだ。下品なんだからな。だから、下から行くんだ。『まあ、私のお金欲しいなんて、そんな勿体ないわ』とかな」


 僕は笑ってしまう。

 そう、笑うことも忘れるくらいだったのかと。

 で、僕はヨッシーに


 「販売戦略の中でもブランディングとかプロモートの方がお前に合ってないか? 芸能人もいいけど文化人とかアーティストなどのブランディングとか」


 と言うと、


「オレもそう思っていたんだよ。この間、アイドルのプロモートで、良さを全面にとかつまんない事、芸能プロダクションが言うからさぁ、そんなんじゃ、みんなおんなじになるんじゃん。悪い所を出して段々良くなるとか、例えばカネを好きとか全面に出して、なんでもやります見たいな? でカネを好きな理由は後から出し美談にするとかさぁ。そんなこと言ったら当のアイドルがその案、気に入って乗ってきてさあ」


 と、アイドルからエッセイストになった、タレントの話してくれた。それからは、ちょっと訳ありの人のプロモートとか文化人のブランディングとかをメインにし始めた。


 そして、僕にヨッシーは


「アドバイス料としてお酒奢れ」


とか、言ってアドバイス料を取らなかった。


「女、いい女いないか」


 なんて言いながら側で細かいアドバイスをしてくれた。無論、里依の事もバレて、


「世の中にはあんな高級な女がいるんだ、驚いた」


 とか言っていた。


 まあ里依は、本来なら実家と同じ位の裕福な家にとっとと嫁ぐんだろうけど。キャリア目指して国立大学に入ってくるような子だから、ちょっと変わっている。


もう頭から色々なエピソードが溢れてきて大変なので、バンバン投稿していきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ