第1話
後にこの6人がこの国に革命をもたらすことになる
あれから6年
ルイス24歳
「グリッタ青年にはこの国がどう見えている」
ノアさんはボクをグリッタと呼ぶ。
経緯は『雷→光→きらめき→グリッタ』こんな感じだろう。
「そうですね、窮屈に見えます。父の絶対王政は見るに耐えない。皆が父に従う、そうしなければ命がないから。間違いを犯していても誰も何も言えない。このままではこの国は覇権争いに遅れをとる」
「グリッタ青年の父は偉大だった。7つの会社を1つにまとめる事でこの荒れた国を治め。今の環境を作った。少し前までは世界四大Co.の一つにもなっていた。だが時代の変化は早い、いくら偉大とはいえ、変化出来なければ置いていかれる。我欲を優先する生き方はいつもうまくはいかないものだ」
「父の強さはボクも知ってます」
「その人柄と強さは皆の憧れ。まさに英雄だった」
「それも知ってます…」
「では世界はどう見えている」
「争い。どこの国でも争いがあり、世界の覇権をかけて会社が戦いをしている。ボクは争いではなく協力する方法を見つけたい。足りないところを互いに補う様な関係になれないか、その方法はないのか。ボクはそれが知りたい。戦わないでこの世界を統一したい。でも理想だけではなにも変わらない、だからやる時はやるよ。そのための準備はしている」
「争いはいつの時代も起こる。そして争えば当然勝者が生まれる。遥か昔この地球には多くの生物が存在していた、人間はそれらを絶滅させて頂点に立った種族だ。その人間はまだ争いをしている。世界を統一したらこの世界は良くなるというフィクションを信じている人間を止める術はないものかね…これ以上なにを求めているのか」
たまにノアさんの言葉の意味を捉えられない時がある。
「素晴らしいものは拙く見える。大きな木、太い木、細くて長い木は使い勝手がよくすぐ切られるが、歪な形の木は切られずに長く育つ。グリッタ青年は賢い。その才能をあまり人には、見せない方がいい」
「ノアさんが会社を作らないのはその為なの?」
「わたしは自然で在りたいだけだよ。あの森の様にね」
ノアさんと出会って4年ほど経つけど、この人を超えることはできないとつくづく思う。
ボクはこの人の伝説をいくつも知っている。ここの景色が好きだからと言って街に攻めてきた、当時最強と言われていたクロノスと互角に渡り合ったこと。世界の4大Co.すべてからスカウトを受けそれを断ったこと。他にも色々あるが全てめちゃくちゃだ。
ボクの知る限りノアさんが1番強い。