まるでアンケート?!いざ異世界へ
自称神様の営業トークとアンケート調査によって初期設定が始まりそれが終わればいよいよ異世界へ出発です。
「あなたの創った世界で世界一の能力を持って、かぁ」
「おっ?気になった?気になったかぃ?気になったよね?」
このテンションの変わり方なんとかならないだろうか
「はぁ、まぁ。」
とりあえず曖昧に答えておく
内心では異世界とは言え・・・いや、異世界だからこそ世界一の能力なんて言われたら期待してその世界へ行く方に気持ちが向いている・・・向くに決まってるじゃないか!
「・・・うむうむ。若いって良いなぁ」
なんか腕を組んで頷いてますが
「説明するとだな・・・いや、説明も何も無いか。謝罪とお詫びのシルシとして、だな。死なせてしまった上にまるっきり知らない世界へ行かせるのだ。そのくらいはしないと。であろ?」
腕を組んだままやはりどこか偉そうに宣うが。
謝罪とお詫びのシルシって言ったよね?!
「・・・ふうん、そうですか。お詫びとして、ですか」
こちらも腕を組んで考えながら言う
もちろん内心では
(やばっどうせもうこの世界じゃ死人なら異世界で好き勝手・・・世界一の能力なら本当に好き勝手して過ごすのもアリかもしれない)などと『まだ見ぬ異世界生活』にワクワクし始めているのだが。
「どうだね?あぁもちろん能力以外、スキルや魔法なんかも希望通りに希望通りのモノを使えるように出来るわけだが?」
こちらの内心を見抜いてかどうかそんな事を言って来ましたよ、この神様
「魔法や・・・スキル、ですか?」
なんだ、そのワクワクする単語は?!
いや、多分同世代の中ではゲームとかやらない方だとは思うけども。
でもやらないわけじゃないからね
魔法やスキル・・・使いたい〜
「うむっ!私が創って管理してる世界のほとんどがそういう中世的・・・あぁ何ていうか・・・君らで言うところのゲーム的な?世界でね。君を送ろうと思っている世界も自分や他人の能力・・・君達に分かりやすい言葉で言うとステータスを・・・ステータスって本来そういうのじゃないからね?英語気をつけてよ?・・・確認出来たり魔法やスキルを使って戦ったり生活したりといった世界なのだよ」
なんか微妙な事も言われた気もするがまんまイメージ通りの異世界、いや、ゲーム世界と言ってしまっても良いのかな
「・・・そうなんですね・・・異世界かぁ」
ヤバいっ!行くしかないのではっ?
だいたい考えてみれば消滅するか異世界無敵生活か、と言われてるのだし
「あぁ・・・もちろんこちらの都合で全く知らない世界へ行くわけだから行った後でも必要になったモノを言ってくれればある程度の物は融通させて貰うよ?魔法やスキルなんかでも」
・・・はいっ!チート生活決定〜!!
・・・・・いや?もちろん俺はチートなんか大嫌いで、やろうとした友人の弟に対して3時間説教したこととかあるくらいだけどね。
あ、もちろんその後レベルや能力上げにはちゃんと協力してあげたよ?
「・・・それは・・・良いんでしょうか?」
良く考えたらそれは世界創造の神様とはいえやり過ぎではないだろうか
「あぁ構わないよ。何しろ創造主であるし。創るも壊すもいつでも私次第だからね」
・・・?なんか不穏な事を言われた気がするが・・・大丈夫か?
「それで、だ。とりあえずの能力に何か希望はあるかな?まぁ初期設定というやつ、かな。世界一の能力、とは言ったけど全てに於いて世界一になりたいのかある方面に於いて世界一になりたいのかという希望もあるかと思うからね。
そこでまずは何かやりたいことやなりたい職業はあるかな?」
神様が宣った
なりたい職業とか
もう行くしかないよね、これは
「うーーーん」
異世界の職業
魔法やスキル・・・多分自分で自由に使えるやつ・・・あ、自動発動の、所謂パッシブスキルという奴もあるのかな。
自分の1番好きな、そして得意なタイプのゲームを考えてみる
「錬金術?・・・色々な物を造れる、創れるような職業やスキルが欲しいですね、そういう創作系の職業があればやりたいかもしれません。魔法はやっぱり一通りは使ってみたいですね。後はスキルも材料集めたりするのに必要な物を」
神様の力を知ってまた自然と丁寧な口調に戻って来てる。
でも。。。仕方ないよね?!
「ふむふむ・・・錬金術、はあるが君の考えてるものとは少し違うかもしれないな・・・物作りのスキルをとりあえず色々つけよう」
お?!色々、と来たもんだ
「それと。出来れば死にたくありません」
これは少し強めに言う
「うむん?・・・アンデッドになりたい、と?・・・そのままの姿でってなるからヴァンパイアの真祖とかリッチー辺りで構わないかな?」
腕を組み首を傾げながら聞いてくる
「・・・あぁ〜!あ、いや、そうじゃなくて。ですね?」
ヴァンパイア!!家が家なだけにあまり大っぴらに言えないけど真祖とかメチャクチャ気になるには気になる
「ヴァンパイアの真祖になって吸血で女の子の仲間増やしたりとか!メチャクチャ気になるけども!!」
あ・・・思わず声に出てた・・・しかも結構デカイ声で。
・・・仕方ないよね、花の男子高校生だもの
「あ、えっと。そうじゃなくて。ですね」
慌てて否定する
確かにある程度自由きままに暮らせるかもしれないけどやっぱり闇に堕ちるのはいただけない。
それに天敵となる神官系の職業とかあるのだろうし。。。ってか神様だよな?リッチーってノーライフキングとも言われるアレだよね?即全人類敵に回すんじゃ?・・・神様が闇堕ち勧めるのってどうなのかな?
なんか他のアンデッドにもなれそうな感じだし・・・なんだかな
「あ、いえ。そこは人間で。ただ、ですね?」
ここははっきり言っておかないと。
「不慮の事故、不運な事故や出会いで突然死とかは絶対にしたくないな、と。寿命で安楽死が理想なので。そういう不運さえ避けれるならそれで良いです」
口にしてる内に思ったがいきなりドラゴンと鉢合わせして、とかヤダし。異世界だから最悪有り得ないとは言えない気がした。
すると
「・・・ああ〜!・・・うむ。うむうむ。そうだね、そうだよね?そういう死に方はしたくないよね、そう思うのは当然かな」
言いながら頬に手を当て、それから額の汗を拭うようにしながら髪をいじる
・・・忘れてたんじゃないよな・・・
なんか不安になる
「はい。なので体力・・ヒットポイント?みたいのが数値としてあるようなら出来るだけ高く、しかも自動回復みたいなスキルがあればな、と」
思い付いた希望を言う
「うむうむ。そうだよね、それではこうして。と。魔法にスキルに職業、後はお金とかかな?」
聞いてくる。
「お金、ですか?」
はて?
「うむ。お金。金銭。この世界のお金は使えないしそもそも一文無しだしね。必要、だよね?」
あぁ、そういうことか
「所持金てことですか・・・そうですね・・・」
ふと考える
あまり大金持ち歩くのってどうなんだろう?
あ、でも銀行とかないだろうしな
それに良く考えたら素材集めるにしても持ち運びが大変なのではないだろうか
「・・・アイテムボックスとかそういう物ってありますか?」
「んむ?あぁ大丈夫だよ?お金とか細かい物は皮袋に入れて更にそれを容量拡張したアイテムバッグやアイテムボックス・・・これはそのままそういう名前だけど・・・亜空間を倉庫にするように作成されてるそれに入れて運べるから。」
アイテムボックス・・・あるんだ。
しかも亜空間とか。
「あ。でもアイテムボックス使えるのはそういうアイテム類を多く使う職業についてる人だけだから。君は最初からいくつかの職業を持っててどれでも有効なようにしておくけど。」
ん?
「どれでも有効?ってどういうことですか?」
なんだろ?ジョブ設定はお一人様いくつとかいう事かな?
「うむ。1人につき職業設定出来るのは2つまで。アイテムボックスを始めとして職業に由来している魔法やスキルもその職業を有効にしていないと駄目。なんだが。君の場合は新しく就けるようになった職業でも全て有効になるようにしておくよ」
・・・えっと。
普通の人が2つしか有効に出来ない職業を俺はいくつでも有効に出来る、と。
「・・うん、とそれって自動で全部有効じゃなくて俺が選んで有効無効にすることって出来ますか?」
聞いてみる
「うむん?自分で選びたいと?出来るには出来るが・・・うむ。見られたら困るスキルや魔法の類もあるか。良かろう。ではそうしよう」
・・・ふむ・・・なんか?どうやらこちらが少し下手に出ると偉そうになるのかな?
・・・なんだかなぁ。
「じゃあしばらくはあちこち見て回りたいので所持金については家を買えるより少し多いくらいで。後は・・・さっき言った魔法も初期の物を。後はまぁそんなところですかね。」
金の持ち運びに問題がないようなら多めに言っておいたほうが良いだろう。
物作りを仕事にするのであれば自分の家や工房を早目に持ちたいし。
だからと言って行った先ですぐに家を買うのも国や世界をある程度知らないとマズイだろうし。
「うむ?家なんかも自分で建てても構わんと思うが。まぁ材料費なんかはかかるかもしれんからな。分かった」
ん?
「家を建てる?」
「うむ?物作りの魔法やスキルがあるからな。材料さえなんとかすれば自分で建てられると思うが?・・・家や城などは埒外であったか?」
「あ、あぁ、なるほど。そういえばそうですね」
そうか。物作りのスキルってそっちもか。
埒外も埒外だよ。城なんか俺が考えていた物作りの想像の斜め上だよ。
・・・・俺の好きな錬金術調合メインのゲームでも大きくても氷室とか家庭菜園くらいのものだったはずだし。あ、家庭菜園は違うか。うん。家も自分でイメージ通りの物を造れたら楽しいだろうな。
「うむ。まぁ良いだろう。・・・これで後は持ち物だけだな」
「持ち物?」
うん?
あぁそうか。着の身着のまま所持金とアイテムボックスだけ、じゃさすがにな。
「村や街の中やすぐ側に送るつもりだが武器や防具の類や道具類は必要であろ?物作りをしたい、となれば尚更な」
また腕を組み頷きながら偉そうに宣う。
「そうですね。世界はこちらで言うゲームのような世界と考えて良いんですよね?モンスターや魔物とかも?」
武器や防具と言うからには出るんだろう。
まさか人間だけの世界で戦争だらけの殺伐とした世界では・・・ないよな?
「うむ。普通に居るぞ。大陸から生き物までたくさん産み出したからな。異種間交合も可能な世界だから君が知らないようなものも居るはずだ。まあ、あまりかけ離れた種族間では子供は産まれないが所謂雑種、混合種は今も増えてるはずだ」
サラッと怖い事を言った。
「混合種、ですか」
グリフォンとピポグリフのような関係のは元より雑種が普通に居る世界か。
「うむ。もちろん君のような人間との異種間でも、な」
・・・・・
あぁ、うん。ハーフエルフとかだよな
ちょっと変な想像した。
「ワーキャットやネコマタなどの猫人種やコボルトやワーウルフの犬人種なんかも居るぞ。あぁ、ウェアキャットやウェアウルフは魔族になるがな。ライカンスロープは感染症だが末期の感染者は理性を失う為魔物の扱いになっておる。」
・・・ワーウルフも犬人扱いなのか・・・
それに分かりにくいがウェアとワー、ね。
多分獣に変化するかしないか、かな?わざわざ分けられてるのはこの神様の趣味なのか。
いや、そうじゃなくて。
いや、それもだけど。
「猫型や犬型の人もですか、と言うかそれだと亜人種だけでも多そうですね」
もふもふが・・・猫人や犬人の手足はどうなってるのだろうか?肉球はあるのか?ぷにぷにが・・・
ヤバい、猫人の仲間や友人が欲しい。
「そんなに混合種なんかが増えていくって事は結構平和な世界、ですか?」
少なくとも殺伐とした世界では無さそうだ。
どうせ自由に暮らせるならある程度平和で国家間もあちこち移動出来る世界が良い。
「う。うむ。邪神や闇の眷属やら魔族も存在する故争い事や戦争は起こるが、な。一部の盗賊を含めた冒険者も職業として認められており比較的世界規模で平和だと言える世界な、はずだ。」
ふむ。
はず、ねぇ。
それに神様が創って管理してるだろう世界に邪神ねぇ。
まぁ気にならないわけじゃないが。
「じゃああまり目立たないように少し冒険に慣れた人間がするような一般的な装備品を。更に同じ物を2セット予備に。所持品も毒や麻痺なんかの回復薬を中心に少し多目に。後は物を作ったり調合する為の道具を一式。」
一人旅での状態異常は目も当てられないし薬は出会った人に売ることも出来るからな。
「うむ。うむ。」
腕を組み目を閉じ頷きまくる。
・・・今気が付いたがひょっとしてあれで何かをいじってるのだろうか?
「強力な、所謂レアな装備品で身を固める事も出来るが?」
目を開き聞いてくる。
「・・・・そうですよね。・・・うーん、でも世界に慣れない内にあまり目立ちたくないはないですよね。」
ただ武器か防具のどちらかは強いに越した事はないのかもしれないな
「・・・やっぱり普通ので良いです。そもそも武器持って戦ったりとかやった事ないので。」
学校の授業でやった柔道剣道と小学生の時に少しやっただけの空手くらいのものだからなぁ。 武器、しかもゲームに出て来るような武器なんか使うの大変そうだ。
それ以前にリアルにスライムでも急に出て来られれば倒す所か戦いにもなるのかどうか。
「ん?あ、そう?剣術とか戦闘術のレベルも高くしておけば少なくとも体は戦えると思うのだけど?」」
あぁ、そういうのがあるか。アリ、だな。
「はい。その辺は戦う手段としてやっぱり一通り下さい。ただ・・・俺が戦えると思えないのは生き物を殺せるかどうかという心理的な物も心配なわけで・・・」
少し言い淀む
が、
「うむうむ、そうだね、そうだっだね。君は寺育ちだものね。良いね良いね。」
何かしらツボに入った、のか?
「まぁどちらにしろ暮らしていくならそんな事も言ってられなくなるでしょうけどいきなりはなしで、という方向で。」
「うむ。やはり戦闘系よりも製作系・創造系職を望む、となるのかな。送る先は大きな都市にするか?小さな村や集落みたいなところにするかね?」
「大きな街を拠点にするか小さな村を拠点にするかも選びたいので比較的安全な国の中の村から始めたいですね」
「うむ。では、と。こんなものかな?何か確認したい事はあるかね?」
目を開けて腕は組んだまま聞いてくるが
「なんかすごく丁寧に決めたような気がするので多分無いかと。後は・・・あ、そうだ。後から困った事があったら聞いてくれるって言ってましたよね?」
「うむん?うむ。ここではまだステータス見られないしな。何かしら不備もあるかもしれんし不具合が生じる事もあるかもしれんからな。加護を授ける故にいつでも語りかけてくるが良いぞ」
「・・・いつでも、と。分かりました。では向こうに着いたらとにかく一度ステータス確認してみます。」
・・・結構長く話してたからな実は早く行きたくて仕方ないんだ。だからとそれで下手には出ないように気をつけているが、な。
「では名はロウジ-タソガワでも田曽川狼慈でも好きな方を名乗るが良いぞ。今から送る中央大陸ではあまり使われてはないが東の大陸や島国では漢字も使ってる為に通じはする故、な。年齢は16だったか。あちらでは15で成人だからな。一人旅をしていても別段不自然ではない。むしろ伴侶が居たりもするな。」
「・・・え。」
驚いた。漢字あるんだ。しかも成人扱いか。
「では扉を作ろう」
そう言って右を向いた。
俺もつられてそちらを見る。
「うむ。ではそちらの扉をくぐればそこはもう異世界だ。」
顔を戻し今度は左側を向き指差す。
その先には
「・・・手品ですか」
はぁっ、と溜息をつく。
・・・だって、なぁ。
右を向かせてその間に左側に扉を作ったわけだろ、これ。
扉、と言ったが光が溢れてるトンネルみたいな物がそこにある。
「神の力だ」
しれっと良い笑顔で宣う神様
「・・・そうですか。ではそろそろ行ってみます」
あまり相手にしてはいけない類の性格をしているのかもしれない。さっさと別れるに限る。
「あぁ行くが良い。中央大陸の辺境の村から旅を始めるが良い」
また腕を組み偉そうな・・・いや、もう言うまい。
光の中に歩いていく・・・
「あぁ、そうだ。送る世界の名前はヴェーダ、星の名前も同じだ、とは言っても他には2つの月と1つの太陽といくつかの星しか宙には創っておらんがな。それとわたしの名前はシヴァという。またなロウジよ」
・・・・・え。
は、はぁあ?シヴァ?シヴァって言った?
「ちょ、ちょっと、ちょっとまっ」
振り向いて話しかけようとするが急激に当たりが眩しくなって・・・・・そして俺は世界を渡「あぁ、装備品 はアイテムボックスの中だからちゃんとボックス開いて装備しろよ〜装備しないと意味ないからなぁ」る・・・・おぃぃぃ
読んでいただきありがとうございます。
定期更新出来るようにがんばっていきますので長い目で見守って下さいませ☆
次回投稿22日の予定です。