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黄金色の涙 1945 himawari  作者: 日南田 ウヲ
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後編⑬

 

 ――そう、鬼頭竜二とこいつがあの日、あそこに居ったんや


 揺れる地下鉄の中で近松はその言葉の意味を考えていた。曽根崎警察の資料室で壇吉が言ったこの言葉。

 あの日とは浦部が早朝の東三国から新大阪へ向かう交差点で何者かにひき逃げされて重傷を負った日の前日の夜のこと。

 金縁のサングラスのフレームに指が触れる。触れたサングラス越しの向こうに地下鉄の窓ガラスに自分が映っている。

 窓ガラスに映る自分の頭に被さった白い帽子の姿が地下鉄の窓ガラスに映っては消え去ってゆく。

 地下鉄は浦部の入院した病院まで行く。

 到着駅は新大阪。

 そこから猛暑で汗ばむ中、歩かなければならない。

 手にした扇子を開いてパタパタと音を立ててシャツを開く。地下鉄のクーラーの涼しさを少しでも感じておこうと思うそのしぐさの中に、再び壇吉の言葉が浮かんだ。

 それは実に奇妙だった。その肉声を思い浮かべる。


「後なぁ…松ちゃん、この鬼頭。実は朽木の付近にあるTの出身らしい。Tゆうたら殺された田川洋子の実家近くや。不思議や、この二人にも何かあるんちゃうかな?」

(壇吉よ、何かあるんちゃうかな?やないで。あるんや…、ここまで符合することなんてそんなにあるか)

 近松は座席を立った。立つと帽子の鍔に手を掛けた。それを目深く被る。

 地下鉄が新大阪駅に着いたのだ。近松は多くの降車客に交じりながら駅の改札へと歩いて行った。


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