マナについてまなびます?!
ハイネスタの勧めで昼食後は考えていた新しい魔法や魔法のアレンジに挑戦!ではなく、マナと精霊を見るための特訓に入る事になったロウジ。
能力的にはすぐに見て聞いて使えるようになってもおかしくはないはずなのですが。
どうなりますか
食事を終えたらアンさんやポリーちゃんを待つ間休憩という事だったんだけど、アンジェリカさんと連れ立って裏庭に向かう。
「うーん。精霊とマナかぁ」
「あら、どうかしたの?」
「ん?いや、ほら。俺の居た世界ってそういうのが基本見えないし扱えない、っていうのが一応の常識だったからさ。小説や映画やらアニ・・・ごめん、物語で観て憧れみたいなものがあるんだよ。凄く。」
多分こっちでは居るのが当たり前、見えるのも当たり前、なんだろうけどね。
「あぁ、そうなのね。そういえば魔法自体についても同じような事を言っていたわね。クスッ」
「・・・なんか笑われましたが」
子供っぽいとか思われたかな?
「え?あ、いえ。ごめんなさい?そんな変な意味ではないのよ。ただ、ちょっと。・・・昔のお兄様を思い出してしまって」
顔を伏せ気味にアンジェリカさんが言う。
ん?そういえばお兄さんが居るはずなんだよね。
「お兄さん?」
「・・・えぇ。兄が1人居る事は話したわよね?小さい頃にその兄が同じ事を言っていたのよ。それはもうキラキラした目をしながら、でしたわ」
「そ、そうなんだ」
良い思い出、なんだろうな。
「そのお兄さんって精霊術と魔法は使えたの?」
「・・・・それが。何故か、と言っては悪いのですけれど水の精霊術の適性が高くてですね。精霊術はそれなりに使えるようになったのですが・・・水属性は派手ではないから、と、その。」
そこで言葉を濁す。
「あぁ、うん。なんとなくわかったよ。でも意外だな、俺に出された服を見ると結構貴族っぽいと言うかあまり活発なイメージは浮かんでこなかったんだけど。言ったらなんだけど大人しいお坊ちゃんタイプかと思ってた。気も身体も弱め、みたいな。」
「ふふ。えぇ、そうね。小さい頃は正にそんな感じだったわよ?・・・ただ、名前が悪かったのかやっぱりお父様とお母様の子供だから、と言うべきか、ね」
「・・・・あぁ」
あぁ、うん。と納得しちゃいけないのかもしれないけど、なんか一発で納得した。
「・・・ロウジ?そこでそんな納得されたような顔をされるとやっぱり私としては複雑なのだけれど?」
「あ、あぁ、いや、まぁ。でも。あ、あはは」
上目遣いで睨ま、れるのとはちょっと違うかな?恨みがましい視線と言うか目線と言うか、でアンジェリカさんに見られてドキドキしながらも曖昧に答えるしかない俺。
「もう。まぁそんな訳よ。さっきのロウジの言葉で少し懐かしく思っただけなのですわ」
「なるほど、ね。良かった。子供っぽいと笑われたのかと思ったよ」
「あら?それも間違いではなくてよ?お兄様の話も小さい頃の話だもの。ふふ」
「う」
やっぱりこういうからかい半分な所を見るとハイネスタさんとどこか似た感じを受けるね。
それに。
シヴァ神の「オドとマナについてまなぼう」を思い出してしまったよ。
「さぁ、ロウジ。じゃぁ、ベンチに腰を下ろして2人を待ちましょう」
こじんまりとした噴水広場に着くと木製のベンチの1つを指してアンジェリカさんが言ってくる。
「あ、うん。・・・・うん。」
やばい。なんか急に2人きりだという事を意識してしまった。
木製の黒っぽいベンチに隣り合って座る。
こういう場所のベンチは白のイメージだったんだけど、この噴水広場の意味を考えるとこの色が一番しっくりくる気がする。
うん。喪とか教会とか。
「このベンチの黒って何か色塗ったり防腐剤みたいなのは塗ってあるんだよね?」
木の色かとも思ったけどなんとなくそのままの色じゃないような気がするし、こんな拓けた場所なのだから防水や防腐処理は必要だろうと思ったから聞いてみる。
「あ。えぇ。これはオークから取った木材をわざと焼いてからベンチを作って。それから防水の・・・これは魔法ではなくて薬剤を使って処理をしてあったはずよ。色が気になるかしら?」
「え?オーク?あ、そうか。木のオーク材のオークか。ビックリした。表面を焼くだけで防腐処理になるんだっけ?オークは俺の知ってるオークの木かな?・・・そうか、防水も魔法で出来るのか。防腐も出来るのかな?色は落ち着いてて好きだよ。ただ単純に外だし雨以外にも下手すると水が毎日かかっているだろうから気になったんだよね」
「あぁ。そういう事?私も落ち着いた感じの色で気に入っているわ。あのプレートの内容とここの意味を知ったら尚更ね。・・・・防水や防腐だけではなく着色にも魔法は使えるわよ?風を使って色水をつけていったり水魔法でかけたり、ね?もちろん普通にそういう道具もあるのだけれど」
「あ、そうか。そうだよね。着色自体の魔法じゃなくてそういう風に魔法を使う事も出来るんだ。・・・そうかぁ、やっぱりどうも魔法って攻撃とか冒険中に使う物だっていう思い込みがあるみたいだ、俺」
「ふふ、そういう訳ですのね?だからウォーターもその場で出すだけ、というのがイメージ出来なかったのですか。やっと分かりました。」
「あ、うん、そういう事。普通に生活に魔法を取り入れているんだよね。・・・精霊使いはともかく魔法を使える人間って多いのかな?」
「えぇ。魔法具と魔道具の区別の話は覚えているかしら?それと同じように戦闘魔法と冒険魔法や生活魔法、なんて分類する人も居るみたいだけれど区別は難しくてそれはされていないわ。それと精霊使いもそれほど珍しくはないのだけれど何も魔法を使えないという人間はかなり珍しいのではないかしらね。生きている人間なら魔力は誰にでもあるのだもの。時間は人によるけれど習いさえすれば誰でもウォーターやウィンドくらいは必ず使えるようになるわ」
「あ、そうか。そういう事か。うん。納得した。納得出来たよ」
魔力は誰にでもあるのだもの、か。まぁ後はセンスと魔力量の問題になるんだろうね。
風や水なんてのは誰でも接するものだし。
「あと、オークの木についてなのだけれど。これはコモンオークと言っていくつかの木の総称のようなものなのよ。この広場の周りにあるのもオークよ。そういった幹が無骨な感じで木材に適した木、と覚えておけば良いと思うわ」
「あ、うん。多分向こうと同じだ。安心した。あ、それとついでなんだけど」
と、ついでに質問しようとしたところで
「お待たせして申し訳ありません」
「お、お待たせ致しましたっ」
と、アンさんとポリーちゃんが噴水広場にやってきた。
「あら、お疲れ様2人とも」
「お疲れ様、アンさん、ポリーちゃん」
「それでロウジ?何かしら?何を言いかけたのかしら?」
「あ、うん。オーク繋がりで、ふと思ったことなんだけど。ここってオーク、魔物か亜人か分からないけどオークって豚頭の奴は居るのかな?」
あれも確か物語で創作されたモンスターだったはずだけど。
「オーク?豚頭の?・・・ロウジの世界には居なかったのよね?」
「うん。出てくる物語はあったけどね」
「そうなのですね」「えっ?そうなんですね」
「あら、そうなのね?だったら少しは知識もあるのかしらね?気の弱いコボルドはともかくオークやゴブリンは知能や性質に個体と部族での差がありすぎて対応に困る種族ではあるのよ。中でもオークは一応魔物に分類されているのだけれど街や村で人族と交わって生活している者も居るし部族単位で村や街同士の交流をしていたりもするわ。けれど魔物らしくただ他の種族を襲うだけの個体や部族も居るのよ。オークやゴブリンは相手の出方を見るのしか無いのが現状ね」
「え?そうなんだ?ゴブリンもか。いきなり攻撃するのは無し?」
「無しよ。もちろん向こうが問答無用で襲って来た場合は別だけれど。対話の意志を持ってるかどうかを確認をするのが最優先になるわね」
「そうなんだね。ちょっとイメージとのギャップがあって大変そうだなぁ」
「あら?まぁ、でもそうね。こちらでも50年くらい前から、と言われているから他の大陸では未だに魔物として狩られている所もあるようよ?だからオークは冒険者ギルドに早目に登録をして周りから見えるようにカードを首から下げているようね。でも私も実際には一度王都で見かけた事しかないから偉そうな事は言えないわ」
「ふぅん、そうなんだ。この辺には居ないのかな?」
「あ、そうね。王都か西に行けば居るみたいだけれどこの辺にはオークは居ないと思うわね。コボルドやゴブリンは居ると思うわよ?コボルドやゴブリンは妖精族で亜人種だから気をつけてね?コボルドは気が弱いからまず敵対する事はあり得ないと思うわ。人の言葉を話せる個体はなかなか居ないみたいだからそれはそれで厳しいのだけれど。まだ話せるゴブリンならそちらの方が良いと思うわね。」
「そ、そうなんだ。犬頭は襲ってはいけないと。」
「でもゴブリンはゴブリンで特性として女性が生まれ難いらしく人族の女性を襲いやすいという習性があるので注意が必要なんですけど、ね」
「そ、そうなのか」
アンさんの注意に対してはそう言うしかない。
結局話せば分かる個体が多い、というくらいの認識で良いのかな?
で、女性がいた場合はどちらにしろ要注意と。
「まぁ、どちらにしろ冒険者として各地へ行くようになってからですし、王都に行ってから考えれば良いのではないかしらね?」
「うーん。まぁ、そうなんだけどね。でも知識がなかったら普通に戦闘になってたと思うよ、俺」
うん。断言できるけどまずゴブリンは街中で見掛けたとしても騒ぐか攻撃を仕掛けてたんじゃないかな。
「ま、まぁ、知っておく事は大事ではないでしょうか?」
「それはそうなのだけれど、ね。まぁ良いわ。じゃあ今からの本題に入りましょう?」
「あ、うん。」「はははい!」「はい、そうですね」
ん?
「えっと、今頃、なんだけどさ。アンさんとポリーちゃんは精霊術分かるの?」
特に髪の色に特徴はないみたいだけど。
「あ。えぇ。アンもポリーも一応精霊もマナも見る事は出来るわよ?ポリーは今は会話、精霊の言葉を聞く事は出来始めたから対話という事に挑戦中ね。アンも時間が出来たのだから一緒にやるかしら、ね?」
「はい。そうですね。せっかくの時間ですしロウジ様と一緒に学んでいきたいですね」
「それじゃ、決まりね」
「とは言っても俺は初歩からなんだけどね」
「分かっているわよ。ただ、ロウジの場合はもう精霊魔法も使えるようになっているのだから精霊を見、精霊の言葉を聞く事さえ出来ればすぐに精霊使いになれてしまうのだけれど。」
「う〜。それは何かズルい気もしますっ」
「ロウジ様はさすがですね」
「へ?なんで?」
何故だろう、なんか恨めしそうな目で見られてるんだけど。
「あら。・・・まぁそうよね。分からないわよね。普通はまず精霊使いの適性が有る無しに拘わらず精霊を感じる、という所から入るわ。そして次に対話。たまに適性がある人の中には精霊の方から話し掛けて来ていきなり精霊魔法も使えたりする事もあるけれど。精霊術の方は対話が基本なの。頼んで魔法を使うだけなら精霊の姿が見える見えないは実はあまり関係ないと考えられているわ。ただ、それだと大きな精霊術は使えないのですわ」
「あ、そうなの?・・・ごめん、それと精霊術と精霊魔法についてももう1回ちゃんと説明して貰って良いかな?」
「はぁ。まぁ、そうよね、そこからよね。・・・普通に・・」
肩を落としてブツブツ始めちゃったけど急に顔を上げて
「そうね。精霊魔法は精霊から力を貸して貰って行う魔法よ。使うのは基本的には精霊の魔力と本人の魔力。それに対して精霊術は精霊に頼んで魔法的な現象を起こしてもらう事になるわね。使うのは精霊の魔力、本人の魔力、それに大気のマナになるわ。一概には言えない部分もあるけれど。基本的には精霊術の方が威力も効果範囲も消費魔力も多くなるわね。こういう説明で分かるかしら?」
「んん〜?ええっと。火の魔法だったらファイアの威力を上げるために精霊の力を取り入れたらそれは火の精霊魔法って事になって。火を出して、と火の精霊に頼んだら精霊術、って事に。で合ってるかな?」
多分そうなんだと思うけど。
「そう、ね。その認識で良いわ。じゃぁ、そこでどちらも使う場合に問題になる事が2つあるのだけれど分かるかしらね?あ、アンもポリーも答えたり教えたりしては駄目よ?」
「あっ、はいっ」「分かりました」
2人に釘をさすアンジェリカさん。
だけど、さっきの話がヒントになってるよね。
「1つは・・・どの精霊がそこに居るのか分からないと困るという事、かな。もう1つは実際に力を貸してくれるか分からない、という事、かな?」
「そうね。初心者の答えとしては合っているわよ?だからそこに居る精霊を感じ取る事、あるいは見られるようになる事を特訓するのよ。そして力を借りる為には対話が出来なければならないのだから精霊との会話方法についても学ばなければならないわね。」
「うん、なるほど、そうだよね。・・・ところで初心者の答えとしては、っとトコ気になるんだけれど?」
「ふふ。気付いたわね。そうよ?貴方はどの精霊が、と言ったけれど自然の中だったらその自然物には全て精霊が宿っているのだもの。探したりするまでもないのよ。だから1つ目はどれだけの力を持った精霊が居るか?になるわ」
「あ、そうか。そうだったよね。うっかりしたよ。でもそれは見て分かるの?強さ・・・あ、姿とか大きさ?」
「あ、あら。そうね。大きさや姿形で分かるわよ。大きければ大体それだけ力を蓄えているし、人に姿が近ければ近い程強いるし力を持った精霊になるわ」
ふむ。
「あ、良かった。そこは多分向こうでの知識と大差なさそうだ。」
「あら、そうなのね。それで知ってるような口振りになったのね。それと代表的な精霊は風のシルフ、火のサラマンダー、土のノーム、水のウンディーネの四大精霊ね。後は木の精霊ドライアードに光のウィスプ、闇のシェイドあたりかしらね。」
「あぁ、うん。そこもわかるや。ただ、四大精霊は大精霊で良いのかな?その上にちゃんとした?大精霊、例えばジンとかイフリートだったりが居たりする?」
物語によって違うからなぁ。
「あ。ジンやイフリートも居るには居るけれど大精霊の一体でしかないわ。飽くまでも四大精霊が四属性の大精霊よ。もっとも、大精霊としての姿は集合体だったりするのだけれど。シルフはシルフィードと名乗ったりもするわ」
「あ、そうなんだ。・・・なるほど?つまり細かい分体が下級精霊扱いで集合体が上級精霊なわけか。」
「まぁ・・・そうね。その認識で問題ないと思うわよ。それも飽くまでも人間の認識の範疇なのだけれど。」
「あ、あぁ、うん。まぁ、そうだよね」
実際には分体ではなく一体一体も本体であり本人なんだろうしね。
「じゃぁ、まずは・・・・そうね。『精霊の目』を身につける為にもまずは瞑想からして貰おうかしらね。」
「瞑想から?ってここで?」
座るの?
「ここでよ?ベンチに普通に腰掛けていれば良いわよ?」
それで2つのベンチ、少し離れてたけど寄せてきてその真ん中辺に立ってるんだね。
「あ・・・そうか、そうだよね。」
なんか座禅を組む気でいた。
「そうね。なるべく深く入っては欲しいけれど自分の魔力を色までしっかりと感じられる程度までで良いわよ。感じ取れて目を開けても感じたままで居られるようだったら目を開けて?」
「はいっ!」「分かりました」
「あ、うん。分かった」
分かったけど・・・自分の魔力はもう目を開けてても感じ取れるんだよな。
「あ。でも色までは無理か?」
大人しく瞑想に入ろう。
そして俺が一番早く、次にかなりしてからポリーちゃん、最後にアンさんが目を開ける。
「?特に変化はないみたいだけど。」
「焦らないで。確かにマナが濃い場所ならこれで見られたりするみたいだけれど、今回はロウジが相手だから欲張ってマナと精霊の両方を見ようと言うのだから。」
「ありゃ?そうなの?」
「そうよ?言ってなかったかしら?ロウジの能力ならその方が手っ取り早いもの。さぁ、じゃぁ次は立ってそのまま魔力を全身に纏ってみて?」
「え''?全身に?」
うわ、いきなりか。
「えぇ、そうよ。ほら、がんばって。ロウジなら簡単だから」
うわ、なんかハードル上がってないか?
俺の評価も上がってる気がするぞ?
「や、やってみようじゃないか」
うん。
身体の中心近くにある魔力の塊から魔力を引っ張って・・・・薄く全身に・・・全身に?
外に纏う?・・・うわ、難しいかも。
「さて、目を開けてみて。纏っている魔力の光を自分で確認出来るかしらね?」
ん?
「さて。じゃぁ言うわよ?」
「ん?あ、うん。うん?」
「は、はい。」「 はいっ!」
「魔力は誰にもあるし世界中に溢れているの。世界に満ちている魔力は少し違うけれど同じような力よ。また目を閉じてその自分と同じ魔力、そして違うけれど同じ魔力を感じ取ってみなさい?やり方は簡単。今自分が纏っている魔力と同じ物を意識だけで探ってみなさいな。完全に人の形が分かるようになったら目を開けてみなさい?さぁ。がんばって」
「はいっ大丈夫ですっ自分でしっかり見られますっ!」
うわ、ポリーちゃんは見られるんだね。
意識で探る。
意識を伸ばすとかいうやつだよね。
自分の纏っている魔力。うん。
あ。
俺の左側に2つ。正面近くに1つ、少し大きい。
変な感じだけど明るさを感じる。
あぁ、これは少し薄いのがアンさんで明るいのがポリーちゃんか。
「あ。ロウジ。感じ取れてきたかしらね?」
「あ、うん。なんとなくは」
まだ目を閉じたまま答える。
うーむ。
うーん。
うーーん。
あれ?
・・・・おおぉっとぉ?
「わ。」
2人の女の子の身体のラインがしっかりと見えそうになったところで目を開ける。
世界が一変していた。
「ふふ。おめでとう。これがマナを見る、という事よ。」
「この光、光の粒やら球やら流れみたいのがマナ?全部?」
世界に光が溢れていた。
「そうよ。これがマナ。一流の魔法使いには必要な技能である『魔法使いの目』よ」
「ほへぇ〜・・・これがマナか。じゃぁ、これを集めて使うようなイメージすれば魔法が使えるんだね?・・・え?あれ?マジシャンズアイ?さっきはエレメンタルサイトとかって言わなかった?」
あれ?
「ふふ。だから慌てないの。まずはここからなのだから。これが自然のマナだという事は理解出来たわね?」
「あ、うん。」
「じゃぁ一度また目を閉じて?纏ったままの魔力を霧散させて。魔力を見ないで物質的な身体なんかを見る事をイメージしてから目を開けてみて?」
ん?
んん?
「うん。」
言われたようにまた瞑想に近い状態に入ってからまた目を開けると。
「うん。見えなくなった。」
予想してたけどマナが見えなくなった。
「良かった。大丈夫そうね。」
アンジェリカさんが少しホッとした感じで言ってくる。
「ん?」
「あ、ええ。たまに、だけれど。マジシャンズアイやエレメンタルサイトを閉じれなくなって困る人間が居るのよ。本来は人が見ないはずの世界を見るのだから気力や体力やらを少し使うの。だから閉じれなくなるのはマズイのよ。」
「あ、あぁ、そうなんだね。・・・なるほど。見えないものを見る、からか。」
うん。確かに犠牲無しには考えられないかもね。
「そうなのよ。さて、ここまでで残りは後一歩よ?アンが見られるようになったら次の段階に移りましょう」
「うん?」
言われて改めて見るとポリーちゃんの横でアンさんは未だ目を閉じたままだった。
「静かだったから気が付かなかった」
思わずそう言うと
「ふふふ。ある意味自分の世界に入り込んでしまう特訓だものね。それに本当、皆が瞑想に入っているとすごい静かになるわよ?」
「う・・・まぁ、それはだろうね」
2人して笑う。
さて、今の『目』じゃ精霊は見られなかったと思うんだけど。
次は何をどうするのかな?
やぁ、本当に覚えていくのが楽しい。
そんな事を思いつつアンさんを待つ。
なるべくさっき見たような気がする物は忘れて。
お読みいただきありがとうございます☆
と、言うわけで女の子3人との公園デート♪ではなく地味に瞑想がメインの特訓だったりしました。
実は何気に優秀な所があるポリーだったりします。
と、言うわけで次話はロウジが精霊の姿を見て精霊の言葉を聞けるようになるのか?という話になります。
更新予定は11日のつもりでいます☆