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プロローグ:十字路で

 僕は高校二年生の霧原井雫(きりはらいしずく)。平凡な男子高校生だ。身長は中の上。成績は上の中。運動は中の下。髪型はショートマッシュ。趣味はゲーム、アニメ、漫画...。そこらへんに居る有象無象の内の一人を担わせて頂いている平凡な男子高校生なはずだった。友達が全然居ないことを除けば。

 僕にとっての日常。周りにとっての非日常が僕を襲う。


 「雫さん。おはようございます。今日は良い天気ですね。カバン重たそうですね。持ちましょうか?」


 「しずくん。こっちに来なさい。(みのり)お姉さんが可愛がってあげるから」


 「雫、あなたの持ってる財布汚いわ。捨てなさい。そして私とおそろいの財布を使いましょ。高級品よ。あと、その財布は私がちゃんと処分しとくから私にあげなさい!」


 「しずくっ!おっはよー」


 清楚、お姉さんキャラ、ツンデレお嬢様、天然。

 僕は学年で人気の美少女4人に好意を抱かれている。それもかなり重めのである。

 何故このようになってしまったのか?月日は二ヶ月前に遡る。


 5月。放課後の帰り道のこと。

 僕は見つけてしまった。よくある住宅街の十字路で、横たわっている犬の姿を見つけてしまった。車が一台半ほど通れるくらいの狭い道の十字路の真ん中だ。

 僕は獣医を志望していることもあり、動物が大好きだった。当然体が勝手に動く。十字路の真ん中に横たわっている犬の方へ急いで駆け寄った。


 「タイニープードルじゃないか!野良なのか?首輪がない。衰弱しきってる。捨てられたのか?可哀想に、大丈夫だぞ」


 僕は犬の看病に必死で必死で周りが見えていなかった。その時だった。


 ((((好き))))

 

 僕の前側から清楚系美少女、鉛前春香(なまりまえしゅんか)。右側から天然はつらつ系美少女、右方寧夏(うかたねいか)。左側からお姉さん系美少女、喜佐谷(きさだ)(みのり)。後側からツンデレお嬢様、道後町冬姫(どうごまちいぶき)

 十字路の全方向からそれぞれ現れたのだ。


 この4人。僕のことを同時に好きになったらしい。しかも高校二年生にてこの4人は初恋らしい。

 初恋が遅すぎた所為なのか理由は分からないがアピールが行き過ぎている。

 4人からしたら、お互いに三人もライバルが居ることが確定しているためより一層愛情表現が過激に成り今に至る。


 「私の食べる?」


 「いいよ自分ので充分」


 「あ、春香ずるい!私のも食べて。高級シェフに作らせたの」


 「だから一人ので大丈夫」


 「しずくんは(みのり)お姉さんを食べていいよ?」


 「だかr...ブフっ。ば、馬鹿言ってんじゃねーよ。てか同い年なのにお姉さんとかやめろって!」


 「えー、3ヶ月年上だよ?」


 「それ年上っていうのかよ!?...ってこのやり取りn回目!!!」


 「あーみんなずるいっ!私も一緒に食べる」


 「一緒に食べるって勝手にこいつらが食いに来ただけだからな!寧夏(ねいか)!」


 「じゃあ勝手に一緒に食べる」


 「ってか!シャツ開いてる!...閉じろって」


 「あっ!ほんとだ。私抜けてるってよく言われるからさ」


 「いや、もうそれはわざとの域だぞ!」


 僕は高校からずっとぼっち飯だったのに、いつの間にハーレム飯になったんだよ!レベルが上がりすぎだろ。レベルが上がりすぎて僕の精神がついて行けてない。これからも置いてかれるのだろう。

 あの時の犬は結局飼い主が見つからないので僕が家で飼っている。




 これは、十字路で同時に美少女4人に好きになられた僕の青春恋愛譚だ。

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