新しい問題
そうキョウコさんがシンガポールは行きぱなしなった原因は、あのラディッシュとの連絡係にした奴、名前ってなんて言ったっけ? ああ、若松大弥だ。其奴も一枚加わっている。
ミッドシズンからラディッシュに行く様になり、まあ最初はね、老舗チームのやり方っていうか、企業形態を見て驚いていた。
「これでうまくいくなんて、日本の経営者が見たらひっくり返りますよ。今までの会社って無駄か多いんですか?」
とか可愛く聞いて来るから、ちゃんと説明してやったよ。
そもそも、老舗チームは、経営者しかいないからね。だからできたの。コレを一般企業に持っていってもうまくいかないと思うよ。それは一定数は仕事サボるから。仕事できない人もできないなりに仕事させないといけないからね。だからね、指示する上司がいるの、その上司も、さらに上司がいてて感じじゃないと、人動かないでしょ?
君だって、僕が権限渡さなけれは、君の部署の人も動かないよね。それが組織なの。で、この老舗チームの部分が君達、社長付きなの。でもね、部門や部署は旧体としてないとダメなの。考えて動くより指示して動かした方が早いから。分かった?
まあ老舗チームは組織だけど、それぞれ老舗の社長だったり会長だったり、専務だったりするんで、そっちからも手当もらっているから、何か足りなくても自腹で調達できるんだよ。財力の差。それ普通の会社だと無理。セロハンテープ無くなったって、庶務に言うでしょ?自分で買いに行かないよね。そう言う事。
まあそいつは、そんなラディッシュの方が居心地がいいとか言い出して、ラディッシュに移籍した。そして、こちらとの折衝をしてくれる。なんでサラリーが下がるのに、キョウコさんの方に行くのかな?
よく分からないよ、僕。
そしてそいつは、キョウコさんにいいように使われて、アジアの旅に出ているみたいで、そこまでは、僕の大事な社員ひとり喪ってしまったぐらいで済んだ話。
でもその後、この若松大弥とキャサリンが二人して意気投合し、新しい事を始め、キョウコさんが事の収拾の為に動いたんだ。
キャサリンのパートナーのライセンスを代理すると。まあ新規顧客だね? って確認したらNFTアートのライセンスだと。新規事業を勝手に始めたんだ。
僕は家庭内の問題で動けなかったというより、キョウコさんが、
「須藤クンは須藤クンしかできない、里依さんと明日香ちゃんの問題を解決を優先して」
と言われちゃったからね。
まあそうだよね。今、家庭の事を何もしなかったら、僕は全てを失うかもしれないんだ。あれほど僕に執着していた里依は、新しい事を始めた。幼い明日香は自分の存在を無意味だと思い始めていた。だから僕は全力で家族を支えたんだ。
キョウコさんの報告をzoomで聞く時、明日香や里依がたまに出ることもある。そんな時キョウコさんが少し淋しそうな顔をする。それに気づいてからは僕は、なるべく、会社でと思ったけど、その時は、明日香のスイミングやお教室があり、時差の関係で上手くいかなかった。
まあそんな時期だからってキョウコさんは言うけど、さあ。僕は、僕が暮らしいている場所にキョウコさんの居場所が、ないからだと気がついているのに、また気を使わせてしまった。
キョウコさんはシンガポールへ。
暫く日本に帰ってこれなくなりました。
そして、zoomで打合せする時、時間の関係で、お家で。すると好奇心旺盛な明日香ちゃんが出たりするよねと。「ばーばー」ってね。優しくおばあちゃんやってるキョウコさんは、少し淋しそう。




