第3話
それから1か月が過ぎようとしていた頃。
「君、政府の人だよね」
その女性はボクを睨んだ
「凄いな政府は、情報がほとんど無いんだもん。1か月探し回ってやっとそれらしき人を見つけたよ。見る限り24歳くらいかな、その若さで政府に入るって、君エリートだね」
「あなたね、最近私達を嗅ぎ回っている人っていうのは」
「バレてた、上手くやれてると思ってたけど」
「政府を舐めすぎね。色々な面で」
「政府の上の者に会いたい」
「話し聞いてた、あなた舐めすぎ」
「ボク達には時間がない…会わせてほしい」
「無理ね。それだけ、私忙しいの」
「この世に無理なことは、存在しない。もしあるとすればそれは君の思い込みだ」
「話にならないね」
「君の力が必要だ。世界を本当に良くしたいと思うなら協力してほしい」
その女性はその場を離れて行った。
ボクは女性の後を追った。バレないように。
「エリス!遅いぞ!」
女性は背の高い男性に叱られていた。
「申し訳ありません。例の嗅ぎ回っている者に接触されまして」
エリスの言葉を遮るようにその男性は言った。
「言い訳などいらん!エリートとなど呼ばれて、約束の時間すら守れないとは、使えん奴だ」
エリスは頭を下げた
「申し訳ありませんでした」
男性は舌打ちをした。
「鼻からお前に期待などしていない。お前がいるとチームの成績が下がる、これ以上足を引っ張るな」
そう言い男性は建物の中に入っていった。エリスもその後をついていった。
「ここが拠点か」
ボクは建物をぐるっと一周して中に入れる場所を探した。
「正面にしかないか」
しばらく建物に入る人達を木に隠れて観察していた。
「今ので12人目か、戦うとなると多いな」
ボクはじっくりと待つことにした。チャンスが来るのを。
3日が経ち、情報が色々掴めてきた。
12人は4人1組の3チームに分かれて行動している。
ウーティス国をそのチームごとに監視をしている感じか、国戦が戦争にならないように警戒しているのか…
それから4日が経ち、ボクは毎日朝1人で行動しているの男性の行動が気になった。
その男性は1週間前にエリスを叱っていた人物だった。ある朝、ボクは後をつけた。
拠点としている場所から、5キロほど離れた場所に立つ会社に入って行って。
ボクは目を瞑り、神経を耳に集中させ、中の会話を聴いた。
「順調にことは進んでる」
「そうか、なら良い」
「ただ、そちらの女性の新人が、うちの会社を怪しんでいるようで」
「無駄に感がいい奴だ。それはこちらで対応する」
「では次はどこの街のルーキーを狙えばいいでしょうか」
「次はここから北に50キロ行った先にある街を頼む。私チームが明日そこに向かう予定だ」
「わかりました。では明日そちらの街に人造人間を送ります」
ボクはそこまでの会話を聴き、拠点となっている場所に戻った。
「エリスくん、また会ったね」
ボクは1人なったエリスに話しかけた。
「何故ここにいる、どうやってここを探した」
「尾行が趣味で」
「悪趣味ね」
「それより、今怪しんでいる会社は、注意した方がいい。君の感は当たっている」
「どうゆう意味、何故あなたがそれを知っているの」
「自分の情報は知られず、相手のことは隈無く調べる。この世界では情報が命だ、正確な情報はそれだけで価値がある。君にはいらない情報だったかな」
「誰からの情報なのかは、正確かどうかを判断する大事な要素だと思っていますよ」
「信じてくれて嬉しいよ」
「逆です。誤った情報として受け取りました」
「ショックなんですけど…そこまで疑うとか。君友達いないでしょ」
「信頼できる人物が1人いればそれだけで十分です」
「そっか、でも気をつけなよ。組織が大きければ闇もそれに比例して大きい場合があるからさ」
「それってどうゆう意味」
ボクはその場を去った。
「なにあの人」
信用はできないが、嘘を言っているようには思えなかった。
次の日、私は怪しんでいる会社の見張りを強化しようと思い、上司の人に相談した。