子爵邸の人員は?!
いよいよ本格的に学んでいかなければ!と気合いが入っているロウジですがその前にまだやる事が。
すみません、少し長くなってしまいました。
「おはようございます、ロウジ様。起きてくださいませ」
「う、あ。あ、おはようございます。アンさん。ありがとうございます。」
「はい。まだ朝食には時間ありますがお顔洗ったりお召し物の取り替えなどを手伝わせて頂きます」
「あ、はい。・・・え?あ、いや。それは」
目を覚ますとベッド脇にアンさんが立っていた。
「正式にわたし、アントワンヌ=ナースル。アンがロウジ様専属となりましたので入浴等やお食事等のお世話をさせていただきます。」
「えっと。顔は自分で洗えるのでタオルを渡して貰って良いでしょうか?」
確かなんかの映画でそんなのを観たような。
風呂場、というか入浴室というらしいがそこにある洗面台を見ながら言う。
「はい。わかりました。」
「それと着替えは・・・うん。すみませんが入浴と一緒で慣れるまでは手伝いをお願いします。あ。昨夜で充分懲りましたのでトイレは手伝い要りませんから。」
「はい。」
良い笑顔だね〜。
じゃ、なくて。
昨夜も着替えを用意してくれたんだけどなんかシャツにボタンが多いし少し硬い素材みたいだし。ジャケットみたいなのあるし、鏡無いし、で手伝いをお願いしていた。
入浴に関しては・・・お湯の沸かし方と水の出し方から分からずに右往左往してるところにアンジェリカさんが様子を見に来てくれて教えて貰った。・・・うん。アンジェリカさんも目のやり場に困りながらだったけど俺もすごく恥ずかしかった。
それにトイレ。便器は陶器だったしやっぱり魔石がはまっていて水で流してくれるんだけど・・・・拭くのが薄い布なんだよね。それを空桶の中に入れて置くとメイドさんが時間で回収して外でまとめて燃やす、と。
薄いとはいえ布で拭くのが、ねぇ。
それに昨夜は拭き終わったのを流してしまって詰まらせちゃったんだ。
普通は1枚2枚流しても詰まらないようになってるらしいんだけど。
これはやっぱりメイドのアンさんが一生懸命取り出して直してくれたんだけど。しばらく頭が上がらないよ。
「青の1月に入ったとは未だ寒いですから。昨夜のロウジ様のお姿は寒く見えました。」
うん。Tシャツ1枚というのは日本の5月の室内だったら平気だったんだけどこっちでは寒かったよ。
「青の1月?」
「あ、はい。こちらの大陸では1年を4つに区切り草木が芽吹く青の季節、暑さが激しくなる朱の季節、暑さが緩み高山に雪が散らつく白の季節、寒さが厳しくなり場所によって雪や霧に閉ざされる玄の季節としています。そしてそれぞれの季節に3ヶ月、30日一月とした月が3つあるという形ですね。」
「なるほど。今は青の季節に入ったばかりという事なんだね」
肌寒さから言うと3月か4月頭くらいの感覚だろうか。そして1年は360日か。
「はい。今日は青の1月10日です。後から探してみてあれば暦をお持ちしますね。」
「うん。よろしくお願いします。あ。ありがとうございます」
洗面台でスイッチ、というかボタンを押すと水やお湯を出す魔石というものを使って蛇口から水が出る。・・・解析でも材料しか分からなかったのでぜひこの仕組みは知りたい。そこで顔を洗いタオル・・・ぞうきんみたいにただ布をまとめただけのものを受け取りながら礼を言う。
「はい。」
昨夜あの後バートさんが執事のマクイーンさんとメイドのアンさんを呼んで俺についての説明をしてくれた。
2人は静かに聞いていたけど証明として称号を神器の保管人に替えて鑑定して貰った際にかなり驚いていた。そしてそれを含めて俺の出自は内緒に、という事にも納得いったようだった。神器使いという称号はあると知って俺もビックリしたのだけど。
・・・しかしついでに教えて貰ったけど鑑定を始めとしたいくつかのスキルが金銭を支払うことで他人に教えて貰う事が出来るとは。
教えて貰うというかまさか自分のスキルを譲渡したり他人のスキルをコピーして受け渡せるようなスキルまであるとは思わなかった。
ギルドか神殿で、とか言ってたけど。
まぁ、細かい事はまた教えて貰おう。
「お早うございます」
「お早う、おう。」
「お早うございます。まぁ」
「お早うございます。あら」
身支度を整え食堂へ入り挨拶を交わす。
「?」
なんだろ
「・・・ふむ。」
「「ふふ」」
「良くお似合いかと存じます」
「あ、ありがとうございます」
執事のマクイーンさんが言ってくれて分かった。俺の服装か。
「うむ。息子のお下がりで済まないと思うが取っておくものだな。良く「ロウジ、良く似合ってると思いますわ」似合ってると思うぞ」
「ロウジ様お似合いです」
・・・・うん。バートさんとハイネスタさんの被る発言はもうそういうものだと思う事にした。聞き逃さないように気を付ければ良いだけだし。
同じタイミングで話すわけじゃないからハイネスタさんが自重すれば良いだけの話だと思うんだけど・・・・なんだろね。
ま、夫婦間での事は下手に口出さないに限る。
「他に着替えが無くてどうしようかと思ったので助かります。でも良いのでしょうか?」
息子さんのお下がり、って言ってたけど。
「うむ。今も言ったがお下がりで済まないが、な。着られるようでなによりだ。」
「何着か見繕って部屋に届けておきますからどうぞ気兼ねなく着てくださいね」
「はい。本当にありがとうございます」
それよりも
「バートさん、それは何を見てるんですか?」
「ん?これか?王都発行のニュースペーパーだな。5日に1度発行されるのだが国内のその間にあった出来事や前回の出来事がどうなったか、などが分かるのだ。」
やっぱり新聞、なんだよね。
「王都からこの村まで5日もかからないんですね。」
「ん?・・・あぁ、そういうわけではなくな。転移魔法があるおかげだな。個人の魔法でもそうだが王都と主要な街や村には転移陣が置いてあり転移屋も居るからな。誰でも銀貨1枚払いさえすれば行き来出来るのだ。」
「そんなものがあるんですね!」
なんとビックリだ。
「個人で毎回銀貨1枚は高いですけどね」
「そうよねぇ。それだったら私なら銀貨3枚払ってでも転移魔法教えて貰うわ。」
ハイネスタさんとアンジェリカさんの会話にまた驚かされる。
まだ聞こうとしたが食事になってしまった。
また今度にしよう。
「ほんとう。昔のお兄様が戻ってきたみたいです」
皆が祈りを捧げてる間やはり俺だけがいただきます、と違う挨拶をして食事が開始される。
今朝の食事では皆が席についてからテーブルに並んでいた空のスープ皿にスープが盛られていった。
やはり昨夜の空皿は謎だ。
ふむ。
「それでその息子さんは今は?」
そういえばテーブルの席もハイネスタさんの正面で俺の隣が空けてあるしな。
これはわざとなんだろう。
館に居るのだろうか。それとも村にかな?
「・・・うむ。まぁ、息子についてはまた話す事もあるだろう。今は「居ないですからね」居ないからな、気にする事はない。」
「・・・お兄様は・・・」
うーん。
別に亡くなったわけじゃなさそうだけど。
でもアンジェリカさんの悲しそうな顔は気になるな。
「・・・ん?」
(鑑定)
【クルミパン】 アイテムレベル3
小麦粉に粗く砕いたクルミを混ぜて焼き上げたパン。
HP回復10 MP回復・微 体力回復10 気力回復8
うん。少し固めで味が濃い気がするけどやっぱりクルミパンだった。なんか食べた事がある味で少しだけビックリした。
「どうした?」
「あ、いえ。ウチで食べてた味とほとんど変わらない物だったのでビックリしました。」
「ほう?「まぁ。」「え」このパンが、か?」
「はい。クルミパン、ですね。クルミも小麦粉も向こうにあるので。少しかたいかな、とは思いましたが美味しいです。」
「あぁ。昨夜もワインの事で少し触れたがこの村は何もない所から創られてまだ数年しか経ってなくてな。ワインを仕込める程のブドウもやっと収穫は出来たがこれから試行錯誤の段階でな。小麦の使用も未だ少し控えてたりするのだよ。パンが硬めに感じるのは他の材料を多めにしたりしてるからかな。」
「なるほど。そうだったんですね。そんな事情が。」
「食とは不思議なものですね。ロウジの居た所と似たような物があるとは。」
「本当よね」
「本当ですね。結局求めるものは似るという事でしょうか」
うん。ブドウはブドウだったし、クルミもどうやらクルミみたいだし。小麦粉も通じたみたい。良く食文化の違いでどうのこうの、というニュースを見るけど、とりあえず食事で苦労する事は無さそうかな。
・・・・あぁ違うか。考えてみれば向こうの神様が創った世界だもんな。そんな異質な世界にはなってないのかも。
あの神様だから油断は出来ないけど。
(鑑定)
【紅茶】アイテムレベル3
ウッドレイクに自生しているお茶の樹から作られた紅茶。試作品。
HP回復10 MP回復・ 微 体力&気力回・ 微
うん、まんま紅茶でした。
【粉砂糖】アイテムレベル3
サトウキビから作られた砂糖。大量に作るには大量のサトウキビが必要。
HP&体力&気力回復・微
茶色っぽいのはやっぱり砂糖だった。日本で言う黒砂糖と同じ物、かな。作り方知らないけど。
今は自分で作るわけじゃないし作るなら直接作り方を教えて貰えば良いからテーブルの上にあるものをとりあえず鑑定していく。
【スープ皿 (陶骨器】アイテムレベル5
良質の土と細かく砕いた魔物の骨を混ぜ合わせた物で作られた皿。土と骨の品質により所々に独特の模様や輝きが現れたりするのが好まれている。
なんと!
陶磁器じゃなかった!?骨!?
とかやって食事が終わり頃になりまたバートさんから話しかけられる。
「今日は食事を終えたらまずは村を案内して貰うと良い。アン「あ。わたしが。」に案内するように・・・アンジュはやる事は大丈夫なのか?」
「今日は大丈夫よ。アンと2人でロウジ様の面倒をみるわ」
・・・バートさんって貴族でしかも領主だよね。なんか家族からの扱い酷いような・・・気のせい?
そして2人で俺の面倒をみる、って。・・・うん、意識しちゃダメだ。
「ロウジが知っている物もあるかもしれませんし似たものでも全く違っていたりするかも
しれません。先に村を見ながら、実物を見ながらというのは良いかもしれませんね」
「・・・そうですね。実物を見ながら、実地体験しながら教えて貰うのは分かりやすくて良いかもしれません。」
ハイネスタさんはやっぱり経験則から言ってるような気がするな。まず地図や図鑑とかで、と思っていたけどそれを聞いて俺も賛同する。
「アンジェリカさんとアンさんにはだいぶ迷惑かけるかもしれませんが。」
アンジェリカさんの方を見て少し頭を下げて言う。
「アンジュ、で良いですよ、ロウジ様」
「え。あ、いや、でも。」
「これからこの家で毎日顔を合わせるのですからあまり他人行儀にされても困ります」
「・・・うーん。」
女の子を呼び捨てとかアダ名、愛称?で呼ぶのって抵抗あるんだよね。ましてやアンジェリカさんは所謂貴族のお嬢様でしょ。
「アンジュ、です。」
「・・・えっと」
「アンジュ、です。アンジュとお呼び下さいませ」
少しきつく言われてしまう。
「そうだな、ロウジが旅をしても良いと判断出来るくらいの知識をつけるまではここに居てもらうつもりだからな。村の人間ならまだしも他所から来た人間に子爵家の人間をさん付けだけで呼んでいるのを聞かれると逆にマズイかもしれん。「あら。じゃあ私はハイネスタさんではなくハイネと呼んでもらいたいわ」身内らしく愛称で呼ぶのも良いだろう。ハイネ?!」
「いや、それはさすがに。でもそういう事ならアンジュさん、ハイネさんと呼ばせて貰いますね。」
バートさんが驚いた顔でハイネスタさんを見てるけどさすがに夫人を愛称呼び捨ては無理です、はい。
「ロウジ様?アンジュ、です。」
・・・・上手く切り抜けられると思ったけど俺の敵は手強かった。
「はい。分かりました、アンジュさ、アンジュ。」
さん、と習慣で言いそうになったけど睨まれた。今のは狙ったんじゃなくて間違えただけだから許してほしい。
「はい。これからよろしくお願いしますわロウジ様。」
うーん。
「うーん。アンジェリカさ、アンジュ。もロウジで良いです、良いよ?これからなるべく身内に近い形で接するようにしますから。」
うん、多分しばらくは言葉遣いがおかしくなりそうな予感するけどね。
「嬉しい!改めてよろしくロウジ!」
「こら、アンジュ」
「はははは。よろしく。」
アンジェリカさん、アンジュが立ち上がってテーブルの向こうから右手を出してきたからこっちも立ち上がって手を出し握手をする。
「まだ食事中よ。アンジュ、貴女の貴族教育の時間は増やさないといけないかしらね?」
「う。ごめんなさい」
「なるほど」
うーん。
俺は身内並みの待遇で言葉遣いなんかもあまり気にしないで良いような感じで言われたけどそれはここに居る時だけ通用する話だよね。
「すみません。俺、僕も貴族教育、というか貴族や王族に対する教養は身に付けないとマズイと思うんですが。教えて貰えないでしょうか?」
すると
「うーむ。」
「うーん、そうねぇ」
「それはそうなのよねぇ」
なんな悩まれてしまいました。
なんだろう?なんでだろう?
「うーむ。まずは一般の生活に慣れてからの方が良いと思うのだ。もちろん不敬を働いてはいけないから覚えて貰わなければならないが。何事も普通を知ってからでないと失敗する事が多いからな」
「そうよねぇ」
難しい顔をしてバートさんが言うとハイネスタさん、ハイネさんも同意する。
「あぁ〜なるほど。確かにそうかもしれませんね。早く基本的な事を身に付けていきたいと思います。」
確かにな。俺自身は貴族ではないから貴族社会での常識に染まっちゃうとおかしな事になるだろうし。
「がんばっていきましょう」
「うん。そうですね。アンジュ改めてよろしくお願いします」
「あっと。そうだ。ロウジ、その前に。マクイーン、皆を呼んでくれ。」
「かしこまりました」
「?」
なんだろう?
「そうね。早めの方がいいわね」
「一応アンに専属でついてもらうとは言え家人の紹介はお互いに必要だろう。早目に済ませてしまおうと思ってな」
「あ。なるほど。そうですね。助かります。」
別に個人で館内で会った人に挨拶がてらすれば良いかと思ってたんだけどそうもいかないか。そもそも何人居るかも分からないし。
「よろしくお願いします」マクイーンさんより少し若く恰幅も良いのが料理長のスホーグさん。
「私だけで作る時もあるのでよろしくお願いします」
とはスホーグさんより少し若いかな、というこちらは細っそりスマートな副料理長のサイモンさん。
「「よろしく」」「よろしくです」
料理人のラケートさんにワイスさん1番若いジョージーさん?君?
「「よろしくお願い致します」」
メイド長は執事のマクイーンさんが兼任しているらしいがそれでもメイドの中のリーダー格のノーラさん。バートさん付きのメイドとの事だからやっぱりメイド長とは違って何かあった際のリーダー役、というべきなんだろう。
後はアンさん、ベルさん、サチノさん、クインさん、ランさん、マルセさん、ポリーさん、メリーさん。
庭師のハイセさんに厩舎のタークさんとセダさん。
今日休みを取って居る人とはまた後日という事だけど。うん、ごめんなさい、一度には覚えきれないです。
「しばらくここでご厄介になるロウジ=タソガワです。僕自身は若輩者ですし貴族でもなんでもないので気軽に接していただけると助かります。それからこの国の事は分からない事だらけなので質問したりするかもしれませんがこれからよろしくお願いします」
言って頭を下げる。
「「よ、よろしくお願い致します」」
・・・
・・?
なんか余計に緊張感増したような気がするけど。まぁ良いよね。
(新しい称号、子爵家の居候、を手に入れたよ〜ん)
「はあいいいぃ?」
「ん?!どうし「どうしたのです?」たロウジ?」「ロウジ様?」
「どうしました?」
皆が慌てて聞いてくる。
聞いてくる、けど。
「・・・・今誰か」
なんだろ?
「新しい称号が、手に入ったって。言われたんですけど。。。」
なんなんだ?
「あぁ。なるほどな。」
「納得。」
「あれか」
「あれは意識してないとなぁ」
「ビックリしますよね」
「突然ですからね」
などと始まった。
ほんとになんなんだ?
「ロウジ。それは創造神達の御使い「天狐様のお告げですわよ」様で天狐様方のお声だ。」
「天狐様からのお知らせね」
「天狐様?」
天狐って聞いたことあるような。神狐の天狐、だよな。
「四尾の狐、ですかね?」
「やはり四尾、なのか?」
・・・・え。ええっと。
「確か伝承では四尾になったら天狐なので四尾以上のはずですが。見た事はないので。」
「ふむ。神話では四尾の狐で創造神達の仲介役であり天候や疫病などの実質世界の細かい物事の調整役と言われている精霊様の一族だ。我々には今のロウジのように称号を与えて下さる時にお声だけを聞く事が一番多い存在だ。」
「はぁぁ。そんな存在まで居るのですね。と、言うことは?」
称号確認、と呟いてみる。
《子爵家の居候》というのが一番手前に見えた。
「なるほど。これですね。」
「何という物なのだ?」
「子爵家の居候。という、まんまですね。」
苦笑しながらバートさんに答える。
「「おぉ」」「ほぅ」「「へぇぇ」」
「それは良いのでは?」
「それ良いんじゃない?」
「はい?」
「確かになかなか珍しい事ではあるだろうからな。称号にもなるか。」
「旅人よりも良いのではないかしら?」
「ロウジ、称号効果を見てみて?旅人よりは普段良いかもしれないわよ」
「ん?称号効果?」
称号効果?って何?と
《子爵家の居候》効果: 仮身分証明書となる。
交渉成功率上昇・微 基本幸運度+10
《神の巻き添え》効果: 神との距離が近くなる。神やその眷属がなんらかの力を振るった場合にその影響を受けやすくなる。
《さすらい人》効果: 基本基本体力&基本気力+3. 基本幸運度−10
《旅人》効果: 特になし。
《神器保管人》効果: 神器や神器の持ち主が近くに集まりやすくなる。
「はうおっ!!」
ヤバイよっ!!
「ロウジ!?「ロウジ!!」どうしたっ!!」
「「ロウジ様!!」
「はっ。い、いえ。すみません、大丈夫です。称号に効果なんてあったんですね。気が付かなかった、というか知りませんでした。
「あ、あぁ。そういえばそうだったな。説明をし忘れた。すまんロウジ。」
「あ。そうだったんですね。それは仕方ないです」
バートさんには称号をどうやって付け替えるか、しか聞いてなかったからな。気が付かなかったから細かい事聞かずに済ませた俺も悪いだろう。
しかし称号の説明と効果説明が別々にしか見られないのか?
「済まなかったなロウジ。あの時は付け替えしか頭に無かったからな。称号詳細、と念じれば今の称号の詳細がわかる。称号、や称号確認と念じて詳細と念じれば今付け替えが可能な称号の効果まで見る事が出来るのだ。それから付け替えと念じれば良い。少々面倒なのだが、な。ちなみにやはり他人からは称号の効果までは見られない。」
「なるほど。」
まぁ今はもう必要ないな。あの時はまぁ仕方ないだろう、やっぱり。多分バートさんはさすらい人と旅人の効果も考えた上で旅人を勧めてくれたんだろうし。
と、言うか神器保管人に少しだけ付け替えたけど大丈夫だよね?神の巻き添えと神器保管人は絶対付け替えない方が身の為だよね。
しばらく冒険とかする予定ないし身分を子爵家が保証、という意味だよね、身分証明書の代わりになるみたいだから今は子爵家の居候に付け替えておこう。
「じゃあロウジ。準備できたなら村へ行くわよ。アンもついてらっしゃい」
「はい」
「あ。はい。よろしくお願い」
「よ・ろ・し・く・よ、ロウジ」
「あ、う、うん。よろしくアンジュ」
「ふふ、もちろん。」
アンジュに引っ張られる形で・・・と言っても手を繋いだりするわけでもなく言葉で引っ張られる感じでアンジュについていく。
「よろしくお願いしますね、ロウジ様。至らぬ所もあるかもしれませんがどうぞなんでもご質問下さいませ」
「こ、こちらこそ。ご迷惑かけると思いますがよろしくお願いします」
アンさんが頭を下げて来たからこちらも言って頭を下げる。
「ロウジ、アン、なにしてるの」
「つ」
「ふふ」
2人して顔を見合わせ苦笑する。
こうして訪れた時とはまた違うドタバタした感じで初の異世界村を見て回りに出掛ける事になった。
女の子2人に挟まれて。。。。。
ロゥジ=タソガワ
称号: 子爵家の居候
属性 : 無
状態: ドキドキワクワク
レベル5
HP 101005/100005 (+1000)
MP 1455/455 (+1000)
体力 188/88 (+100)
気力 175/76 (+100)
腕力 143 (+100)
耐久力 140 (+100)
知力 191(+100)
精神力 182 (+100)
敏捷性 135 (+100)
幸運度 715 (+600)
職業
商人LV.2 鑑定士LV.1
お読みいただきありがとうございます☆
プロローグで書いた物とその後少しの流れまでは、流れだけは頭にあるのですがなんか書いている内に長く(汗)
今からこんな調子ではスローライフ、ではなくスローリィストーリーになりそうです( ;´Д`)
次話はバート子爵の治める新しい村での異世界体験です。
よろしければお付き合い下さいませ☆