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迷惑創造神とのんびり異世界生活を?!  作者: ミカ=エル
5.ピアリス様の管理地で?!
57/71

剣で戦いましょう?!

シルフの案内で訪れた半ば廃墟と化した公園のような場所。

そこで何か得体の知れないものが歩いて来るのに出くわします。


さて、どうなりますやら。

(ガンバッテネ〜)

シルフは俺の周りを飛びながら応援?している。


「ロウジ?」「ロウジ〜なんなの〜?」

リンとフェアが聞いてくるが、こっちを見てるエリーとアリーも言葉を発さないだけで同じ気持ちだろう。


「あ〜。うん。う〜ん。なんかシルフががんばれっ、って応援してるんだよ。俺にも意味が分からない。何が何だか・・・とりあえず警戒。」

と、ガサガサかなりやかましい草の音を立ててその相手が姿を現した。


「う〜んと?蔓人、とか?」

「う〜んにゃ?蔓の塊?」


俺はリンの方に顔を向けて聞き。

リンはフェアの方に顔を向けて聞いている。

ソレは蔓の塊。正にそのままそんな感じだった。

木や草、ではなく蔓が何重にも人に巻き付いてそれが歩いて来た。そんな感じ。

あんまり気持ちの良い見た目ではないソレを見てアリーが声を上げた。


「テンドラルゴーレム?そんなのが襲いかかって来るなんて!?」

ほへ?


「ゴーレム?」

テンドラルって何だろう?とか思いつつ聞いてみる。

ゴーレム、ね。

確かにそのイメージ通りに歩みは遅いようだけど明らかに2メートル超、余裕がある天井には届かない程度ではあるけどその特殊な形状から迫力がある。

でも、あまり攻撃的ではないように感じる。


「見た目通りですが。木や土ではなく植物の蔓だけで作られたゴーレムですぅ。何処かに核があってその周りを蔓が護っているタイプと本当に蔓だけで作られたタイプがあるのですがぁ・・・生きた植物の蔓なのでぇ・・・」

そこで言い淀んでしまうアリー。


「うん?」

とにかく先を聞きたい。

だけどテンドラル=蔓って事らしいというのは分かった。


「あ〜。ええっと、つまり、ですね〜。・・・生きた植物を利用するゴーレムなのでぇ・・・普通は森の管理者が使うんですよぉ〜」

エリーが引き継いで説明してくれる。

説明してくれた、けど?


「んにゃ?」

「・・・森の管理者?・・・あ〜・・・なるほど。」


「はいぃ。私たちの女王だったりエントだったり、ですねぇ・・・つまりは」


「・・・シルフ?」

案内して来てくれた、案内してくれた上に「がんばれ」とか言ってきたシルフに問い掛ける。


(マホウキンシ〜!ナルベクロウジダケデ〜デスト〜!)


「・・・俺だけ?魔法無しで?」

なるべく俺だけでですと〜?

・・・誰がそう言ったかは・・・うん。聞くまでもないな。

危険が無いわけではない、というのはこういう事だったんだろうか?


「あ!弱点は火なんですけど〜相手は蔓なので火魔法はなるべく使わないで下さいねぇ〜!火のムチみたいになってしまいますからぁ!」

アリーが慌てて言ってくる。

って、まじか。


「マジか。・・・あぁ、蔓で形成されたゴーレム、ってそういう事か。」

一瞬で燃やし尽くしたり出来れば良いんだろうけど?


(マホウキンシ、ダカラネ〜)


「うぅ。」


「ロウジィ?どうかしたにょ?」「ロウジィ〜?シルフがなにか言ってる、なの〜?」


「あ、う、うん。魔法禁止、だって。なるべく俺だけで戦って魔法禁止だ、って言われてるみたい」

さて、困った。


「・・・ああぁ〜・・・ゴーレム。森の管理者が使うゴーレム。そういう事かにゃぁ?」

「うんんん〜?」

「あぁ、なるほど?ピアリス様なんですねぇ〜?やっぱり」

「はぁ。なるほど?じゃぁ、これは試練みたいなものですかぁ。」


「あ、うん。試練?・・・なのかなぁ?」

・・・なんか危険が無いわけじゃないぞ、というお叱りと言うか気を引き締める為のモノとか・・・嫌がらせ半分とか単純に暴走ゴーレムを片付けさせるついでだとか色々考えられそうなんだけど、な。


「止まりましたねぇ?」「歩くの止めましたよぉ?」「止まったの〜?」

「ロウジィ?」


「あ、うん。タイマン、1対1、って事かな?」

蔓で出来たゴーレムは足を止めていた。

カサカサとか言う葉っぱや草の擦れる音で改めてこの遺跡内に風が吹いているのを実感する。

見るとゴーレムを形作っている蔓にも所々葉っぱが付いているようだ。

・・・それにしても?

このゴーレムに何か変な感じを受けるんだけどな。

何か変なような?

それに。

「魔法禁止かぁ。困ったなぁ〜」

腰の左側に差している剣を見遣る。

・・・あれ?


「あれ?そう言えば?」


【ロングソード (火の魔剣)】 アイテムレベル4

鉄に少量の銀を混ぜた合金製のロングソード。火の魔法、ではなく火の魔力を精錬時に直接込めてある火の魔剣。魔力を通せば火が生まれる。

ま、オーソドックスな魔剣と言えばこれだな。銀の含有量や他の金属を混ぜているかどうかなどで魔剣としての強さは変わるがそれは使ってみないと分からん事だな。

( 材料: 合金. 魔石. ウルフの革. 鉄 . 銅 )


・・・・


「う〜ん。宝の持ち腐れとは正にこの事か・・・うぅ〜ん。」

まともに使った事があるのは竹刀と包丁、後はカッターナイフくらいなんだが、短剣はナイフだしな・・・・剣、かぁ。


「あ。ロウジのその剣。火の魔剣だよにぇ?さっきの戦闘でも気ににゃったんだけど。ひょっとしてロウジって剣は振った事が、ない?」

ん?

あぁ、そう言えば昨日もリンは時々俺の剣を見てたよね。

・・・うぅ。

さっきのフェイクアースも火が弱点だったわけだし剣に自信があれば割と簡単に倒せたりしたのかな?

リンはその辺を疑問に思ってたのかもしれないな。

・・・うぅそう考えると今は絶好の機会なのかもしれない。


「う、ん。ちゃんと習った事ないんだよ。だからこれは冒険者らしい見た目を、って事で持ってるようなものなんだよね。言わなかったかな?剣だけじゃなくて他の武器も使えるわけじゃないから本当にとりあえず持ち歩いてるだけだったりするんだよ。」

ちょっと情けないけど剣が使えないから、って杖とか使えるわけじゃないし。

リンみたいにデカいダガーを腰の後ろに、とかもリンを見てたら憧れも出てきたから・・・使えれば、使う自信があればやってみるんだけど、結局は使えるようにならないと。


「あぁ、だからこのゴーレム、なんですかねぇ〜?」

エリーが首を傾げながら言ってくる。


「う〜ん、どうなんだろう?正直わからない。ウッドレイクのバートさん、あ、子爵、領主様とその執事さんが出先から帰って来たら習う予定ではいるもんだからさ。」

今無理に実戦形式で、と言うか実戦で、習おうとする事にあまり意味があるのかどうかわからない、ということを伝える。


「う〜ん。確かにそれにゃらいきなり実戦というのは・・・」

「「う〜ん」」


「う〜ん?でもぉ。ロウジがやっつけちゃえばいいの〜!関係ないの〜!」


「「あぁ〜」」「あ〜。まぁ、そうなんだけど。」

フェアのある意味単純明解な言葉にエリーもアリーも俺も苦笑する。

リンは何も言わず困り顔だ。


(ホラ〜、マッテルヨ〜?)


「仕方ない。多分訓練、特訓してくれるんだと思うからやってみるよ、とりあえず。」

剣術もレベル1とはいえ使えるようになってるわけだし。

ひょっとしたら実戦形式でないと分からない物事とか身に付かない物事があるのかもしれないし。

スッ、と剣を鞘から取り出す。

・・・良かった、なんか上手く出せた。


「・・・考えてみればこのまま逃げちゃったり、とかはダメなのかな?」

剣を出してみてはみたものの動かない相手、ゴーレムを見てそんな考えが口を突いて出た。


(ア。ダメダメダメダメ〜!)


「・・・あ〜。まぁ、やる気になったからにはやるけどね。」「あぁ〜、なんか逃げられそうにゃ気はするけどぉ・・・ロウジ?それで良いにょかにゃぁ?」「あぁ、確かに〜な〜んか逃げられそうな気もしますねぇ〜?」

「・・・確かに逃げられそうではありますねぇ」「えぇぇ〜?ロウジ、逃げちゃうの〜?」


「え?あ、いや。えっと。さすがに逃げないよ?ピアリス様の試練のようなものって可能性もあるわけだし。」

皆それぞれ瞬間的に発言しただけだとは思うけど、なんか逃げる方向で話が纏まりそうな

予感がしたから一応断っておく。


「まぁそうだよにぇ〜?」「あ、あははは。」「そうですよねぇ〜」

「ロウジがんばれ〜なの〜!」

うう〜ん・・・フェアはマイペースだなぁ。

なんかアリーがフェアに寄って行って話をし始めた。

お叱り、とかではないみたいだ。


「シルフ?あいつ、攻撃はしてくるんだよね?」

なんか不安になって聞いてみる。

・・・このまま攻撃して来ないならやっぱり逃げちゃっても良いのかな?とか考えてしまう。


(ン〜?モウスコシマエニデレバワカルトオモウヨ〜?)


「あ、なるほど。」

どうやら動き出す位置関係があるらしい。


「じゃぁ、やってみますかね。と、その前に。」

(鑑定)


テンドラルゴーレム

分類: ゴーレム

種族: ゴーレム


HP: 1600/1600

MP: 50/50

体力: 75

気力: 特定不可


あぁ、うん。種族、ゴーレムで良いのかなぁ?と疑問に思うんだけどまぁ、問題はないだろう。

HPがやけに高くてフェイクアースの倍とか。

体力はこの数値ってどうなのかな?

HPからすれば低過ぎるくらいの値のような気がするんだけど、蔓が絡み合って出来ていると考えるとこんなものなのかもしれない。

それにしてもやっぱり何か変な感じを受ける。違和感と言うか。


「さて、じゃぁ相手をお願いしますかね」


「ロウジィ〜!攻撃はムチみたいなの〜!しなり〜?に気を付けて〜なの〜!」

アリーに話し掛けれていたフェアが言ってくる。

テンドラルゴーレムの攻撃方法か。


「ふむ。」

(解析)


テンドラルゴーレム (ピアリス=ノクカチ=ヴェーダ)

分類: ゴーレム

種族: ゴーレム (ドライアード)


HP: 1600/1600

MP: 50/50

体力: 75

気力: 特定不可


腕力: 90

耐久力: 60

知力: 50

精神力: 50

幸運度: 30


職業

清掃員 スパーリングパートナー


大精霊ピアリス=ノクカチ=ヴェーダがロウジ=タソガワの為に生み出したもの。

ドライアードを宿らせ自律行動を取らせている。

蔓や蔓で出来た身体を蔓の密度を変える事で伸ばしたり縮めたり出来る。


・・・・いやいや、清掃員とスパーリングパートナーが職業って、あんた。

しかも俺の為にわざわざ作ったものみたいだよ、これ。

それにゴーレムなのに知力とか精神力があるのか?、と驚いたのだけど、どうやらドライアードが動かしているからだね。


「決まった動きをしてくるタイプじゃないって事か」

しかし、この結果には重要な情報があるね。

ゴーレムとか誰かの命令で動いていそうな奴には解析を使うのが良いかもしれないな。

まさか作成者の名前が分かるとは!


「・・・・ってか今更だけどドライアードが居るならもう完全にグルだよね、君ら?」

シルフに向けて言う。


(キャハハハハ〜バレチャッタ〜?バレチャッタ〜!)

今の位置でいつまでも待機しているのだってひょっとしたら精霊同士で話してたりするんじゃないか?


「はぁ。・・・・まぁ良いや。さて。じゃぁ、お待たせ。」

逆に相手が予め命令された事しか、命令された動きしかしない人形じゃないと分かって少し安心した。

加減とかも分かるという事だろうからね。


剣を改めて両手で持ち正面に構える。

正眼、と言うんだったか。

う〜ん。違和感の正体は分からない。

そうして一歩、二歩と進んでいく。

摺り足で。


ゴーレムが動く。

右手、右腕を振り上げる。


「って?ちょ、ちょ、ちょい」

慌てて左へステップを踏んで避ける。


ドッゴォン、と。

土煙を上げて‘伸びた腕が’ついさっきまで俺が居た地面に穴を開ける。


「ロ、ロウジ?」「ロウジ!」


「・・・・いやいや、剣で、って。剣じゃ受けられないよ?多分。あんなの。反則じゃん?」

また‘腕が縮んで’ゴーレムが腕を振りかぶったような形になる。

それを見ながら呆然と呟く。

身体を伸ばしたり縮めたり、ってこういう事か。

なんとなくだけどイメージがあったから避けられたよ。

これは本当に解析しておいて良かった。


(キャハハハハッ!ガンバッテ〜ロウジ〜)


「がんばれと言われても・・・いや?でもあの腕であの勢いで威力ってあんなもんなのか?」

手加減はされている、のかも、しれない、ような気がする。

それでも頭に当たれば潰れそうな威力だ。


「いかんいかん。」

でもスパーリングパートナーだから。ピアリス様の作ったものだから。手加減してくれそうだから。

そんな甘い考えは捨てないと。


「・・・そもそもが俺が持っているのだって剣なんだから。しかも抜き身の。刃がついた。」

気持ちを入れ替える。

相手を傷付けられる、殺せる、消し飛ばせる。


「そんな力を持って構えていながら相手に傷付けられる事を恐れてどうするよ、俺。相手を倒すつもりなら自分も倒される覚悟をしないと。・・・遊び感覚じゃいられないぞ、俺。」

多分この時に俺の覚悟みたいなものは1段階だけだが確かに変わったんだと思う。


再び振り上げられる右腕。

蔓で出来ているゴーレムの身体。

その絡まる密度を変える事で腕の長さ自体を変えている。

でも。


「伸ばしてる分細くもなってるし!」

踏み込んで、身体を左に傾けてわざと右腕の下を抜ける形で胴を切り裂く。

ぶつぶつぶつ、と結構な太さの蔓を切り裂く感触。


「う、しっ!」

振り向いてそのまま背中を上から切り裂く。

ザンッ!

かなり小気味良い音がしてたくさんの蔓の切れた部分がブラブラとする。

と。

左腕が振り上げられ・・・こちら向きに振り上げられ。


「うぉ!」

そのまま右腕と同じように伸びるパンチ、とでも言えば良いのか、腕を打ち下ろしてきた。


横っ飛びで右に躱す。

と、今度は左腕を戻す前に右腕が後ろ・・・前?向こう側へ引き締められ


「うわ、ぐ」

真っ直ぐパンチを打ってくる。

身体が反応せずに上段に振りかぶった状態で食らってしまう。

ボールをぶつけられた時のような衝撃がくる。

だが、それだけだ。


「ロウジ〜!そのゴーレム!前も後ろも無いみたいなの〜!顔も無いの〜!」


「「あ!」」

俺とリンの声が重なった。


「そうか。変な感じの正体はそれか。顔と呼べる部分がはっきりしないんだ。」

と、言うか前後ろ関係無いのかよ。


「あぁ、そう言えば歩行樹もそうだった気がするな。」

そう言えば、と初めて出会ったモンスターを思い出す。あれは魔物なのか魔獣なのか精霊系なのか分からないけど植物系モンスター、魔物には気を付けないといけないかもしれない。

ドゴンッ!

ザジュッ!


どのくらい1対1のそんな攻防をしただろう。

何回か、何回も食らいながらも斬りつける事を繰り返した。

手の振りは大きいし両腕では攻撃して来ないから少しずつ避けて斬りつける、という動作に慣れてきた、かもしれない。

ゴーレムの腕の長さを良く見て身体をズラして避けることも出来るようになって来た。

そして、そう。

そんな風にどこか気が緩み始めた頃にその攻撃は来た。


ゴーレムが右腕を真っ直ぐ横へ振りかぶる。

横薙ぎ。

時々来たそれを最初は俺は地面に寝そべったりジャンプして躱していたけどいい加減間合いの取り方も分かり始めていたから腕の長さを良く見て距離を測り数歩位置を変えて避けることも出来ていた。

後ろへ3歩。それだけ。

ブゥオン!

腕が通り過ぎる。

バチチンッ!バチチンッ!


「ぐぁっっ?いって〜!」

少し握りが甘くなっていた剣を飛ばされ、腕には痛みが走る。

見ると鎧と籠手の間、服が破れて腕が赤くなっている。


「なんだ?なんで?」

傷を見たいが慌ててゴーレムを見遣る。


ゴーレムは振った腕をまた振り戻して来る所だった。

「ムチ?」

手の先や指とかではなく、人間で言うなら手首の辺りから3本か4本、ムチ・・・蔓が伸びていた。


「く!言われてたのに!」

慌てて剣を拾ってまた構える。


「分かっていれば!」

そんなに速くない、速く感じないゴーレムの動きを追い。

先ずは振られた腕を躱して

「やっ!はっ!」

遅れてくるムチを捌く。


ゴーレムは・・・・止まった?


「止まった?」

剣を正眼に構えたまま呟く。


(ハーイ、トリアエズゴウカク〜!)

(今回ハコレデ合格デスヨ〜)


「へ?」

シルフが言い、ゴーレムがそう言った。

あ、いや。


「ドライアード・・・か?」

小さい。

ドライアードと言えば人間を惑わす魅力を持った女性。だったりするんじゃないだろうか?

止まったゴーレムの腕にしなだれかかっている精霊はフェアよりも幼い感じの女の子だった。


(アハハハ!ココジャ(ちから)ヲオサエテルカラネ〜!デモチャームスレバ関係ナイヨォ〜?)


「あ、あぁ、なるほど。・・・まぁ、それもそう、なのか?」

チャームしちゃえば相手の理想像に見える、のかもしれない。


「それより合格?って?」


「んん〜?ロウジ〜?終わり、なの〜?」

フェアがやってくる。


「ん?う〜ん?今聞いてるところ。」


(ゴウカ〜ク〜!ケンノフリカタ、アイテノウゴキヲヨクミルコト)


(突然ノ出来事ニモ慌テフカメカズニ対処出来ルヨウニナルコト、自分ノ動キニ慣レルコト、自分カラ斬リツケラレルコト〜)


((ソレガコンカイノトックンデシタ〜!))


「あ、そうなんだ。そうだったんだ。」

なるほど。

一応試練というか特訓というか課題ありの物だったんだね、最初から。


(コレデゴウカク〜!コレデロウジハスコシダケド。カクジツニツヨクナッタヨ〜!)


(確実ニ強クナリマシタァ〜)


「そう、なのかな?」


「終わったみたい?」「終わりですかぁ?」

「やっと終わりですかぁ〜」

リンとエリーにアリーもやって来る。

その手には


「あ。精霊草」

精霊草がそれぞれ葉っぱだけでなく丸々数本握られていた。


「うん。なんか。いつまでも終わる様子がにゃいから相談して集めておこう、って。」


「切っても切っても蔓を組み替えてきりがなそうでしたしぃ。」


「なんか。楽しそうなのを邪魔してはいけないと思いましてぇ。」


「いや、アリー?楽しんでは・・・いなかった、と思うよ?」


(キャハハハハッ)(アハハハハハ)


「私は邪魔してない、なの〜!・・・なの〜?」


「あ?あぁ、うん。フェアは全然邪魔になってなかったよ?」

うん。なの〜?と多分俺に聞いてきたから答えたけど邪魔どころかリン達がどこで離れていたのかにも気が付いてはいたけど・・・なんと言うかそういうのを把握してる自分の意識と戦ってる自分の意識とが別々と言うか・・・不思議な感覚だった。


多分、だけど。

近くでカラオケとかやられてても戦いは戦いで集中出来てたんじゃないだろうか?

そんな気がする。


(コノ階ノ精霊草ハホトンド抜イテ他ノ街?ニ送ッチャッタカラマダ欲シイナラ下ニイカナイトイケナイデスヨォ?)


「え?」


(シタニイクヨ〜?)


「う〜んと?」

リン達が集めてくれた精霊草の葉っぱの数を確認する。

1、2、3、たくさん。

じゃ、なくて。

20枚。10セットだった。


「これで34セットか。まだ結構必要だなぁ。」

精霊草を集めるだけのはずなのにかなり歩き回りそうな予感がする。



「じゃぁ、次だにゃ」


「うん。行こう。」


(イクヨ〜!)


どうやらこの階にはもう用事はないみたいだ。




読んでくれてありがとうございますねぇ。

今回はロウジの為に朝から用意してあげたのだけどぉ、役に立ったみたいで良かったわぁ。

でも、本当ならもう少し自分から相手に斬りつける覚悟みたいなものを身に付けられると良かったのだけれど、ねぇ。

まぁ、でも。

無闇矢鱈(むやみやたら)と生き物を傷付けられないのはあのコの良い所ではあるものねぇ?

そんなわけで今回はロウジが剣術というものを理解するきっかけ作りだったわぁ。

次回はいざ二階層へ、になるわねぇ。

更新の予定は?・・・12日になるようねぇ。

なるべく早く更新出来ると良いのだけれど。

お知らせはピアリスお姉さんがお送りしたわぁ。次回もよろしく、ねぇ?

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