雲郷、友情の花摘み
雲郷は高校生です。
ふぅ~、冷や汗をかいている俺すら美しい…。
コーヒーを買っておいて良かったぜっ!おかげで、クラスメイトからも「また、コーヒーこぼしのかよっ!ほんと、モーラスはうっかりやさんだぜっ!」で、済んだからな…。
だが、問題は今!この俺、モーラス!今すぐにでも、もーらしそうだっ!!!!だが、今は授業中っっっ!しかも、先生は授業中にトイレを行くことを絶対許さない、金剛道断先生!こりゃあ、まずいぜ!
「よぉ、モーラス。ライトノベルにいそうな有能な友人の俺がお前に聞くぜ?なんか、やべえ!って顔をしているなっ!」ボソボソ
こいつは、讃岐饂飩。さすが、ライトノベルに居そうな有能な友人だ。俺のピンチを嗅ぎ付けてるぜ!
「そうなんだ…。トイレにお花をつみにいきたくてなっ!」ボソボソ
小声で、俺は讃岐に返答する。こいつなら、なんとかしてくれるっ!
「なるほどな…。それならこの讃岐におまかせ!俺が万事解決してやるぜ!」ボソボソ
な、なんだと、讃岐。この状況、あの金剛先生相手にどうやって俺をトイレに導くというのだ!ま、まさか先に自分が漏らすとかではないよなっ!?それは、他の学生の勉学に著しく迷惑がかかるぞっ!
刹那、讃岐が取り出したのは風船!!!大道芸部で磨いた風船芸が今光る!!!
さっと、取り上げるは学ラン!!!なんと、風船に学ランを羽織らせる!!!
学ランからはみ出た風船の部分に雲郷の顔を描けば!!!!!!!!!
「ほおらよ…。モーラスの完成さ…。なあに、簡単さ。モーラスが二人になればいいのさっ!!!」
さ、さすがだ!讃岐…!これで、俺がトイレに行っても、金剛先生は気付かねえ!
「あばよ…。お花畑に行ってきな!」
そういって、讃岐は俺にグッドラックのサインを見せる。まったく、俺は良い友人を持ったぜ…。
鍛え抜かれたサイレントイレにより、俺はトイレへ向かう。
漢の友情に花が咲き!漢はそれにて花を摘み!もらすべきは漢の涙!
向かえ雲郷、花道へ!
雲郷、勝利!!!!
ちなみに、男の場合は「キジ打ち」という話を聞いたことがあります。もちろん、雲郷・モーラスは男です。