キョウコさんの素顔
でも、本当は、あの時、マスコミに追われていた時、キョウコさんもいっぱいいっぱいだったんだって、僕は知っている。
それは、釈明会見の少し前のこと。突然電話がかかってきた。キョウコさんは普段から『電話は相手の時間を取るから』と言っていたので、ほとんどかけてこない。それなのに、かけてきたんで、僕は何があったって思ったのさ。
案の定、電話の向こうで、嗚咽が聞こえた。明るく健気で強気なキョウコさん。それは皆んながそう思っているだけ、キョウコさんがそうみせているだけなんだ。本当のキョウコさんは、ちょっと引っ込み思案で泣き虫、寂しがり屋さんなんだ。ひとりでいいとか言っているのは、人が去ってゆくのが嫌だから。最初からひとりの方が気が楽でいいと、強がりを言っているだけ。そんなキョウコさんは、僕だけが知っているキョウコさんだ。
だから、電話をかけてきた時にすごく心配したんだ。だから急いで会う約束をした。マスコミが、マンションの近くにいるけど出てこれるのかな? と不安に思ったんだけど、さすがキョウコさん。バイクできたと。
以前、ドライブが大好きって言っていてね。今は車乗る機会ないからね。と少し悲しみそうに言っていたけど、夜中にたまに乗りたくなるからと、小型だけどバイク買ったらしい。そして、やってきたキョウコさんはさっきまではなんだった? ってくらいイキイキして、笑いながら、マスコミを出し抜いて楽しくなったって言い出した。僕の心配を返してと思ったら。優しく抱いてくれた。僕はキョウコさんを堪能して、気がついた事があった。そう、レンタル服屋の与田さん達に、言っていたコラボグループに入らない? という事。そのグループって何? よし、全部、洗いざらい話してもらおう。
そう林田さんの暗躍は終了して、いつ釈明会見をしてもいいと数日前に言われていたから。キョウコさんが、限界みたいだから。丁度いい。釈明会見の日程を決める為に、皆んなを会社に呼び出す。
マスコミは、キョウコさんに連れてきてもらおう。そして敷地に入ったらすぐに警察に引き渡す。その辺に車停めたなら、駐禁取ってもらおう。そんな事を考えながらシャワーを浴びて戻ると、
「わたし、バイクだけど」
「うん、一度お家に帰ってね。それでマスコミ連れて会社に来て欲しい。それで、何人か捕まればいいんだよ」
そんな事を口にしたら、キョウコさんたら、
「黒いよ〜須藤クン」
なんて言うんだよ。だってうんざりしていたでしょ、キョウコさんも。なら、リベンジさせてもらおう。ねっ!
「今回の事は、全てマスコミのせいにします」
そう、全責任をマスコミにおっかぶせてしまおうと。そうすれば、我が身可愛いマスコミは、情報ソースを明かすだろ。そこで、その元は林田さんがどうにかする。僕たちは、僕たちで、キョウコさんのこれからのプランを紹介とかもいいし、なんか新しい事を始めてもいい。どうせキョウコさんは何か隠しているだろうから。わーい、ワクワクしてきた。キョウコさんが、シャワー浴びている時に指示は出して、対応できると返事がきた。うん。その上、タイミングがいい事に、純兄も日本にいる。
よし、リベンジ開始。
黒い須藤クンが大好き
みんな本音で話そう、ってね。




