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飲まなきゃ道が開けるか!

 酒瓶を取り上げられてしまった……母上、一口だけとは余りにもご無体な……泣けるぜ


 仕方がないので改めて先程、脳内に過った言葉の羅列を思い出す……なんだあの『ステータス』みたいなの?っと想像した所で


 名前:ドモン 年齢:3歳


 レベル2


 HP 10/10

 MP  5/5


 攻撃力 3

 防御力 1

 魔攻力 0

 魔防力 1


 スキル:腕力上昇(微)


 加護 :豊穣の女神の加護(等級ゴールド・酒限定)


 称号:呑兵衛 ザル 未成年者の飲酒・喫煙は法律で禁止されていますが異世界なので大丈夫


 

 再び文字の羅列が脳裏に流れた

ステータスに反応したのかな?こんなゲームみたいな世界だとは思わなかった!今までどうやったら酒を飲めるかしか考えてこなかったしな!


 しかし、そんな俺よりふざけてるよな……なんだよ加護迄は分かるけど、称号の所……誰に言い訳してるのか分かんねーよ!

 お?称号部分なら弄れるな……これは消しとこう、そうしよう

 3歳で呑兵衛でザルとか末恐ろしいが、そこは注文通りなので有り難い



 けどなんでレベル上がったんだ?

多分この、豊穣の女神の加護の酒限定って奴の効果かな?あの女神は豊穣の女神だったのか……でも、豊穣の女神に成りたいって言ってた辺り、まだ願望段階だよな?等級がゴールドって付いてるし予想だがまだ上には上がいるんだろ


 もう一回酒を飲んで試してみたいが、すっかり酒盛りの場には母ちゃんの眼が光っていて近寄れない……

 今年はもう駄目なのか!?なんせ、ウチの父ちゃんであるライゾウと、母ちゃんのミキノは酒を飲まない!

 当然、家には一滴の酒もない……今の俺には年に一度ある祭りの日だけが、酒に出会える年に一度の日。まるで織姫と彦星である……

 

 結局、その年は母ちゃんに家に戻され無念の終わりを迎える……女神様、年齢もそうですが、産まれる場所と加護の効果が合っていません……妙なチートは要らなかったので、どうせなら家に酒の池がある家庭に産まれたかったです……

 なんか悪政を強いて反乱起こされそうな家庭だな……せめて普通に酒が置いてある家庭なら、まだ文句もでなかったのに!!




 次のチャンスはやはり一年待つしかなかった

今、俺は4歳。少しステータスに変化はあったが、相変わらずレベル2のままだ


 「おっちゃん!ジュース頂戴!」


 「おー、ライゾウの所のドモンか。いいぞ、持ってけ!」


 俺は近所のおっちゃんが注いでくれた柑橘系のジュースのコップを手に大人達の所へ向かう……

 俺の持つオレンジ色の液体は、大人達の持つワイン……赤ブドウの果実酒とは色が違う


 ……のだが大人達の歓談する席に混じり、酒の入ったグラスやコップが並べてある所にジュースを置く

 目指すは、あの並々とワインが注がれたコップである!

そう、間違ってあれを取って飲む!俺の完璧な計画は4歳児に知能が引きずられている感が否めないが、瓶ならともかく樽だと子供の力では栓すら捻る事が出来ない!

 瓶は大人達が管理している……そして、過保護な母ちゃんはまだ子離れが出来ていない!常に監視の管理下にある俺……当然だな、4歳児だし


 ならば後は時間との闘いだ!あの芳醇な香りを楽しむ余裕がないのは残念だが、手に取ったら飲めるだけ飲む!やる事はそれだけだ!


 いざ行かん!我がワインディングロードへ!

意味とは裏腹にまっすぐとワインの入ったコップへ手を伸ばす俺!まだ子供の手に酒のコップは手に余るが、握力を振り絞り口許まで持ってくる!

 勝った!我が栄光の道はここに終決する!……訳にはいかない、飲めるだけ飲むのが最終目標だ!有限の時間を無駄にする余裕は俺にはないのだ!


 一口、二口、三口、四口、五口!


 ―――ドモンはレベルが3に上がった―――

 ―――ドモンはレベルが4に上がった―――

 ―――ドモンはレベルが5に上がった―――

 ―――ドモンはレベルが6に上がった―――

 ―――ドモンはレベルが7に上がった―――


 急上昇していく俺のレベル、やはり酒を飲む毎に俺のレベルは上がる様だ!

それに伴う高揚感、浮遊感……自分の体が自分の物ではない様な違和感が俺の身体を駆け抜ける!六口目直前でそれは起こった!





 「ヴォエエエエエエエエェェェッェェェェーーーーーッ!!」


 ゲ○である……弁解させて貰うが、俺は一切酒には酔っていない……

唯、酒を飲むことによって起こるレベルアップ……尋常じゃない速度の強化の不具合、レベルアップ酔いが俺を襲った




 ……女神様ひょっとしてバカなんですか?酒に強い体質で良かったのに、酒で強くなる体質にしてどうするんですか!?酒に酔わなくてもレベルアップに酔ってどうしろっていうんですか!?

 トラブルシューターがトラブル起こして出世できる訳ないじゃないですかー!ヤダーーー!!……でも今はそれどころじゃない


 「オエッ!ヴォエェーーーーーーッ!」


 再び訪れる二度目のリバースボム……周りの大人達の阿鼻叫喚が、一度死んだ時の騒ぎを彷彿とさせトラウマを呼び起こす……


 ―――ドモンはレベルが6に下がった―――

 ―――ドモンはレベルが5に下がった―――

 ―――ドモンはレベルが4に下がった―――

 

 ……しかも下がるのかよ……チートなんか望むんじゃなかった、力とは己で鍛えてこそ価値のある物だった……

 酒なんて飲んで吐いてを繰り返してる内に、アレルギー体質でもなかったら自然と強くなっていくもんなのに……俺と女神の大馬鹿野郎!!


 


 名前:ドモン 年齢:4歳


 レベル4 状態異常:酔


 HP 25/32

 MP 8/17


 攻撃力 15

 防御力 10

 魔攻力 5(最大値9)

 魔防力 3(最大値7)


 スキル:腕力上昇(小)


 加護 :豊穣の女神の加護(等級ゴールド・酒限定)


 称号:呑兵衛 ザル

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