表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
迷惑創造神とのんびり異世界生活を?!  作者: ミカ=エル
3.勉強に特訓、そしてまた勉強
32/71

精霊についての説明会です?!

と、言うことで精霊魔法を使えるようになったロウジですが、精霊との関わりについてはまだまだです。

アンジェリカはアンとポリーの為にも精霊との契約について、そして精霊そのものについての説明会を開きます。

ロゥジ=タソガワ

称号: 子爵家の居候

属性 : 無

状態 : さてどうしよう?

混乱無効 (指輪)

レベル5

HP 1500/500 (+1000) (表示のみ変更、元値: 101005/101005)(表示変更説明隠蔽中)

MP 862/492 (+1080).

体力 195/90(+110)

気力 108/78 (+120)


腕力 153(+110)

耐久力 164 (+120)

知力 205(+100)

精神力 207(+120)

敏捷性 156 (+120)

幸運度 715 (+600)


職業

冒険者RANK.1   精霊使いLV.1  商人LV.2  鑑定士LV.1   調合士LV.1   錬金術士LV.1  武器職人LV.1  防具職人L.V2  建築士LV.1  料理人LV.2  家政婦LV.2  旅人LV.1   戦士LV.1  格闘家LV.1   神官LV.4  魔法使いLV.3   貴族令嬢のヒモLV.1   神の眷属LV.−


装備品

武器: (ロングソード (鋼鉄製 ・火の魔剣))

胴: お気に入りのプリントTシャツ . 長袖コットンシャツ

腕: (銅の籠手)

下半身: 柄物トランクス . ジーパン

脚: (銅の脛当て)

足: 皮の靴


《所持スキル 》

鑑定   解析  現地言語理解   古代言語理解  交渉術LV.5  能力隠蔽   能力開示  能力詐称

HP自動回復・神  MP自動回復・小

(物理耐性)  (魔法耐性 )  (身体能力上昇・ 大)  (精神力上昇・大)  (与ダメージ増加・大) (状態異常耐性・小)

即死無効  毒無効  麻痺無効  石化無効  魅了無効  拘束無効

人徳  幸運  神の加護  創造神の加護  破壊神の加護   神との対話   神への祈願   精霊との対話   (アイテム作成時成功率上昇・大)

素材収集LV.MAX   薬調合LV.5  錬金術LV.5 アイテム簡易合成LV.5 釣りLV.5  料理LV.3 家事LV.3

道具作成  武具作成  縫製  装飾品作成  魔法書作成

建築技術LV.5  鍛冶LV.5  罠作成LV.5  隠蔽術LV.2

刀剣術LV.1 格闘術LV.1 槍棒術LV.1 斧術LV.1  棍棒術LV.1

弓術LV.1  短刀術LV.1 手裏剣術LV.1  投げ縄術LV.1

精霊術LV.1   魔法合成  複数魔法同時発動

魔物の知識   魔法使いの目   精霊の目 精霊の加護   四大精霊の加護



《所持魔法》

火魔法LV.3 水魔法LV.2  土魔法LV.2  風魔法LV.5  光魔法LV.1  闇魔法LV.1  精霊魔法LV.2   初級神聖魔法   初級暗黒魔法



「う〜ん?アンジュ、ちょっと質問良いかな?」

俺は悩んでいた。

言ってたことを信じるならハリケーンは上位魔法だ、ということだから魔法使いのレベルが上がってるんじゃないかと能力値を確認したわけだけど。


「あら、何かしら?」

アンさんとポリーちゃんとどうしましょうね、と話をしているアンジェリカさんを呼ぶ。


「うん。精霊の加護と四大精霊の加護がついたんだけどさ。なんか修正の値が小さいんだよね。何か分かる?」

フォレスタさんやアンジェリカさんのステータスを見る限り50とかでプラスされるはずだと思うんだけど10とか20とか微妙な数値だけ上がっているという。


「あ、あら。それは・・・何かしらね?ひょっとしたら神の加護の方が上位に当たっていて、だから下位の精霊の加護を後から得た場合は真っ当な数値を得られない、とか、かしら?・・・ごめんなさい。そのくらいしか思い付かないわね」

と、アンジェリカさんは謝ってくるけど


「あ。うん。その可能性は高いね。ありがとう。とりあえずはスッキリしたよ。また夜にでもシヴァ神に確認してみるよ」


「・・・・そう、ね。あら?だけれどピアリス様に聞いても分かりそうだけれど?」

あ。


「あ!しまった。宿題、一応終わらせてあったんだ!・・・・どうしようかな?」

それがあったんだ。

起きてから何か忘れてるような気がしてたんだよね。


「・・・忘れてたのね?・・・良いわ。とりあえず今から精霊契約について、上位の大精霊との契約についても説明をしてしまうから、その後行ってきなさいな。そうしたら私も心置きなくアンとポリーを集中して見ているから。」


「あ。うん。そうだね。・・・うん、そうだよね、ピアリス様は早さ重視とか行ってたしね。そうさせて貰うよ」


「すみません、アンジェリカ様」


「あら、何を謝る必要があるのかしら?・・・アン?それにポリーも。何かあった時の為に力をつけておくのは必要な事よ?ましてや今は丁度良い具合にその機会があるのだから、遠慮なんてせずに貪欲になりましょ?」


「はっ、はいっ!」

「・・・・そう、ですね。すみません、お願いします」


「ふむ」


「それにロウジ?今確認したけれど、貴方のMP減りすぎではないかしら?寝れば回復する程度ではあるけれど、少し回復に専念した方が良いと思うわよ?」


「ん?減りすぎ、かな?確かに魔法1発の割にかなり減ったとは思うけど。」

1発にしては異常に減ったなぁ、とは思った。さすが上位魔法、というところだろうか?

多分最低でも400は減ったと思うけど。


「・・・・そう。・・・そうね、えぇ。そうだったわね。ほぼさっきのハリケーンで減ったのよね。・・・・」

なんだろう?何かショックを受けたみたいだけど。


「え、えとえと?魔力って全快してませんでした、よね?ロウジ様?」


「・・・魔法1発、ですか。」


「え?あ、うん。多分1300くらいまでは回復してたはずだけど。」


「すごい、わね、やっぱり。精霊の目を開けるのに多少は使ったのでしょうけれど、ハリケーン・・・あの大きさの物を出しただけでそれだけ魔力を使ってしまうのね」

・・・大きさ、あぁ、場所が場所だったから威力は控えて形だけに拘って作っただけだからな。・・・確かに普通に発動してたら魔力を軽く500以上使ってしまうのかもしれないな。


「普通に発動する時は消費魔力半減使わないとヤバそうだね。」

だから、そう言ったのだけど。


「ハリケーンは本来広域殲滅魔法よ?そんなに普通に、なんて使う場面があるとは思えないわね」


「あ、そ、そうか。そうなんだ。」

冷たくあしらわれてしまった。

広域殲滅魔法、か・・・・うん、確かに。

俺としてはその場に置いて防御魔法として使えないかと思ってたんだけど・・・考えてみればこっちからも攻撃出来なくなるか。


「・・・確かに使い所が難しい魔法だね。広域殲滅、か。上位魔法になるわけだ」

通った場所を区別なく更地に変える竜巻。

うん、普通の威力で使ったらヤバそうだね。

巻き上げられた物の行き先、落ちる先くらいは風の精霊の力でなんとかなるかもしれないけど巻き込む物の選別は多分無理。


「そうね。・・・恐るべきは精霊使いのレベルが低いのにそれを使えるロウジの魔力と創造力なのだけれど。まぁ、良いわ。2人も頷いていないで特訓に入るわよ?」


「あ、そうだね。」

「はっ、はいっ!!」

「はい。もちろんです。」


「まず肝心の精霊契約についてなのだけれど。契約したい属性を表す文字を真ん中に描いた魔法陣を用意するわ。・・・エンゲージサークル、ウィンド!・・・こんな風にね。」


「え?おぉ?」

なんてこった。


「そんな魔法もあるんだ。」

魔法陣。

光り輝くそれは二重の円で円と円の間に何か模様と文字が描かれている。

真ん中の部分には大きく文字が1つ。

サンスクリット文字に似たような文字が描かれている。


「えぇ。とは言っても普通はちゃんと魔法陣を描く為の専用の石で描くのよ?これはエルフの精霊使いに伝わる魔法。・・・ロウジにはまた教えておくわ。アンとポリーが精霊契約をする際には私が用意するから2人が覚える必要は無いわよ。」


「そうなんだ。・・・覚えておいた方が良いのかな?」

もう俺には必要無いんじゃないのかな?


「えぇ。他の上位の精霊、大精霊と契約する際にも必要になるから。大精霊と契約する場合は相応しい場所に赴いて行わなければならないのよ。」


「あ。そうなんだ。・・・それなら契約するしないに拘わらず覚えておいた方が良いか。」

仲間が使えると良いかもしれないし、そういう場所に行くかもしれないしね。


「相応しい場所、ですか?」

アンさんが聞く。


「えぇ、そうよ?」

「あ。」


「ん?何かしら、ロウジ?」


「あ、いや、良いよ。続けて?」

多分、要は風の上位精霊なら風の力が強い場所、火の上位精霊なら火の力が強い場所、だよね。


「相応しい場所というのはね?風の大精霊なら風の精霊力が強い場所、風が集まる場所。例えば南のデカン山脈の谷間等ね。火の大精霊なら火の精霊力が強い場所、これも南のフジヤマやサガルマータといった活動が活発な火山なんかね。土の大精霊に関しては森林地帯や山地、水の大精霊は海や湖、なのだけれど精霊力が強い場所でないといけないわ。・・・ロウジ?どうしたのかしら?」


「ロウジ様?」「ロウジ様?どうかなさいました?」


「あ。いや。・・・うん。なんでもない。気にしないで?大丈夫。」

・・・うん。ただあのシヴァ神に対して笑って良いのか怒って良いのかの判断が付かずに困ってるだけだから。

もし日本へ帰れる立場だったらデカン山脈とか名前を下手に覚えたらマズかったよ?

・・・それに、フジヤマ。結構活発な活火山なんだね。

南にあると言ったけど見えないのかな?

サガルマータってのもなんか聞いたような気もする名前だけどなんだったかな?

シヴァ神を始めとしたインドの神々が創って名前を付けたのならチョモランマは無いのかな?

・・・あぁ、検索するのにスマホが欲しい・・・・・ってあっても使えないか。

スマホは机かベッドの上に置きっぱなしだったな、多分。

・・・うん、でもそうだな、名前を付けただけ、だよね、きっと。

見た目や高さからして同じなわけはないよね、富士山やエベレストならある程度遠くても見えそうだし。


「本当に大丈夫なのかしら?・・・上位下位に関係なく精霊と契約に臨む場合はその場所で専用の魔法陣を描いて。自分はその中に入るの。これは呼び出す為だけではなく、その力から身体を護る為の物でもあるの。下位の精霊なら呼び出してその場で自分の名前を告げて魔力を受け渡せば契約完了になるわ。アンとポリーにとりあえず目指して欲しいのはここまでね。」


「は、はい。」「がっ、がんばりますっ」


「それで大精霊との契約についてなのだけれど。これは魔法陣を描いてその中に入って呼び出すまでは同じ。だけれど、大精霊との契約は力比べでもあるの。相手に自分の力を対等だと認めさせて初めて契約成立となるわ。」


「力比べ、か。精霊の分野、で、って事だよね?」

ほぼイメージ通り、かな?


「えぇ、そうよ。試練を受ける事を承諾して魔力を受け渡す要領でその精霊の世界に行くのよ。自分も精神体になって、ね。・・・そこで認められても認められなくても命を落とす精霊使いは少なくないわ。分かるかしら?」

アンジェリカさんが俺に顔を向ける。


「・・・うん、わかるよ。精神体が傷付くって事は魂がすり減る、寿命が縮むようなものでしょ?それに精霊そのものと触れ合っていれば・・・あぁ、アンジュがまだ無理って言ったのもここだよね?上位精霊と契約に来たはずなのに精霊に取り込まれたり魂を散らされちゃうんでしょ?・・・肉体をいくら鍛錬しても精神をそれだけ鍛えていないと何にもならないんだよね?」


「・・・良く知ってるわね。そうよ?私達は普段肉体を伴って活動しているのに、常に精神体のような形で存在している相手にいきなりその状態で向き合う、という事になった場合に・・・普段の実力、普段通りに振る舞えと言った所で無理だもの。まぁ、それだけ大きな力を得るという事になるのだし、妥当な試練、ではあるのだけれど。普通はいきなりは無理ね。そして契約に失敗すれば肉体はともかくその人の精神体は死ぬわ。・・・つまりはそういう事、よ」


「・・・うん。やっぱりヤバそうだね。ちゃんとした準備と気合い入れていかないとまずい事になりそうだ」


「そう思うわ。・・・ロウジの不死身性も肉体だけの話でしょうし、ね?」


「・・・え?・・・あ?・・・あ、うん。・・・そうだね、多分そうだ。・・・ヤバかった。気が付いて良かったかもしれない。シルフとかもHP特定出来ないしそもそも精神体の場合は生命力って気力とかMPかもしれないし。」


「そう、ね。その可能性の方が高い気もするわ。そうだとするなら自動回復や即死無効のスキルも意味が無い可能性が高いもの」


「うん。だね。・・・これも覚えておかないとなぁ。・・・でもMPとか気力がゼロになってもすぐに死んだりはしないんだよね?・・・それと、そういう直接精神を攻撃するような方法とか魔物って居るんだよね?」

俺は暗黒魔法でMPドレインは使えるみたいだけど。

・・・うん。初級暗黒魔法のHPドレインとMPドレイン。どこの闇の魔物だよ?って話だよ、ほんと。


「えぇ、そう多いわけではないけれど居るわね。しかも魔族にはかなりの数が居るはずよ。MP自動回復はほぼ誰でも最初から持っているスキルだけれど回復量は微々たる物だし、ね。MPは無くなっても問題はないわよ?だけれど気力は10近くになったままで居ると自殺する人間が出て来るわね。だから気力は大事よ。」


「そうか。やっぱり書いてある通りなんだね。気力とMPにそんなようなことが書いてあったよ。」


「そうでしょう?やっぱり魔物よりも魔族になるとは思うのだけれど。ドレイン系の魔法やスキルには特に注意が必要ね。こちらの物を奪って相手の物になってしまうから。」


「あ、あぁ、うん。俺も暗黒魔法の中に使える魔法があるみたいだから良く分かるよ。」

ゲームに登場するとそんな大きな数値は取られなかった気がするけどやっかいなのは変わらなかったしね。


「・・・そう、なのね。・・・やっぱりロウジの能力はあまり大っぴらに言いふらすわけにはいかないわねぇ。完全に魔族だと思われるわ、きっと」


「う、うん。それは俺も思う。確実に。」

アンジェリカさんがかなり困った風に言う。


「そう、ね。気を付けなければいけないのは気力なのだけれど。ロウジの場合は魔法による魔力消費も大きめだから全くMPを気にしない、というのも、危険よ?魔物や魔族によってはスロウなんかの状態異常系やタッチによる副次効果でドレインや消費、発散の効果を持つ場合もあるから要注意ね。」


「うわ、そうなんだ。そういうのはどこでわかるんだろ?」


「そこの土地の冒険者ギルドや酒場なんかで情報集めするしかないと・・・あ。ロウジの場合は解析で分かるのかしら?ごめんなさい。相手のスキルの細かい部分まで分かるのかしら、ね?」


「え?・・・・いや、多分どんなスキルを持っているか、までだと思う。直接の効果はもちろん調べて分かるだろうけど副次的なものまでは期待出来ないかも。そもそもそれだけ細かく見る時間があるかも分からないし。」

相手を見て、スキル名を見て、その内容を見て更に副次的なものも見なければいけないかもしれない。


「そう、ね。考えてみればそうよね。やっぱり冒険者ギルドで聞くか調べるのが良いと思うわ。」


「うん。だよね。ありがとう。あ。それと上位精霊ってシルフやサラマンダーとか以外に名前が知られてる精霊って聞いて良い?」


「あ。あら。そう言えばそもそもそこから講義をしなければいけなかったわね。・・・そう、ね。そもそも精霊を下位、上位と分けているのは私達人間、人族だけよ。精霊も他の種族もそんな分け方はしていないわ。まずここからね。」


「・・・うぇ?そう、なの?あれ?でもピアリス様は・・・あ、そうか。大精霊様、としか紹介されてないか?しかもアンジュから言われて、か。・・・ありゃ。勘違いしてたよ、俺。」

それにそう言えばさっきからアンジェリカさんもジンやイフリートの事も上位精霊じゃなくて大精霊って呼んでる気もする。


「ふふ。ごめんなさい?私もさっきロウジから上位精霊とか下位精霊と普通に言われていたから気付かずに話を進めてしまっていたわ。本来は自然の力を扱うのが精霊だもの。そこに下位や上位が存在するのはおかしいと思わない?風の上位って何かしら?嵐?竜巻?・・・土の上位って何かしら?って、ね?そういう事になるのよ。」


「あああぁ〜。なんか恥ずかしいな。そうだよね。水の上位って海か?雨か?とか。土の上位って言ったら訳が分からなくなるよね。・・・・なんで気が付かなかったんだろう。・・・あぁ、なんか恥ずかしい。」

土の上位は山?土を司るなら山だって作れるよね、むしろ山限定だとランクダウンしてるよね。


「ふふ。私達も普段は気にしていないから仕方ないわ。エルフはそういう所に厳しいとは聞くけれど。思ったのだけれどひょっとしてロウジの居た世界や国にはそういう区別をした物語があってロウジはそれを知っていたのではないかしらね?」

あ。


「あ。うん。確かに。俺の好きなファンタ・・・物語のいくつかには出てた気がする。」

うん。多分普通に。


「ふふふ。なら尚更仕方ないわよ。ここはここのルールというだけの話ではあるでしょうし、ね。」


「あ、うん。ありがとう」

でも。考えれば考えるほど恥ずかしかったり。


「あっ!あのっ!つ、つまり、上位精霊というのは。・・・大精霊様の事、で良いのでしょうか?」


「あ、あら?ポリーにも説明していなかったかしら?・・・アンには説明した事あるわよ、ね?」

途中で自信が無くなったのか少し小声になりつつ聞くアンジェリカさん。


「あっ、はい。私は聞いた事ありますけれど・・・いつだったかまでは。それに私も上位精霊でも通じるので別に気にしていませんでした。」


「あ、そ、そう。・・・ごめんなさい。そうね。そこは説明してしまいしょう。今言ったように自然の力そのものに上位も下位も無いのだから精霊にも上位も下位も無いわ。ただあるのは個体として強力な力を有しているかどうか。個体として存在しているか否かよ。・・・例えばシルフやサラマンダー達は個であるけれど同時に全なのよ。こっちが1人、1体のシルフと話をしているつもりでも全体で共有して全てのシルフと会話しているのと同じなの。・・・だからこそ凄いし強い。それに対して上位、大精霊と言われるジンやイフリートは個別なの。さっき言ったように自然の力が強い場所で魔力や人の思念等を受けて生まれると言われているのだけれど、だからこそそれ程数が存在するわけではないわ。彼等は生まれた場所や生まれるきっかけになった物を守る為に場所を移動することはないのだけれど。契約をした相手には力を貸すわ。姿を見せろと言えば精霊界を通って移動して来るわね。・・・あ。ロウジ。ピアリス様がずっとここに居ても大丈夫だ、と言った理由はここにあるわ。いつでもすぐに移動出来るのよ、大精霊は。」


「そ、そうなんだね。・・・やっぱり神様に近いよね」

場所や周りを守る為に動かないとか。


「そう、ね。生まれ方は魔物と似たようなモノのはずなのだけれど、自然そのものだものね。その認識で間違っていないと思うわ。実際に崇められてもいるし。・・・これで分かったかしらね?大精霊の力を得る、という事がどういう事か。」


「うん。分かった。すごく分かった。」


「はっはい!分かりました!十分にっ。」


「分かりました。分かりやすかったかと思います。」


「そう。良かったわ。ありがとう。」


「ピアリス様って精霊界通れるんだね。肉体をしっかり持ってるのに。」

またイメージ間違っているかな?


「あら。貴方がそれを言ってはいけないわね、ロウジ?」


「へ?どういうこと?」


「精霊界と呼んではいるけれど、そこは神様が暮らす世界や他の世界との狭間の世界の事なのよ。・・・ロウジはどうやってこちらに来たのかしら?」

え?


「え?・・・それはシヴァ神に連れてこられた、んだけど・・・そうか。あそこか。あれは神様の世界、神界なわけないよな。あそこが精霊界、もしくは精霊界の一部か。・・・あぁ、うん。納得した。」

なるほどぉ。


「そういう事ね。狭間の世界だから肉体の有る無しは関係無いのよ。ただ、狭間でありながらも独立した世界みたいだから時間の流れは違うらしいけれど。」


「あ。それは俺も聞いた事がある。時間の流れが遅いらしくて戻るとかなりの時間が経ってしまってる、とか。」

昔話から神話から世界中で語られてるし、もちろん小説のネタとしても使われてるね。


「そうね。そう言われているわ。やっぱりロウジの居た世界でも迷い込んだ人とかが居たのかしらね?」


「あ、うん。どうなのかな?詳しくは伝わってないからどこまでが真実でどこまでが作り話か全く分からなくなってるんだけど。」

又聞きしたとかで全部作り話かもしれないし。


「そう、なのね。こちらでは時々迷い込んでしまったり精霊界にしか住まないはずの存在がこちらに出て来てしまったり、なんて事があるのよ」


「・・・そ、そうなんだ」

なんだ?あの謎空間にしか住まない存在とか居るのか?


「えぇ。まぁ、そういった話はあちこちに残っていたりするし物語にもなっているからまた後で、ね?今はこのくらいにしておきましょう?・・・さ、ロウジはピアリス様の所にお行きなさいな。2人は少し気合い入れて精霊との対話をがんばりましょう。」


「は、はい!」「はっはははいっです!」

「あ、うん。了解。」

・・・うん。もうとりあえず聞きたい事は無さそうかな。

もし精霊関連で聞きたい事が出来たらピアリス様に聞けば良いだろうし。


「ん、じゃあ、ひとっ走り行ってくるよ。」


「えぇ。ゆっくりしてらっしゃいな。夕食までに帰れば良いから。もし遅くなりそうならアンに迎えに行ってもらうわ」


「はい、そうですね。」


「あ、うん。わかった。・・・18時30分、だよね?」


「え?18時半よ?間違えないようにね?」


「え?」「え?」「はい?」「ん?」

なんだろう?


「18時半、だから30分、で良いんだよね?1時間の半分で。」


「「え?」」「・・・あ!」


「え?」

何?


「も、申し訳ありません、ロウジ様!」

「あぁ〜。ごめんなさい、ロウジ。まさかの事態だわ」


「え?アンはなんで謝ってるの?」

え?

なにが起きてるんだ?


「・・・うっかりしたわ。普通に話が通じてるから問題ないかと思っていたのだけれど。ごめんなさい、ロウジ。貴方の世界で1時間は何分なのかしら?1日は何時間?」


「申し訳ありません。私の確認ミスです」


「え?えっと。1日24時間で1時間は60、分だけど。・・・まさか?」

まさかの落とし穴?


「・・・はぁ。申し訳ないわ。そのまさかよ。こちらでの1日は24時間。それは同じだわ。だけれど。1時間は80分なのよ。」


「ま、マジか」


「マジ、よ」

アンジェリカさんがまさかの「マジ」という言葉を?!

やぁ、なんか綺麗な女の子が言うと違うなぁ。


「?ロウジ?どうかしたかしら?」


「え?あ、いや、ごめん、なんでもない。ちょっと見惚れただけ。あ。」

ほんと、一言余分だ。


「あ、あら、あら。まぁ。」

照れ出すアンジェリカさん。


「ええ、ロウジ様?1時間が80分ですので半、と言われたら40分の事になるのです。申し訳ありません、私が説明を怠ったばかりに。」

アンさんが代わりに説明してくれてまた謝ってくる。


「あ、いや。いや、それは俺も悪いよ。きちんと時間についても聞くべきだった。ごめん。」


「あ、いえ。私が時計を送ったのですから」

「いやいや、使う側の俺がきちんと」

「い、いえ」


「ん、もうっ!ほら、ロウジ?時間については理解していただきましたわよね?よろしいですわね?あまりここで時間を取っても仕方ないですわよ。お行きなさいな。」


「あ、あ、あぁ、うん。ごめん。行ってくるよ。行ってきます」


「あ、はい。行ってらしゃいませ」

「い、行ってらっしゃいませ、ロウジ様」

「行ってらっしゃい、ロウジ」



こうして俺は半ばアンジェリカさんに追い出されるようにピアリス様の元へ、ピアリス様の居るはずの冒険者ギルドへと出発した。

今話もお読みいただき感謝致しますわ。

今話にてロウジに対しての魔法と精霊術、精霊魔法についての講義は終了となりますわね。


次話ではピアリス様とロウジの会話が主になるようですが、そこはピアリス様の事。ただでは済まないようですわよ?


更新予定は17日のようですので、ぜひ楽しみにお待ちになっていて下さいませ。


以上、次話から少し出番が無いような気がするアンジェリカがお送りしましたわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ