エピローグ14 side 須藤旬
「やっぱり、ハバア絡みじやないか。はん、もう、あのハバアと出会った事にお前の運は半分以上なくなっているよなぁ」
林田さんの言葉で現実に戻る。
そう言いながら、ひきつる様に口を左右に引っ張った。これが林田さんの気を許した笑い顔って知った時は驚いた。人をバカにしたような顔だよな。
「しかし、あのハバアの会社も出来て3年か?」
「そうですね。まあ最初に計画した様にはならなかったんですけどね。本来はキョウコさんの作品を商品化するとしたのに、いつの間にか、ハンドメイドの支援する会社になってますから。この間は羊飼って羊毛作るとか、言ってました。そして、今シンガポールに会社設立ですから」
「羊って、おい、それでいいのか? お前がCOO. だろう?」
「そうなんですが、例の老舗チームが一枚噛んでいるので、その羊は純粋に僕の指揮下にはありませんよ。あの連中は、僕を出し抜きたくて仕方ないみたいですね」
「はははぁ、嬢ちゃんとババアが出し抜いたのでいい気になってるのか。面白いなあ」
「ワシは、あのまま向こうの会社から戻って来ないと思っていたからなー。何で戻って来たんだ?」
突然、話を戻らされた。
「キョウコさんに叱られたんです。皆周りがカネカネ亡者だとか言ったら」
とあの時言われた事を語る。
「須藤クン、そんな事ないよ。ちゃんと周りを見て、皆心配してくれてるよ。宮城さんだってヨッシーだって、ね? だから側に、一緒に仕事してくれたんじゃない? もっと近くで心配したり気を揉んだりしている人いるでしょ? ちゃんとおうちに帰って、お父さんやらないと、須藤クンが色々思っている自分のご両親より最低な人間になってしまうよ。自分の子供を産んでくれる人を大切にね。自分が受けた悲しい思いを自分の子供にはさせないくらい思って欲しいの」
そうキョウコさんはいつも僕の目を覚ましてくれる。愚かで、幼い僕を叱って、ちゃんとしなさいと。
「だから、里依のところへ戻りました」
「ふん! 結局、ボンは、ボンなんだな」
そういえば、さっきから僕を呼ぶ時に昔の愛称ボンに戻っている。林田さんにとって僕はまだまだボンなのかと思う。だから聞いて見たくなった。
「なんですかそれ」
「自分の事を自分で考えられないんだよ。誰かに何か言われると怒って不貞腐れ、引きこもっている癖に、自分のケツの拭きか方も知らねえ。嬢ちゃんは子供産むと決めて、お前を強請ったかも知れないが、きちんと子供を産むと決めた、それもひとりでもと。お前から嬢ちゃんに何かしたことは、ちちくりあって子供を作ったことくらいで、他はないんだろ。それだけだ。もしあのババアが責任取って側にいてと、お願いされたらそのまま側にいて、不幸な女を2人作った事になったんだよなあ」
林田さんの明け透けな弁に、僕は恥ずかしくなり、
「やめて下さいよ、ちちくりあうなんて、そんな」
反論する。
「綺麗事言うな。やってる事は同じた。子供が出来たんだから、男として責任取るとなると、すぐ結婚すればとか言うが、それは本当に責任取ったことなのか? 現に、愛人に諭され妻を立てるように言われるなんて、男してどうかと思う。まあ自分が言えた義理ではないが」
ちょっと含みのある言い方に疑問がでる。
「うん?林田さん?」
と訊ねて見た。
ちょっと、林田さんのプロフィールを盛り込みました。
そうしないと終わらない。




