3/6
普通で普通な普通の人生。
周りには誰もいない。
赤く染まった窓の外。
時折黒い鳥が我が物顔で飛び回る。
だんだん沈んでいく光。
もう、こんな時間か。
時計の針は縦一本。
そろそろ帰る時間だ。
最終下校時刻なんて知らない。
僕は帰りたいときに帰る。
ただそれだけ。
それ以上でも、それ以下でもない。
食べたいときにご飯を食べて、
寝たいときに布団に入る。
普通の人間の普通の人生。
普通でしかない僕はこれ以上を望まない。
いや、これ以上なんてないのだ。
僕は普通でしかないから。