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【4】


【4】


頭を撫でている優香に視線を向け、見上げる。

幸来も私の髪を柔らかい猫毛の私の髪を、触り心地がいいと言っていた。

当の本人の私はといえば、量の多い髪が羨ましく感じている。湿気があれば髪がはねやすく、寝癖もつきやすく、ワックスなんて少量でないと逆効果だからスプレータイプでないとダメになるこの髪質には、困っている点の方がすぐに浮かぶ。

「性格も美空は柔らかいよね。もっと、理解してもらおうと思ったらいいのに」

「んー…話さないといけない部分は話しているよ?そうしないと、長時間話さないといけないし」

別にこれくらい普通だと感じている思考の早さも、他人がどう考えているのかの感じ取り方も優香からすると早いと感じるらしい。

ルカに話してみたら、苦笑を浮かべてこう言われた事がある。

『他人の感情に敏感に感じ取れるから人見知りなのかもな。何か作業している時には、作業に集中できるから疲れないけど、そうじゃない時には感じ取れなくていい事まで感じ取れてしまうから疲れてしまう』

その時は、ルカの言っている事に納得する事ができずにいた。

そんな善人ではないし、他人の感情を察する事が苦手だ。苦手だから、作品を制作するようになった時、努力しようといろいろ見て、読むように気をつけていた。心理学関係の本、小説、映画、人間観察、感情に触れる事ができる事には、時間の許すかぎり行動するようにしていただけ。

「それに、二人が理解してくれているなら、今はそれでいい」

そう言うと、優香は苦笑を浮かべている。

「あ、ついた」

後ろからの冷たい幸来の視線から逃げるように、喫茶店に入った。

 

帰宅後、就寝前になって、ベッドの上で私はスマートフォンをいじる。

睡眠を考えれば、よくない事だというのは知っているけど、明日は早く起きる必要がない状況では、(ま、いいか)と感じてしまう。

ゴロゴロ転がりながら、心の中に浮かぶ単語を書きとめていく。

恋愛というのは、自分中心の恋と相手中心の愛をいったりきたりするから、切なくなって胸が苦しくなるのだという。

だとするのなら、私は優香を愛しているし、幸来に対して恋している。

自己分析をしてくれる冷静な自分が淡々と事実をつぶやくのを聞いて、深いため息を吐き出す。

「……人の敵になった気分」

多数の恋愛対象に同時に現実に手を出す人を、女の敵と表現される事があるけど、それって今の自分にもあてはまっている、気がして自己嫌悪におちいる。それでも、自分の中にある感情は他人に自慢したくなるほどに、自信がもてるほどに純粋なのだと感じている自分もいる。

今日はこれ以上、メモにむきあっても何も出てこない。

そう感じて、サイトを検索していくと、ある花の画像にたどりついた。

ハーブの花で、花屋で花束にされるような花ではなく、小さく、可憐な花だった。

 

 花の名前は、ローズマリー。

 花言葉は、変わらない愛。


お読みくださり、ありがとうございます。

今回の更新は短めです。

【8】で完結予定なので、残り半分。

9月下旬まで、なるべく早く更新できるように努力します。

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