シルフに案内されてバトル?!
シルフが魔力水、精霊草共にある場所に案内出来ると言うので案内を頼んだロウジ達。
一見平和な遺跡なのですが、そうもいかないようで!?
森の部屋から出てリンが水音が聞こえて来ると言う方角、つまりはまた通路の先に向かって歩いて行く。
ただ長いだけの通路を歩く。
と、この先が左右に分かれているのが見えた。
そして、そのすぐ手間、右側の角にドアが見える。
「変にゃ位置にドアがある」
「ん?変?」「変、なの〜?」
別に普通によく言う角部屋じゃないかな?
俺たちの少し上を飛んでいたフェアも不思議そうな顔をして聞いている。
「うん。だって。他に部屋も、棚とかもにゃいのに。」
「ん〜?」
「あぁ、そういう事か。・・・う〜ん。」
確かに角部屋にする、角部屋を作る理由は特に無いかもしれないけど、考え過ぎじゃないかなぁ。
(ヘヤノナカハナニカイテモワカラナイヨ〜)
首を捻った俺を見て先導してるシルフが言ってくる。
「あ、うん。そうだよね」
風が入れる場所じゃないと色々分からないよね。
それは分かってるから大丈夫。大丈夫、なんだけど。
「うん。ここは遺跡と言ってもピアリス様の管理地だし宝物?みたいなのは多分無いだろうからなるべく弄らずに、荒らさずに行こうか。・・・シルフも風が入れない場所はどうなってるか分からないみたいだし。」
宝物とか珍しいアイテム、道具なんかがあるようなら見て回っても良いかもしれないけどさっきの部屋を見た感じと掃除用ゴーレムが歩き回っているという事からここには多分無いだろう、と思う。
「あ、うん。別に遺跡探索に来たわけじゃにゃいし。あんまり荒らしたりすると・・・怖いかもにゃ」
うん。そっちは怖いと思う。
「あ、はい〜。そうです、ねぇ。部屋に入ってもあんまり面白くなさそうですしねぇ〜」
「はい。そうですねぇ。目的は別にあるわけですからねぇ。」
「ええぇぇええ〜?なの〜!いろんなとこ見て回りたいの〜!冒険、なの〜!」
・・・あぁ、若干1名程遊びたい盛りのお子様冒険者が居るみたいだけど多数決で良いかな、これは。
問題は説得出来るか、だけど。
「フェア〜?ここには面白い物は無いと思いますよぉ〜?」
「フェアぁ〜?ここでイタズラするとピアリスが怒りますよぉ〜?」
「ううぅ〜ん?・・・ピアリス、怒る?なの〜?」
お?
エリーとアリーが上手くやってくれそうだ。
「怒りますよぉ?」「怒ると思いますよぉ〜?」
「うう〜ん。分かったの〜。あんまりいじらないようにする、なの〜!」
「うん。フェア、えらいと思うよ?まぁ、無いとは思うけどドアを開けたら魔物の巣、なんてこともあるかもしれないしね?どうせならお宝探しが出来るような場所で、お宝がありそうな遺跡を探検したいのは俺も同じだけどここは違うからね。今回はピアリス様の依頼でピアリス様の管理地に入ってるわけだから、俺はなるべく余分な事はしないでいきたいかな。」
よく言う妖精の好奇心、みたいなものか冒険者としての性みたいなものかは分からないけど。
それ自体はあまり悪いものではないと思うんだけどねぇ。
言いながらその部屋を無視してそのまま左へ曲がる。
「あ。水音が少しするね?」
左の道を歩いているとチョロチョロチョロチョロという微かな水音が聞こえてきた。
あんまり水量には期待出来ない感じだけどどこか落ち着きもする音に感じるのは・・・和の空気、というものをなんとなく感じるからだろうか。
(コノサキニリザードガニヒキイルヨウ〜)
「ん?・・・にゃにか居るみたい。多分四つ足。」
ん?
「この先にリザード、が居るって言ってる。」
「来たにゃ!フェイクアースが2匹!」
「なかなかおっきいですねぇ」「これはなかなかですねぇ〜」
「フェイク、アース?」
・・・・
「トカゲ?なのか、これ?」
奥から歩いてきたのは黒い身体のでかいトカゲ。
リザード=トカゲの認識でいたけど、その2匹はまんまコモドドラゴンのように見えた。
いや、確かにあれもトカゲではあるんだけど。
体長は俺よりもデカイ。尻尾が長いから全長は3メートルくらいあるのかもしれない。
それが2匹、通路の先からのっそりのっそり歩いてくる。
通路の幅には余裕があるけどなかなかに迫力がある光景だ。
【フェイクアースドラゴン】
「はやっ!」ガッツン!!
「はわ!」
あぶな!
いきなり口開けて飛びついてきたよ?!
俺は少し前に出て宙に浮いていたフェアを抱きかかえるようにして・・・言い方は悪いかもしれないがサッカーのキーパーがボールを取って移動するように斜めに飛び退く。
フェアが居た場所に大トカゲ、フェイクアース?が襲いかかり口を閉じた際の大きな音が響く。
「フェア!」「フェア!大丈夫?!」
「おいおい」
食欲旺盛にも程があるのでは?
鑑定結果を吟味する前に襲われてるんだけど?
とりあえずフェア達には後ろで少し離れていてもらう。
リンはカンテラをエリーに渡していた。
【フェイクアースドラゴン】
分類: 魔獣
種族: リザード
生命力: 640
魔力: 63
体力:78
気力:59
・・・あぁ、アースドラゴンとか言ってるんですが。
・・・・地竜・・・偽の?・・・結局はやっぱりトカゲ、リザードなのかな?そんなに強いようには感じないし。
と、思ったのだけど。
ジュザッジザッ
ガッキィン!
「は、刃が立たないにゃっ!」
ジュザッ
「ガァッ」
ガッツン!
「へ?」
切り裂いてる音したよね?
と、不思議に思いそちらを見遣ると横への動きは鈍いのか、リンが右から左から、とダガーで斬りつけているのだけど。
どうも表面を刃が滑るような感じで全然傷付けられずにいるようだ。
で、フェイクアースドラゴンの側は頭をリンの方に向けると即座に噛み付きに行っている。
堅い、硬いと言うよりは防刃素材、という事かな?
噛み付きの勢いからして正直今のままだとマズそうだ。
ガッチン!
いや、リンの方を確認してる間、俺ももう1匹が噛み付いて来てるのを避けてるんだけどね。
「アーススピアー!」
ドッゴン!
リンに噛み付きに行ったフェイクアースドラゴンの下からすごい音がしてその巨体が更に少し浮く。
「グゥ」
でも、それだけだった。
地に着いたフェイクアースはまたリンに噛み付きに行く。
「・・・・ダメージ入ってるか分かりませんねぇ〜」
エリーが後ろで困ったような、嫌そうな声を上げる。
うん。結構な威力あったんじゃないかと思うけど・・・見た目からは影響があったようには感じられない。
アーススピアー・・・地面から槍を生やしたのだろうか?石の床だけど。
・・・普通なら腹側の方が弱いような気がするんだけどな。多分エリーもそう考えたからあの魔法だったんだろう。
なんか本当に効いてるような感じはしないけど。
「エリー!感謝!だいぶ動きが鈍ったよぉ!」
リンが右に左に、時に上へと翻弄しながらエリーに叫ぶ。
あ、痛みの声みたいのは上げたからやっぱり少し効いてるのか。
「これって。普通に生き物?変な聞き方だけど。魔獣?魔物?」
こんなでかいトカゲが、しかも凶暴なのが居るなんて。
ガッキン!
思ったよりも身体が軽く、巧く動けているなぁ、と自分を褒めながら質問する。
「魔獣!なの!水と火に弱いの!」
フェアが教えてくれる。
・・・水と火。火かぁ。
「リザードが大地のマナを吸収して魔獣化したものですぅ〜!」
リザードが魔獣化、ね。
・・・・見た目は普通に少し黒いコモドドラゴン。
大地のマナ。地の属性に少し傾いてる?
「にゃっ。こんな所で魔獣を放置するわけには行かない、し!エリー!すまにゃいけどカンテラちょうだい!」
リンが叫んでいる。
「リン!避けて!ウォーターバレット!」
「にゃ!」
「グゥゥゥガァッ」
「う〜。」
アリーの水魔法もダメージは入ってるみたいだけど倒すには足りないっぽい。
迷ってる暇はそんなに無さそうだ。
「リン!カンテラの火じゃ大して効かないかもしれない!俺が魔法で倒すよ!ちょっと耐えて!」
仕方ない。
今は俺がやるしかないんだ。
「・・・問題は威力か・・・」
倒すだけなら問題ない。
ただ、ここは地下の遺跡だもんな。
「ロウジもリンもすごいの」「簡単に避けてるように見えますねぇ〜」
「ロウジは攻撃してませんが何か考えがあるんですかねぇ〜」
いや、確かに俺は避けてるだけだから余裕があるけど正直言ってダメージを与えているか分からないリンはあまり余裕が無いんじゃないかな?
「フェア?水と火に弱いってどのくらい?普通に火で燃えるのかな?」
・・・火で生き物を燃やす、か。
なんて事を今の状況で考えるのはおかしいんだろうな。
「う〜ん?この大きさならファイアーで燃える・・・なの〜?」
・・・あ、あぁ、アリーに聞いたのか。
フェアの喋りには未だ少し慣れないな。
「燃やせるかどうかは分かりませんがぁアレは熱さに弱いので火で包み込めば倒せると思いますよぉ?水の場合は皮が柔らかくなる、はずなんですが、ねぇ〜」
アリーがフェアじゃなくて俺の方を見て言ってくる。
水に弱いっていうのはそういう事なのか。
でも今もリンのダガーは切り傷を与えられていないように見える。
「ファイアで普通に倒せるのか。分かった。」
ファイアーで、って言うけどファイア、だよな?とか思いつつ。
問題はやっぱり威力。威力だけ考えれば良いかな。
「あ!でもこの皮は防刃の良い素材にゃ!にゃんとか出来るにゃらにゃんとか出来にゃい?」
「ありゃ」
斬りつけるのを止めて避けるのに専念し始めたから余裕が出たのかリンからそんなリクエストが飛んで来た。
・・・・って。
全身燃やしたらダメって事か。
・・・熱さ自体に弱いとは言ったよな。
ふむ。
右手を左前に。
まずはとにかく俺に噛み付きに来て、時々フェア達にも狙いを定めているこいつをなんとかしよう。
魔力と威力を半分にするイメージ。
「ファ・・・フレイム!」
右手を薙ぎ払うように動かしファイアを発動する。
地面に向けて。
「グゥギャァアアア」
火が地面を走りリザード、フェイクアースを包み込む。
ファイア、と口にしようとしたけどフレイムという言葉が口をついて出ていた。
ひょっとしたら既存の、誰かが広めてある魔法の使い方とかなのかもしれない。
「グゥゥゥ〜ガッ」
・・・
しばらく炎の中でもだえていたけど力尽きたみたいだ。
でも。
「失敗、か?」
火に弱い、の言葉通りに下側、腹側だけではなく全身に火がついてるように見える。
下から火を燃やして炙るようなイメージだったんだけど完全に燃えてしまっている。
「ウォーター!なの!」
ドバシャァァッという音を立てて燃えてるフェイクアースの上からかなり大量の水が落ちて鎮火をする。
「あ、ありがとう。フェア。」
「うん!なの!」
(ウンディーネヨンダラァ?)
ん?
「ロ、ロウジィ〜!こっちも〜」
あ。
リンがなかなかに大変そうだ。
「あぁ、そうか。・・・出来るか?」
幸い床に大量の水がぶちまけられた状態。
さすがにフェアは狙ってやったわけじゃないと思うけど。
「水の精霊ウンディーネよ、姿を現せ」
精霊に命じる。
床に広がった水の一部が1箇所に、俺の前に集まってくる。
そして1人の140センチくらいの女性の形を成す。
「ウンディーネ。あいつに抱擁を。」
更に命令を出す。
こくん、と1回頷き俺から離れ宙を行くウンディーネ。
「グゥガァァ」
ウンディーネにも噛み付いていくフェイクアース。
マジか。こんなに見境ない生き物ってありか?
魔獣だからか?
あれ?見た目からして似てるコモドドラゴンってアレもかなり凶暴なんだっけ?
なんて事を考えている間にウンディーネは命令を果たす。
その身体でフェイクアースを抱きしめて身体に埋もれさせたのだ。
「ブグゴゴゴゴ」
・・・・うん。水に弱い、とか関係なく魔獣も生き物であるなら。と考えてはみたものの・・・結構酷い、と思う。
普通でも足が短めだからなかなか脱出出来なさそうだけど相手はウンディーネ。
水で作られた身体にはそもそも足がかからないから、ただジタバタしているだけになっている。
「ハァッハァッ。助かったにゃ。やっぱり風のダガーだけじゃなくて火属性の攻撃方法もにゃいと遺跡とかじゃぁ辛いかにゃ」
「お疲れ様。ん?」
リンが、気がつかなかったけど肩で息をしながら言って来たからとりあえず労いの言葉をかける。
「ん?・・・あぁ、コレ。風のダガー。威力はまぁまぁのウィンドカッターを出せるんだけど・・・相性が悪かったにょよぉ〜。疲れたぁ」
「あ、あぁ〜、そういう事か。そう言えば飛んでる奴に攻撃届いてたもんね。」
フェアがラビットイーターに襲われた時に何羽か離れた地上に居たまま斬りつけていた。
てっきりリンのスキルかそういう技があるんだと思ってたんだけど違ったのか。
「それで、その。素材の回収?はどうするの?」
ウンディーネに抱かれた1匹も動かなくなった。
「ありがとう、ウンディーネ。」
言って実体化を解除する。
パシャ、と軽い音がしてウンディーネが去り水溜りが出来る。
「・・・あ、あぁうん。丸ごと持てるにゃら1匹丸ごとアイテムボックスに入れてギルドに持っていけば良いんだけど・・・これはちょっと無理かにゃぁ」
「あ、そうか。解体屋か。なるほど。」
ギルドは冒険者ギルドだね。
「普通に森とかなら別に放ったらかしにしとけばウルフとか森の獣が食べるの〜。だけど〜」
「なるべくなら要らない部分も燃やしてしまうか持ち帰った方が良いかもしれません〜」
「1匹はかなり燃えてますがロウジ?2匹とも持ち帰れませんかぁ?」
フェア、エリー、アリーも提案をしてくれる。
「う〜ん?持てるかな?」
正直重くて持てないイメージしか浮かばないんだけど、なんかピクシー3人娘は俺が運べる事を期待・・・いや、運べる事を前提に言ってきてる気がする。
「うん。水に濡れてるから皮は剥ぎやすくはなってるはずだけど持ち帰れるにゃら持ち帰るべきだにゃ。」
「あ、水に弱いってそういう面もあるのか」
なるほど。
「まぁ、持ち運べるかどうか試してみないと、ね!・・・・?」
近い側、俺が燃やした奴をまず持ち上げられるかどうかを試そうとしたんだけど。
「・・・うん。普通に持ち運べる、ね、これなら。」
なんか普通にダンボール箱の荷物を運ぶ感覚で横から手を下に差し入れる形で持ち上げられてしまった。
すごく拍子抜けで呆然としてしまう。
数百キロはあると思ったんだけど?
「ですよねぇ〜。その腕力は反則ですもん」
「だよねぇ〜。ロウジの能力値は反則ですもん〜」
「さっすが、ロウジなの〜!」
フェアは手を叩いて喜んでる?けどアリーとエリーは納得顔ではあるんだけど声は呆れが混じっているような。
「はぁ。ロウジ、その能力値だもんにぇ。そう言えば」
リンはなんか呆れ方がアンジュに似た感じになって来た気がするよ。
「あ〜。能力値か。」
あぁ。なんか納得した。
・・・正直このくらいなら片手で持てるかもしれない。
焼けて、更に水を掛けられたトカゲ。これはあんまり持つものではないな。
急いでアイテムボックスを開いてその黒い穴にまず1匹放り込む。
「もう1匹はこれ、ちゃんと死んでるだろうな?」
まぁ、むごい、としか言いようは無いんだけど陸上で溺死したはずのフェイクアースの身体は所々に薄い傷はあるけど、綺麗なものだ。
先にアイテムボックスを開いてそこによいしょっと抱え持った巨体を投げ入れる。
「と、言うか?近くに魔力溜まりがあるって事だよね。元々の大きさとかあまり変わらないのかな?そんなすぐに魔獣化ってするもの?」
(コノサキダヨ〜)
「あ、うん。シルフはこの先にあるって言ってるけど。」
「魔力溜まりの大きさとか魔力の強さによって違うからにゃぁ・・・なんとも。」
リンが辺りを警戒しつつ歩き出す。
「う〜ん?普通はそんなすぐには魔獣化しないなの〜。段々強くなっていくなの」
「そう、ですねぇ〜?フェアの言う通りある程度は長い期間魔力溜まりの影響を受けてやっと、ですかねぇ〜?」
リンは言葉を濁し、フェアとアリーはある程度の期間が必要だと答えてくれた。
歩きながらも話を続ける。
「多分これは元々アースリザードとかだと思いますからぁ・・・1年や2年は必要だと思いますよねぇ?」
「なるほど?・・・アースリザード、ね。最大でもこの半分くらいの大きさだよね?・・・これは放置状態だったのかなぁ」
弱い魔力溜まりはある、とは言ってたけど。
魔獣も居るかも、とは聞いてたけど。
「これって想定内なのかなぁ?俺としてはこんな大きなのが居るとは思わなかったんだけど。んぁ?」
チョロチョロチョロチョロと。
「あれだにゃ。水、じゃなくて魔力水。」
チョロチョロと対面の壁、人工の石壁じゃなくて多分天然の岩壁から染み出して流れているのは薄っすらと光る水。魔力水だね。
下は少し水溜りが出来ているだけで済んでいる。
「これって、また下に染み込んでるんだよね?」
でなければ水溜りはかなりの大きさになっているはず。
「うん。多分。」
「ロウジ〜?水汲みする〜?なの〜?」
「水汲みしますかぁ?」「それでぇ?水汲みはどうしますかぁ〜?」
フェア達が聞いてくる。
「あ。う〜ん。ちょっと汲めるか試してみるね」
確かに汲めるには汲めるけど一瓶ずつ汲まないといけないから時間かかるよなぁ。
考えながら瓶を取り出し、適当な水流の中に差し入れてみる。
「あぁ、意外に量はあるのか」
岩壁に当たって流れてるからチョロチョロと頼りない流れに感じるけど意外に水量はあるようで思ったよりは水の溜まりが早い。
「うん。時間ばっか掛かるからここじゃ汲まなくて良いや。シルフ、ありがとう。次に案内して?」
一度に一瓶ずつなのは変わらないわけで。
それなら、と次に案内して貰う事にする。
「ロウジ?このコケは?いらにゃい?」
(ハイヨ〜?オキニメサナカッタ〜?)
「あ、いや、ありがとう。そんな事はないけど魔力水の方は別でも汲めるからね。ほえ?コケ?」
(ツギハセイレイソウ〜)
「ここじゃ汲まなくて良いの〜?」
「さすがにこれじゃ時間ばかりかかるにゃぁ。コケ。そこに生えてるけどソレは?」
「次は精霊草の場所に案内してくれるって。コケ?・・・おお。」
【ミズゴケ(魔力帯び・中)】 アイテムレベル3
水がある場所に生えるコケ。意外に大量の水を含んでいる。口に含む事で水分を補給出来る。これは魔力を帯びておりなかなか育成する事は出来ない。
食べるなよ?口に含むだけだからな?
ふぅん?何かに使えるかもな。
右の腰に差した短剣で削り取っていき大瓶の中に入れてアイテムボックスへ。
(サァ〜コッチ〜)
改めてシルフの案内で歩き始める。
分岐まで戻って真っ直ぐ、つまりは来た道を右に曲がる形で道を進む。
さっきの事があるからシルフの方に注意しながら周りにも気を配りながら歩いていく。
(ソコ〜ヒダリ〜バットガイル〜ケドネテル〜)
少し進むと門のような物が左手に見えてくる。
「そこだって。バットが住み着いてるみたいだけど寝てるって。・・・噴水広場みたいなものなのかな?」
作りから想像すると広いような気がする。
「池?かな?」
門を通った先にあったのは噴水、じゃなくて周りを石で囲まれたほとんど水が無い、泥水のような濁った水が少し入った池だった。
そして、やっぱり公園、というか広場になっていた。
・・・・草が生えまくっていたけど。
「これは普通の水みたいにゃ?」
「う〜ん?精霊草って精霊の力が強く働く場所に生える、んだよなぁ?あ、そうか。別に魔力水があるなしは関係ないのか。」
少し勘違いをしていたみたいだ。
魔力水の周りに精霊草が生えてるイメージをしていたけど特に関係無いんだね。
「奥から何か来るよ!」
「ロウジ〜何か居るなの!」「何か来ます〜!」「何か来ますよぉ!」
ガサガサ、ガサガサ
奥には少しだけ木立、林があってそこから。
結構大きな音を立てて何かがやって来る。
「シルフ?」
(ガンバレ〜!)
いや、がんばれって。
バット以外居ないとか言わなかったか?
何が来るんだよ〜
お待たせして申し訳ありません!!
お読みいただきありがとうございます!
ちょっと予定外の戦闘を入れてしまいこんな感じになりました(−_−;)
次話では強敵との戦闘、なのですがピアリスちゃんの思惑通りの展開になります。
そしてリンの疑問と不安もなんとなく解消されます☆
更新予定はすみません、9日になります。
よろしくですヾ(@⌒ー⌒@)ノ