閑話 林田 修
ワシはここ数年、人生に倦いていた。自分の人生にそう、とうの昔、自分の自由にならなかった人生なのに。
ワシはこれまで、人生の大半を機関投資家として生きていた、だから昭和のバルブ期の場のあの躍動感や高揚感からの反動だったのかも知れない。そう思い込もうとしていた。
それとも、ここ30年間も経済成長を望めでない日本。そんな状況に柄にもなく悲観に暮れていたのかもしれない。
投資、投機の世界もここ数十年で大きく様変わりし、仕手だなんてそんな事は、昔のおとぎ話になってしまっている。
株は全て電子取引となり、相場のスピードも変わった。そして、ビットコインやFX などと新しい金融商品ができ、相場も昔みたいな玄人だけの場所ではなくなった。
下手すれば小学生がお年玉で投資し大金を手にすることも可能になった。すると、そんな事を、誰彼もが夢見、投資だ投機だとゲームに精を出す様に始めた。そうだ、不景気になり、確実に金を得るために、マネーゲームを始めたんだ。汗水垂らし働く事を嫌厭し、楽を求めた。それをワシは見て、疲れていたんだと。
だから、今、新聞の今日の押し銘柄という記事を読みながら、
「けっ! ここはそんなに単純で簡単に儲ける事のできる、そんな楽な場所じゃない」
そんな独り言を拾ったのか、
「そうですよね。林田さんはたくさんある命を必死に賭けてきたんですよね、この世界に」
とからかい気味に此方を見ながら悪舌を吐く。
それはこの若造と出会った頃にワシが言った言葉を揶揄っているのだ。
「チャラチャラした若造が、でてくる場所じゃねぇ。こっちとら、命はってやっているのだ」
そんなことを言うと、
「じゃあ林田さんは命いっぱいお持ちなんですね」
とすかさず切り返された。
「命はひとつだ、だがら張る意味がある」
そう応えると
「うわー、なんですかソレ、昭和ですかね」
そんなことを言われた。
高そうな背広を着て、キチンとした身のこなしから、いいとこのボンボンだと思っていた。その上、可愛げがなく小憎らしい傍若無人の態度。なのでその若造の事を坊やと良いとこのボンボンという意味を含めて『ボン』と呼んでいた。
しかし、その実は…。
「そういやボンも濡れ手で粟で、大金を手に入れたんだなぁ」
少し目をしかめ、口を上に曲げ付き出すと、ぶっきらぼうに
「林田さんが、僕の事をそういう風に言うのはひどいです。濡れ手で粟なんて。あのプログラムは、最後の一週間は殆ど寝ずに考えたんですよ。そして導入したら売買のタイミングが合わず、結構、損してます。やり直しやり直しの連続で、やっとうまくいったら、儲かり過ぎちゃいましたから。そしたら大学生がFX で、億の金ゲットとかで週刊誌に追いかけられて、散々でした。あともう少しで、あんなに頑張って入った大学なのに、単位足りずに辞めるはめになっていたんですよ。なのにあのプログラムの事を聞かれた事ないんですよ。そういえば、まだアレはGitHubにあるはず」
「まあ、そう言っても、濡れ手で粟だろう世間では。うん? あのプログラムは、自分で作ったのか?」
「そうですよ。あっ! あったあった。何これ。もう使えないや。あっ、すみません。そうあの当時、誰がFX の相場感を理解して自動制御のプログラム書けると思っているんですか。僕しかいないですよね」
偉そうに言っているけど、大学生時代に一攫千金したのだ。そうワシらとは違う。それを少し羨ましくもあり、かわいそうにもなる。何も知らない大学生が億近い金を手にしたのだ。へらへらしているが、色々なことがあったはずだ。
「ワシはプログラムなどわからん」
「えっ!林田さんは株も勘とかなんですか?」
「バカ言うな、『も』ってなんだ。いつの話している。今時、勘で売買など恐ろしくっててきるか。ワシは最初からチャートとか企業分析していたわ」
「ですよね。ならどうやって」
「教えるわけなかろう。トップシークレットだ。そもそも機関投資家なら情報は政治がらみだ。喋れば命にかかわる」
「未だに、命賭けてるんですか。もうそんな時代でないのに。全て数式で終わるでしょう?」
「お前らみたいな計算とかAI 使ってとかは老人には無理だ。だが若者にはない、ものがある」
「それ、やっぱり勘?」
くくくと、笑いながら、席を立つと、コーヒーマシンが置いてあるコーナーに向かい、カートリッジを入れてコーヒーを淹れている。カップをこちらに渡しながら、
「何も入れないんでしたね」
というと、自分の分には牛乳をたっぷりと入れている。
全く嗜好までお子さまだなぁと、思っていると、向かいに座り、
「でお話ってなんですか?」
と言ってきた。
「機関投資家を引退する。それについて相談というよりは、命令しに来た。鷹司筆頭としてミッドシズンコーポレーションのCEOに」
と切り出したら、
「えっ! ちょ、待って下さい。投資家引退って、その上、鷹司としてって、僕、おしっこしてきていいですか? ちょっとチビりそう」
と緊張感のない返事をする。
「あー、漏らす前に行って来い。話は長くなる」
トイレから戻って、ワシの目の前の席に座った若造、須藤旬を見つめる。
「先程言った様に、ワシは鷹司に戻る。これは決定事項で変更も撤退もない。ついては、うちの投資会社司グループをボンのミッドシズンコーポレーションで面倒を見て欲しい。こっちはお願いだ。ワシはもう投資とか機関投機は潮時と思っている」
「やめてください、潮時などいうのは、キョウコさんもすぐ使うんですよ。もう年寄りは」
そうか、あのババアも分かってるのか、今が潮の目ということを。世界の舞台から転がり落ちる前にどうにかしたいと。
こんな、閉塞感だらけの社会など、どこの国を見てもない。
だから、あのババアは、躍起になっているんだろ。
若者を搾取するシステムを変えるとか言っていたなあ。東南アジアに進出し、そこで自分のように手仕事の好きな者を見つけ、一緒に作品を作ったり、自分が技術を教えたり、また逆に向こうの技術を習いたいと。また、日本が未だにアジアで搾取している外国人技術実習生に自分の技術をと。
ババアが言ったからではない。ワシもそう見えたからだ。日本がどのくらい歪か。
時代は、フィクサー等必要としないとか、嘯いていても、必要とされない自分を卑下しているだけだと、気がついた。
なら、ワシが動こうと、機関投資家の林田でなく、鷹司コンツェルンの総帥、会頭として、この戦後日本の礎を作ってきたジジイの跡を継いだ、それがワシに与えられた使命なのだと気がついた。イヤ、気がつかせてくれたというべきか?
ここ数年、疲れたとか、もう歳だからと言っていたが、それはやるべき事をやってなかった事の裏返しだった。
あのババアは、わたしたち大人がちゃんと若者の将来を考えてあげないとと、
『こんなに若者が減ってるし、仕事して思ったけど、派遣や短期の仕事は多いの。お給料が見た目は多く感じるわ。でも、経営者になって分かったのは、派遣の方が経費から見れば安いわ。不要になれば、切ればいいしね。でも、正社員の道は狭く、それでいて社員の仕事は昔よりハードなのよね。
社員って新卒から入った人がやっているのよね。その辺もねぇ。
あとね、いざ子供を産もうとなると、法整備は整っているけど、産んだ後の事を考えると、産むの躊躇ちゃうかな? だって産休育休取って仕事休めるけど、その後、子供の存在で前みたいに仕事できないし、仕事辞めても再就職が大変だしと選択肢が少なくなるの。なら誰が産むの? と思ったわ。
だから、せめて子供を産んだ人の選択肢が広がるように、ある程度自由がきく個人自営業にしようとしたら法律がね、厳しくなってきているのよ』
と言っていた。それで、他に何かないかと色々探してるらしい。
そして、ワシに扶養控除やめませんとか言ってきた。
「はあ? それ女性を護る為の控除だろう?」
なんて聞けば、
「根本は男の人にとって便利だからですよね。女がフルタイムで働けば、家事を誰がするか悩むからね。それで、女はパートタイム等で時短で手取りを低くすれば、所得税を控除するよ。お互いいいでしょうってね。ばかじゃないの?それで、女は給料は安く抑えられて、男は妻子を養う分、必死こいて働いて、それなのに家庭を蔑ろにしたと妻子から思われたりして。なら、全て半分こにしたらいいかな?ってね」
と言い、クソーっ!思い出した。あのババア、
「林田さんは権力お持ちだから可能ですよね」
だと。
そう、なにかにつけ、ワシがとか言ってたからだろうが、そう、わしはあのババアが気になり、一緒に仕事したいと、ボンに頼んだんだ。
しかし、いざ仕事をしてみると、会社の製造業の起業だと思っていたが、単に起業するのでなく、どんな形にするか、何をメインにするか、どう版権を作るのか、商標権は?と話し合っていた。
あのババアの会社は手芸だ。そんなことワシに分かる訳なんだ。だが、あのババアの考えることは面白いと思ったんだ、助けられるとしかし、出で来る言葉は、
「ワシを誰だって思っている」
だった。だから、あのババアに
「はあ? そんな、お偉いさんだったんですね。ならさっさと、煩いところへ根回しして頂けたらと思います。今回も税務署がマネロンでないかと煩く言ってきてます。ちゃんと会社の規模、形態の説明とかに行っていただきたいですね」
そんな事を言われ、ワシは税務担当の庄田に任せた。すると、
「わたしが倒れても、後継の若い人がいます。日本のよいモノを他国のよいモノと結びあい、新しいモノを作り出させる力を持った、そして、それをそのモノを作り出させます。なのに、今問題を解決できる手立てのある、そんなできる手を持っていて、何もせず偉そうに、ここにいるのは不適切だと思います。里依さん、須藤社長にこの件を申し伝えて」
と言われてしまった。そんな事を言われれば、
「待て、待て、ボンに知れたら、また…」
無理やりごねて、ここにいるのに。
すると、ババアが
「わかりました、なら、林田さんの目を醒まさして差し上げます。林田さん、お忙しいとお思いですが、3日、わたしに下さい。わたしが思ってること、この圏アジアのコラボの件とガラス工場の件も含めて、須藤クンが感動した場所を見に行きましょう。あっ! 里依さん、須藤クンには内緒で、馬場ちゃんは一緒に」
と言うと、嬢ちゃんと向こうの担当が頷く。
そうして連れて行かれたのは、あの中国だ。
「ちょっと待て、ワシは中国はまずい」
何故、庄田は了承したんだ、ワシが海外に行くことを。そんなことが顔にでたのか、庄田は微笑みを浮かべるだけだった。
「なら泊まるのは、香港にしましょう。大丈夫ですよ、わたしも以前は良くやっていましたから」
何が大丈夫かわからず、その上、見せられた景色は驚くばかりの世界だった。
ワシは中国はまだ自転車に乗ってると思ったが、その自転車はシェアサイクルとかいって、スマホでピってして、乗ってそしてその辺に乗り捨てすると。はあ。なんだこれ。それもここ数年で廃れ始めてきた?
国道は片道4車線とか、脇に高速道路まである。
はあ~。今日何回目のため息か。
そしてキャッシュレスが浸透している。それを
「偽札が多いからだろう」
などちょっと言ったら、
「バカなんですか。便利だからに決まってますよ。現金を数えて口座に入れて使うより、デジタル化した方が便利だし、全て数字になるので数えなくていいでしょう? 脱税もしにくくなりますからね。政府にとっても個人にとっても、win-winなんですよ。
貴方だって株の取引はオンラインですよね。まさか未だに電話でやっているんですか?」
と小馬鹿にされた。連れてきた若手は『ぶっ』と吹き出した。その若手がスマホ決済を楽しそうに使っている。そんな姿を見て、戸惑っている自分に少し歳を感じた。なので、
「分かった、もういい、昼飯を喰おう」
と、中国だから飲茶だな。と言えば、深センには、あんまり飲茶ないのよと言われた。それはお前さんの調査が足りんだろうと思ったが、声に出さずに良かった。
その若手が中国でスマホ使えるのを見て、タクシーを呼ぶと、スマホのアプリひとつで呼びだし、目的地、支払いまでの完結すると。
「便利でしょう。中国語いらないんです。先に行って下さい。直ぐ追い付きますから。レストランは予約してあるので」
と、言われ先に行く。
レストランで合流した。
あのババアの言うがまま来たのは、指定されたホテルのレストラン。なのに制服がアロハだと。その上
「我が儘言ったんだから、ここは林田さんの奢りね。お金持ちなんですよね。よろしく。やった~皆さん林田さんの奢りですよ。美味しいモノをいっぱい食べましょう」
とか、言い出した。まあ、飲茶と言ったのはワシだが、腑に落ちん。まあ、ついてきてる人数も違うのでよしとしよう。
ワシが深センへ行くと解ると何故か一緒に行きたいと言うものが多かった。はあ? なんなんだそれは? なので、連れていく者は多少でも中国語が話せる、情報がある若手とした。それでも数が多く、どうにか減らして先ほどの若手はディーラー兼用心棒でもう一人も同じ、後、金勘定に秘書と、後、お目付け役の庄田を連れて来てる。
ババアの連れは、嬢ちゃんの後輩とか言った馬場といつもの秘書の二人だけだからなあ。
しかし、ババアは注文を仕切って、
「ここで海鮮頼むと目の前で調理してくれるの、一回やってみたかったのよね」
とその海鮮に海老を頼む。目の前で調理してもらい、キャアキャア騒いでいるし、チャーハンに海老餃子とか、肉まんと、色々馴染みのものなのに何か違うもの入っているようだ、味がふくよかだ。やはり支払い時に秘書が悩む金額になっていた。
「ご馳走様です。美味しかったでしょ?」
したり顔で言うとので仕方なく支払う。
分かっていて、やっているのだろ。
ババアは件の場所まで、再びタクシーで向かう。
するとそこに、
「何で張経理が」
呟いたが、その者が関係者だと分かるババアもどうかと思う。
そして突然、
「人って三回曲がると必要な人と出会えるって話知りません?
で、わたしは3回で須藤クンに出会えたけど、須藤クンは2回で、でも林田さんは1回か、若しくはその人が会いに来てくれるんですよね。羨ましい。わたしは前回、彼には行き当たらなかったからね。余計そう思うの、わたし、運がないのよね」
そんなわからない事を言っていたが、ワシが来たことで、どこからか連絡が来たのか? 多分。
向こうから挨拶なので、こちらも挨拶する。
すると、
「色々疑問に思ってたことあるの。この際全部聞いてしまいましょう」
とババアが言う。先程の疑問なんてなんの事もないように、その者に質問攻めしておる。
その関係者は日本語も堪能なのか、ババアの質問に的確に答えておる。
ババアだって英語と片言の中国語が話せるはずだ。それを使わないのも、したたかなんだろう。そして向こうは、こちらの日本語のないしょ話も分かるという牽制の意味での日本語。
しかし、驚いた。これは
「同じようにこの地域には商業スペースが三ヶ所あります」
その、関係者が言う。同じ規模のモールがか?
「既存の商業スペースその他、作品を展示販売できるブースもあり、そちらは政府から保護を受けてます」
保護なのか、保護とは?
税金を安くするとかテナント料金が安いとかではないのか?
そうすると、あのババアが、
「政府の保護って、優先的にここに入れる、材料部品の調達が楽になるくらいみたいなのよ。そもそもここに入るだけで売れるからね。近くにって殆ど隣に工房というか会社もあるし。そういった意味でも優遇なの」
「左様でございます」
その関係者が相づちをうつ。
「詳しい話は後ね」
小さい声で目配せがきた。
しかしこの規模モールが3つか。それも最寄りに駅がない。皆が車を持っているということか。
そして、疲れたので、茶でもとその辺の店に入る。
値段を見て驚いた。日本と同じ位じゃあないのか。この値段でお茶を飲める人達がいるということか?
「ふふふ、林田さん、日本人より中国の富裕層は金持ちよ。その上、人口比だと3倍から5倍はいるってこと、あと経済成長を日本は30年していない事を考えれば、物価は、日本はアジア圏でも安いんですよね。まあそれは香港に行けば分かります」
また、訳のわからない事を言うが、はあ、あのボンが躍起になるわけだ。これを見せられて、何も考えられないなら腑抜けだな。もうとっとと引退しろと言うことか。わかった。なら、ワシが動こう。
その後も散々引き回されて、香港の工房も見せられた。そして、ババアのビジョンも話してもらった。
そして、物価の件は香港でまた食事を奢らされたので、分かった。日本が安すぎるのだ。
この水準が普通なら、平均というアベレージが日本は壊れている。年寄りが多い為、物価を安くとのことだろう。全く。いつから日本はコレからの者の為でなく、リタイヤした者優先になってきたのか。それを気づかせてくれただけでも、この旅行は有意義だった。
そういえば、ボンも言っていたな、
「これからの若者のために税金を使え」
ってなあ。
やはりこのババアは面白い。あの若造には分不相応だな。
そう思って日本に帰って、色々根回しをし、今、ボンの会社にいる。
そうだ、それからワシも考えた。
ババアが言うように、もう時間などない。そう、日本が世界の舞台から転がり落ちる前に、さっさと手を打たないと。
それに、その辺の一介の主婦だったあのババアには負けられない。
「惚れた弱味だ。あのババアの夢を叶えてやろうと思ってな。機関投資家より、鷹司の方がとれる手はおおい」
そう言い、ふっと口を左右に引くと、目の前の若造が口をへの字に曲げ、
「キョウコさんは、僕のものです。たとえ、林田さんに命令されても譲りませんよ」
そんなバカなことを言ってくる。更にふっと笑みがこぼれてしまう
「先のことは誰もわからん。だがとれる手は多い方がいい。だろう?」
「わかりました。キョウコさん以外のことならお受けします。なのでミッドシズンが美味しく司グループをいただきましょう。司の方がウチのスタッフより有能そうだしね。新しいソフト動かしかったから、丁度いい。背後守ってもらおうっと」
そんな事をいう、その若造にふと疑問が出た。
「ボンは、エンジニアの方が身に合っていたのか?」
「いいえ、そんなことないです。師匠を宮城さんを見てると分かります、僕はプログラミングできてもセンスが足りないんです。すぐ重たくなっちゃう。それより、今はこれがと、場の動きの方が分かり易く、それを、コードにおとして、その後の実行はプログラマーに任せます。その程度なんです」
「よくわからんが、そうか、場が見えるんだな、そうか」
ワシはひとりわかったように呟した。そうか、この若造も場が見える奴だったのか。だからあの時FXだったのか。そして今は企業投資か。面白い。
「ほおぅ、面白いなあ。どこで分かる?」
それは、急騰する前の動きに、ふと目が行き、そして買った。面白いように株価が上がり、急落する寸前で売り逃げた。そんな事に気がついてから、何回か繰り返した。与えられた資金が倍になった。そんな時だった、ジジイが義母の父親、鷹司宗一郎が聞いてきたのは。なので、説明をした。
「株価が跳ねる前に取引高が少し落ち込む時があるんです。それがトリガーですかね。下がる時は上げ続ける時に場が緩むんです。それがなければそのまま上がり、そうなると落ちます」
株の売買を教えてくれたのは祖父だった。義母の父、外祖父だ。祖父は血の繋がりなど関係ないと可愛いがってくれ、何かにつけて、色々教えてくれた。ああ、その時は祖父が何者か知らなかった。なので、暇なお祖父ちゃんが孫を可愛がっているだけと思っていた。
そして事あるごとに
「ワシのことは本当のジジイと思ってもよい。薔子の子ならと思うが、詮のないことは言わん。其方の目が気に入った。学校に入ったらウチに来い」
と言って、義母を困らせていた。そう、母の名は薔子。
その名の通り、薔薇の花のような人だった。ただその花は冬の温室で、そう温室でしか咲けない、蔓の白薔薇。他者に寄りかかり、季節問わず咲かされる、そう他者の意思で咲く儚さが、温室の他では生きていけそうもない、悲しさが彼女を一層可憐にさせていた。
あの時はお互いを知る様に、馴染める様にとよく食事を取っていた。
そう初めて会った時に
「佐々木修造の息子に産まれた事を幸運に思いなさい。あの女の狂言なら貴方は、今、母のところよ」
などと物騒な事を開口一番に言い、
「こんなことなければ、貴方と暮らすこともなかったのだから、まあ運命って面白いのよね。仲良くしようなど、今言っても無理でしょう? なので、食事を一緒に取りましょう。夜はわたしが忙しいので、朝と昼ね」
と決めてしまい、
「ひ、昼は給食があるんで」
とやっとワシが言うと
「できるだけでいいわ。よし子さんお部屋に連れてって」
と言われた。
それからは、毎日朝食を取ることになり、ちょっと閉口したのを覚えている。
母、実母は、夜の仕事だったので、下手すると早朝に帰って来ることもあるくらいで、朝は自分で起き、母を起こさないように出ていく。朝食は夕べ買って置いたパンを静かに食べるか、眠い時はそのまま出掛けていた。昼は給食があるからと。
本宅では朝6時に起床。洗顔身支度をして、6時半には食堂へ、7時には食べ終わる。そんな感じで規則正しくなった。
そう、本宅には使用人がいるので、手をかける事は最小限にとの配慮だった。それが、指示する者の上に立つ者の義務だと教えられた。
そして、その席に薔子さん以外に大体誰かいた。
朝は父の秘書か鞄持ち、昼は大体祖父だった。
そう、本宅は人の出入り多いウチだった。政治家というものを知らなかったので、最初は凄く驚いた記憶がある。
始終他人がいるそれだけで緊張するのに薔子さんは
「父のところはもっと人がいたのよね。それも怖そうな人が、それに比べればここは静かよ。ふふふ」
と笑っていた。
これが静からなら、薔子さんの実家って?と思ったのはたしか。
そして、祖父と食事をとると決まって先程のセリフが出てくる。薔子さんはとうとう、
「お父様、修君は佐々木家の後継者なのです。鷹司には参りません。もう、その話はやめて頂けたら」
と、はっきり言い切った事がある。ジジイは目をつぼめ、なにか思いに耽っているのに、それを悟らせないように愛娘をからかうように
「分かっておる。薔子は怒ると怖いからな」
といいこちらを見て、ウインクしてきた。ワシはその時何をされたか分からなかった。しかし、
「お父様、修君から言わせても、ダメですからね」
そう言う薔子さんの言葉から、ワシがジジイの所へ行くと言わせたかったと、やっと分かった。まあ自分の人生はこのジジイに目を付けられた時から、自分のモノでなくなったのだが。
そう、本宅に引き取られたのは、まだワシが小学生の時だった。まあ、ワシは世間で言う私生児、お妾さんの子として産まれた。父は一応認知をしてくれたので、庶子となる。父は大物政治家だった。まあよくある話なんだが、問題としては、義母との婚姻前からワシがいたということ。醜聞と言えば醜聞だ。よくある話と片付けることもできる。
母は華やかで目端の行き届いた人だった。そのそつない態度は、頭のよさがわかるほどで、見た目のよさもありそこそこ売れっ子のホステス、それが母だった。
強かな母は、ワシを産んだ。そうすれば、今以上の道が、日陰でなく日の光り輝く道が用意されていると浅はかに思って。
そして、お家乗っ取りを画策して、その人生を潰えてしまった。
なまじ頭が切れた分、自分の計画が完璧だと思ってしまったのだ。
佐々木家に入り分かったのは、人間は生まれながらに、ヒエラキーがあるということ。それはどんなに努力しても埋められない溝なんだということだ。人間は平等ではない事を。
支配する側の理論。支配される側に気がつかないように支配している世界。キレイ事ではすまされない世界。そうかと、実母は道を外したのだ。あのまま、庶子を産んだと事実だけで満足していれば、命まではということにはならなかった。
それに気がつかせてくれた産みの母には感謝しかない。己の命を賭けてまで、ワシを本宅への道を作ってくれたのだから。
それ以外にも、本宅の暮らしは、もう今までと全てが違っていた。
そうその家は使用人が何人もいたし、数人のお手伝いさん、運転手に、執事とかまでいた。その上、親父の秘書とか鞄持ちも一緒に住んでいた。今迄の二人暮らしとは天と地ほど違う人数と暮らす世界。
困った事があれば、部屋付きのお手伝いさんにお願いする。義母に頼んでも、お手伝いさんに指示するから、先に頼むようになった。なので、なにかあると人に頼む癖がついたんだ。
ボンが人によく頼めますよねとかほざいたが、仕方ねんだよなあ、頼んだ方が早いしなぁ。だってよう、喉乾いたと水を飲みたいと思って台所へ向かえば、
「お坊っちゃまどちらへ」
とか聞かれる。なら喉が乾いた水をとか言えば、
「お茶ですか?紅茶?コーヒー?」
と聞かれる。うんざりするが、仕方なく明快に頼むようになった。
「喉が乾いたので、アイスディーをレモンで、甘くしないで、ピッチャーでコップひとつ、氷はグラスに入れて」
という感じでなぁ。それが身に付いた。ただ上に立つ者になった時に、ほう、これはと思った。人に指図するのはためらわなかったし、的確にできたからだ。上に立つものとしての最初の教育だったのかと。
そして、それから数年後、あの昭和と平成の狭間での急暴落。未然に全ての株を売りきって逃げた。無論その後底値で全部買い漁った。
ジジイは、
「こりゃ大層な拾い物だ。佐々木は大損をしたなあ」
そんな事を言う。
自分は佐々木家を勘当されて、ここにいる。そうだ、鷹司にいる。
お家の醜聞になるような大事を起こして今ここにいるのだ。
義理の母と逃避行をしたのだ。
あの佐々木家には父親の元には義母を置いて置けないと、自分の気持ちを義憤に変えて。
義母が言っていた、
「無理よ。わたし家事どころか料理も作ったことないし、生活するのに何をどうすれば、それに、生活するのに何にも分からないもの」
本当にそうだった。
屋敷の采配は義母がしていた。執事と一緒に帳簿つけ、支払いや収支を金勘定をやっていた。
そうあの屋敷の采配もふるえるのに、ひとつ月幾ら使えるのか、何をどうすればいいのかわからないとは?
一番驚いたのは、その辺でスーパーで、買い物ができなかったことだ。
いや買い物はできるが、どこで何を買うということを理解できない。そして、金の使い方が貨幣の種類も分からなかった。お金は天から降って来るものだと思ってた節もある。
まあ、屋敷にいて、自分の好きなものは百貨店の外商が持ってくる。そこから選べばいい。時間があれば店に行ってアレと、コレととサインしてお願いすれば、家に屋敷にもってきてくれるのだから。
食事は料理人が作ってくれるのを食べるだけ。食べたいものを告げればできてくる。
夜は会食や接待などパーティーに出ることも多く、殆ど外だった。現金など持って歩くことのない生活だったんだ。なので、
「きゃー、これがニンジン?」
なんて騒いだり、お菓子売り場で大量お菓子買ってしまったりと、まるで初めてお小遣いをもらった子供のようだった。
そんな感じで、最初の一週間は義母がやらかすことが面白く、楽しかった。
それがひとつ月になると大人でなのに何故できないと、叱責する事が多くなる。ふたつ月目には喧嘩ばかりになり、もう無理と屋敷に帰るという義母を身体で繋ぎ止めた。畜生に劣る所業だと思うが、今、彼女を失いたくなかった。
そんなやさぐれた生活も3ヶ月目に終焉を迎える。
ジジイがふたりのアパートへ来た。
「楽しかったか?おままごとは」
ジジイが言い放す言葉は自分と義母のどちらに向けたのかわからないからのに、自分の心を抉る。だからにらみつけた。そしてこちらに視線を寄越すと
「この暮らしが、好きな女を満足させる暮らしか?あぁ?」
畳返すように叱責が繰り返された。
「女を満足させる事は下半身だけか。嘆かわしい。アレは丹精込めて世話をされて咲く薔薇た。そこでしか咲かない。他の場所はないのは分かっただろう。全ての根回しは済んでる。お前は佐々木家から勘当されたことにした。その身は、ワシが預かる。今後一切の自由がないと思え」
そうジジイは、兼ねてから目につけていた、自分を手にいれるために、娘さえ手駒にしたのだ。
そして、自分は鷹司へ連れて行かれ。義母は、佐々木家へ戻された。その時、義母はワシの子を腹に宿していた。それを知った時、ジジイの恐ろしさ、合理主義を知った。
義母は佐々木家の若奥様、そういずれは総理にと呼び声の高い国会議員佐々木修造の妻だ。その地位を確固たるものにするために、自分は使われた。それも佐々木修造の血を引く者として。
ジジイは自分の娘の子を佐々木の後継者として望んだ。それには最大の問題があった。その問題をクリアするために、ワシの存在は必要だった。一緒に生活するうちに芽生えた感情。それに油を注いで、火をつけた。頃合いに火消し。そしてジジイは自分の望みを二ついっぺんに手にいれた、佐々木家に自分の血を引く後継者。血を必要としない鷹司には能力のある後継者。これがジジイ、鷹司宗一郎の手腕だと。
すると全てのピースがはまる。
実母、産みの母は自分が、小学生高学年の時に死んでる。
その前に、実母は、
「ふふふ、もうすぐしたら、贅沢な暮らしさせてあげるからね」
と独り言のようにワシに告げていた。そしてまもなく、早朝の首都高で単独事故で死んてしまったのだ。そして、父に引き取られた。
そうか、アレも。だから、初めて会った時の義母の言葉があるのか。
そしてそれからはジジイの跡を継げるように、色々な教育が始まった。
教育かぁー。そんなことが口からこぼれたのか、それを継ぐ様に
「本当に色々お教え頂き、林田さんにはお世話になりました。知り合ってかれこれ10年ですね。あの時に声をかけて貰わなかったら、ここまで会社を大きくする事できなかったと思います」
そんな事をボンが真面目な顔して、言う。
「よせ、照れるじゃないか」
「えっ!林田さんも照れるんですか? 驚き」
そういえばこのボンもうちの息子と同じ年 か、その軽口に自分が癒されていたことを、今さらながらに知る。息子とのような親しい会話。ワシが望めなかった親子の関係のようだ。
たがらボンを知った時に、こいつに全てを叩きこもうとしたのか、望めなかった親子の関係のように。
そう、鷹司に引き取られ、ジジイの言葉通り、それからは、一切の自由はなくなった。学校へは車での送り迎え。下手すれば学校の門までジジイが待っていた。
ジジイについて回り、顔を名を覚えてもらう。
「宗一郎さん、此方は?」
「薔子が育てた修造の息子だ。見込みがありそうだから手元においてる。今、彼方は忙しいからなぁ」
それだけの説明で済むくらい有名な話だった、自分の存在は。
そう世間にはタイムリーな話題だった。義母は子供を孕んだ、待望の嫡子だ。だから邪魔な庶子は家を出された。とそんなシナリオができていた。そして、待望の嫡子を守る意味でも外祖父が庶子の面倒を見ると。
うまいなあ、これが大人の世界かと思った。
その上、産まれた子は男だった。
運命まで味方にする男、それが鷹司の総帥。
子供ながらに戦慄を覚えた。これが戦後最強のフィクサーと呼ばれる男の実力なのかと。
そうして、ワシの存在が世間の噂にのると、何度も、誘拐とか、人質にしたりとという事件が起きる。
ジジイの可愛いがる孫ならジジイの考えを変えられると思ってだ。そもそも、そんなことで意見を翻す事などあるわけない。だからこそ、切り捨てられる血の繋がりのない孫を後継者に選んだのだから。
そして、いつこの身をこの縁を切られるかとびくびくするよりと、せめて自分の身は自分でと、合気道を習うことにした。ジジイの用心棒のひとりが師範だった。
「坊っちゃんは、守られる側に居るもんだと思いました。なぜ?」
「この間人質になった時に、守られる側も守る側の認識とせめて自分の身は自分でと思いまして」
「そうでしたか。怖い思いされたのですね。なら強くなれます。怖さを知っている方が知らないよりその怖さに耐性ができますから」
そんな事を口にした。
合気道は性に合ったのか大学時代に、師範までいった。
学校を出て機関投資家なり、危ない橋を渡ってるときには、随分と助けられた。ジジイほどではないが、株で一文無しになった輩が腹いせがわりに刃物持って来ることが少なくなかったからだ。
まあ、たまには刺されたこともあるが。
だから、目の前の若造が心配だったのだが、それは杞憂だった。
そうお金を失っても、時代が変わり他人に恨みを言うということがなくなってきたのだ。そう、人にいう前に、自分で自分の人生をお終いにすることの方が、早く確実にこの世界からオサラバできると。
「で、司グループをどうしたらいいですか?」
ふと現実に戻された。ああ、機関投資家を辞める話か。
「好きにしろ。別会社の方が良ければボンがトップになれ、使い難いなら投資会社の一部門にすればいいだろ。グループ内には通達が行っている。なので、いるのは残留希望者だ」
「仕事が早いですね。さすがだ」
「誰にモノ言ってる」
声を大きくしたら
「大きい声は怖いからやめて下さい。僕は小心者なんてす」
なんてぬかす。ならもう少し脅してやろうと、
「次会うときは、鷹司の総帥としてだなぁ」
「そんな、気軽に話せないじゃあないですか」
「なんだ、話かけないつもりか」
「わかりました。ちゃんと声をかけて差し上げます。ところで、あのガラス工場の根回しは?」
「ああ、済んでる」
「さすが、ちゃんと新しい仕事も早いんですね」
「新しい仕事でなく、本来のなぁ」
「なんか嫌だなあ、キョウコさんもだけど、林田さんまで遠くに行ってしまう感じがする。それにもう林田さんではなくなるんですよね」
「ああ、鷹司になる」
「林田さんは命だけでなく名前もいっぱいあるんてすね。絵本のボス猫みたいだ」
「なんだそれ」
「明日香が好きな絵本というか童話なんですが、一緒に読んでるんですよ。主人公の猫がその猫に名前はと聞くとそのボス猫は『まあ、いっぱいあってなあ』って言ったら主人公はそのボスの名が『いっぱいあってな』だと思ったんです。そのボス猫は通い猫で場所場所で違う名前て呼ばれているという話ですよ」
「で、ワシがそのボス猫みたいだとか?ああ?」
「ボス同士で似てますし、名前もいっぱいあるんでしょ?」
からかうようにそう言ってきた話を聞いてるとふと、思い出した。
「名前を、苗字を変えたくありません。母が唯一残したモノですから」
そんな我が儘も小さな子の健気な願いと映った。
「好きにしろ。ただ、中学からは佐々木を名乗ってもらう」
そう父が言った。
父と会話はそれだけしか記憶にない。
そうか、ワシは名前がいっぱいあるなあ。
「で、ガラス工場はこんな感じになりますね」
再び現実に戻される。
ああ、とうとう言わなくではいけない台詞を言うときが来たのか。言えばボンがどんな顔をするか分かりきっているのに。言い辛い。
だが、もう新興の投資会社では手に負えない所まできている。
なので口を開いた。
「ボンよく聞け、今回のこの仕事はお前には無理だ。手を引け。お前の代わりに、ワシがやる。日本で初めての経済特区なんて、投資会社の仕事ではない。ガラス工場の投資は受ける、トップに名前を入れよう。それで、手を打て」
そう言うと、ボンは目を丸くし、憤りと驚きを一緒にした様に
「でも、僕がやるってキョウコさんに言ったし」
分かっていても反論してくる。
申し渡す様に繰り返す
「分かっていると思うが、まず財界をまとめ、各省庁に根回しして、街をひとつ作るのだ。そんな事、お前の台詞ではないが、できるのはワシだけだろう。それに、こんな危ない、他の利権に手を出す仕事は子供のできたばかりのお前には荷が勝ちすぎだ。文句は聞くが、これは命令だ」
そう守るべき者のいる仕事ではない。
「お前は自分の会社潰したくないだろ。もしくははあのババアの始まったばかりのもう一つの事業を頓挫させたいか?ああ?」
「林田さんやめて下さい。僕がうんとしか言えない事を出すのは」
「ワシは全ての目を潰して先に進む。これはワシしかできない。それにはお前が邪魔なんだ。わかっているから言ってる。お前とかババアを取られたらと思うと、震える。だから、ワシの側にはいるな。欲しがっていた、投資グループもやる。それで、少し遊んでろ。そしたらババアの夢みたいな街ができる。それから、お前たちがその街を大きくすればいい」
「林田さん、僕がもっと大人で、力をもっていたら」
「ボンが大人になったらつまらんだろう。それに今、その力を持っているのはワシだ。ジジイから日本を良くしろと継いだのもワシだ。もうモラトリアムにもそろそろ厭きた。良い歳だしなあ。?そろそろ実力を出させてもらう」
そういい、部屋を出ようとしたら、ボンは
「林田さん、いいえ、鷹司総帥の前途を祝い一献を」
と言い、グラスを持ってきた。
仕方ない付き合うか。
そして、昔話を始めた。
この事実を知っていることで、ワシが道を外した時に、ワシを脅せるように、佐々木家と鷹司の秘密をボンに教えた。
いや、ワシの今までの人生を誰かに知って欲しかったんだと。ああ、年をとるのは嫌だな、少しセンチメンタルになる。
ちょっと、林田さんが暗躍し始めたので、その素性を閑話でいれました。
後、中国の保護とかで、誤魔化したけと、色々な保護があるんでわたしもよく理解できてないので簡単に流しました。




