精霊ですっ!そして皆のステータスです!
すんなりと精霊を見る、という下地を作ったロウジ。
地味に規格外と言われつつも次の段階に移ります。
いよいよ精霊を見られるのでしょうか?
「ふう。お待たせしてしまい申し訳ありません。やっぱりどうも魔力の操作は苦手です。」
「ふふ。久しぶりなのだろうしね、気にすることはないわ。アンの能力ならそのままの状態でしばらく居ても問題はないでしょうし。それじゃ早目に次の段階の説明をするわね。ロウジも良いかしら?」
「え?うん?俺は教わってる立場でいつでも良いんだけど?」
むしろ何やるかも分かってないわけで準備とかあったもんじゃないし。
「あっ、わた、わたしも、大丈夫ですっ!疲れとか違和感ありませんっ」
ポリーちゃんも答える。
違和感?・・・って、アレか?周りのマナを見た影響って事かな?
「じゃぁ、次の段階に入るわね。それじゃぁ今の自分の魔力を介してマナを見る感じではなく世界に溢れるマナを思い出して。思い浮かべて世界を感じ取れるかどうかを試してちょうだい?目は閉じても良いし開けたままでも出来そうならそれで構わないわ。アンは今の状態で目を閉じてもマナを感じ取れるように意識を集中なさい。良いわね?」
ん?
「はい。」
「えっと。ごめん、質問」
右手を挙げてアンジェリカさんに聞く。
「えぇ。何かしら?」
「んんっと。さっきと何か違うのかな?と。」
(ちがう)(ちがうよ)
「へ?何が?」
「え?あら?何かしら?」
「え?・・うん?ちょっと待って」
なんで2人して質問合戦になった?
「何かしらね?」
(なんで?)(なんでなんで?)(なぜだろ?)
「いや、だからそれを聞きたい・・・、ん、だけど?んん?」
「ふふ」
「ん?」
なんだ?
「さ、ロウジ?その疑問の答えを知る為にもさっさとおやりなさいな?そうすれば分かると思うわよ?」
「う。そうなんだね?じゃぁとりあえず。・・え。ごめん。もう一度説明して貰って良いかな?自分の魔力とかは見なくて良いんだよね?」
「あらあら。もう、仕方ないわね。・・・そうね?じゃぁ目を閉じて私の言葉に耳を傾けなさい。」
(仕方ない仕方ない)(しようもないしようもない)
「あ、うん。ごめん。」
なんかステレオ音声なんだけど。
「まずはさっき見たマナが溢れる世界を思い出して?でも、そうね・・・マナ、という事は考えない方が良いかもしれないわね。魔力だけではなく世界には力が溢れているのよ。土、大地にも。風にも。水にも。火にも。それらはそれぞれ違う力なのだけど確かにそこにあるわ。まずは、そうね。さっき大気に溢れるマナを見たのだから大気に溢れる力を感じるようにイメージしてごらんなさい。『風』と考えても良いわよ?力を乗せた風を、風を纏った力を。大気に自由に流れている力を。さぁ、感じてみなさい」
要はさっきのマナの流れのようなもの、で良いのかな?
「力。風。風の力。力を乗せた風。風を纏う力・・・自由な・・・」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
あ。
は?
な。
「えっ?・・・うわ」
『ソレら』を見たような感じたような気がした瞬間に思わず目を開けてしまったよ。
(みえた?)(みた?)(みえた?)(みたみた)(きゃ〜)
「・・・・あぁ。妖精、じゃぁないんだよね。精霊、風の精霊か。これが」
(これ、とか)(これっていわれた〜)(しくしく)(おかあさんかなしい)(おねえさんないちゃうぞ〜)(これ?それ?どれ?)
「あ、あぁ、あ〜、ええっと。」
「ふふ。やっぱりロウジは精霊を認識しさえすれば声も聞けるようね。すごいわ。」
ちょっと救いを求めてアンジェリカさんに顔を向けたらなんか感心されてしまった。
「やっぱりこの精霊達、シルフ?達の声だったんだ、さっきのって。」
(やっとみえた)(やっときいてくれた)(よろしく)(よろしく〜)(コンゴトモヨロシク)
「や、ええっと。よろしく?」
いや、それよりも。
「・・・数が多い」
ワラワラ、と、と言ってはいけないんだろうけど半透明・・・姿がちゃんと見えているのに半透明、という不思議な現象が起きているのだけど、そうとしか言えない女の子?達が飛び回っている。
それはもう、飛び回りまくっていた。
中には青や緑や黄色系の光の玉だけのモノも居るようだが・・・別モノなんだろうな。
「ふふふ。忘れたの?お母様も私も風の精霊使いよ?そしてここは私が精霊術や精霊魔法の特訓をしている場所なのよ?風の精霊が集まっているのは当たり前でしょう?」
「あ、あぁ。そう言えばそんな事も聞いたような気もするね。それにしても・・・光の玉で違う色の、とかも飛んでるけど。全部が精霊なんだよね、これ。」
しかしすごいな。これは。
「光の玉なのはただ生まれただけで世界の意思みたいなものは持たない、本当に下級の精霊ね。それらはマナのように集めることで楽に魔法を発動する事が出来るわ。試して・・・・いえ、止めておきましょう。ロウジの能力では強くなりすぎるのが目に見えているわ。実践は広い場所でやらないと。」
「・・・あ、そうか。ダメか。分かったよ。了解」
実は青い光の下級精霊を纏めてウォーターを使ってみようかと思ったりしたんだけど。
「今は2人もここまでは普通に出来るのよね。」
「はい。相変わらずすごいですね、ここは」
「はっはいっ!・・・やっぱり声を聞けないので、ロウジ様が羨ましいですぅ」
「あ、そうか。2人とも精霊も見られるんだね。精霊を見る事は出来るんだ」
「ふふっ。ロウジと比べてはダメね、やっぱり。特殊すぎるもの。私は精霊がずっとついていて声を聞いてからその精霊とお母様から学んでやっと一人前と呼ばれるようになったけれどロウジはもう本当に一足飛びだもの。」
「はぁ。本当にそうですね」「そう。です、よね」
アンジェリカさんの言葉に肩を落として同意する2人。
(くらべちゃだめ)(だめだめ)(くらべてもむだ)(むだむだ)
「いや。いやいや、考えてみれば2人とも生まれついてのモノを持ってないのにそこまで特訓で出来るようになったんだよね。それは凄いことだと思うんだけど?凄いよね?」
アンジェリカさんに顔を向ける。
とりあえず風の精霊達を相手する余裕は未だない。精神的に結構一杯一杯だったり。
「あ、ええ。それは間違いないですわね。2人とも精霊を見たい、話をしてみたい、という情熱を持ってここまでやって来れているのだもの。そこは間違いなく凄い事ですわよ」
俺の質問にきっちり答えてくれるアンジェリカさん。
何故か言葉遣いがまた戻っちゃってるけど。
・・・あれ?
そう言えば?
「忘れてたけどさ。俺の髪の色って変わったりするのかな?」
「あ。それは、私達も知りたいですね」
「聞いてなかったですっ!」
「ん?何のことかしら?」
「え?・・・いや、ほら。精霊使いの素質があると髪の色が違うわけじゃん。だから精霊使いになって・・例えば火の精霊としか契約?出来なかったりしたら髪の毛が赤くなっていったりするのかな?って。」
「あぁ!そういう事なのね。生まれついてのコレは精霊に最初から愛されてる証になるわ。だから精霊使いの証、や精霊魔法を使える証、とは言わずに精霊使いの素質がある証、と言うのよ。たとえ精霊使いになったとしてもすぐに髪の色が変わるわけでは無いわ。だけれど、精霊との結び付きの強さやその精霊の力にもよるのだけれど何本か、あるいは何房かは時間をかけて変わる事はあるわね。・・・えぇ。アンやポリーなら変わるかもしれないわね。・・・あ、それとは逆に。ギルドの受け付けでも聞いたはずよ?髪の色で精霊使いの素質があると分かっても精霊使いになるとは限らない、って。精霊使いにならなくても髪の色が変わる事は無いわ。それは精霊に愛されている証だもの。・・・だからこそ精霊使いになってはいなくても。それでも大抵は精霊を見たり、あるいは会話をしたりだけは出来るものだけれど、ね。」
「そう、なのですね」「はぁ〜、そうなんですねぇ」
「あ、そうなんだね。・・・俺の場合は異世界人だし変わらないのかなぁ」
「あ。例外があるわね。ロウジは恐らく例外の内よ」
「へ?例外?なに?」
髪の色、だよな?
「殆んど有り得ないのだけれど。それでも伝説や神話の中には全ての属性の精霊から愛されている場合は全ての色が混じり合って真っ黒になる、と言われているのよ。ロウジの髪の色も赤茶色が混じったりしていない純色の黒じゃない?だから恐らくは・・・・創造神との関係性も考えるとまず間違いなく。・・・そういう事よ。」
「・・・・あ、そ、そうなんだ。確かに髪の色は真っ黒だけど。」
・・・・うーむ。
確かに村を見て回った限りでも黒髪は多いけどどこかくすんでるような色だったり赤茶けていたりするようには感じていたのだけど。
日焼けじゃないのか。
「あぁ。全ての色を混ぜ合わせると結局黒になる、というような話は聞いた事あるな。」
「そうでしょう?そもそも魔法についても確かめるつもりで全ての属性の魔法を使ってもらったのだけれど不得意な属性や威力が偏った属性は無さそうじゃない。全ての属性を満遍なく使えるのでは無いかしらね?精霊についても恐らく同じよ。第一ロウジを構っているのは、ロウジに構って貰いたがっているのが全ての属性の精霊だもの。間違いないでしょうね。正直凄すぎて呆れてるくらいよ。」
肩をすぼめて言うアンジェリカさん。
「あ。なるほどね。確かに属性に偏りがあるというのはありそうな話だよね」
うん。ここでは結構しっかりと五行思想が根付いているみたいだし、根付いているという事は明確に違いがあるのだろう。
多分だけど火の魔法が強力な人間は水魔法が弱く木の精霊とも相性が悪いんじゃないかな?
・・・うん?待てよ?
「・・・うん?それって逆に言ったら俺には属性が無い、とも言えるのかな?」
良くゲームで言う無属性という奴。
そう言えば確かステータスもそうなってたはずだ。
全ての属性に得意不得意が無くて代わりに最上位には辿り着けない、とか。
「・・・・え。・・・ぇえ?・・・いえ、それは違うわね。えぇ。違うわ。全ての属性に愛されている、のよ?さっきも言ったけれど混じり合っているの。無、ではないわね。逆に究極の有とも言えるのではないかしらね?・・・今も言ったけれどロウジ?貴方自分が何者か忘れていないかしら?」
「へ?・・・いや?何者もなにも、ねぇ?」
3人を順に見渡す。
けれど。
「はぁぁ。ロウジ?貴方、創造神の眷属なのよ?・・・破壊神の眷属でもあるけれど。それだけで属性が無い、という事は無いと思うわね。貴方のステータスに無属性と記載されているから気にしているのかもしれないけれど、その無属性と言うのは単純にどれかの属性に偏っていない、という事よ。・・そうね、そう言えばロウジ?貴方は私達の誰のステータスも見ていないわよね?見ようともしていないわよね?良いわ。私が許可するからこの3人を鑑定しなさいな。・・・・もちろんまだ解析はしてはいけないわよ?・・いやいぇ、私は別に・・・解析でも・・・けど」
「あ、あぁ。偏りがないから真ん中の無属性という表示、という事?・・・有属性って言うのも変だよね。・・・・鑑定かぁ。どうも人を鑑定するっていうのが、なぁ。」
なんかやっぱり気が引けると言うか、悪い事をしているような気になるんだよなぁ。
プライバシーはどこ?みたいな。
「私達も大丈夫です。ロウジ様?人を鑑定する事にも少しずつ慣れていく事が必要に思います」
「はいっです。私もそう思います。・・・あの、でも解析は恥ずかしいです」
「あ、う、うん。解析はしないから。絶対。」
アンさんとポリーちゃんも俺の目を見て言ってくれる。
確かにいつまで1人で行動するかは分からないけど安全を確保するためにも必要だよな。
「じゃぁ、ごめん。鑑定させて貰うね?」
「どうぞ。」「はい。」「はっ、はいっ!」
(鑑定)
シルフ
通称 : 創造と破壊を見守るモノ・風の精霊・世界を飛び回るモノ・他
属性 : 風 緑 青 水色 透明
年齢: 215
状態 : ワクワク
HP 特定不可
MP 特定不可
体力 特定不可
気力 特定不可
腕力 特定不可
耐久力 特定不可
知力 特定不可
精神力 特定不可
敏捷性 特定不可
幸運度 特定不可
職業
職業って何?
シルフ
通称 : 風の精霊・世界を見渡すモノ ・ 世界を駆け巡るモノ・他
属性 : 風 緑 青 水色 黒 白 透明
年齢: 301
状態 ワクワク
HP. 特定不可
MP. 特定不可
体力 特定不可
気力 特定不可
腕力 特定不可
耐久力 特定不可
知力 特定不可
精神力 特定不可
敏捷性 特定不可
幸運度 特定不可
職業
職業ってあるのかな?
「・・・・あの。・・・ちゃうねん。」
ガクッと力が抜けるのが分かったよ。
うん。
風の精霊達が多すぎ。
毎回鑑定を発動してから物を見てるんだけど、風の精霊達がワラワラと寄ってくるせいで情報が氾濫してる。
しかも能力値は特定不可。
特定不可というのは不安定だったりそもそも値として表せなかったりするからみたいだ。
(どう?どう?)(どうかな、どうかな?)(かな?かな?)(面白い?面白い?)
「ごめん。君たちを見てもあまり意味無いかもしれない」
脱力したまま呟く。
こう、なんというか、裸に近い、と言うか多分裸なのではないか?と思うのだけど。
透き通っているせいでよく分からないし、これなら目を逸らしていないで直視していても良かったかもしれない。
うん。直視していよう。
シルフ
通称 : 創造と破壊を見守るモノ・風の精霊.・他
属性 : 風 緑 青 水色 透明
年齢: 177
状態 わーい
HP. 特定不可
MP. 特定不可
体力 特定不可
気力 特定不可
腕力 特定不可
耐久力 特定不可
知力 特定不可
精神力 特定不可
敏捷性 特定不可
幸運度 特定不可
職業
職業?精霊?
「あ。違う違う。」
だから。
、と自分にツッコミを入れてまずアンジェリカさんを。
アンジェリカ=ナースル=ウッドレイク
称号: 子爵家御令嬢
属性 :風・土
状態: なにやってるのかしらね
精神身体状態異常無効 (チョーカー)
年齢: 14
HP 212/212
MP 512/325 (+200)
体力 61/41 (+20)
気力 96/46 (+50)
腕力 38
耐久力 82 (+50)
知力 73
精神力 118 (+50)
敏捷性 101 (+50)
幸運度 70
職業
貴族LV.7 精霊使いLV.13
「・・・えぇっと。貴族レベルって最高レベルはいくつなんだろう?」
「・・・あ。あら。そうね。普通に88まであるはず、よ?・・・それがどうかしたかしら?」
うん。目が少し泳いでるよ、アンジェリカさん。
「ん?いや?精霊使いのレベルと差があったから気になっただけだよ。レベルの上限が8の物もあるって話だしさ。」
「・・・そ、そう。そうなのね?それなら、まぁ、良いわ」
うん。そういう事にしておこう。
「アンジュも加護か何か持ってるんだね?ステータスにプラスの修正がついてるけど。」
「え、えぇ、そうよ?生まれつきの精霊の加護と精霊使いになった際の風と土、水のそれぞれの精霊の加護がついているわね」
「・・・そう言えば風と土の2つの属性がついてるね?反発しそうだけど?」
「それは本当、エルフの血のおかげのようね。出来てしまった、という感じかしら。」
「へぇ〜。なるほど。・・・ん?でもフォレスタさんは風だけだったような?」
はて?
「あ、そうね。フォレスタさんは風属性の人ね。とは言っても他の属性の魔法も使えるはずよ?・・・恐らくフォレスタさんは他に風の上位精霊と契約しているから、そのせいじゃないかしらね。」
「そうなんだ。・・・アンジュはまだ無理?」
風の上位精霊、多分ジンだと思うけど契約しているせいで風属性だけ突出してる感じなのかな?
「無理、ね。呼び出すことだけなら出来る気はするけれど・・・恐らく数分と持たずに存在を消されてしまうのではないかしら」
そう言って怖くなったのか肩を抱き少し震えるような仕草をするアンジェリカさん。
「そ、そうなんだ。上位精霊との契約って命懸けなんだ」
怖いな。
「そうね。・・・けれどロウジなら呼び出して即契約ではないかしらね?・・・考えればやっぱり理不尽であり規格外だけれど。」
「・・・そ、そうなの?・・でも怖いな。」
「えぇ。怖いわね。さすがに上位精霊との契約は数週間は様子を見てからにしたいわね。」
「うん、そうだよね。分かったよ」
次にアンさんを見る。
アントワンヌ[=ナースル]
称号: 罪と罰
属性 : なし
状態: 難しいですの
精神身体状態異常無効 (チョーカー)
年齢: 15
HP 141/169
MP 145/195
体力 40/51
気力 50/60
腕力 46
耐久力 39
知力 70
精神力 72
敏捷性 52
幸運度 41
職業
貴族邸メイド LV.18 家政婦 LV.12
「あれ?アンは15歳?・・・それに素の能力値はアンジュよりも少しずつ高かったりして。」
それに・・・腕力で俺が負けてたりして。
「そうですわ。精霊との事を抜きにすればアンの方が元々は優秀なのですわよ。私やお母様は筋力がなかなかつきませんし。」
「そ、そんなことは」
「あぁ、筋力はやっぱりエルフの血の関係なのかな?」
「だと、思いますわね。冒険者の女性の方は筋力50以上無いという事は無いですのにフォレスタさんも筋力低いですし。」
「あ、なるほど、ねぇ。・・・・はぁ。おれも鍛えないといけないなぁ。」
「あ。私やアンジェリカ様はともかくロウジ様に関してはすぐに筋力上がると思いますよ?」
「へ?」
「ロウジ様は見たところスキルで扱えるようにはなっているようですが、剣術や格闘術の心得はないように思われますので。」
「そうね。そこはお父様かマクイーンにでも頼むしかないのだけれど。恐らくは鍛えれば鍛えただけ能力値は上がるのではないかしら?」
「あ。あぁ、そういうことか。確かに格闘術、格闘技って小さい頃にほんの少し齧っただけで後は学校での運動くらいしかしてなかったからなぁ」
「そ、そうなのですねっ?私も今がんばって色々やっていますので、よ、良ければ一緒にっ」
「あ、うん。そうだね。朝早く起きて走ったりとか軽く運動したりとか。まずはそういうのからやっていくと良いかもしれないね、一緒に。」
「まぁっポリー!?」「まぁっ」
「で、そのポリーちゃんのステータスは、と」
ポリー
称号: 仔犬系メイド
属性 : なし
状態: 難しいですっ
精神身体状態異常無効 (チョーカー)
年齢: 13
HP 127/158
MP 161/190
体力 41/45
気力 48/49
腕力 42
耐久力 30
知力 60
精神力 56
敏捷性 50
幸運度 75
職業
貴族邸メイド LV.10 家政婦 LV.10
「ぶっ」
吹いた。
「ロウジっ?」「ロウジ様っ」「ロウジ様?」
「えぇっと。ポリーちゃん?その称号は何かな?」
困りながら笑いながら聞く。
「あら?ポリーの称号、ですか?」
「あら?ポリーの称号は優秀なメイドではなかったかしら?」
「あっ。はい。ロウジ様に仔犬みたいだと言われ、皆様からもそんな事を言われていた時に・・・やっ、やっぱりおかしいでしょうかっ?変えたっ方が。良いかも?」
「あら!まぁっ可愛らしい称号ですね」
「い、いつの間にそんな称号を」
2人も今初めて見たみたいでビックリしてるね。
「いや?今アンも言ったように可愛らしくて似合ってるからそのままで良いと思うよ?後さ、皆して状態異常、精神の異常無効のチョーカーを付けてるみたいだけど。これは?」
「あ。えぇ、そうよ。これはやっぱり貴族の関係者だから、ね。魅了や精神操作で害を与えられては困るし、麻痺や眠りで攫われても困るからよ。本人だけでなく雇い主を含めた全員を護る為ね。とは言っても大きな街とは違って個人個人で身を守らなければいけない、という理由が大きいですわね。普通の貴族邸ではそんなお金をかける事はしていないはずだし出来ないとも思うわ」
「あっ。あぁ!そうか、そういう理由か。・・・うぅーん。やっぱり貴族は貴族ということか。」
「・・・何か変なところで納得してるわね」
「あ、それとバートさん、アンジュ達はそういった物に金を掛けられるって事?余裕があるのか皆を大事にしてるのか。って事かな?」
多分人柄とここの事情から言って全員を家族みたいに大事にしてそうだよな。
「あら。確かに皆を大事にしている、というのは間違いないのだけれど。お父様達は以前冒険者として名を馳せていたのよ。その関係で製作の伝手があるというわけ。だから一般的な金額とは全然違う形で取り入れる事が出来ているのよ。それが一番の理由ね。さすがに大事に思っているからと言って領地の運営資金を食い潰すような真似は出来ないわ。」
「あ、あぁ、そうか。そういう事なんだ。」
「それでロウジ?貴方と2人の属性の違いも分かったかしら、ね?」
ん?
「え?」
「んっもうっ!そもそも属性の話をしていたのですわよ?忘れてしまったのかしらね?」
「あっ!えっ?い、いや、そうだった、そうだったね。うん、忘れてない。覚えてる」
そうか、そういう流れでステータス確認になったんだっけ?
「それで?どう、かしら?」
「あ、うん。俺の属性はただ無、となっているんだけど2人のはだだ、なしになってるね。」
「そうよね?ム、とナシ、よ。無属性は属性が判断出来ない、分化、確定していないという事でナシのはずなの。それに対して貴方の属性はム。だから属性は全てを持っている、と考えて良いと思うわ」
「うん、そうか。ありがとう」
「え、えぇ。それじゃ、次に行くわよ?ポリーもアンも気合い入れなさい?精霊契約、精霊契約のやり方に行くわよ」
「あ、あぅ。わかりました」
「はっ・・・はいぃ。がんばりますぅ」
なんか気落ちしてるような2人を横目に俺は再びワクワクし始めていた。
・・・風の精霊達にワイワイ囲まれながら。
お読みいただきありがとうございます☆
と、言うわけで引っ張ってましたが、メイド2人とアンジェリカ、ついでに風の精霊達のステータスを確認したロウジです。
次話はいよいよ精霊使いとして精霊術を使う為の契約についてです。
しかし、まだポリーとアンは精霊と意思の疎通は出来てません。
さて、どうなるやら。
更新予定は13日ですヾ(@⌒ー⌒@)ノ