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管理地にて過ごす一夜?!

精神的にくたびれたロウジ。

ピアリス様の管理地に入ります。


さぁてゆっくり出来るでしょうか?

トンネルとは違って出口の明かりは見えないただただ暗い、黒い通路を歩く。


「ろ、ロウジ」

腕を強く握ったままのリンが恐々(こわごわ)と話し掛けてくる。


「いらっしゃい。2人とも。」

リンに答える前にトンネルを抜けていた。

突然目の前が拓けた感じ。


「うあ」「うにゃ?」

なんか目が暗闇に慣れようとしたら明るくされたような感じで目がおかしい。


「あら?・・・ふふ。境界を越えるだけだもの。どこまでも続くわけないでしょう?」


「・・・・えぇぇっと。ピアリス、様?」


「・・・ピアリス・・・様?」

口調と内容から相手を把握していたはずなのに俺もリンも戸惑って思わず聞いてしまう。


「ん?そうよぉ?・・・あ。と、言っても分体だけど。本体とはちゃんと契約までしたのだから理解してるとは思うけれど?あ、この姿が意外?またいつか説明はする事になるかもしれないけど、ここでは生命力や気力に溢れた姿で居ないと辛いのよ。だから、ね。」

言ってウィンク1つ。

おませな子供がしているみたいで見る人が見れば微笑ましく思うかもしれない。

けど、力は強いと思う。

多分リンも感じてるんじゃないだろうか?

冒険者ギルドで会った店番をピアリス様本体、どうやらやっぱり普段あそこに居るのが本体様、が代わりに頼んだ色っぽいお姉さん風の分体とは違ってかなりのプレッシャーを発していると思う。

それも本当に相対するものをはね退ける、拒絶する系のプレッシャー。

それはピアリス様らしくない、と言うか今まで接していたピアリス様のプレッシャーはキツくてもそれでも何処か包容力、相対するものをも吞み込むようなモノがあるのに・・・こちらにはあまりそれを感じない。

見た目はポリーちゃんよりも小さい小学生3、4年生くらいなのに。


「あら?ふふ。まだまだねぇ。このくらいで気圧されてるようでは、ダ・メ・よ?2人ともぉ」

う。


「・・・ぅにゃ」


「う・・・はい。」

見た目は子供、中身は老獪、そんな感じ。

・・・・しかし。

リンはネコマタか猫人か?のはずだけど単なる猫になりつつあるような気がしてならない。

ん?


「あ。そういえばリンに聞きたい事があるんだけど。」


「ん?にゃに?」


「はいはい。まずは神殿まで案内するから話はそこで、ねぇ?」

ピアリス様(少女)が言ってくる。


「あ、はい。そうですね、お願いします。・・・あそこ、ですよね?」

さっきまであまり変わらない木々だけの景色だったのに結界の中に入ったら・・・多分神殿を中心とした広場みたいになってるんじゃないだろうか?という結構広く拓けた場所になっていた。


「花壇もある」


「あるわよぉ?妖精達が来られれば世話を任せるのだけど、それは無理だから世話が少し大変だけれど、ね」


「「え?」」

驚いた。

まさか?


「なによぉ?わたしが花の世話をしたらいけないかしらぁ?」


「あ、い、いえ。ここにはピアリス様しか?」

フェア達も来たくなかったみたいだし、中が安全、って事は他の魔物とかだけじゃなくひょっとしたら大した生物も入って来れないのかもしれない。


「あら、そういう事なのね。そうねぇ。今は安全なのだからもう少し中に招き入れても良さそうではあるのだけれど。・・・やっぱり影響を受けやすそうな妖精族の立ち入りはあまり歓迎は出来ないのよねぇ。だからわたしが管理するしかないわね。あ、でも忘れてるのかもしれないのだけれど?わたしは森林地帯の精霊なのだから居るだけでも植物には絶好の生育環境になるのよぉ?水やりも雨を降らせれば良いのだし、恐らく2人が考えているよりは負担は無いわね」

・・・と、いとも簡単に言いのけたのだけど。

忘れてはいないけど実際何が出来るのか?という点については深く考えていなかったね。


「そ、そうにゃんにゃ」

うん。驚き方から見るとリンも多分同じような感じだっんじゃないかな?


「ふふふ。まぁ、わたしの話は置いておいて。さぁ、いらっしゃいな。わたしは必要ないのだけれど一応人族の神殿を模してあるから厨房も食堂もあるからゆっくりすると良いわよ。客室もあるから適当に使いなさい?・・・ただ、今は奥の間に行ってはいけないわぁ。今夜は客室でゆっくり休んで明日はそのままネコノコシカケをまずは取りに行きなさいね?それからまたここへ戻ってきて貰うわ。そしたら今度はこの神殿について少し話をしましょう。」

そう言ってあとはもうついて来い、とばかりにクルッと背を向けて歩き出してしまう。


・・・・リンと2人で顔を見合わせる。

うん。

今日は奥に行かずにまずはネコノコシカケを、っていうのは聞いてたけど。

保存や新鮮さの関係とルートの関係とか聞いてたんだけど、ここまで来てそれが何か異常な・・・と、言うかアイテムボックスがあるのだからそもそも保存に関しては問題がないのだし、この神殿の奥に行けば魔力水も精霊草もあるのだったら別に奥への立ち入り自体を禁止する必要もないと思うんだよね。

何か、いや、かなーり不自然な感じ。


そんな事を考えながら歩いて神殿の近くに来たのだが。


「・・・ロウジ。ロウジは色々見えてるんだろうからあたしより分かってるのかもしれないけど。ココ。何か変な感じがする。・・・今まで感じたことにゃいピアリス様のキツイ感じもするんだけど嫌な感じもする。人が居ない、来ないはずなのにこんな大きな神殿、というにょはまぁ、ピアリス様の存在を考えると納得だけど。・・・広い、だけじゃなくて、客室がいくつもあったり厨房も食堂もあるにゃんて・・・まるで大勢の人間が出入り、あるいは寝泊りする事を想定して造ってあるみたいだし。それ、なのに結界はロウジでも通り抜けが出来ないくらいだったし。」


「うん。・・・マナとか精霊の動きは別に・・・うん、多分特にはおかしくはないと思う。だけどリンが言いたい事分かるよ。なんて言うか・・・この神殿自体がピアリス様を祀る神殿と言うよりもなんか砦?とか城みたいな雰囲気を出してる気がする。それにやっぱ生き物の声がしないよね。・・・なんかそれが尚更、ね。」

精霊の動きは・・・子爵邸での体験から風の精霊とかは纏わりついてくるイメージがあったんだけど、そんなこともなく、神殿の上の方を舞っている。

ただ、それが異常なのか?と言われると風だしなぁ、と思えるレベルなんだよね。

ただ、結界の中、って事を考えると精霊の数は多いのかも?とも思える。

けど、それも、俺の主観でしかないからなんとも言えない。


「ま、何かあれば教えてくれるでしょ」

「まぁ、安全だと言うんだし今は信じるしかないんだけどね」


「あ?」「あれ?」

2人して似たような考えに至ったみたいだね。

「あははは」「はは」


「ま、だよね?何か秘密があったとしても話せるものなら話してくれるだろうし、自分から首を突っ込んで面倒な事に巻き込まれたりするのも嫌だしね」


「あはは。それが本音?でも、本当にそう。あのピアリス様があまり伝えたくない事なら色んな意味でロクでもない事な気がするもん。それに聞いてた?さっき花壇の世話についてちょっと変にゃ事言ってたんだよ、ピアリス様。」


「うん。やっぱ気になったよね?まぁ、あれも話を広げちゃダメなタイプの内容の話だと思ったけど。」


「うん。何か生き物、妖精達に影響・・・それも良くにゃい影響を与えるような物がココにはある、って事、だよね?きっと。」

俺がやっぱりそこには触れないでいた、というような事を言うとリンも同じ感想を抱いていたみたいで話を合わせてくる。


「うん。だから。ひょっとしたら、なんだけど。妖精族や動物達じゃなくて俺らにもなんらかの影響が出るかもしれないから・・・あぁ、それならここをキャンプ地にしろ、なんて事は言わないな。」

そうだった。

ピアリス様はここを拠点にして森の中を動け、とか言ってたんだ。


「うにゃ?そうだね。ここを拠点にして動け、みたいに言ってたから・・・普通に考えればあたし達には影響は、ない、と考えて良いんだろうにゃ。」

うん。そう思う。


「ふふふ。大丈夫よ?さぁ、中へどうぞ、お客様方?」


「うわぉ」「にゃっ!」


「びっくりしたぁ〜」

いつの間に来てたのかすぐ隣にピアリス様が居て笑ってた。

・・・冒険者ギルドのピアリス様と比べるとやっぱプレッシャーが弱い。

弱いけど、さっきまでは話に夢中で無視できる程なんかでは無かった気がするよ。


「・・・もしかして気配弱めて話を聞いてました?」

恐る恐る聞いてみる。


「あらぁ、当たり前じゃない。人が前に居るのに噂話を始めるんだもの。気になるに決まってるでしょう?」


「ありゃ」「あぅ」


「まぁ、深い話についてはさっきも言ったけれど話す機会も訪れるかもしれないわ。今は身体を休めてネコノコシカケを取りに行く事に集中してくれると・・・・あなたの妹、ピアリスは嬉しいわよぉ?」


「だ、誰が妹ですか、誰が」


「間違いなくピアリス様だわ」


「ふふ。ま、でも冗談は抜きにしてロウジ?あなたの顔、酷いわ。貴方の顔はひどいわよ?早めにしっかりと身も心も休んだほうが良いと思うわよ、わたしは」

少し笑ったかと思ったらすごく真剣な顔をしてピアリス様が言ってくる。


「え?・・・2度も言わなくても。凹みますよ?・・・俺、まだそんな顔してる?」

リンに聞いてみる。


「うん。・・・あたしもやっぱり早めに休んだほうが良いと思う。・・・・ロウジは酷い顔。」


「・・・あ、いや。多分心配してくれてるんだろうけど。それだけ笑っちゃうとさすがに・・・」


そう。リンは言った後に下を向いて笑いを堪えている。

どう見ても肩が震えているし。


「ふふ。やっぱり仲は良いわね。さ。入って右手が食堂と厨房になっているわよ。客室は二階にもあるけれど左手側のものをどこでも良いから使いなさいな。・・・あ。一応ここは大精霊を祀るだけれど、恵みをもたらす大地の精霊殿だから別に2人で同じ部屋で寝ても構わないわよぉ?ふふふ」

うわっ。

幼い容姿で爆弾投下した!!


「いやいや。いやいやいや。普通に冒険者仲間ですから。何を期待してるんですか、あなたは。何を言ってるんですか、ピアリス様は。」

あせあせ。

からかう為の爆弾だと分かっていても焦ってしまうのはやはり経験の差とか若さと言うものなのだろうか?


「にゃぁ。そう言えば別にロウジとは冒険者仲間なんだから同じ部屋でも構わにゃいかな?」


「そうよねぇ?冒険者仲間なんだし?」


「うわ。」

女性2人が敵になった!!

・・・と、言うかリンは俺をからかう側になっているけど・・・どうなのさ。

とりあえず3人で食堂に向かう。


「あ。風呂、なんかは無いですよね?」

出来れば身体を洗いたい、出来ればお湯に浸かりたい日本人が約1名。


「あらぁ?・・・そうね?右手側奥にあるわよ?奥から2つ目のドアね。・・・3人で入りたいのぉ?」


「うわ、そう来たか」

「にやあん」


・・・リンさんや。今のはわざと変な声を出しましたな。


「ロウジは先に身体を洗ってくると良いにゃ。さっきのラビットイーターを2羽ちょうだい?調理しておくよ?」



「あ、ありがとう、リン。じゃぁ、頼んじゃって良いかな?」


「うん。早く身体流したいでしょ?」


「助かるよ。じゃぁ、これね。・・・うぁぁ。」

首から血を垂らしているラビットイーター2羽を首から掴んでしまった。

仕方ないからそのまま渡す。

リンの手も血に塗れるが気にしないようだ。


「あらぁ?良い獲物取ってきたのねぇ?わたしも御相伴に預かろうかしらぁ?」


「「え」」


「あらぁ?わたしの分は無しの予定だったのぉ?2人してつれないわぁ。シクシク」

うわぁ、泣き真似・・・明らかに嘘泣きなんだけど、始めちゃったよ。


「あ、あぁ、リン。じゃぁ、これ、もう1羽渡しとくからお願いして良いかな?」


「え?あ、うん。任されたにゃ。ロウジはいってらっしゃい」


「うん。行ってきます。・・・あ!ピアリス様は突入して来ないようにお願いしますね。」

一応先に言っておく。


「あ、あらぁ。先に釘を刺されてしまったわぁ。せっかく楽しみにしてたのにぃ。」


はい。俺の困った顔や慌てる姿を見るのを楽しみにしてたんですよね。分かりますよ。


「じゃぁ、行ってきます」


「うん。行ってらっしゃい。」「はぁ。仕方ないわね。行ってらっしゃい、ロウジ。お土産は要らないわよ」


「いやいや、風呂に行くだけだし。そもそもここはあなたの建物でしょう?何を期待してるんですか」

風呂に行くのに土産を求められても困るし。なかなかに新鮮な発想だ。


「ロウジは優しいから何か期待出来るかと思っただけよぉ」


「まったく。」

言いながらアイテムバッグは食堂の座席に置いて風呂に向かおう。


「あ。お湯は入れておいたけど恐らく冷め始めてると思うから自分で沸かしなさいね?」

風呂場に向かって歩き出したら後ろから思い出したようにピアリス様が言ってきた。


「あ。忘れてた。ありがとうございます。お湯、入れておいてくれたんですね。助かります。」

ここ何日間はメイドのアンさんが全部準備してくれてたから自分で風呂を準備するとか、お湯が張られてない、とかの発想がなかったよ。


「ふふ。お客様が来るのだもの。生憎と食事の用意は出来なかったけれど、そのくらいは、ね?」


「はい。ありがとうございます。行ってきます」


今度こそ風呂だ。


「広いな。男湯女湯の区別はないみたいだけど・・・人が居ないんだから当たり前か?」

冷めてるような事を言ってたけど少し温めくらいでなかなか良かった。

お湯は蛇口、ではなく大きな貴族風呂のイメージ通り、と言ってはなんだけど石の獅子の口、ではなく何故か熊の口から出るようになっていた。

何か熊と水の逸話があるのかな?


風呂から上がり子爵邸から何枚か拝借してきたバスタオルを使って身体を拭く。


「・・・安全地帯なんだし、服はこれで良いか。あ、しまった。洗濯はどうすれば良いんだろう?」

この世界に来た時のお気に入りセットに着替える。

着替えた物はアイテムボックスに放り入れる。



「ただいま〜。良い風呂でした」


「おかえりなさい。ふふ、とりあえずサッパリはしたみたいで良かったわ?」


「あ、はい。ありがとうございます、本当に。」


「おかえり〜。ロウジ?お皿あるぅ?スープが入る奴ぅ〜」

リンが厨房から聞いてくる。


「あ、はいよ〜?これは、スープ皿?・・・あ、パンは?あ、昼のバスケット出そうか?」

とりあえずピアリス様がスープ皿は何処からかちゃんとした物を出してあったからそれをリンの方へ持っていく。

昼のバスケットの中にまだサンドイッチ、じゃなくてパンサンドが残っているからそれも出す。

・・・・食べ物に関してはアイテムボックス重宝するよなぁ。

ちょっと怖いけど中では時間の経過が無いというからナマモノも保存しまくりだ。


「はぁい。ロウジ」


「あ、ありがとう。」

リンが用意してくれたのは人参?みたいな赤い野菜や芋と肉が入ったシチューだった。

・・・そうか、そうだよな。

今思ったばかりだけど牛乳・・・ミルク、や卵、エッグなんかも入れておけば野営なんかでも結構まともな良い食事が出来るんだ。

残念ながら俺はナマモノはほとんどまだ入れてない。

・・・・鳥の死骸がいっぱい、とかは言わない約束だ。


その日の夜はそんな風に3人で雑談をしながら、少し俺がピアリス様・・・少女型、にからかわれたながら落ち着いた空気の中で休めた。

朝、8:12

少し寝過ぎた感があるけど起き出す。


「おはよーロウジ。良く眠れたみたい?」

起きて部屋を出ると隣の部屋の前に居たリンが挨拶をしてきた。


「あ、うん。おはよう、リン。お陰様で普通に眠れたみたいだ。少し寝過ぎた感じがするけど良かったのかな?」

特に夢にもうなされるようなことも無く、スッキリとした気分で起きられた。


「良かったぁ〜。時間は気にしにゃいで良いよ」

リンが笑顔で言ってくれる。

ん。


「ごめん。心配かけた?」


「ん?うぅん?大丈夫。ちょっと気になっただけだから」


「そっか。ありがとう。」

少し言いにくそうにしたけど、まぁ、気にしてくれてたんだろう、と思う。


「うん。大丈夫そうだね。」

リンが顔を見ていってくる。


「あ、うん。少し腹が減ったくらいかな」

だから少しおどけた様に言ってみる。


「あ。そうだった。ごめん、ロウジ。朝の食事なんだけど。シチューが余っちゃってるの。それで良い?」


「あ、うん。もちろん。シチューが余っちゃってるのは分かってたし。」

うん、昨夜のシチュー。

ピアリス様も食べると言ったから肉も増やしたんだけど。

これがまた小食で。

パンは無くなったけどシチューが余りまくってた。


「あ、でも俺の方、パンはもう固パンしかないんだけど?」


「うん。あたしもそう。固パンならたくさんあるから心配は要らにゃいんだけど。大丈夫。シチューに浸して食べるのが固いパンを美味しく食べるコツ。」

リンが笑いながら言う。


「あぁ〜。確かにね。シチュー様々かな」

固いパンもシチューと一緒なら美味しく食べられる、というのはどこでも同じらしい。


なんて話しながら食堂に行くと。


「あ〜ロウジ〜おはようございます〜」「ロウジーおはよーなのー朝なのー」「ロウジ、おはようございま〜す。もうとっくに朝ですよ〜」

「あら、やっと起きた様ね?おはよう・・・良く眠れたようで良かったわぁ」


何故か妖精3人組とそれをいじり倒しているピアリス様が居た。


「お、おはようエリー、フェア、アリー、ピアリス様、おはようございます。・・・なんで?」

それしか言えない。

妖精3人組は入れないんじゃなかった?

ピアリス様は妖精達を入れないんじゃなかった?

そして、ぐったりしているフェア。

なぜに?


「ふふ」


「フェアが〜夜が明けて少ししたらもう行くって聞かなくて〜ですね〜結界前に来たのは良いんですけど〜ずっと待ってて〜」


「ロウジとリンが出発しちゃうと困るとー思ったのー。」


「結界近くで大人しくお話ししながら待ってたんですけど〜」


「ふふふ。結界前でロウジとリンの噂話をしているのだものぉ。気になるじゃなぁい。この3人なら耐性が高そうで大丈夫そうかなぁ?と思ったものだからこちらへ招いてあげたのよぉ」


「あ、そうなんですね?」

ふむ。


「暗闇に呑み込まれましたです〜」


「真っ黒い場所に引っ張り込まれたの〜」


「黒い空間に無理矢理引っ張り込まれたのです」


「あぁ〜〜。」「あ〜」

なるほどね。


「む、無理矢理だったんだ」


「それはそうよぉ。招かれざるお客様ですものぉ」

おほほほほ、とか言いそうな感じで口に手を当ててピアリス様が言うけど。


「さっき招いた、って言いましたよね」

バッサリ斬り捨てる。


「絶対リアクションを面白がってたんじゃ?」

リンもツッコむ。


「ぐてーなのー」


「なるほど、それでか」

納得だ。

怖かったんだろうね。


「まぁ、シチューをご馳走してあげるから元気出して今日も1日がんばってねぇ」


「いや、それピアリス様が作ったんじゃないし。」

「作ったのあたしだけどにゃぁ」


「ううぅ。ロウジとリンがいじめるぅ」

しくしく、と両手で顔を隠して泣くピアリス様。

はぁ。


「さ、朝の食事にしましょう。フェア達は肉は避けたほうが良いのかな?肉も食べる?」


「肉は昨日のラビットイーターなの?」


「そうそう。あれ」


「わたしは貰います〜」「わたしは肉は抜いてくださ〜い」

「わたしは・・・食べてみるの〜」


「はいはい。」

今朝はこの流れで俺が配膳していく。



「さ、じゃぁ、今日も頑張りましょう〜いただきます」


「「いただきます」」

そして何故か5人で食事をしてそのままピアリス様以外はネコノコシカケを取りに出掛ける形になった。



「今の時期ウルフ達は居ないはずだけどクマは分からないわ。気を付けてねぇ。」


「「行ってきます」」




お読みいただきありがとうございます☆


すみません、一気に書いていたのですが途中でiPhoneが固まってしまい・・・(T_T)

書き直したもので時間がこんなになってしまいましたm(__)m


次話ではネコノコシカケ採取、そして神殿の秘密の一端に触れる形になります☆


更新予定は8日になりますm(__)m

お待ち下さいませ☆

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