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迷惑創造神とのんびり異世界生活を?!  作者: ミカ=エル
1.神のせいで見知らぬ異世界へ?!
2/71

そんな死に方あり?!

「すまん!!」


「・・・はぃ?」


気付けば真っ暗い場所。


正面にひたすら土下座しまくる男性・・・なんか青いキラキラした着物を着てる。

見たところ2人だけしか居ないし本当に何もない。


「本っ当にすまない!いや、すみませんでした!」

そんな中でただただ土下座しまくってる男がただただ謝ってくるこの状況。


なんだこれ?

俺、こと田曽川狼慈(たそかわろうじ)は何がなんだかわけがわからない。


「いや、えぇっと?よく分かりませんがとりあえず立つか座るかして話を聞かせて貰えませんか?ほんとわけがわからないので。」

頭を掻きながら恐縮して言う俺。


結構歴史ある寺の次男坊として産まれ色々な世代とも接することが多い為にこの16年間今の世の中じゃ多分珍しく言葉遣いから目上の人に対する接し方なども厳しめに躾けられてきたと思う。


そんな俺の前に明らかに社会人としてある程度の経験を積み着てる物からしてある程度の成功を収めてそうな大人の人がひたすら土下座しているという状況は精神的に結構きついものがあるのだ。

わけがわからないので尚更である。


「えぇっと。もう一度言わせて貰いますね?自分、今の状況がまるっきり分からないものですから、立つなり座るなりしてとりあえずの説明をしていただけませんか?」


「おぉ。おお?今の状況が分からないと?・・・うむ。」

俺をじぃっと凝視した後に何かしら納得した様子で突然立ち上がり襟を正す男性。

歳は40過ぎくらいか、背は170ある自分より少し高いくらいで結構締まった身体つきをしているのではないだろうか。髪は茶色がかった黒。とは言え染めたような茶パツといった風ではなく外で仕事をする人間のような、と言えば良いのか、少し日に焼けたような黒髪である。


「ふむ。ではすまないがそこへ座って説明させて貰うとしようか。どうぞ座ってくれたまえ」

・・・なんかさっきまでの平謝りしてた人間とは思えない程の偉そうになった態度にビックリした。


「え?はぁ。そこ?ですか?・・・え?」


男性が伸ばした手の先。

俺の右手側に。

いつの間にか丸い木の机・・・ちゃぶ台、だよな・・・急須と2個の湯呑みが載ったそれと、それを挟んで2枚の座布団が置かれていた。


「え?あれ?さっきまで無かった、ですよね?」

首を傾げながら問いかける。


「ああ、まぁ気にしないでくれたまえ。今の状況を説明するのに落ち着く場所が必要だと思ってな。だから遠慮気兼ねなく座ってくれたまえ」

相変わらず偉そうな態度に変わった男性が言う。


「はぁ。まぁ座らせて貰います。お茶?もいただいて良いですか?」

首を捻りながらそのまま座る。


「あれ?靴履いてないや」

てっきり外だと思っていたのだがどうやら屋内らしい。

まぁ、考えてみればちゃぶ台と座布団だけがあるのだからそうなのだろうが。


(よわい)16にして未知との遭遇・・・ほんと、なんだこれ


「で。説明なのだが。まずは謝罪を、と思い謝罪させて貰ったのだがそちらの状態を確認せずに先走り過ぎたようだ。まずそれも謝らせてくれ。」

と言って頭を下げる。


「は、はぁ。ほんと良く分かりませんが。」

悩むしかない。


「ふむ。・・・まずは何から話すべきか。」

腕を組む男性。着物での仕草が様になっている。


「まずは、だな。君、田曽川狼慈君。君は死んだ。」

こちらの目を真っ直ぐ見ながら言ってくる。


「・・・・は?・・・」

いや、わけがわからない。

1を聞いて2に進まず更に分からない事が増えるなんてのは本当に困る。


「うん。わけがわからないよね。君は自室で夜中に宿題をやりながら夜食を食べていたはずだ。それは思い出せるかな?」

やはり真っ直ぐ目を見て言ってくる。


「・・・あ。はい。・・・えぇっと。はい、確かに。宿題と・・・明日は英語と数学でまず間違いなく当てられる日なので予習と復習をしてました、ね。夜食のラーメン食べながら。」

そう。そうだ。外なわけなかった。

明日は出席番号で当ててくる授業の2つがまず間違いなく俺に当たる日だから部屋で予習をしていたのだ。

そしてあまりやってはいけないのは分かっているのだが夜中に好きなカップラーメン、トンコツ味、のを食べていた・・・はずだ。


「うむ。そこで、だ。不幸な事に夜食を食べている最中に君は死んでしまったのだよ。」

腕を組み頷きながら男性が言う。


「はい?夜食を食べている最中に、ですか?」

ほんとわけがわからない。


「うむ。・・・カップラーメンに含まれていた成分が強すぎて、な。血圧血流共に上昇、心臓が耐えきれなくて。手の施しようもなく、と。」


「・・・・はい?どういう事ですか?あり得ませんよね、普通。」

脂分を取りすぎ?いや塩分過多で血圧上昇、か?

ほんとわけがわからない事だらけである。

だが。

考えている内に。

呼吸が苦しくなり胸がすごく痛かった事を思い出した。

汗が出る。

胸を・・・心臓の辺りを抑える。


「・・・うむ。そこで私が謝罪をしなければならんのだ。」

俯き言う。


「ん?と、言うと?どういう事ですか?」

聞くしかない。


「すまん!ちょっと世界間の壁を薄くして最近の日本の市井(しせい)の生活を覗いていたのだが。クシャミが。大きなクシャミが出てしまって、な」

言いにくそうに顔を背けながら言う。


「は、はぁ。クシャミですか?」

なんかその前に変な事を聞いた気がするがそれよりもこの意味がわからない状況を解明する方が先だ。


「うむ。普通なら何も問題は起こらないはずだったのだが。壁を薄くしていた上に壁ギリギリのところまで寄っていた時にクシャミをしてしまって、な。壁に穴を空けて私の鼻水が少し下界へ飛んでしまったのだよ。」

更に言いにくそうに言う男性。


「はあ?良く分かりませんが。」

先を促す。


「その鼻水の一部が、な。君の食べていたカップラーメンに入ってしまったんだ。」

「はぁああぁ??!?!」

わけがわからない!

叫ぶしかなかった。

と、言うか鼻水!?


「いや、鼻水とは言え力を行使してる最中の神である私の力の一部だ。。。つまりそれをごく普通の人間の高校生が体内に取り入れてしまったわけで。それでどうなるか、と言うと・・・だな」

頭を下げて言う。


「・・・・・はぁ」

かみ?

かみって言った?


「かみである私の力のって。」

恐る恐る聞く。


「う、うむ。私は数多ある世界を見守っている神の1人だ。」

なんとなく偉そうではあるが頭を下げたまま言う自称神様。


「・・・は、はは。つまり俺は神様が不注意で飛ばした力に当たって死んだ、と。力に当たって、と言うか食に当たって?と言うか?・・・鼻水に?・・・なんだそれ」

・・・はは・・・

理解した途端に身体の力が抜けた。



★★★★★★★



「・・・それで?」


「お。意外と立ち直り早いね?若さかな?良いことだねぇ」

なんか拍手でもしそうな気安ささで話しかけてくる自称神様


いや、さすがに意識無くなってたよ、多分。人生初の気絶?失神?・・・と、ここまで考えて実はそれ以前に死んだらしいという事に気が付いた。人生初の死・・・?・・・うん、考えないようにしよう。

「それで?ここは?なんで謝られてるのかは分かりましたよ。それで?明らかなミスだから生き返らせてくれる、とかですか?」

少し期待を込めて強めに聞いてみる。


が。


「いやぁ、ね?出来れば生き返らせてあげたいところだったんだけど、ね」

横を向きながら言いづらそうに言う神様


「出来ない、と?」


「やぁ、ね?もうすでに御家族の知るところになり。心臓破裂というか身体が爆ぜるような死に方をしちゃったせいで部屋とかも大変な事になってて、ね」

うわ。

想像しちゃったよ

想像しちゃいましたよ

胸の痛みまで振り返した気がするし


「・・・神様なら時間戻したりとかは?出来るんじゃ?ないですか?」

もう、なんかね・・・敬語使わなくて良いのかな、と思ってきたけど。


「いやぁ、ぼくは時間に関しては何も出来なくてねぇ・・・ほら、神様毎に管轄だとか司る力だとかあるしね?寺の小僧さんの君ならわかるでしょ?」


うん、決めた。

もう敬語使わない。

かなりの歳上だしかなりの格上だろうが正直呆れるしかなくなってきたからね。

「はぁ。では自分は何故ここでこうして居るんでしょうね?謝罪は分かりましたが、それだけ?」


すると慌てたように

「いやいや、もちろんそれだけではないよ?無いよ?」


・・・本当にそうなのか?

何故か2度言ったし。


「あ。今疑ったでしょう?疑ったよね?神様疑ったら駄目だよぉ?」

なんか小者っぽくなったり再び偉そうに宣ったり


「先をお願いして良いですかね」

・・・まぁ話を聞こう。


「・・・う、うむ。なんか君から神を敬う心とか年長者に対する気持ちとかが薄れてる気がするんだけど・・・」


「・・・先を」


「っ・・・う、うむ。うむ。それで、だな。この世界で・・・この世界、に?生き返らせる事は出来ないのだが。私が創って見守っている世界になら今のまま送る事が出来るのだが、と。いう提案なのだな」

またなんとなく偉そうになる自称神様


「??「私が創って見守っている世界」??」

この世界ではない、という事だよなどう考えても。


「うむっ!この世界は残念な事に他の神が創造し様々な神がそれぞれの管轄に分かれて管理している為にあまり無理が出来ないが。私自身が創ってほんの数名で管理している世界ならかなりの自由がきくから、な」

うわ、踏ん反り返りましたよ


「・・・えぇっと。まず1つ目。この世界に留まって何か他にやって貰える事ってないですか?」

さっきまで普通に生活してて明日の学校の事とか考えてたのにいきなり異世界へ、と言われても、なぁ。


「・・・うむっ無いっ!」

うわー言い切られた


「そのまま天国とか地獄とか?」

そもそもここはどこなんだろうか


「う、うむ・・・その、な・・・」

また目を逸らし始めたよ


「何か問題が?」


「う、うむ。不慮も不慮。誰も、それこそ神だって思いもよらない不運な事故での死だからな。・・・神の力を受けての死という事も含めると・・・このまま消滅、とか・・・」


「・・・は?・・・はぁああぁ??」

不運とか言ってのけたし。


「いや、あんた・・・失礼、、神様のせいですよね、俺が死んだのって?」

さすがに襟首掴むまでは行かないけどそういう勢いでいくしかないよね、これは


「・・・うむっ!!で、あるからこそ今の姿のまま寿命も新しくした状態で違う世界で」

「いや、何故そこで違う世界になるのか納得行かないんだけど」

「世界一の能力で自由気ままに新しい生活を、という・・・・違う世界じゃダメ?」

・・・話の途中で割り込んだのに勢いで言い切られたよ。

と、言うかいい大人がしかも男が上目遣いで聞いてこないで欲しい。言ってる事が全て本当なら神様なんだし。


「・・・世界一の能力?」

気になる事を言ったし。

・・・16歳の男子高校生に世界一、とか言ったら駄目だと思う。



これはヤバいかなぁ。。。


そして違う世界についての話を聞いていく事にする


ま、まぁ聞くだけね、聞くだけ。

とりあえず、ね




読んでいただいた方ありがとうございます☆


無理せず2、3日に一編くらいのペースで書いていければな、と思っていますが長い目で生暖かく見守っていただけるとありがたいですm(._.)m


次話更新は20日の予定です。


よろしければお付き合い下さいませ☆

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