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ロウジの迷いと神殿への入り口?!

フェアの危機を救ったロウジ達。

改めてピアリス様の管理地へと歩を進めますが。

なにやらロウジの様子が?

さてさて?

「あ、ロウジ?手は適当に水で流しておかないとダメだからんにゃ?」

歩き出して少しすると俺の方を見ていたリンがそんなことを言ってきた。


「手?・・・・おうわぁっ!・・・え?なんで?え?え?」

手を確認した俺が見たのは血。

う。

「う。な、なんで?」

やばい、少し気持ち悪くなってきちゃった。

おかしいな、そんなに血が出るような倒し方したっけ?

・・・あ、いや、翼を折られて地上に落下すればそれは出血するのも出たろうけど。

まぁ、あまり見ないようにしよう。


「ロウジ?」「ロウジ〜?」「大丈夫なの?」


「う、ごめん。少し大丈夫じゃないかも。」

見なくても無理だった。

肩に乗っていた2人には悪いけど降りてもらってしゃがみ込む。


「あ〜、う〜」

ヤバイ、早く洗うだけ洗わないと。

何か臭いまでしたきたような気もする。

気分が。悪い。


「でも、なんでこんな多く出血してたんだろう?やっぱりなんかおかしいような?」

落ちて死んだのが多いと思うんだけど、こんなに出血するのかなぁ?


「あれ?ロウジ?・・・え?まさかロウジってとどめささずに、死んでるかどうかの確認しにゃいでアイテムボックスに入れてたにょ?」


「ええ?」「ええぇぇ?」「とどめ、なの?」

え?

「え?なんで皆そんなにビックリしてるの?

いや、とどめは確かに差してない、けど。

動いてなかったから大丈夫だと・・・・うぅぅ。また気分が悪く・・・うぅぅ〜。」


「あたしはちゃんとした血抜きまではしなかったけど、しやすいようにちゃんと首を切って渡してたけど?」

リンが心底不思議そうに首を傾げて言ってくる、んだけど。


「そうか。それで血が出てたのか。」

うぇ。

夢中で、と言うか変にテンション上がってて気にしなかったけど、と、言うか気が付かなかったんだけど。

確かに手にヌメッとした感触はあったかもしれない・・・うん。今更ながらに思い出してきたし・・・大量の鳥を殺した、んだよね、俺が。

う。

「うウゲェェェエッウッう」

無理。

水筒を出して手を洗ってたけど・・・無理。


両手を前に

「う、ウォーター!!」

手の平の間に水の塊を作ってそこにそのまま手を突っ込む。

・・・すぐに真っ赤に染まる水球・・・なんてことにはなっていない。

水筒の水で取りきれていない血がユラユラと水球の中に流れ、漂うだけ。


「・・・うん。殺した、んだよね。」

いや、今更、なんだけどさ。

クロクマを近接戦闘で倒せる、倒してみても良いかも、なんて考えてもいたわけだし。

・・・俺は・・・『倒す』という言葉をどういう意味だと思って使ってたんだろう?

冒険者ギルドにウルフ達が解体に来ていたけど・・・うん。解体する、ということは殺した、死体を持って来た、ということじゃないか。


「うぅえ。」

気持ち悪い。


「ロウジ?大丈夫〜?」「ロウジ、大丈夫かにゃ?」「ロウジ、大丈夫なの?」


リンは離れた所で。

3人は心配して後ろに居て聞いてくれる。

3人。

飛んできてる3人。

3人は妖精じゃないか。

確か錬金術の素材に妖精の羽という物もあった。

・・・あれは・・・あれは・・・どうして手に入れるのだろう?

・・・・まさか、まさか、まさか。


「うぅぅ〜うぇぇえ」

辛い。ただただつらい。


「・・・・ごめんにゃ。今日はここでキャンプにするにゃ。休憩、じゃ無理だと思うのにゃ」


「う、うん。だね。わたしたちは・・・どうする?」


「ロウジ。大丈夫なの?」


「そういうことなら・・・わたしたちは一度村に帰らせてもらった方が良いかもしれないです〜」

「え?なの」

「だよね〜」


「そう、だにゃ。妖精の村にあたしたちが入るわけにはいかないし。村がすぐに行き来出来る場所にあるなら一度帰った方が良いかもしれにゃいにゃ。」


・・・・話は聞こえて来てるけど・・・何も話したくない、と言うか口を開けたくない。

出来れば目も開けたく、ない。


「で、でも!もう少し、なの!休憩とか野営ならピアリス様の管理地に入ってからの方が安全、と思うなの!」

あ、そうなのか。

フェアの言葉にピアリス様の言葉を思い出す。

管理地に入ってしまえば安全。

確かにそう言ってた気がする。


「はぁ、はぁ。はぁっ。・・・ごめん、フェア。管理地まで案内をお願いしてたのに、途中で止まっちゃって。とりあえず大丈夫。管理地に行けば安全だって言うから管理地まで行こう。行きたいな。・・・ごめん、多分これでまた戦闘になっても役立たずだから。・・・うん。それに鳥、鳥だもんな。大丈夫。」

うん。・・・考えようによっては鳥で良かったと思う。

だいぶ落ち着いてきたし、気持ちの整理もついてきたから。

鳥は普通に食料としてたし。

・・・だからこれが・・・良くあるゲームみたいにゴブリンやらコボルドのような人型の魔物・・・あ、ここでは妖精族なんだっけ?あるいは人間の盗賊とかじゃなくて良かったと思う。

・・・・これが人型だったら多分俺は精神を病んでいたかもしれない、とさえ思う。

でもこれが現実。

いや。鳥なんかだって怪我をした小鳥や雛を助けようとしたことはあるけど、殺そう、傷付けようなんてしたことは生涯1度もない。


「はあ。」

ま、鳥だから。

なんとか切り替えられるよ。

それにもし食料とするなら尚更、ね。

いつも食べてる肉はなんでもそうだけど、そういう処理をしてくれている人達が居るからこそ食事になるんだしね。

色即是空空即是色

不生不滅不垢不浄


「ロウジ。ほんとに大丈夫?」


「え?、あ、うん。なんとか。大丈夫だよ。ごめん、心配かけて。」

立ち上がってもブツブツ言いだした俺を心配したのかまた声をかけてくれるリン。

いや、心配して当然か。


「と、いうわけでフェア、安全な場所までの案内をよろしく」

明るい口調を意識してフェア達に向かって言う。

はぁっ。大量に倒す事が出来て少し自信がついたと思ったけど・・・

「まだまだだなぁ。」


「冒険者登録したばかりの新人だもん。仕方にゃいにゃ。・・・それよりも。あたしも速さをウリにしているに・・してるのに大した活躍、ロウジのフォローも出来なかったにゃ。ごめん。」

そう言って頭を下げてくるリン。

その顔は・・・結構、いや、かなり。

気にしているのかもしれない。


「あ、いや。だって、それはあんな状態で鳥が相手だったわけだし。リンだって何匹、何羽かボウガン?クロスボウ?で落としてたし。別に気にする事じゃないよね?」

リンは今はいつの間にか右手に・・・正確にはクロスボウだった気がするけどボウガンを出して持っている。


「あ、これ?小型のライトクロスボウ。・・・鳥や空を飛んでたり離れた場所にいる相手用に持ってるんだけど。こんな森の中ならあたしの場合は脚を使った方が楽だし正確に捉えられるから普段はあまり使わないにゃ。・・・だから・・・ごめん。」


「・・・あ、いや。えぇと。・・・助かったのは事実だし、俺の方こそ・・・・情けない姿見せちゃって。鳥なんていつも普通に食べてるのに。・・・本当に情けない。ごめん。」

俺もまた頭を下げる。


「う、うん。・・・今ので分かったけど。ロウジってあまり生き物殺したりそういう現場って見た事・・・ない?」


「あ、う、うん。・・・実際にそういう現場に居合わせた事は、ないね。自分から殺したり、なんてのはもっとない。」

映像では何回か、映画なんかじゃかなり観てはいるけど、それは言ってもしょうがないしね。

綺麗に処理を施された御遺体とはまたまるきり違うし。


「やっぱりそう。・・・自分で獲物を捌いて食事、なんてのもして・・・来ずに済んだんだ。・・・恵まれてたのにぇ。」


「・・・・あ。うん。・・・そう、だね。恵まれてた、んだろうね。うん、恵まれてたね。かなり。」

まぁ、実際には自宅で鶏とか飼って捌いて、ってやってる人達も普通に居たからリンが思ってるような『恵まれた環境』とは違うとは思うけど自分で何もやらずに・・・野菜だけでも育てていれば食料には困らないし料理もかなり手間を省ける所から来た、そんな所に住んでいた俺は間違いなく恵まれてたとは言えるんだろうね。

まぁ、俺も家で多少の手伝いはしてたとは言え基本的には・・・なんて言うんだったか・・・上げ膳据え膳?の生活だったわけだからリンの考えもあながち間違ってもいないし。


「うん。恵まれてたね。」

だから、そんな中で「相手を倒す」なんて言えばスポーツの中で・・・怪我をしない、させない世界の中での話かゲームや本の中での話で実際には誰も傷付かない、傷付ける事の無い世界の話なわけで。

精神的にはともかく相手を傷付けてはいけない、傷付けられない、という所で日常生活を送っていた俺は・・・これからかなり大変かもしれないな。


「・・・相手が自分を傷付けにゃい。自分も相手を傷付けにゃい。ひょっとしたらロウジはそんにゃ所から来た、のかもしれない。それは平和かもしれにゃいけど。ここではそれは甘さであって通用しにゃい。初見の相手は相手を調べるのが当たり前。疑う、まではいかにゃいけど外では警戒心を持って接する、のが当たり前。・・・ロウジがそれを出来てにゃい原因も分かった気はする。でも、本当、それは甘い。・・・それは・・・例えば、今ならあたしやフェア達同行者も危険に晒す。もちろん一番危険、なのはロウジ。気を付けて欲しい。」

歩きながら真剣な顔と口調で言ってくる、言ってくれるリン。

・・・そう、しっかり面と向かって言ってくれるのは優しさ、なんだろうな、と思う。

ピアリス様達にも言われた事と通じる事ではあるんだけど。

うん。皆が一番気にしてくれているのは俺の身の安全について、なんだよね。

リンもそうだけど。

だから。

「うん。ごめん、気を付ける。なるべく早く慣れていけるようにもがんばるよ。・・・ありがとう。」

お礼を言う。


「んにゃ?・・・ロウジは。ロウジはやっぱり素直すぎると思うにょにゃ・・・そこでお礼はズルいと思う。」


「え?ず、ズルいって、言われても?」

えっと?

困るだけなのだけど。


「うん。とりあえず良いにゃ!この話はこれからロウジが気を付ければ良いだけ!・・・それよりも。・・・うん。それよりも。ほういじしゃくとか言う道具は図鑑にあったにょ?図鑑はしまったみたいだけど。」

ん?


「ん?・・・あぁ?方位磁石探してたね、そう言えば。あれ?アイテム図鑑どうしたっけ?俺。あれ?」

投げ捨てたりしてないよね?

いくら慌ててたとは言え。

アイテムボックスに入れた?

アイテムバッグか?

あれぇ?


「あ、あった。良かった。」

咄嗟(とっさ)にバッグに突っ込んだみたいだ。


「方位磁石、方位磁針、六分儀、羅針盤・・・無いんだよなぁ、やっぱり。」

元々のは呼び名は羅針盤なんだから羅針盤であるかも?と思ったんだけど残念ながら無いみたいだ。

この世界には無いのかも。


「ねえ?船、他の大陸に渡るような大きな船ってあるよね?」

駄目元で聞いてみる。


「え?・・・うん。もちろんあるけど。・・・ロウジも乗ってきたでしょ?」

あ。

逆に聞かれてしまった。

やぶへびとはこの事か。


「あ、うん?うん。そうなんだけど。船の道具について知りたいんだけど。リンは分かるかな?」

誤魔化せるかな?と思い更に聞く。


「道具?船で使う道具って事だよね?・・・うぅ〜ん。ウチの店にも色んなお客さん来るけどあまり船乗りとかは来ないからにゃぁ。・・・何を聞きたいにょ?」

少し考えてとりあえず質問の内容を聞かせて?と言ってくるリン。

良かった。上手く誤魔化せたみたいだ。


「あ、うん。羅針盤・・・あ、いや。船の方角、大陸や港の方角を知る為に道具は使ってるのかな?って。星とかでしか方角を調べてないのかな?って疑問に思ってさ。」

自分でも上手い!とか思って聞く。

が。


「星で?・・・う〜ん?確かに星とか月とかで方角は大雑把には分かるけど大雑把過ぎるよね?数が少ないし。普通に方角を知りたいならコンパスを使うんじゃ?船では少し大きなコンパス使ってるよぉ?コンパスなら冒険者ギルドにも売ってたよ?」

ん?


「数が少なくて大雑把?・・・あ、あぁ!そうだね、うん。確かにそうだ。・・・コンパス!そうだ、コンパス!ありがとうリン!コンパスね、コンパスコンパス。」

(いた)ぁ〜、とか思いながら小さく呟きながら図鑑で探す。

そうだったね、方位磁石、方位磁針、羅針盤、全部コンパスって言うんだった。

どうもコンパスって言うと文房具の方を思い浮かべちゃうしあれしか思い浮かばなかったりするけど、違うんだよね。

いけないいけない。

それにこっちに来てまだそんな夜遅くに出歩いてないから忘れてたけど、地上から見える星はほとんど作ってない、とかシヴァ神が言ってたね。

・・・でもせめて方角が分かるように星を配置するとかは考えて良いんじゃないのかな?

まぁ、実際どんな風に星があるか知らないんだけど。


「あ、あった。良かった。・・・でも特殊道具か。冒険者ギルドにもあった?リンは持ってないんだね?買った事ない?」

売ってたよ、って言ったけど買った事ないのかな?


「うん。だって、あれって地図と一緒に使うんじゃ?そんな地図なんて普通は売ってないし、売ってたとしてもすごく高いし。コンパスだって銀貨4、5枚するんだよ?ま、まぁ、確かに今回は地図あるし深い森の中だからコンパスがあれば便利なのかもしれにゃいけど。それでもやっぱ今回だけにょ為に購入は・・・考えちゃうにゃ。」

少し耳を倒して言うリン。

・・・冒険者ギルドで他の人を見ていても少し分かってきた事だけどやっぱり猫系の獣人、獣人族全部なのかは分からないけど、普通の猫みたいに感情が耳や尻尾にも出るみたいだ。

と、言ってもリンは今は尻尾を隠してしまっているから分からないんだけど耳は良く動いてる気がする。

・・・もう少し読めば猫の気持ちが分かる本とか雑誌を読んでおけば良かったかもしれない。

とりあえず売ってるし存在することは分かったから図鑑はボックスの方へしまう。


(そろそろつくよ〜)(ピアリスのかんりちちかくだよ〜)(あんないくるよ〜)


「あ、そうなんだ。」


「うん。普段から使うには高い買い物だよぉ。」


「あ、あぁ、そうなんだ。・・・ん?」

ん?

なんか今話が噛み合ったような合わなかったような?


「ロウジ〜、もうそろそろなはずなの〜」


「ロウジ〜リン〜もう近くまで来てるはずですよ〜」


「そろそろなはずなんですけど、分かりますか〜?」


前でこっちを気にしながらも邪魔しないようにか、少しの距離を保って話しながら飛んでいたフェア達がこっちを向いて言ってくる。


(あははは、はなしがずれたのにずれてない〜)(きゃはは、おはなしのズレがおもしろ〜い)


ん?


「あ、あぁ、風の精霊達が話し掛けて来てたのか。ピアリス様の管理地の近くまで来たんだね」


「ん?お迎え来た?」

リンが興味深そうに周りを見る。


「う、うぅん?お迎えの人、じゃない、精霊はまだみたい。それ以外の風の精霊が教えてくれた。」

エレメンタルサイトはずっと発動したままだったけど、俺も改めて精霊を見るつもりで周りを見渡してみる。


「・・・うん。まだみたいだね。」


「ロウジ〜、こっちなの〜」

フェアがもう少し先で呼んでる。

3人ともその場で止まってる。


「う〜ん?何か魔力の壁?じゃないな、膜?幕?みたいなのがあるみたい。あの辺から一帯がユラユラしてるのが見える。」


「ふぅん?ロウジには見えるんだ。」


「うん。みたいね。」


「ロウジ〜?この辺の先、見えるなの〜?」


「この少し先からがピアリス様の管理地のはずです。わたしたちの村の結界魔法と同じような気配がします」


「ここからは〜もうわたしたちは行けな〜い。怖い気がして近付けないです〜」


「あ、そうなんだ?・・・入れない、とか迷う、とかじゃなくて追い返すような感じなのかな?」

多分ピアリス様の結界、とかって事だよね。


「リンは?何か感じる?」

感覚が鋭いリンは何か感じてるかな?


「う〜ん?・・・特に何も。と、言いたいとこだけど。ピアリス様の気配みたいなのが少し行った先から辺り一面に広がってる、ような気はする。・・・特に怖くはないし近付きたく、ない、とも思わ、ないけど。緊張はする感覚。」


「あぁ、なるほど。・・・うん。それなら分かる気はする。確かに。」

気配を感じよう、とさっきからしてはいるんだけど。

やり方とか分からないから適当に意識を向けてるんだけどね、なんか、こう、確かに森の気配じゃないモノを感じる気がする。


「じゃぁ、フェア、アリー、エリー、ありがとう。もう夕方だし、今日は管理地の神殿で寝るつもりだから、ここまでで良いよ?本当にありがとう。もし良ければ明日朝にここで待ち合わせしよう?また道案内頼んで良い、んだよね?」


俺がそう言うと困ったような少し怯えたような顔をしていたフェアが顔を一気に明るくして


「もちろんなの!お礼は要らないの!わたしこそ助けてくれてありがとうなの!また明日の朝早くに来るの!案内するの!」


「あ。じゃぁロウジ、リン。多分また明日、です」


「じゃ、じゃぁ、ロウジにリン、また明日の朝に〜!ちょ、ちょっとフェア〜!」


「あ、あはは。また明日ね〜」


フェアは言うだけ言ってもう飛んで行ってしまっていた。

この場所、そんなに怖さがあるんだろうか?

あれ?


「ねぇ?そう言えばこれ、・・・あ、俺のもう目の前に光のまく、カーテンと言うか光の水が流れてる滝?みたいのがあるんだけどさ?これをくぐっちゃって良いのかな?大丈夫だと思う?」

多分結界、じゃないのかな?

・・・普通はこういうのってくぐるとUターンしたり妖精の魔法みたいに迷ったりするんじゃないのかな?

俺達なら大丈夫?


(大丈夫じゃありませんよ?ちゃんと入り口を作りますのでお待ち下さいね〜)


「え?あ、はい。」


「ロウジ?」


「あ、うん。向こう側から話し掛けられた。見えないんだけど。」


なんて話をしている内に目の前が黒くなる。


「んん?」

「にゃ、にゃに、これ?」

むしろ、こっちの方が怖いんだけど。

リンにも見えてるみたいだけど、リンはズサッと飛び退いたよ?


「門を開けましたのでどうぞ?」

その・・・トンネルのように開いた入り口?真っ黒い空間に入れ、ということか。

・・・出来れば入り口とか門って光の方が見栄えも精神的にも良いなぁ、俺が何か魔法的な門のような物を作る時は工夫出来るなら工夫しよう、と誓った瞬間だった。


「リン?聞こえた?入って大丈夫だって。」


「う、うん。」

そう返事をしてリンも隣まで来る。

が。


「あら?門を開けましたのでどうぞ?とは言いましたが、そこが安全とも大丈夫とも言ってませんよ?・・・ですよね?」

と、向こう側から答えが返って来た。

え?


「え、ええっとぉ。」「にゃっ!」

どうしろと言うのか。

リンが隣には来たけど俺の腕を握ってしまったんだけど?


「ふふふ。うそ、です。もちろん、通って大丈夫ですよ?いきなり奈落へ落ちたり、実は竜の口だったり、とかはしませんから。どうぞ?」

ふふふ、と言ってくるが・・・。


「うん。大丈夫そうだ。多分ピアリス様の分体か本体さんじゃないかな?安心して入ろう。」

リンを促す。

なんか、ピアリス様の性格に慣れてきたかもしれない。


「・・・う、うん。・・で、でもロウジ?こ、このままで良いかにゃ?」

うわ、リンが目でコワイヨォ〜とアピールして来てますが。


「う、うん。じゃぁ、2人で入ろう?大丈夫だから。」


「う、う、うん。」

ぎゅ、っと。

腕を掴まれる。


「あらあら。ふふふ。怖がらせすぎたかしら、ね?それともお熱いわねぇ〜?と言うべきなのかしら?さ、覚悟が出来たのならこちらへどうぞ?」


「・・・う。はい。」

「にゃぁ」

・・・リンがネコになった。



そして、その見るからに、聞くからに怪しすぎる真っ黒い空間に2人並んで足を踏み入れる。

読んでくれてありがと〜なの〜!

まだしばらくはわたしとロウジの森の中での冒険は続くの。

わたしたちも食べ物は木や花からもらってるからあまり血とは縁がないけど。

でも襲われることも多いからやっつける時には相手にようしゃはしない!、なの。

だから少ししかロウジの気持ちは分からないけど。

きっと肉を食べる人族だからなんとかなるなの!

次の話はロウジが探してる・・・え?探してるのはリン?

良いの。探しに来たのはロウジなの。

その探してるネコノコシカケを取りに行くの!

でも、あそこは近くに川はあるけど木がなくてクマとかウルフとか来るからわたしたちはめったに行かないの。

・・・今の時期いないといいなぁ。

更新の、予定?は6日なの!

フェアと一緒に楽しみにしてる、なの!


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