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逢魔が時は昼間訪れる。  作者: 秋月圭太
プロローグ
2/2

1何で?

「ものの研」

そう書いてある小さな板が、古びたドアに掛けられていた。


学内のサークル棟と言われる建物の地下の一番奥。

人の気配など全くしないところだった。


そして、わたしが持っているビラにはこう書いてある。


”もののけ研究会で、学生生活を楽しもう。

不思議な事、奇妙な事、大好きな人。

ものの研で私達と世の中の不思議を解明してみませんか?

見学だけでも、オッケー。

一度部室に顔を出して下さいねー”

そんな文章と女の子がピースサインをしているイラストがビラには書いてあった。


でも、わたし‥‥何でここにいるの?

別に不思議な事が好きなわけでも、奇妙な事が好きなわけでもない。


大学の新入生歓迎式典の時に、偶然このビラを握らされただけだ。

しかも、わたしの知らないうちに‥‥。

誰が握らせたのかもわからない。


わからない わからない わからない。

わたしの頭の中は混乱するばかりだ。


「そこ、鍵閉まってるわよ」


わたしが混乱の中で固まっていると、頭の上で声がした。


振り向くと、背の高い、ショートカットでスタイル抜群のモデルのような女の人が立っていた。

「ちょっとどいて、今開けるから」

女の人は腰を屈め、バッグから鍵を取り出し、ドアを開けた。

「入って、あんまりキレイじゃないけど、お茶入れるよ」

「あ、失礼します」

何でわたし、中に入ってるんだ?

部室の中は意外と広く、12畳位の部屋が2部屋。

わたしが通された部屋は、中世ヨーロッパを思わせるような、格調高そうなソファーにテーブル。それに、王様が座りそうな背もたれのやたら大きい椅子が置いてあった。

天井からは、大きなシャンデリアが取り付けられている。高そうだな。


ってここ地下?やたら天井高いんですけど。


もう一つの部屋は‥部屋は‥。

もやもやして中が良く見えない。

しかも、あの女の人がドア閉めちゃった。

「一応ローズティーにしたけど、お砂糖は自分でいれてね」

隣の部屋からあの女の人がティーセット?

をトレイに載せてやってきた。

給湯室かなあ?

「適当に座ってね」

女の人は、ダークブラウンのマッシュルームカットでサラサラ。目は大きく、鼻も口も小さい。しかもスレンダーボディーに八頭身。

すごい美人だ。

ティーポットからカップに紅茶を注ぐと、薔薇の甘い香りが部屋いっぱいに広がる。

「どうぞ、紅茶。趣味なんだ」

わたしにカップを差し出し、ソファーにちょこんと座ったわたしの対面に腰を下ろし、タイトスカートから伸びた長く細い足を組んだ。

「私は、ここの副部長の牧口ゆに」

「あ、鈴木 七瀬です」

「知ってる。確か、政経の一年生よね」

ゆにさんは、自分のカップを薄くルージュを引いた唇に当てた。

「タバコを吸っていい?」

「あ、どうぞ」

何で知ってるの?

一度冷静になりかけた、頭がまた混乱し始めた。

「あなた‥‥、七瀬さん? 何でここに自分がいるか、何で私があなたの事を知ってるか混乱してるでしょ」

タバコに火を点けて、煙を吐きながらイタズラっぽい目でわたしを見る。

美人がそんな目をするのはズルイよ。

でも、何で、そんな事わかるの?わたしの心の中を読んだの?

「そういう事になってたのよ」

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