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閑話 : 1万から◯万へ?!

皆様のおかげで思いの外早く1万PV突破しましたヾ(@⌒ー⌒@)ノ

ありがとうございます☆


閑話、お楽しみいただければ、と思いますm(._.)m

Tシャツとジーパン1枚ずつはずっとアイテムボックスに入れたままだったのだが、なんとなく可哀想になって、出して着替えてみる。


「はぁ。真っ新な新品なんだけどやっぱり多分誰も気が付かないだろうなぁ。」

・・・・同じTシャツ、同じシャツ、同じジーパン、同じ靴下、同じ靴。それが3セットもあるという、ね。


「どこの制服だよ?って話・・・・ん?」

ジーパンの右のポケットに違和感が。

なんだ?と探ってみると

「い、一万円札・・・・」

綺麗に二つ折りにされた万札が入っていた。

二つ折りにされていた以外は新札のようにも見える。


「何故?・・・まさかシヴァ神からの贈り物?それともこれが本当は俺が履いていた奴?」

思い出してみると俺は血塗れだったはず。

でも着ていたものには血は一切着いていなかった。

実は着替えさせられていたのかもしれない。

もっともこっちにもシミひとつ無いんだけど。


「・・・・儲けた、と言いたい所だけど。ここじゃぁなぁ。」

一万円の価値があるお金だってこっちの世界じゃただの紙切れだもんね。


「・・・ん?待てよ?紙?・・・しかもこれだけ精巧な絵が描かれてる綺麗な紙なんて無いんじゃないか?ひょっとして価値があるかも?」

うん。聞いてみよう。

幸いここは物の価値が分かりそうな貴族の館だし。


「お?これがロウジの世界のお金、貨幣なのかい?紙幣?へぇ。こんなに良い紙を大量に生産出来るのか。すごいな。・・・うん?これの価値か?・・・・うーむ。今あるのはこれだけ、なんだよな?だとすれば美術品として見ればとんでもない価値があるようにも思えるが。・・・すまんな。正直そういった方面には詳しくはないのだよ」

とはバートさん。


「ごめんなさいね、ロウジ。私達も各地を回ったけれど。紙で出来た芸術品、という事で銀貨3枚以上にはなるのではないかしら?としか言えないわ」

と、次にハイネスタさん。


「ごめんなさい、ロウジ。私達には聞いても無駄よ?村と王都にある物くらいしかはっきりと価値を言える物は無いもの。」

と、アンジェリカさんと子爵邸のメイドさん達。


「そうですね。芸術品、美術品として見て。この大きさでこの精巧なものですからな。銀貨数枚が相場という所でしょう。」

と、結構しっかりした事を言ってくれたは執事のマクイーンさん。


「私共には分かりかねますな」

と、にべもなく匙を投げたのはルボンさん以下騎士団と義勇兵の皆さん。


「ん〜?そうだなぁ?ウチの親なら銀貨5枚くらいまでなら出すかもしれやせんが。だいたいそのくらいが限界じゃないっすかね?」

とは少しまた素行が悪くなったような気がするブルノさん。


「まぁ、やっぱり1枚だしそんなものですよね。」

なんて口では言ったけど実際にはなかなかの好感触にウキウキしていたりする。

銀貨1枚が6400ヴァティ。

銀貨3枚から5枚なら・・・うん、まぁ良いんじゃないか?、と。


とりあえずリワンさんのやってる店にも行って聞いてみる。


「おおぅ?これは?・・・これは絵?いや?描いてあるのではないのですな。刻印、的なものでしょうか?これはなんとも珍しい!・・・描かれている人物がまるで知られておらず、この辺の人間ではない事が分かるので・・・そこをどう見るかですが。・・・・そうですねぇ。銀貨3枚か4枚と銅貨少しか・・・・いや、だがなぁ。。。」


「美術品としてはどうなのでしょう?」

リワンさんに聞いてみる。


「そうですね。良い、と思います。未知の技術、未知の人物、と言うのが判断に困る部分ではありますが。・・・・どうでしょう?今度のオークションに出品されてみては?」

少し興奮気味のリワンさんが提案してくる。


「そうですね。なんか銀貨3枚から5枚だとか、結構差があったりするのでオークションに出品する、というのも考えていました。」

うん。オークションなら色んな人が見てくれるからね。ひょっとしたら高値になる事もあるかもしれないと考えていた。


「そうですか!では王都のオークションに出品しましょう!」

勢い良く行って来るリワンさん。

だが。


「王都の、ですか?」

どうやって?


「はいっ、王都の、です!仲介業者を雇っても良いのですが、ただでさえ出品料を取られるので今回は私が行ってきますよ!ついでの用事もありますので、ね。」


「え?あ、いや。悪いですよ、そんな。それにそこまでの大金になるわけでもないですから。」

そんなことを言い出したリワンさんに恐縮してしまい、この村で良い、と言う俺。


「いやいや、私の仕事のついでですし。時間もそんなにかかりませんから。あ、どうでしょう?もし良ければご一緒に行かれてみては?王都のオークションはそれはもう、色々な物が出品されてすごいですよ?!」


「あ。そ、そうなんですね。」

王都かぁ。

王都のオークションかぁ。


「どうですか?私の仕事のついでなので費用はこちら持ち、という事で。もし良ければ冒険者として護衛でもしていただければ。」


「あ。あぁ、そうですねぇ。」

ふむん?

どうやら一緒に王都に行って欲しいらしいな。


「オークションに出品登録しなければいけませんからね。早目に行きましょう!」


「え?え?旅の準備とか。」


「良いですから良いですから。任せて下さい。」

「そして何事もなく来てしまいました、ここが王都?!」

なんか新幹線ぽいものに乗ったような気もするけど・・・・いや、まさかね。


「そうです!ここが王都です!ほら、正面に尖塔が見えているあれが王城ですよ!」


「おぉ〜あれが!?」

真ん中に2本の尖塔、外側にも2本ずつ尖塔が立っているかなり広くデカイ建物が丸々王城のようだ。


「ささっ、こっちがオークション会場になりますので出品登録を致しましょう!」


「あ、は、はい。」

なかなか強引に引っ張って行かれた先は大きなサーカステント?みたいなテント。

いや、天幕、と言うのかな?


「王都ではこういう風にオークション会場が3つもありましてな。今入ったこちらは美術品や発掘品等が多く扱われる場所なのですよ」


「へぇ〜、そうなんですね。やっぱり王都ってすごいんですねぇ」


「えぇ。そりゃもちろん。一般の道具屋や武具屋も凄いものですよ!」

なんて話をしながら受け付けに行く。


「あの。今度のオークションに出品をしたいんですけど。。。」

何故か俺が受け付けに話をする。


「あ、はい。次のオークション、と言われますと2時間後の物がまだ空いてますが、そちらでも構いませんか?」


「え?」

そんなにすぐなの?

出品物の検査だったり宣伝だったりは?


「申し訳ありません。通常次のオークションと言えば1日から3日はお待ちいただくのですが、今日のオークションの目玉の品が盗品だった事が発覚致しまして。急遽目玉無しの状態で行わなければいけなく。・・・それで、その。お客様の品がもし逸品であるのならばそちらへ出していただければ、と。そう思ったのです。」

頭を下げながら困った顔で言う受け付け嬢さん。

なるほどなぁ。

盗品と分かったから出さない、と言うのは好感が持てるね。


「そ、それでしたら。ぜひにこちらを見ていただきたいのですが!」

そこでリワンさんが小箱を出してくる。

うん。小箱。

財布って皮袋だし。

皮袋の中身は硬貨ばかりだし。

お札1枚だし。

しかも美術品として出品するつもりだし。

と、いうわけで木の小箱を用意して貰った・・・いや、リワンさんが小箱に入れておきましょう、と強く言ってきたのだ。


「?これ、ですか?・・・中身を拝見しても?」


「あ、はい。」「はい!」

俺もリワンさんも返事をする。


「それでは失礼します」

よく見たら受け付け嬢さんは白い手袋をしていた。

・・・・ふむ。


「ドキドキ」


「こっ、これはっ?!」

小箱を開けてまず声を上げる受け付け嬢さん。

そこには何もないように見える。

青黒い色をした皮っぽい物以外は。

皮?


「こ、これは普通にシーサーペントの皮ではないでしょうか?」

なんかがっかりしたように聞いてくる。


「あ?」

「あ。いえ。その皮は緩衝材として包んでいるだけの物でして。皮をめくってみてください。」

あ、あぁ。なるほど。

俺までビックリしたよ。


「あ、そ、そうなのですね?では失礼します。・・・・え?これは?・・・これは、紙、でしょうか?」

良かった。ちゃんと万札が出て来て安心したよ。

それを見て固まった受け付け嬢さん。

多分鑑定を発動しているのだろうけど、じいっと見たまま動かない。


「し、失礼します!もっと古美術に詳しい者を連れてまいりますので!少々お待ち下さい!」

ふむ?


俺が鑑定すると

【一万円札】 日本国発行の紙幣。これ1枚で1万円の価値がある。偽造防止と付加価値、見た目で区別が付くように様々な装飾が施されている。


と、普通に出るのだけど。

・・・あぁ!日本国がまず分からないか。

それに1万円というのも分からないよね、円が無いんだし。


「どう、でしょうな?」


「はい。どう、ですかね?」

ここまで来て「なんだ、このクズは」とか言われたら泣くしか無い。



「お、お待たせいたしました。こちら当支配人のキャップでございます」

と、マクイーンさん並みのナイスミドル・・・いや、シルバーに差し掛かっているかな?という男性を前にして紹介してくる。


「どうも、初めまして。当会場を御利用されるのは初めての方、とお見受け致しますが?」


「あ、はい。自分は初めてです。」


「私は何度か。買いの方だけですが。」


「そうでございますか。それで今回はとても珍しい物を持ち込んで下さったとか。。。おぉ!こちらがそうですな?拝見させて頂いてよろしいですかな?」


「はい。どうぞ。よろしくお願いします。」

頷く俺。


「では。」

片眼鏡を胸ポケットから取り出し右眼にかける。


「ほほぅ!これは!・・・いやぁ、これは古美術品ではないですな!今も現役の貨幣、いや、紙幣と言うのですな。世界の漂流物・・・あ、いや。もしかすると神々が持ち込んだ物の一部がなんらかの原因で迷い込んだのか。・・・いやぁ、これは素晴らしい物ですぞ!」

うわぁ、なんか興奮しちゃってるよ。


しかし、紙幣というものが分かるのか。

それに世界の漂流物?


「やはり!世界の漂流物ですか!だと思っておりました!」

え?


「・・・おや?貴方様が持ち込んだ物がどういったものが詳しくはご存知無かったとみえますな。ここ、ヴェーダと呼ばれる世界の他にも数多の神々が創造した世界があると言われてましてな。この世界と世界の間には壁のようなものがあり、通常その他の世界とは行き来出来ないのですが。それでもたまに人や物が落ちてくる、あるいは落ちていく事がありましてな。それらを世界の漂流物、と呼ぶのですよ。人の場合は漂流者、ですな。」


「あ、そ、そうなんですね。そういった事があるのは知ってましたが呼び方は知りませんでした。」


「おお、なるほど。そうですな。物を扱う商売をしていないとなかなか耳には入らない事かもしれませんな。」


「そうですねぇ。私も実物を見るのは初めてですし。」

と、リワンさん。


「いやいや。私の方こそこれまで扱ってきた商品は片手で数えられてしまいますぞ。・・・これはそれ程珍しい物、という事ですな。」


「あ、あぁ。なるほど。」

ゴクリ。

ひょっとしてこの人のこの反応。

とんでもない価値になったりしないのかな?


「そ、それで?この、紙幣にはどれだけの価値があると思いますか?」

リワンさんが聞く。

そう、そこだよ!


「ふむぅ。そうですなぁ。この装飾といい、鑑定をした際の説明自体にも価値がありますからな。・・・・少なく見積もっても50000ヴァティ、いや金貨1枚以上の価値はあるかと思いますな」


「「お、おぉ」」

2人して声を上げる。

銀貨5枚が最高、どころか銀貨8枚が最低ラインとの保証だよ?!


「それで、どう致しましょうか?出品手数料がこちらは銀貨1枚なのですが。出品なさいますか?もし出品していただけるのならば手数料は銅貨60枚に負けさせていただきまして、宣伝の方も出来る限りの事をさせていただきますが。」

うーむ。

オークションの目玉になるレベルの物だったという事かな?

出品料が安く済んで高く売れるなら願ったり叶ったりだ。

見るとリワンさんが目をキラキラさせて見てくる。


「はい。じゃあ、それでお願いします。出品します。」


「おお!」「やったです!」「「おぉぉ」」


なんか気が付いたら野次馬が結構いた。


「ではこちら、すぐに準備に取り掛からせていただきますので。落札価格はこの小箱を含めた金額でよろしいですかな?」


「あ、はい。それはもちろん。あ。・・・リワンさん、良いですか?」


「はい。はい!もちろんですよ!小箱を含めた金額でお願いします」


「小箱を用意してくれたのはリワンですので。そういう事ですので小箱を含めた金額でお願いします。」


「ふむ。では開始金額はいくらに致しましょうか?」


「あ。そうか。・・・いえ。最低でも50000の価値があるという言葉を信じて50000からでも大丈夫でしょうか?」

欲張って勝負し過ぎかな?


「ふぅむ。そう、ですな。小箱を含めた状態でそこからであれば問題無いでしょう。・・いやぁ、宣伝に力が入りますな!腕がなりますぞ!後はお任せ下され!ではまた会場でお会いしましょう!」

はっはっは、と笑い声を上げながら奥へ去っていく支配人さん。


「ええっと。これから俺たちはどうすれば良いんだろう?」


「そうですね。会場に入るのであれば出品者は落札者とはまた違う入り口になるのですが、我々の品の前の競りには参加なさいますか?」


「あ。いえ。今回は止めておきます。落札して貰わないと懐は寂しいですし」

笑って言う。


そして2人して軽く食事をしながら時間を潰してから会場に戻る。


もう会場入りしても良いようなので落札組とは違い二階席に案内される。

「あ、そういえば結果だけ知らせて貰う、なんて事も出来るんですかね?」


「あ、はい。出来ますよ?ただ、その場合は仲介人を立てるという事になるので別途料金が必要になりますが。


「あ、なるほど。そういうことですか。」

なるほどな。


そしてオークションが始まった。

「うわぁ〜!マジですか!!こんなになるなんて!」

「す、すごいですよ、ロウジさん!まさか10万以上になるなんて!思いもしませんでした!」

リワンさんも俺も興奮しっぱなしだった。

だって、ねぇ。

50000ヴァティから始めたオークション。

さすがに物が小さい、という事と当日飛び入りという事で客席に支配人がビニール袋のようなものに入れた一万円札を持って、会場の皆様に見せて歩くという事をやってのけたのだ。

その結果。

皆が皆して食い入るように見つめて。

値がどんどん、どんどん上がって行ったのだった。


「やぁ、今日は良いものが見られました。ありがとうございました。」


「こちらこそ、あそこまでの演出をしていただけるとは。」


「あっはっは。いやいや。あれは素晴らしい物でしたからな」


「いやぁ、本当に助かりました!あれがあったからこそのこの結果だと思いますよ。」

支配人さんとリワンさんが話しているところに俺もお礼を言いに行く。


「いやいや。もしこれでまた良い物があった時に当会場を御利用いただければ、と思いますな」


「はっはっは。おたくも商売上手ですなぁ。」


「あっはっは。いやぁ」


しばらく商人通しの語り合いが続き、さぁ、帰りましょう、となった。


「思いの外大金が手に入ったので帰りは俺が払いますよ。リワンさんにはお世話になりっぱなしですし。」


「おや、そうですか?では、そうですな。お言葉に甘えてしまいましょうか。」


「はい。どうぞどうぞ」

そして、俺たちはウッドレイクの村に帰る。

「なんかこんな早く着いてしまうんですねぇ。」


「そうですなぁ。便利な世の中になったものです」


「本当ですね。」


「ただし運賃はバカ高いですがな。はっはっは。」


「はっはっ。それは確かに。まぁ、それは仕方ないでしょう。ではまたお店に買い物に行きますね」


「そうですな。今日はお疲れ様でした」


「はい。リワンさんもお疲れ様でした。ありがとうございました」


そしてリワンさんと別れて子爵邸に帰る。


「おかえりなさいませ〜」


「おかえりなさい、ロウジ。どうでした?」


「あ、うん。ほら、見てよ。10万と2400、だったかな。こんなになったんだよ。」

皮袋から思わずバラバラ、と硬貨を全部テーブルの上にぶちまけてしまった。


「あら、すごいわね!」

「さすがです、ロウジ様!」

「す、すごい、ですぅっロウジ様っ!」


「そうでしょうそうでしょう。」


「交通費使ったけどね。いくら残ってるか数えるか。」

そして、硬貨を数えていく。


「あら?ロウジ?交通費以外には何か使ったかしら?」

「あら?」「あ、あれぇ?」


「ん?う、うん。リワンさんと2人で少し細かい飲み食いしたけど?串焼きとか。紅茶とか」


「あぁ、それなら納得、かしらね?」


「なんか残念ですね。」


「なんかスッキリしないですぅ」

3人ともなんか困り顔だった。


「どうかしたの?」


「えぇ。まぁ、大した事ではないのだけれど。ぱっと見つけた物のオークションでは結構な大金ではあるのだし。」


「ん?どういうこと?」

なんだか歯切れが悪いな。


「ロウジ様?テーブルに硬貨を纏めましたので数えてみて下さいませ」


「え、あ、うん。わかったよ。」

アンさんの言葉に俺は頷いてお金を数えだす。


「金貨1枚に銀貨7枚。それに銅貨が49枚。石貨が・・・うーんと74枚?だね。金貨2枚あったんだけど交通費で崩しちゃったしね」


「はい。どう見てもそうなります」


「はい。残念ですが。」


「残念なのですっ」


「ん?なんで?」

はてな?


「ロウジ様はヴァティ換算は未だ得意ではないでしょうか?」


「え?あ、うん。なかなか慣れるものじゃないね〜。これがいくらになるか、か。どれどれ?うーんと74は74。銅貨49は・・・80×49、で3920?・・・うーんと。銀貨15枚は・・・銀貨1枚が6400だったから・・・96000かな?・・・これを足すと?・・・99994?ヴァティ?おおう。」

ガクッと崩れ落ちる俺。

ちなみに石貨の細かいのは飲み食いした分だ。


「じゅ、10万・・・俺の10万が・・・・10万あったのにぃ〜・・・じゅうまん〜じゅうまん〜」


「ロウジ様?ロウジ様っ?」

誰かが身体を優しく揺すってくれている。


「10万がぁ〜俺の〜」


「ロウジ様?朝でございますよ?早く起きて下さいませ。ロウジ様?」

上から声がする。


「う、ん?・・・・じゅうまん・・・」


「じゅうまん、とは何の事ですか?どんな夢を見ていたのでしょうか?先程少しうなされていたようですが。」


「ん?」

身体を起こす。

周りを見回す。

俺の部屋(仮)、俺のベッド(仮)。


「あれ?・・・・一万円札をオークションにかけに王都まで行ったよね?俺。」


「はい?イチマンエンサツ、とは何でしょうか?ロウジ様は未だ王都には行ったことは無いのではないでしょうか?」


「・・・・え?あれ?・・・・え?」

夢?

まさかの夢?

なんで?、と考えて昨夜シヴァ神と話をした時にたまーにだけど他の世界の人や物がこっちに入ってくる事や神々の誰かが持ち込む事があって、例えばそれが植物や動物で今後も増える見込みがあったとしても最初の内はとんでもなく高値で取引をされる事になる。

ましてや美術品などの一品モノだったらどれだけの値がつくか分からないというような内容の事を聞いたからかも?、と思い至った。


「なんちゅう夢を見てしまったんだ。」

頭の中が10万で埋め尽くされたぞ!?

なんだあの残念感は!


「よし。目指せ稼ぎ10万!」

朝から心に誓う俺だった。




そして、そんな話をした食事の席で大金貨2枚を使い切ってない時点で所持金に関しては400万ヴァティ以上あるという事を教えられてなんとも言えない気持ちになるのであった。


皆様、本当にありがとうございます!!


少しでも楽しんでいただければな、と思いますがどうだったでしょうか??


と、いうわけで目標は高く次は400万、ではなく(笑)10万PVですヾ(@⌒ー⌒@)ノ


本当、読んで楽しくなっていただければ、と思います☆

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