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迷惑創造神とのんびり異世界生活を?!  作者: ミカ=エル
3.勉強に特訓、そしてまた勉強
33/71

今、ピアリス様に会いに行きます?!

ピアリス様に会いに行くという用事を思い出したロウジ。

さっそく冒険者ギルドに、と歩き出しますが。

さてさて、何が待っているのやら。

「あれ?よく考えたらなんだかんだで1人で放り出されてしまった?」

ふむ?

まぁ、行き先は冒険者ギルドだから迷わずに行けるしピアリス様に会いに行くのが目的だから特に問題はない、とは思うのだけど。


「・・・あぁ、なんか館からして広く感じる」

厨房に居た人達に軽く会釈をしてから館に戻るとやっぱり何かが違うような気がした。


「しかし。まさかここの時間が違うとは。・・・1時間が80分って事は1分も80秒だよな。1年が360日でもあっちよりもかなり長いよなぁ。・・・でも、なぁ。実はアンジェリカさんでも向こう換算だと余裕で年上になるはずだけど皆も見た目は年相応の歳の取り方をしてるみたいだし、向こうとは時間の流れ方が違うのかも。・・・・うぅ〜ん。向こうから来た俺は早く歳取ったりするのかな?うん。これも聞いた方が良い気がするな。」

実は歳の取り方が向こうと違っていて某野菜人みたいに若い時が長い、みたいな可能性もあるにはあるけど、多分世界が違うのだから時間の流れ方も違う、というのが俺としてもしっくり来る答えな気がする。

ただ、そうすると他の世界の法則の下で産まれてから生活していた人間は他の法則の世界で暮らしたらどうなるんだろう?という問題が発生するわけで。


「ま、考えても答えが転がってるわけはない、しな・・・・ん?」

14:12と、今の時間を確認したところで後ろからの足音に気が付いた。


「ろ、ロウジ!ごめん、なさ、い。少し、ま、待ってちょうだい」

見るとアンジェリカさんが追いかけてきていた。


玄関・・・と言えるのか分からないけど入り口のドア近くで待つ。


「どうしたの?何か忘れてた?それともピアリス様に何かある?」

結構長い白のスカートを摘みながら走って来たアンジェリカさんは少しだけど息を切らせていた。


「い、いぇ、そう、じゃ、なくて。い、いぇ。忘れてた、と、言えば」「いや、良いよ。落ち着いて息を整えて?」


なんか止まってからの方が息が乱れてるようなアンジェリカさんを待つ。



「はぁっ。ごめんなさい、ロウジ。入り口の警備の2人が交代していたのを、忘れていて。紹介するから私も館を出るまで一緒に行くわ。」

右手を出してアンジェリカさんが言ってくる。

・・・えぇっと。


「あ、あら。・・・そう、ね。良いわ。行きましょう?」

手を引っ込めて改めてアンジェリカさんが言う。


「うん。まぁ・・・ドアを開けて出るだけだけどね。」


「ふふ。まぁ、そう、ね。」


「うん。じゃぁ、警備の人に紹介よろしくね?」


「えぇ。分かっているわ。ドアを、よろしくね」

ドアを開けて外に出る。

と、途中からドアが軽くなり片側も開く。


「あ、これはアンジェリカ様。お出掛けでございますか?」

右側に立っていた警備の人が外からドアを開けてくれていた。

年配で前髪の一部が緑で腰に下げた剣の鞘も緑という男性・・・見た目、年配ではあるけど結構イケメンな男性が声をかけてきた。

少し短めに刈り上げた髪がまた軍人らしく似合っている。


「マクイーンさんの時も思ったけどこれがナイスミドルというものか!」

あ。

思わず口に出していた。


「は?」「あ、あはは」「ははは、確かに副団長はナイスミドルですな」


「ふふ。そうね。ルボンさんはナイスミドルだと、私も思うわ。ルボンさん、こちらがしばらく当家で客人として預かる事になりましたロウジ=タソガワですわ。本日より1人で行動する事もあると思いますのでどうかよろしくお願い致しますわね?ロウジ、こちらはウッドレイク子爵領預かりの騎士団副団長のルボンさんよ。質実剛健、という言葉が正にぴったりな方ね。」

笑いながらアンジェリカさんが言う。


「よろしくお願いします。ロウジ=タソガワと言います。こちらに来たばかりで知らない事が多いので色々ご迷惑をおかけしてしまうかもしれませんが、ご指導いただければ、と思います」

頭を下げる。

子爵領預かりの騎士団って事は私兵じゃなくて正騎士団って事だよね。


「はい。一応ですが、子爵様からお話は伺っております。ここウッドレイク駐軍副団長のルボンです。こちらこそ粗相の無いように気を付けますのでよろしくお願い致します。はっは。これでもまだ若い気では居るのですがな。」

・・・うん。かなり丁寧な人だ。

丁寧、と言うか悪く言えば少し堅そう、かもしれない。まぁ、融通は利きそうだけど。

しかも、なんだろうな。

叩き上げ感と言うのだろうか?

バリバリの現場指揮官みたいな独特の雰囲気と威圧感みたいなものがある。

それに苗字持ち、ではないようだから平民の出なのだろうし歴戦、とまで行くかどうか分からないけどアンジェリカさんの様子からして実力的にも人間的にも信頼出来る人に違いない。


「それでこちらはブルノ=サフランさん。ウッドレイクの森を挟んだ北東側にある伯爵家の三男様よ・・・そうね。すれ違った女性には声をかけずにはいられないという、まぁ、この人も見た目通りの人ですわね。」

左側の扉を開けてくれたのは若めの男性のようだ。

けど。


「な」「え?」「はっはっは!その通りだな!はっはっは〜」


「そいつぁ酷いですぜ〜。こりゃぁ、やっぱアンジェリカ嬢ちゃんには一度酌をして貰わなきゃなんないかなぁ?」

にやっという言葉が似合うような口の橋を歪めるような器用な笑い方をしながら言うこの人はブルノさんね。

肩まで掛かるような茶髪ロン毛の兄ちゃん、正にそんな感じ、だけど貴族には貴族なんだろうな。

髪は染めたような明るい茶髪ではなく、本当に茶色い感じで髪質もそんなサラッサラッではない感じ。・・・言っては悪いけど全然貴族っぽくない。


「私の事を嬢ちゃん呼ばわりする上にそんな事ばかり言っているから評価が変わらないのですわ」


「ひっで〜」

ピシャリ、と音がしそうな勢いで冷ために言い放つアンジェリカ嬢ちゃん、アンジェリカさんの目はでも笑っている。

・・・毎度のやり取り、なのかもしれないな。


「初めまして。ロウジ=タソガワです。よろしくお願いします。」


「ああっ!こちらこそよろしく、な!・・・もし他の国や大陸で良い女の子居たら真っ先に俺に紹介してくれれば良いからな?」

右手を差し出しながら良い笑顔で言ってくるブルノさん。

・・・・あぁ、うん。多分20代後半くらいだと思うけどブルノさんは、こういう人なんだね。


「ま、まぁ、あちこち旅や冒険したいと考えても居るので覚えておきますね」

社交辞令的な答えを返して握手をする。


「おほっ?嬉しい事を言ってくれるじゃぁないの!よしっ!この付近で困った事があったらこのブルノ兄さんに言ってくれな!出来る事なら力になるからよ!」

力強く握手を返されてしまった。


「あ、は、はい。まぁ、その時はまたよろしくお願いしますね」


「・・・ブルノさん?私達の預かる身だという事をお忘れなきよう。何かあった場合はまず私共が動きますので。」


「お、おおぅっとお。これは失礼を。・・・・へぇ?子爵家預かり、と言ってましたが、思いの外入れ込んでいる感じですね?全面補佐する形に近いんですかね?・・・子爵様としてはあまり珍しくはないかもしれませんが、一家総出で、というのは珍しいですねぇ?・・・何か、特別な方、というわけですかい?」


「え?」「あら。」

途中からブルノさんの雰囲気が変わって何かを探るような?確認するような?あるいは揶揄するような感じへと口調も変わった気がする。

貴族同士の何か、とかあるんだろうか?


「おい、こら。またお前の悪い癖が出てるぞ」

「ブルノさん?また悪い癖が出始めてますわよ。」


「あちゃぁ〜」「へ?」


ブルノさんとアンジェリカさんが少し呆れた感じでツッコミを・・・うん。注意というよりはツッコミをした印象・・・受けるとブルノさんは額を右手で抑える。


「いやぁ〜悪い!」


「はい?」


「あぁ〜いや、な」

ルボンさんが歯切れ悪く困った顔をする。


「はぁ。ロウジ、あのね?このブルノさんは権謀術数渦巻く貴族社会、とか。裏社会の陰謀が蠢めく一見平和な村、とか。そういった小さい物語や騎士団の報告を読んだりしてきたせいでそういった話に結び付けたり、聞いた話からそういった状況を思い浮かべたりするのが癖になってしまっているのですわ。ブルノはなかなかに優秀ではあるのですけれど、未だどこの騎士団も任されていないのはその性格面が災いしているのが大きいのだ、ともっぱらの噂ですわね」


「うわぁ〜、きつぃなぁ。」


「その通りだから何も言えんがな」


「うわぁ。副団長からも見放されたょ。ロウジ〜、なんとか言ってやってくれよぉ」


「え?あ、い、いや。あの、ですね。」

今日、と言うか今さっき知り合ったばかりで何を言えと?


「はっはっは。気にすることはないぞ。こいつのこういう所はいつもの事だからな。」


「そうですわ。言われ続けていても一切変わらないのですから救いようもないのですわよ。」


「あ、いや。でもそういった謎とか社会の裏で蠢めく陰謀を暴いたり、とかの物語を読んでいるとそういうのに憧れるのはなんとなく分かります。冒険者とはまた違う部分なのかもしれませんけど、そういうのに憧れる部分はやっぱり男にはあるのかもしれませんね」

多分こっちでは冒険者とか騎士団の仕事になるだろうから探偵、という職業は無いんだろう。

だから言っても分からないと思うから言わないけどそういう小説読んでるとやっぱりそんな気になるのは分からなくもない。


「あら。ロウジもその手の話が好きなのかしら?」


「え?・・・あ、うん。まぁ、俺もそういう物語は好きな方だよ。謎解きとか犯人探しとかに憧れも・・・うん。あるかな。」


「ほう?・・・礼儀は弁えているようだし身元保証も問題ない。腕っ節さえ強ければ騎士団に推薦しても良いかもしれないが、な。」


「あ、いえ。申し訳ありませんが、俺は冒険者やりながら道具屋みたいな事をやってのんびり生活していきたいと思っているので。」

ルボンさんが真剣な顔つきで俺の全身を見てきたので丁重にお断りを入れる。

見るとブルノさんも顔つきを真剣なものに変えていた。

・・・止めてよ?実は騎士団が人手不足で、とかなんて話は。


「ふむ。済まないな。別に騎士団の人手が足りないという話でもなく只の思いつき、興味本位だと思ってくれ。・・・見た所、能力値は目を見張るものがあるが、そんな実戦経験もあるように見えないからな、例え人手不足だとしてもすぐに入団、というわけにもいかないだろう。今の話は今だけのたわいない物として忘れてくれると嬉しい。」


「そっすね。暴走した時に誰も止められないような新人じゃ害になるだけっすから。」


「うわ、ぶっちゃけた?!」

そのブルノさんの台詞にビックリした。


「ま、言葉は悪いがそういう事だな。」


「はぁ。まぁ、話はまとまったようで良かったわ。それではね、ロウジ。私はアン達の所へ戻るわ。ピアリス様によろしくね?」


「あ、うん。ありがとう。また夜に。」


「えぇ。・・・あ。良かったら2人にも能力値を見せて貰ったらどうかしらね?それじゃぁ失礼するわね」

スカートの両裾を摘んで軽くお辞儀をして館に戻っていくアンジェリカさん。


・・・・

そうか。


「ん?能力値を見せて貰うとはどういう事だ?」

扉を閉めてブルノさんが聞いてくる。


「え?あぁ、はい。なんか無断で初対面の人の能力値を見るという事にどうも未だ慣れないもので。・・・その、見せて貰っても良いですか?」

断りを入れる。

まぁ、向こうはもう俺の能力値を見たのだからこっちも見れば良いんだろうけど・・・これは慣れるしかないよね。


「ん?変な事を聞くんだな?鑑定を身に付けたばかりなのかい?むしろ自分の鍛えた能力値や称号なんかは見て貰ってこそ、じゃないかい?この村やウッドレイク子爵領は治安が安定しているから良いがそんなことじゃ大きな街や外を歩いている時に野盗や詐欺に遭うぞ?」


「あ、はい。・・・そうですよね。段々慣れないと、と思います。」

それに。見て貰ってこそ、という考え方もあるんだね。

確かにいくら鍛えて能力値伸ばしても自分だけで俺は強え、なんて言っててもこういう世界じゃ意味無いか。

それに盗賊の話はされてるんだけどね。

なかなか実感が湧かないというか。


「と、言うわけだから気にせず見ると良い。こちらも見させて貰ったわけだしな」

ルボンさんも気軽に言ってくる。


「じゃぁ、すみません、遠慮なく。」

(鑑定)


ブルノ=サフラン

称号: 女の涙は俺の涙

属性: なし

状態: ふむ

魅了無効 (指輪) 毒・麻痺無効 (ネックレス)

年齢: 25

HP 288/288

MP 132/132

体力 58/60

気力 59/65


腕力 55

耐久力 46

知力 72

精神力 77

敏捷性 58

幸運度 55


職業

騎士 LV.28  冒険者RANK.4




ルボン

称号: 質実剛健

属性: なし

状態: ふむ?

魅了無効 (指輪)

年齢: 41

HP 401/418

MP 205/205

体力 64/64

気力 75/77


腕力 63

耐久力 56

知力 73

精神力 71

敏捷性 52

幸運度 50


職業

騎士 LV.34  魔法剣士LV.9



「女の涙は俺の涙・・・って格好良いなぁ」

ちょっと呆れつつも格好良いと思ってしまった。


【女の涙は俺の涙】気に入った女性には声をかけまくる。が、泣いてる女には黙って手を差し伸べる。時には命もかけられる。それが男ってものだろ?


「そうだろ?ただし軟派野郎とか女泣かせとかジゴロとかのロクでも無い称号も得ないといけないんだぜ?」


「・・・そ、そうなんだ。やっぱりか。」

ある意味当然とも言える説明を、でも少し自慢げにするブルノさん。


「だが、まぁ、女の敵だと一方的に責められない為の称号だよな」


「あ、あぁ、なるほど。」「ま、そうっすね」

ルボンさんのそのあまりと言えばあまりな簡潔な説明に納得する俺と・・・ブルノさん。

あぁ、本人もそれ狙ってるんだね。

まぁ、それはともかく。


「ルボンさん魔法剣士っ!魔法使いでもあるんですね。」


【魔法剣士】 剣術の才と魔法の才があり、魔法を同時に扱う事の出来る剣士。剣術に合わせ魔法を使った者だけがなれる。上級職。


どうやら自分が取得してないからか、解析じゃないと必要レベルがいくつかとかは見られないっぽい。


「ああ。やはり興味あるか?取得方法は剣士や戦士系の職業をレベル30以上、魔法使いをレベル20以上に上げた状態で剣術に合わせて魔法を使えば良いんだよ。魔法を使えるならば狙ってみてはどうかな?」


「うわ、必要なレベルが高いですね。」

高すぎないか?

・・・いや?ゲームならそんなものだったろうか?


「そうだな。しかもただ魔法を使えば良い、剣術を使えば良い、同時に使えば良い、と言うものではないからな。なかなかに知恵も必要で苦労したぞ。」


「そ、そうなんですね。」


「おう。まぁ、ピアリス様に会いに行くならばそちらでも精霊剣士について教えてくれるかもしれんがな。」


「精霊剣士、ですか?」

魔法、じゃなくて精霊魔法?いや、職業だから精霊使いと剣士でなれるのか。


「あぁ。まぁ、だからここで立ち話もなんだ。早く出掛けたらどうかな?」


「あ!は、はい。すみません。仕事中、ですよね、そもそも。」


「あ、まぁ、それは客人が来ない限りは良いんだが、な。あまり引き止めているとお嬢様が怒ってしまうかもしれん」


「あ。あはは。」

確かにそれはあるかも。


「そういう事だな。ロウジ、で良いのかな?ロウジ様、と呼ぶべきなのかな?お嬢は何も言ってなかったが。」


「あ。ロウジ、で良いですよ。お二人は騎士団の方なのですし。気軽に接して欲しいです。」


「あぁ、わかった。ではロウジ。行ってらっしゃい。帰りを待っています。」


「じゃあな、行ってらっしゃい。お土産は要らないですよ〜」


「あはは。行ってきます」

こうしてかなり時間を潰してしまったけどなかなか有意義な時間を過ごして冒険者ギルドへ。


「冒険者ギルドは左側だから左側を歩いてった方が良いな」

信号なんかあるわけもなく、たまに馬車やネコ・・・・エレキテルキャットなんかが通ると慣れてない俺は危ないと思う。

道中、当然の事とは言え声を掛けてくる人も居らず。


「ま、迷うはずもないよね。」

冒険者ギルド前に着いていた。


「あぁ〜でもなぁ〜」

昨日の騒ぎで知り合った人達の事を思い出す。

皆良い人だったと思う。

けど、明らかに皆冒険者としてはランクもそうだけど、ギルド内での振る舞いとか見た感じある程度ベテランの域に入っているように感じた。


「正直、気軽に、ってわけにはいかないよなぁ」

うん。正直な所、1人でそんなベテランがわんさか居る冒険者ギルドに入る事に気後れしていた。


「あ。そうだ。二階から入れば良いじゃん。」

左に曲がり裏手に回る。


「あれ?なんで?」

階段にはロープが張られ「立ち入り禁止区域」という看板が真ん中に立てられていた。


「あれぇ?・・・あ!オークションの日だけとか言ってたかもしれない」

ガーン。

仕方ないので来た道を戻りまた冒険者ギルドの正面口へ。


「そう言えばこのドアだから俺が行ったり来たりしたのは見えてるのか。・・・ええい、死なば諸共!」

わけわからない事を口にしドアをくぐる。


「あ、そうか。」

別にいらっしゃいませとかの声もないし、受け付けの人だって始終入り口を見てるわけじゃないよね。

周りを見渡してみるが、1番奥の受け付けには何人かのグループが居るようだ。

入り口側のカウンターに1人。若い男の人が身振り手振りを交えて何か話している。


が、食堂の方にも今は冒険者は居ないようだ。

わざわざ受け付けの方を通りたくはないので食堂の方を周って階段に向かう。

二階に行くと入り口のドアは開いたままだった。


入って正面にピアリス様の店が見える。

それに昨日は無かったはずだが道具屋、素材屋、魔法具屋の脇に丸テーブル1つにつきイスが4つずつ置かれているというそのセットがいくつか置かれていた。

食べ物持ち込み可なのかな?そこで歓談出来るようになっているようでいくつかのグループが座って歓談に興じているようだ。

中には1人で座ってる人も居るようだけど、何故こっちで。

そうは思うが仕方ない。


ピアリス様に会いに来たので真っ直ぐ正面の店に向かう。

・・・昨日と同じくまず間違いなく最初から見られているし。

プレッシャーがぁ。


「いらっしゃい、ロウジ。宿題は済んだのかしらね?」


「あ、はい。まずはこれ、ですね。」

なんかせかされるようにアイテムバッグの方に入れていた土の調合薬を出して見せる。


「ふぅん。・・・・最初から上手く出来るものね。良いわ、合格よ。・・・それで?もう1つの方、作りながら答えを出せたかしら、ね?」


「あ、はい。そっちも一応答えを出して来ました。答えは」

「あ。じゃあ、待ってちょうだいね?少し片付けるから」


「はい?」

言ってから下の方から上の方からゴソゴソ、ガサガサ、とやり始めるピアリス様に戸惑う俺。


「お待たせ?さ、そこの席に行くわよ?座ってちょうだいな」


「へ?・・・いや、だって。・・・?」

そこには1人で座ってるフードの人が居るんですけど。。。正直、こういう場所でフード被るような人には近寄りたくないんですが。


「お待たせしたわね。貴女に紹介出来る良い人材が来たわよ」


「やっと来たの?少し待たされたわね?」


「そうねぇ。多分この子が道草を食ったのが原因よ。ほら、ロウジ、謝りなさい?」


「・・・はい?」

何故に?


「私達2人は貴方を待っていたのよ?20分くらいは早く来られたんじゃないかしら、ねぇ?」


「はい?え?いや、意味が分からないんですが。」

何故に〜?


「まぁ、良いわ。確認なのだけど貴方、ウィザーズアイ、ではないわ、今はマジシャンズアイだったわね。それとエレメンタルサイトは使えるようになったわね?」


「え?あ、はい。確かに両方使えるようになりましたけど。」


「本当かニャっ?」

ガバッと。

先に座っていた人、ビックリしたことに女の子みたいだ、がこっちに身体を向けて声を上げる。


「え?あ、はい。本当、ですけど。」

でも。・・・ニャ?


「あ、あぁ。ロウジが何か怖がってるわ。フードの方は取ってもらって良いかしらね?」


「・・・・うぅ。知り合いは居にゃい?」

キョロキョロしてる。


「居ないわよ、大丈夫。」


「仕方ないかニャ」

そう言ってフードを外した顔を見て俺は

「か、可愛い」


「にゃ?!」

「あ。」

思わず口にしていた。

だって、そこには猫耳を生やし、3、4本の長いヒゲと縦長の緑っぽい目をした猫娘が居たから。



これがこの少し後からパーティを組むようになるネコマタのリンとの初の出会いだった。

ど、どど、どうもっ!

お読み下さってあ、あり、ありがとうございますっ!!


ピアリス様の宿題の回答の為に冒険者ギルドに行っただけのはずの、ロウジ様っ、ですが。


何かアンジェリカ様が心配なされてましたが、今日は帰って来られないので、しょうか?


私は知ってるネコマタのリンさん、ですが、次話にて少し正体が語られますっ。


更新予定は19日のようですっ!

今話も少し時間をかけすぎたようですが、どうかお待ちくださいませっ!

あ。あっ!お、お知らせはポリーでしたっ!

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