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消しゴムと一週間

作者: 常盤金成

 月曜日、父さんは俺の誕生日を覚えていてくれたようだった、その父さんからのプレゼントは消しゴム一個だった。それは、ボールペンのインクも消すというすぐれもの(流通元は不明)だった。ノートの落書きを消すことにした。思ったよりも楽に消えた。

 

 火曜日、俺は、前の彼女が書いた落書きを消すことにした。俺にとってはいい思い出だが彼女が見たらなんと言うだろう。怒る、いや激怒するに違いない。1つ1つ丁寧に消した。

 

 水曜日、俺は、小さな頃書いた落書きを消した。こんなものを彼女に見られたら、恥ずかしくて死にそうだ。電車や犬(?)などがまんべんなく、(今はタンスで隠している)壁にかかれていた。

 

 木曜日、願書を書くことにした。締め切りが近いし、とても間違えが多く学校の先生に愛想まで尽かされている。これが最後の一枚だと言われた。だが、これさえあれば。これで見返してやる。何せ僕には強力な武器がついている。

 願書を書き始めた。意外と間違いも少なく、落ち着いて書けた。間違ったのも一カ所だった、その間違った箇所を消すことにした。よし、思った通りよく消える。いや、消えすぎだ。願書の枠なども消えている。

 

 金曜日、俺の書いた枠が消えた願書を出した。みてすぐに「どうしたらこんな風になるのか。」と、これだけで一時間問いつめられた。

 

 土曜日、と書いた日記を消した。これが、この消しゴムの最後の仕事だろう。


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― 新着の感想 ―
[一言] 最後、どうなったのでしょう? 願書の提出ができなかったのでしょうか?
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