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迷惑創造神とのんびり異世界生活を?!  作者: ミカ=エル
5.ピアリス様の管理地で?!
53/71

神殿の地下遺跡の探索を始めます?!

いよいよピアリス様の管理地である地下遺跡に足を踏み入れます。


安全安心を一応ピアリス様は保証してくれましたが、不安要素は一杯です。


さてさて、何が待っているのでしょうか?

「あ。ありがとう、リン」

階段は意外に?距離があった。

下に着いたら所々に灯りはあるんだけどかなり暗かったのでリンがランタンを出して灯りを灯してくれた。


「これって多分階段だけで二、三階分は下りたよね?」

俺もランタンに灯りを灯し・・・リンの持っているのは俺が持っているのとは違いぶら下げるタイプのものだ。

うん?

リワンさんの店ではカンテラとランタンと分けて置いてあった気がするなぁ?

一応鑑定をしてみる。


【カンテラ】 アイテムレベル3

中にロウソクなどの火種を入れ、手や棒でぶら下げて持ち歩く灯り。馬車やテントなどにも使われる。


あ。やっぱり。俺のは?

【ランタン】 アイテムレベル3

中にロウソクなどの火種を入れ、手や何かに直接固定して持ち歩く灯り。門灯や街頭などにも使われる。


「ふぅん?リワンさんのお店じゃランタンしか頭に無かったんだけどランタンとカンテラは少しだけ違うんだね」


「んにゃ?・・・あ、これ?テントで上からぶら下げたり馬車に着けたりするのにカンテラの方が使い勝手が良いから。こういう場所の探索ならちゃんと持ち手があるランタンで良いと思うんだけどにゃぁ。」


「ん?あぁ、ちゃんとした持ち手が無いのか、カンテラって。・・・あぁ、でもそうだよね、テントだと俺のは下に置くしかないのか?」

カンテラもランタンも建物内なら棚とかテーブルの上に置けば良いんだけど。

あぁ、でも来る時の馬車に使われてた灯りがカンテラなら下は三角錐みたいになっていたから直接は置けないな。


「う〜ん。何か固定するもにょがあれば良いんだけど・・・」


「なるほどねぇ。」

カンテラもランタンも提灯だろ?と気にしなかったんだけど、少し使い所に違いがあったわけか。


使い慣れない道具の仕様に納得して改めて階段を確認すると上の方に神殿の明かりが見えるはずなんだけどあそこの階段部屋も暗かったから微妙にあそこが入り口だよな?くらいにしか見えない。


「うん。下りたよぉ。冒険者ギルドとかウチよりも階段多いよ?」

リンが困ったように答える。


「う〜ん?でもこの先分かれ道みたいなの、あるみたいなの〜なの〜?」

ん?


「あ、あぁ。うん。そうだね、扉みたいなのもあるみたいだ。」

フェアのなのなの言葉に一瞬首を傾げたけど俺にも真っ直ぐ先が見えていて、少し先に十字路があるその手間右側と十字路の真っ直ぐ奥に扉があるのが見える。


「地下三階ってこの階だけだったり・・・しないよねぇ?さすがに。」

確かピアリス様は地下三階と言ってたはずだけど確実にその分は下りてきた。

まさか、とは思うけど建物はこの階層部分だけ、なんてオチが無い事をいの・・・祈るのは誰に祈れば良いんだ、この場合?


「う〜ん。ピアリス様の事だからあたしでもわからにゃいよぉ〜。・・・でももしそうだとしても結構広そうにゃ。うんにゃ?みんな、ちょっとストップ!静かにして?」


「うん?」「あ、はい、なの〜」

「はいですぅ」「あ、はいです〜?」

リンが立ち止まる。

俺も立ち止まって。

フェアが俺の右腕にしがみつき。

エリーが俺の左腕にしがみつき。

アリーはリンの・・・右腕にしがみつこうとしたけど地面に降りて静かにする。


「何か聞こえた?」

リン以外の3人、顔を見合わせて首を傾げた事で俺達には特に分からないみたいだと思ったからリンに聞いてみる。


「う、ん。多分。あの正面、ドア、の向こうに・・・何か・・・ガサガサ這いずってるよう、なのが居る、みたい。・・・落ち葉が舞ってるだけ、とかも有り得るけど・・・多分何か居る」

顔を向こうに向けたまま答えてくるリン。

その顔は・・・緊張?しているようだ。


「ガサガサ?這いずる?落ち葉?・・・なの〜?」


「スネークやバットではないようですねぇ、たぶん」


「・・・落ち葉が舞ってるような音ですかぁ?虫の足音ではなくてぇ?」


「あぁ、虫の可能性はあるよね?」

あぁ。

ピアリス様はスネークとかバットを連呼してたけど、普通に考えれば餌である虫類だって居るはずだよね。

虫型の魔獣?それともデカイ虫かな?


「う〜ん・・・・にゃぁ。・・・葉っぱだと思うにょよ。・・・葉っぱが少し動き回ってる感じ。そんなに激しく動いてにゃいから風で動いてる可能性はあるけど・・・おかしいにゃ」


「う〜ん。とりあえず警戒しつつ出て来る様子が無いようならドアは無視して右か左に行ってみようか?目的は精霊草なんだし。」

出来るなら別に訳が分からないモノとエンカウントする必要はないよね?


十字路まで来たけど数メートル先にある正面のドアが開いて何かが出て来る、なんて事は無さそう。

もちろん、横合いからも何が急に出てくるか分からないから真ん中まで行くような真似はしないけどね。

「右か左で何か気になる事は?・・・俺が見た感じだと特に違いはないみたい、だけど。」

壁際から覗く形で左右を含めて辺りを確認してみる。

こんな地下の建物なのに風の精霊が活動してるのは色んな作品を知ってると何か変な感じはするんだけど、場所が場所だし管理者が管理者だからこれが異常なのか正常なのかは精霊に聞くか動きから判断するしかないと思う・・・んだけど。


「俺達と一緒に入って来た精霊も居るみたいだけど、どうも上の方に魔力とか精霊の通り道みたいなのがあるみたいね。それと天井が意外に高くて上の方は暗くて良く見えないから何が居ても分からないから注意しないとね。」


(ないしょないしょ〜)(でもろうじはみえる〜)(みえるみえる〜)(みえるからしかたない〜)(ばればれ〜)(おしごとおしごと〜)(そととなかいれかえ〜)(わるいものそとにだす〜)(だすだす〜)


あぁ〜、うん。

要は空気とかマナ、魔力とかが淀まないようにしてるって事かな?


「精霊?風の?」


「あ、あぁ、うん。神殿の中と同じくらいに活動してる感じ。空気とかが淀まないように仕事してるみたい?」


(おしごとおしごと)(わるいものみはる〜)(わるいものださない)(ださないださない)(わるいものだす〜)(だすだす)(いれかえる〜)(いれかえいれかえ)


「んん?」


「んにゃぁ?どうしたにょぉ?」


「んん〜?ロウジィ〜?」


「あ、いや。なんか?・・・いや、気にしないで?」

何か出すとか出さないとか情報が迷走してるようなそうじゃなくて何か大事な事を聞いたような?


「私たちが上の方を見てみますかぁ〜?」

「上、私たちが見るなの〜?」


「ん?・・・あ、あぁ、そうか。・・・いや、大丈夫だよ?でも少しだけ高めに飛んで注意しててくれると有難いかな?近付かないと動かないのとか天井で寝てるのとか居たらわざわざ刺激する事ないからね」

触らぬ神に祟りなし、だ。


「あ、はいぃわかりましたぁ〜」

「うん。わかったの〜」

「あ、わかりましたぁ」


「アリー、ありがとう」

アリーは答えを聞く前に先行しようとしてくれていたから礼を言う。


「あ、はい、いえ〜」


「右も左も大差ない感じ。けど・・・右側の方が建物の壁が近い気がする。」

耳を澄まし、目を凝らして左右を確認していたリンが言ってくる。


「ふぅん?壁が近い?」

そんな事分かるのか。


「うん。多分、だけど。少し離れてるけど水がチョロチョロと染み出してるような音がするにょ」


「あ、なるほど。」

折れていた階段の形を考えると・・・真後ろに精霊像の間がある状態で階段を下り始めたわけで。

右に折れ、更に右に折れまた更に・・・?


「「あれ?」」


「ん?」「んにゃ?」

リンと俺が同時に声を上げて、更に2人で顔を見合わせてまた同時に声を上げて・・・


「リンも階段の造りを考えてた?」

先に聞いてみる。


「にゃ。うん。多分、だけど。下り始めた時と同じで真後ろに魔力水があった精霊像にょ部屋があるんじゃ、ないか、なぁ、って。」


「うん。俺も簡単に頭の中で地図を作ってたんだけど、やっぱり右側じゃないよね?」


「・・・うん。多分、だけど。」

・・・うん。あそこが丁度右側に当たるんだったら納得いく状態なんだけど。


「この遺跡になった建物の上に被せるように神殿が建てられたなら精霊像の間の真下か近い所に魔力水の池みたいなのがあってもおかしくないんだけど・・・この位置のズレはちょっと気になるかな?」


「う〜ん?ズレ、なの〜?」「ズレ、ですかぁ?」「ズレ、ですかぁ。」


「う〜ん・・・右側の通路を伝って奥から水音が聞こえるから・・・右側じゃにゃいかもしれにゃいけど・・・あたしも気にはにゃるよぉ?」


「う〜ん。どうしようかな?ぶっちゃけ魔力水は無理に探さなくても良いんだけど。」


「でもぉ。精霊草も多分生えるのは水場、じゃないでしょうかぁ?」

アリーが首を傾げて言ってくる。


「なの〜」


「うん。草だから、ねぇ。じゃぁ、水場を探して右側の通路から行ってみよう」


「うん。」「はいですぅ」「なの〜」


「罠とかは無いよね?」

リンに聞いてみる。


「う〜ん。ピアリス様は何も言ってにゃかったから大丈夫だと思うんだけどにゃぁ。・・・罠に関してはあたしも素人に近いにゃ」


「あ、そうなんだ?てっきりこういった探索にも結構慣れてるかと」


「あ、あはは。・・・冒険者として先輩だから気を張ってるだけ。あたしに出来る事って身体能力を活かした事ぐらいだからにゃぁ。」

少し力なく答えたリンの耳が折れている。

・・・そうか。


「そう言えば冒険先も森がほとんど、なんだっけ?こういう・・・洞窟とか遺跡みたいな所に入った事は?」

そうか。

リンの事、今までどんな冒険して来たとかは聞いてなかったな。

時間があれば聞こうかな、とは思ってたんだけど、何か聞きそびれてた。


「うぅん、ない。洞窟はあるけどまるっきり自然洞窟だし、こういう・・・人が造った建物を探索するにょって実は初めて。」

うわぁ〜い。


「そうだったんだ。でも、それでピアリス様が俺ら2人に任せたって事はそういう危険は無いって事だよね。・・・と言うか。考えてみればピアリス様の管理地なんだからそのくらいの対処は最初からしてあるかもしれないね。」

・・・まぁ、あのピアリス様だから「経験を積ませる」とか言って死なない程度に何かしら仕掛けてくる・・・あぁ、大丈夫か。多分ピアリス様は自分で何かを仕掛けるタイプだろうから不確定要素がある古い建物に備え付けの罠なんかは利用しないんじゃないかな?


「ピアリス様はちゃんと冒険者の安全とか考えてくれるの〜」


「もし罠が仕掛けてあってもピアリス様か精霊が解除してあると思いますよぉ?」


「ピアリス様の管理地で危険は無い、とおっしゃられていたので〜罠とかは大丈夫だと思いますぅ〜」


「あ、うん。そうだよね?」

妖精、ピクシー3人娘もそこら辺は信用しているらしい。


「と、言うか、そうか。なんだかんだで冒険者からの信頼は厚いんだ。ピアリス様って。」


「んん〜?ロウジは〜?信用してない?なの〜?」

人差し指を唇にあて首を傾げながらフェアが聞いてくる。


「ん?あ、いや?そんな事はないけど、ね。・・・結構からかわれてるから、さぁ。なんとなく?」

信用、信頼は・・・うん。多分無条件でしてる、かな。

ただ、時々あのシヴァ神との共通点が見える事があって。

それを見て知るとなんとなくその言動に不安を覚える、という。


「う〜ん。信頼はしてないわけじゃないんだけど・・・時々不安になる時があるんだよね。ただそれだけ。」

軽く笑って言う。


「う〜ん。あたしはピアリス様があれだけ人をからかうにょは正直初めて見たよぉ?・・・うん。確かにからかわれる側からすれば不安に、なる事は分かる、かも。でも、ピアリス様もロウジも・・・なんか深い所で信用し合ってる気もするにゃ。」


「そう、なの〜?」


「あ〜。私たちはそんなに多く接点があるわけじゃないですけどぉ。確かによくからかわれてますねぇ〜」


「ですねぇ〜」


「う〜ん。・・・うん。信用はしてるし、ある程度信用して貰ってもいるかなぁ?とは思うけど。不安になるのばかりは、ねぇ」

シヴァ神と違って物忘れとかは無さそうなんだけど。


「あれぇ?そう言えばピアリス様はこの建物が機能している時を知ってるって言ってたの〜?」

ん?


「あ。そう言えば言ってたね。そっか。この建物は普通に何かの作業場か何かで機能してたんだ。そんなとこに罠は無いよね?」

ずっと首を傾げたままのフェアが思い出したように言ってきたその一言は決定的だった。


「にゃぁ。少し安心したよぉ。生き物、動くモノに注意していこ?」


「うん。じゃぁ、ごめん、俺とリンが前を歩くけど、エリーかフェアは少しだけ上の方を飛んでくれるかな?」

カンテラとランタンを持ってる俺とリン。

猫の目と耳を持つリンと、エレメンタルサイトでモノを見てる俺の方が先に気が付くかもしれないけどそれでも上の方を重点的に注意してくれてると有難いと思う。


「うん!分かったの〜」


「あ。ランタン、予備あるけど持つ?」

一応聞いてみる。


「ん〜。私たちもマナを見る事が出来るからこの辺なら大丈夫だと思うの〜」


「あ。私たちはマナの光を見る事が出来るのでぇ」

フェアが考えながら答えるとエリーが補足してくれた。


「え?そうなの?・・・それって自分の魔力使ったりしない?」

マジシャンズアイと同じ?


「あ。私たちの生まれついての。種族特性?みたいなものなので大丈夫ですよぉ〜」


「そっかぁ。ロウジはあんまり妖精種知らないですかぁ?」


「あ、うん。俺の住んでた所はピクシーはもちろん、比較的平和でゴブリンとかも俺は見た事無いんだよね」

すんなりと答えられたけど、嘘は言ってないよな。


「・・・う〜ん。ゴブリンなんかと一緒にされるのは、こうぅ、なんかぁ、なんかぁ、こう・・・イヤですけどぉ。」

エリーがなんか両拳を握り締めて複雑そうな顔をしてる。


「う〜ん。そう、なの〜?・・・いろいろ知りたい〜?」

フェアはマイペース、だな。


「ふぅ、ん?そう、なんですかぁ。まぁ、私たちはエルフやドワーフたちともまた違いますしねぇ」

そう言うアリーはどうも何を考えているのか分からない時があるんだよなぁ。


「あれ?曲がる?」

右側に曲がってそんな事を話しながら歩いていたわけだけど。


「う〜ん?うん。この先、右に曲がるだけみたい。水音は道の先で少しだけしてる。響いて来てる感じ、なのかにゃぁ?」


ふるふる。

俺にはまだ聞こえないからピクシー3人娘にはどうかと思って首を傾げて顔を見たら3人共首を振って返してきた。


「何かの気配、とかは無さそう?」

多分無いとは思うけど聞いてみる。


「う、ん。虫は居るみたいだけど普通の小さい虫みたい。曲がって大丈夫、だと思う。」


「わかった。」


とりあえず俺が先に注意しながら先に出て右に曲がる。

手を壁につきながら顔を出して。

曲がる。


「あ」

「え?うおぅっ?」

カサカサカサカサッ


「・・・う〜ん、びっくりしたぁ〜」


「ロウジ〜?」「ロウジィ?だいじょぶなの〜?」

慌ててリンとフェアも曲がってくる。


「あ、いや、うん、大丈夫。壁際にデカイ蜘蛛が居ただけ。逃げてった。びっくりしただけだよ。」

うん。多分蜘蛛もびっくりしただけだろう。


「あぁ〜、良かったにゃ。でもロウジ?毒蜘蛛とか百足とか毒を持った虫も居るからあまり先の壁に手をつくのはオススメしにゃいよぉ?」

リンが言ってくる。


「あ。あぁ、そうか。そう言えばそれはそうか。」


「魔獣でも遺跡や洞窟だとポイズンスパイダーなんかも天井や壁に張り付いてる事あるみたいですねぇ」


「あ、そ、そうなんだね。うん。気を付けるよ。ありがとう。」

タランチュラとか毒蜘蛛は逃げないで向かってくる習性があるとか言うしな。

気を付けよう。


「う〜ん?少し先に左右に扉・・・ドアか。先はまだ続いてるみたいだね。」


「リン〜?あのドアの中から音はするなの〜?」


「右側、少し開いてませんかぁ?」

「右側、少しだけ開いてるみたいですけどぉ?」


「ん?あ、ほんとだ。」


「音はどっちもしない。と思うけど。さっきの蜘蛛は多分そこの部屋の中。」


「あ、そうなんだ。」

少し先にある右側のドアは開きかけでどうやらさっき逃げていった蜘蛛は中へ入っていったらしい。


「う〜ん。部屋、なのかな?覗いてみる?」

建物の構造的に通路には思えないんだけど。


「下りる階段部屋の可能性もあるし覗いてみよ?」


「覗いてみるなの〜」


「あ、そうか。その可能性忘れてた」

そう言えば階段はそのまま見えるとは限らないのか。

・・・・そうするとさっきの十字路の先の部屋も覗いてみるべきだったのかな?

なんか嫌な予感しかしなかったんだけど。


「う〜ん?なんだろ?誰かの部屋、なの〜?」


「おわ」

俺が考え事をしてる間にフェアがさっさとドアを開けて中を覗き込んでいた。


「フェア?さっきの蜘蛛が毒蜘蛛の可能性もあるから気を付けてね?中に変なのが居たりあったりする事だってあるんだしさ」


「えへへ〜。ごめんなさいなの〜。」

・・・ニコニコしながら謝られてもなぁ。


「・・・・一人部屋?」

フェアが誰かの部屋、と言った意味が分かった。

部屋の中にはベッド、だと思う石の台。(布団などは何もない)

学習机のような机。(ただし木製でボロボロになっていてかろうじて机状になっているだけ)

天井にはカンテラ?ランプと言うべきかもしれないけど上半分だけが残っているだけの、恐らくは照明器具。

棚は壁の石組みの一部を空ける事で棚にしてあるようだ。上には何もない。

・・・ん?


「にゃにもにゃい」

うん。


「な〜んにも無いですねぇ〜」

「綺麗なものですねぇ」

うん。


「出よう。ドアはしっかり閉めてね?」

皆を()かせるようにして部屋を出ると一息つく。


「ロウジ?」


「ん?」

リンが少し心配そうに見てくる。


「ロウジィ?どうかしたの〜?」

「どうかぁしたんですかぁ?」


「空気が悪かったですかぁ?」

皆が気が付いたようで心配そうに聞いてくる。


「あ、あぁ、いや。」

・・・う〜ん。顔色が悪くなってるのかな?

分かりやすい、って言われたしな。


「どうかしたぁ?にゃにか気が付いた?」


「ん?あぁ。うん。・・・う〜ん?あぁ。考えてみれば大した事じゃないのかな?風の精霊達が働いてるみたいだし。」

そう言えばそうだった、と思い付く。


「ん?どういう事?」

リンが更に聞いてくる。

まぁ、情報の共有は必要だよな。


「うん。あの部屋さ。綺麗だったよね。」


「え?あ、うん。さすがに古かったけど。」


「うん。」


「綺麗でしたねぇ。掃除して引っ越したみたいでしたねぇ〜」


「うん。掃除したみたいだったの〜」


「はいです・・・え?掃除ぃ?」

最後にアリーが気が付いてくれたみたいだ。


「あ」

リンも思い至ったみたい。


「そうなんだよね。実際にどのくらいの年月が経っているのかは分からないけど。ピアリス様の言葉だと遺跡になってからはここには人はほとんど入った事、ないはずなんだよ。でもさ?部屋の中、綺麗だったよね。ドアも何故か少し開いたままだったし。」

そう。

掃除はするかもしれないけど風の精霊達はさすがにドアの開け閉めまではやらないと思う。

「んにゃ。確かに。バットやスネーク、スパイダーだってドアの開け閉めまでは・・・さすがににゃぁ。」


「・・・う〜ん?ピアリス様とかじゃぁ?」


「ピアリス様、なの〜?」


「ピアリス様の可能性は高いかとぉ」


「うん。ピアリス様の可能性は高いし、ピアリス様の・・・使い魔的な何かかもしれないんだけど。ピアリス様は何も言ってなかったよね?」


「使い魔、かにゃ?聞いて、ないにゃぁ〜」


「「う〜ん。」」


「なにか。居る、なの〜?」


「う〜ん。人型、もしくはそれに近い動きが出来る何かが居る可能性があると思って行動した方が良いと思う。まぁ、正直ピアリス様の可能性が捨てきれないんだけど。ドアの閉め忘れとかずいぶん人間くさいしね」


「ですねぇ〜」

しばらく考えていたアリーが賛同してくれる。


「盗賊、の可能性は低いと思うけど。盗掘屋とかピアリス様が知らにゃい人間が入り込んでる可能性も否定出来にゃいにゃぁ。気を付けて行くにゃ。」


「うん。ピアリス様は少なくとも人型については何も言ってなかったよね?だから皆、この先気を付けて行こう。」


「はい、なの」「はい、ですぅ」「はい、わかりましたぁ」


・・・・そしてひとまず注意すべきは斜め前にあるドア、だよな。


「そこのドアはちゃんと閉まってる?・・・ドアも俺が先に立って開けるよ。」



さて、獣に気を付けていれば良いという状況から一気に難易度が上がった気がするよ?

ピアリス様の管理地なんだけど、ピアリス様も神殿でずっと警戒してるわけじゃないかもしれないしな。


精霊草を採取するだけなのにかなりの難易度のクエストじゃないか?これ。

そんな緊張感漂う状況でも俺は心の何処かでワクワクしていた。



しかし俺は気が付いていなかった。

この時点でまたしても大きな見落としをしていた事に。

それがまさかあんな事になってしまうとは思ってもみなかったのだ。

お読みいただきありがとうございます☆


目的が採取。

更に場所が場所だけに本格的、とはいきませんがロウジにとっての初の遺跡探検です。


次話では相変わらずロウジの手数の多さが明らかになり、更に逆にそのせいでこれまた相変わらずポカをしていた事が判明します。


更新予定は31日にしておきます☆


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