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迷惑創造神とのんびり異世界生活を?!  作者: ミカ=エル
6.魔物からの依頼?!
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リザードマンの集落へ?!

モルドスライム達を討伐しながらリザードマンの集落への道を行くロウジ達。

集落へ寄る予定は今の所はないですが、さてどうなりますやら。

「やぁ〜、ロウジの魔法〜すごかったですぅ〜」

「すごかった、ね〜」


「・・・きみらはどこに居たのさ?フェアをかなりの間ほったらかしだったけど、本来なら護衛の2人がそれはダメなんじゃないの?」

いつの間にか背後で楽しそうにお喋りをしていた2人に突っ込んでみた。

ほんとにいつの間に来てたんだろうか?

魔法のコントロールについてもだけど、そっちも気になる。


「え?あっははは!気のせいですよぉ気のせいです!ずっと見てましたよ!」


「そぉですよぉ〜?わたしたちはちょ、っとだけ離れてましたけどずっと応援してましたよぉ?」

しれっとそんな事を口々に言うエリーとアリー。

だが。

そんな2人に悪魔の囁きが。


「あれ〜?2人ともロウジとリンへのおみやげは無いの〜?美味しかったよね〜?エリーもアリーもよく熟したのを探してたけどいくつ食べたの〜?あんなに大きくて美味しいのがたくさんあって良かったよね〜!まだ食べたいよ〜?もしかして取って来なかった?なの〜?」

と、2人の前に飛んで行ったフェア。


「え?あ〜、えっへへ。美味しかったですよね〜!アリーと2人で3つ、ですかね〜。少し奥行ったらよく熟したのがいくつもあって〜。」

答えながら風の刃を飛ばすエリー。


「えぇ〜?フェアもちゃんと自分でいくつも持って行ったですよねぇ?でも、わたしはエリーと2人で3つ、くらい食べたですかねぇ〜?おやつ用にお土産もしっかり持って来てますよぉ〜もちろん。今、要りますぅ?ほんと、美味しかったですよねぇ〜!」

・・・・

こちらも答えながら風の刃を飛ばすアリー。


「喉も乾くから今欲しいの〜、ちょう、だい?」

・・・

なんか威圧感の様なものを滲ませながら言うフェア。

何か違う雰囲気だ。


「ん〜。そうですかぁ、じゃあぁ〜、これ。はいですぅ」

・・・アリーが亜空間のアイテムボックスから例の果物を出してフェアに渡す。

と、それを受け取ったフェアがそのまま俺の方へ。


「はい、ロウジ〜!証拠品、なの〜!」

満面の笑顔で黄色っぽいそれを両手で押し出すようにして俺へと差し出してくる。

・・・えっと。


「「あ。ああぁぁ〜っ!!」」

その様子を見ていたエリーとアリーがこちらを指差しながら叫び声をあげる。


「えっへへ〜、なの〜」

俺の前には得意げな顔のフェアさん。


「え、っと。フェア、さん?これは?」


「んんん〜?なんで〜フェア、さん、なの〜?2人がずっとコソコソ食べてた証拠品、なの〜!・・・要らない、なの?」

キョトン、とした感じで逆に聞いてくるフェア。


「あ、あぁ、えっと。証拠品はともかくとしておやつ用にということで貰っておくよ。ありがとう?」

う〜む。


「むぅぅぅ〜。さすが王女、してやられましたかぁ」


「うぅ。ごめんなさい、フェア。もうしませんから許して下さい」

なんかアリーとエリーがしゅんとした感じで・・・いや、ほんと、フェアが頭脳プレイ(?)を見せた事に俺もショックを受けていたりして。

謝り続けながらも攻撃魔法を放っている2人と俺に果物を渡した後に腰に手を当てて2人の前で・・・得意げに?いや、違うな。

なるほど、分かった。


「フェア?実は怒ってる?」

問い掛けてみる。


「ん〜?怒ってる〜なの〜?わたしぃ〜?」

あれ?違ったかな?


「あれ?」


「ん〜?わたしがロウジとリンの為にぃ美味しい果物持って行こう!としてたのに〜エリーとアリーはずっと食べてた、とか?わたしももっと食べてたかったのに、2人ともたーっくさん食べてたとか?なの〜?それをわたしが怒ってる、なの〜?」

こちらを見ずにそんな事を言ってのけるフェア。

・・・うわぁ。

見た目と口調からは分からなかったけどこれは確実に怒ってらっしゃる!?


「ロウジ〜。普段でも実は思慮深かったりするんですが〜、こうなったフェア王女はなかなか戻りませんですよ〜」


「食べ物の恨みを持ったフェアは恐ろしいんですぅ。ただでさえ王女なのにこうなったフェアはぁ・・・ごめんなさいぃフェア〜」


「あらら。」

ただでさえ王女なのに、という部分は良く分からないけど食べ物の恨みは恐ろしいというのは万国・・・万世?万種族?共通なんだろうな、とは理解出来る。

俺の母親や妹のおやつを横合いから掻っ攫おうものなら・・・それはそれは恐ろしい目に遭ったものだ。


「ロウジィ〜!そろそろ手を出して欲しいかにゃぁ」

む?


「ファ、あぁっと!フリーズランス!フリーズランス!」

少し先にある左側の木の上にへばりついていたモルドスライムが溶けながら、形をなくしながら落ちてくる。


「ロウジ。火ノ魔法ハカンベン願ウゾ?」


「ご、ごめんなさい。思わず。危なかった。ほんと危ない危ない。気を付けないと」

先頭で背中に矢・・・籠?筒って言うんだったっけ?を背負って小さめの弓を構えたリンと槍でモルドスライムを突いて倒しているカフィーさんにつっこまれてしまった。

そろそろ前の武器組3人だけでは捌き切れなくなってきたみたいで。

慌てて魔法を、と思ったら思わず魔法で火の矢を撃とうとしてしまった。

そう。

カフィーさんとボシンさん、そしてリンは先頭で。

こんなだけどエリーとアリーも周りに見えたモルドスライムを魔法で倒している。

・・・相手が小さいのばかりで見たところ槍で何匹も刺してもたいして武器には見た目で違いも出てないようだから任せちゃって良いかな、と、俺とフェアは話をしながら進んでいたわけだけど、だんだんと前だけではなく周りにもチラホラと見え始めている。

リンは弓矢も扱えるみたいでさっきから小さい(とは言っても大型犬くらい)スライムが数匹一度に出て来てからは弓矢を使っている。

・・・短剣、投げナイフをやめてもどちらにしろ溶けて無くなったスライムの核の残骸から矢を回収しなきゃいけないのは同じみたいだけど。

今までの話から想像すると恐らく普通のスライムだと回収出来ないんだろうな、とは思うけどナイフも矢も溶かされずに、そんなダメージも負わずに回収出来てそうな気がする。

さっき投げナイフを3、4本拾いに行ってたのを見た時には唖然としてしまったけど。


「う〜ん。こういうのもゲームだと気が付かないと言うか全然違って生活感が見えるとこだなぁ」

思わず感心して唸る。


「ん〜?」「んにゃ?」

「あ。フリーズランスぅ〜」

おっと。

俺の独り言に反応したリンの横を氷の矢・・・槍が飛んで行き、その先にいたモルドスライムの核に突き刺さる。


「あ、ありがとう、アリー」


「はいぃ〜」

アリーはどうやら障害物が無いとこに居るモルドスライムには風系、誰かの近くに居たりすると氷系の魔法を、と使い分けているような気がするな。


「ウ、ム。群れノ中ニハ入らないはず、ダガ多くなって来タ、ナ。ワレラノ集落モもうすぐダガ出来れバなるべくナラこの近辺ノハ殲滅していきたいところダ」

右手に槍、左手に斧・・・手斧を持って警戒しつつボシンさんが言ってくる。

これでまだ群れ本体には入ってないと?

大量に駆逐する必要があるな、やっぱり。


「う〜ん。なんかまだイメージが掴めないんだよなぁ」

俺は右手に風の球を作って回しながら悩んでいた。

『魔法を操って誘導したり貫通させたりしながら一度に大量の敵や障害物を排除する』

マンガやらアニメやら小説やらでなんとなくは分かるしやり方も分かる気がするんだけどなぁ。

体内にある魔力を感じて動かすのは出来る。

体内だけでなく外にある魔力を感じてどちらでも魔法を使う事も出来る。

・・・ただ、魔法にした物を操って動かす、というのが・・・

それに今この場で教わる相手というのが・・・


「相手に向かって〜、ゴーッ!なの〜」

「ババッと出してギュンって行ったらグイッて感じですかね?」

「ええとぉですねぇ?魔法を発現したらぁ、標的を見定めてぇ〜、クイッとやったらまたクイックイッ、って感じ、ですかねぇ?もしくは精霊に全部お願いですぅ」

と、まぁ、そんな感じの妖精3人組なものだから、ねぇ。

しかも何が悪い、何が困るか?って言ったら。

(あぁ、結局はイメージ力がモノを言うからある程度は自分の感覚に頼るしかないんだろうなぁ)と・・・3人組の言っている事を把握して結構納得出来てしまう事なんだよね。「シャァァッ!」

つまりは・・・言われたようにやるしかない自分が居る、と。

さっきのフリーズスピアにしても『氷の槍』を作るまでが魔法で投げて当てるのは俺の力量、とか考えてたけどそうじゃなかったわけだし。

『標的に当てるまでが魔法です』

うん。こうやって覚えておこう。


「フリーズアロー!・・・ニュータイプとかコーディネイターってやっぱり凄いんだなぁ」

右手の風球を消して代わりに槍、と言うには細くて短いだろう、という氷で出来た2本のソレを浮かべながら思わず呟く。「んっ、にゃっ!」

要はこれをいくつもバラバラに操って更にはそれを砲台としても使っちゃうわけだろ?凄すぎる。


「「んんん〜?」」


「せいぜいファンネルミサイルが関の山、かな。・・・いや?待てよ?」

自分の魔力そのもの、もしくは魔力を混ぜて作った魔法、だから離れてても存在を感じ取る事はなんとなく出来る。「シャァッ」

だからこそこんな魔法初心者・・・レベル高かったり特殊な魔法を使えたりはするかもしれないけど・・・そんな俺でも少しでも操る事が出来るわけだけど。

その『体外に出た自分の魔力を感じ取る事』と『その魔力で作られた魔法を操る事』の2つが難しいわけだ。


「だったら・・・いっその事。繋げてしまったらどうなんだろう?」

魔法として具現化した事象に俺の魔力を糸みたいにしてくっつける。

そしてソレを操る。

なんか上手く行きそうな気がする。


「う〜ん?繋げる、なの?」


「うん。ちょっと思い付いた事があって。試してみるよ」

右手の上に浮かばせた氷の矢、2本ともに魔力の糸を・・・・・魔力の糸?うん?


「う〜んと。いや?魔力を手に集めて・・・」

魔力の糸を作って魔法に繋げようとしたけどなんか二度手間な気がして逆に考えてみる。

魔法で作られた矢に魔力を纏った手で触る。

そして・・・そのまま魔力を伸ばして・・・


「うん。いけそうだ。」

2本目にも同じ様にして手を離して行きながら薄く細く魔力を伸ばしていく。

薄く細く。

それだけは注意をする。


「???なの〜?」


右手を前に出す。

手の平を下にしても氷の矢はそのまま手の甲側、つまりは上に浮かんでいる。

頭には2本の矢がしっかりと見えている。

「これで。行ってみよう、か!」

そして

矢を2本とも真っ直ぐ飛ばしてみる。

まずはゆっくりと。


「うっわ。2本でもキッツイ!」

適当に直進したら左右に1本ずつ。

Uターンさせて俺の背後で交差。

む。


「??」

「面白い事考えますねぇ〜」


「うわ。ダメか?これはこれで難しいか」

イメージとしては飛行機雲、いや、凧か。

本体が飛べば糸がそれだけ伸ばされていく、そんな感じのイメージ。

なんだけど。

『糸』をイメージしすぎると絡む恐れもイメージしてしまうわけで。


「いや、これはこれで。それならそれで適当な所で更に射出してやれば?」

絡むイメージが抜けない。

いずれはなんとかするとして、今は出来る事と出来そうな事を1つずつなんとかしていこう。

とりあえず2本の矢を別々のモルドスライムへ放って核を潰す。

・・・2本の矢を別々に動かすってキツイな。

2本だけでもあまり複雑な事をやると目の前の事が疎かに、手や足を動かせなくなるよ、これは。


「う〜ん?魔力で繋げて魔法を動かしてる、の〜?面白いの〜!」


「ほんと面白いですねぇ〜」


「ですねぇ〜。けどぉ?う〜んん?操りやすそう、ではありますねぇ〜。けどぉ?」


「うん。アリーは気が付いたよね。有線式放出系魔法、といった所だけど・・・意味があるのかないのかいまいち分からない、かな」

某アニメ作品を思い出してこれを思い付いたには思い付いたんだけど・・・やっぱり途中経過の技術、という位置づけになるのかな?

結局魔法操作に慣れる方法として思い付いただけだから別に良いと言えば良いんだけど。

操ることは出来る。

多分魔力で繋げないよりも操りやすい、とも思う。

けど、やっぱり新しい問題も出来ているわけで。


「難しい、なの〜」

フェアが頭を抱えてる。

・・・いかん、ちょっと面白い。


「今のは〜、魔法操作の練習用、ですよ、ねぇ?


「うん?うん。とにかく感覚を掴む事と慣れる事が肝心だと思うんだよね。だから、さ」

アリーの質問にそのまま答える。


「はいぃ、そう、ですねぇ〜。練習としては良い、かもしれませんん〜」


「お?そうかな?いけそう?」


「はいぃ。欠点はありそうですけど良いんじゃぁないでしょうかぁ〜わたしは好きですぅ、その魔法〜」

アリーのお墨付きを貰って少し安心する。

・・・とはいえ。


「ムウ。さすがニ多いゾ?ワレラガ集落ハ無事、なのカ?」

「イカンナ。オレノ槍ノ柄、ボロボロニなり始めタゾ」


「ロウジィ?・・・な、んとか、なる〜?これ?」


「ロウジィ〜?なの〜?」

うう〜ん。

魔法を使える・・・実はかなり強力な魔法を使えるんじゃないかと思うフェアまでも俺に聞いてくるのはなんとも言えないけど。


(デバン〜?)(デバンデバン?)(デバンで?)(オバンでオバンで)(デバンデバン〜)(オバンでヤンス〜)


「う〜ん。あそこに見えてきたのが集落、ですよね?」

道の右側、背の高い木が少なくなってきてるんだけど、その先に高床式住居のようなものが木の建物が数軒、これまた木の杭を逆さまにしたような壁の上から見えている。まだ少し距離はあるし木々の隙間から見えている程度ではあるんだけど、俺だけではなくフェア達も把握はしてたと思う。

ただ、目的が集落へ行く事じゃなくてモルドスライムを可能な限り殲滅する、というものだから誰も言い出さなかったんだと思う。

うん。

フェアとエリーは少し前から気にしてはいたみたいだけど。


「そう、ダ。ワレラガ出る時ニハ前からダこの辺ニハスライム達ノすがたは無かったノダガ、ナ」

集落の周りは分からないけどこうしてスライム達が増えているとさすがに心配なのだろう、


「幸い右側、特に集落まではそんなに数は居ないみたいです。集落の中にも入ってないみたいだし、一旦リザードマンの集落へお邪魔して良いでしょうか?」

すでに俺はシルフを通して先を確認済みだ。

後は道を切り開くのみ、なんだけど。


「ウ、ム。歓迎しよう」

「ウム?無事カ。いそぐ、カ?」


「了解」

そして俺は意識をシルフの方へ集中する。

・・・自分の魔法を鍛えるどころじゃないよな、これは。


「シルフィード、レイン!!」

ドンッドンッ、ズドンッズドドンッ

ドドンッ


「う、ウオ?ウォオァオオッ?」

「ウオオオオ?」

「キャッ」「きゃぁあ」

「にゃぁっ!」

「う?うあぉお、え?」


風の刃が上からここから見える範囲に居るモルドスライム達へと降り注ぐ。

いや、そんな高さは無いはず、ではあるんだけど。

まさかこんな地響きが凄いとは。


(キアイキアイ〜)(キアイダキアイダ〜)


なんかシルフ達が出番待ち?で張り切っているみたいだ。


そんな感じで長く感じたが実際には数秒から十数秒といったところだろうか?

シルフ達によるモルドスライムの近辺の掃討作戦は無事に完了した。


・・・・少し地形に被害を出したかもしれない。

お読みいただきありがとうございますm(._.)m


と、いうわけでロウジの魔法修行、捗っているのかどうなのか微妙なところで本人としてはせっかくの魔法のある生活を夢見ていたりするので実は結構焦っていたりします。


次話ではリザードマンの一部と親交を深め本題のモルドスライム殲滅、出来るなら完全殲滅を目指します。


予約投稿日を1日間違えた上に手直ししていたら更新時間も過ぎてしまいましたσ(^_^;)

申し訳ありませんm(._.)m


次回投稿日は16日の予定です。



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