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稲の精  作者: 抹茶あいす
3/15

野原のドーナツ

いい天気だなあ


旅の僧は空を見あげて汗をふきました。


すると風にのってどこからか、お香をたくような匂いがしてきました。

なんだか懐かしいようないい匂いです。


僧は一息つこうと思い、野原の中に入っていきました。

いい匂いは野原の中からしてくるのです。


ガサガサガサ…


僧はついでに用を足すことにしました。

そして腰をかがめた時

目の前に不思議なものがあることに気がつきました。


それはドーナツでした。

でもひとつではありません。

三段重ねのドーナツでした。


はて?



僧はいちばん上のドーナツを手にとりました。

砂糖がいっぱいついています。


僧はゆびについた砂糖をペロリとなめてみました。


うん 甘い!

たしかにこれはドーナツだ


食べようかどうしようか迷っていると

近くの草むらがパタパタと揺れました。


僧は急いでドーナツを元どおりに重ねて、息をひそめました。



てけてけ~


あ、稲の精だ!


稲の精はこんどはピンクのストールではなく

ピンクのポンチョをすっぽりかぶっていました。


しかも頭にはビニールカバーをつけています。

くびから下はピンクのポンチョ。

まるでてるてる坊主のようです。


僧は笑いを必死でこらえました。


ドーナツの三段重ねは稲の精がつくったもののようです。

稲の精はドーナツの高さや位置をなん度も確かめると

輪の中に葉っぱを投げ入れました。


それからなにかぶつぶつと呪文のような言葉を唱えました。


しばらくするとドーナツの輪の中から煙が出てきました。


ははぁ

さっきの匂いのもとはこれだな


でもいったい何をしているのだろう…


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