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THREE WORLD  作者: 織間リオ
第四章【エイプリルベース】
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36、舞い降りる正義

 ブレイカーの艦隊がこちらに降りてくる。そして、その艦隊の各部分から、沢山のブレイカーがパラシュートで降りてくる。修二と光がスナイパーライフルを構え、パワシュートを狙い撃つ。次々と不時着する中でも、狙われなかったブレイカーや、運良くたいした怪我をしていないブレイカーがこちらに向かって剣を振り回してくる。こちらからも大勢のクリエイターが向かっていく。

 上空を動き回っている戦艦の一部が、こちらに向けられた。僕は咄嗟の判断で皆に叫んだ。

「戦艦から何か来る!」

僕はいうが早いが動き出していた。近くにいた海と奈々を両腕に抱え、戦艦とは反対方向に突飛する。修二と光はここよりかなり離れた場所で狙い撃ちしていた。僕はそこに逃げ込んだ。

「どうしたんですか、隊長!?」

「戦艦から何か来る」

僕のことを少し驚きながらも了解する。戦艦の砲口が光をチャージしているように見えた。幸いこちらには向いていない。それに合わせるように、ブレイカー達がクリエイターから距離を取り始めた。ほとんどのクリエイターが、砲口の存在に気づいていない。気づいていても逃げようとしない。

 砲口が大火力で噴き出す。極太の光線がクリエイター達を飲み込んだ。

「あれは・・・ビーム砲!?」

しばらくチャージが必要なのか、砲口を覆い隠す。他の戦艦がミサイルを発射し、残っているクリエイターへと向かっていく。

 あんな技術を持っているとは知らなかった。ブレイクはこちらより遥に大きな技術力を持ってこの作戦を結構したのだ。それによって、こちらに不利な状況を作り出す気なのだ。

「あんな・・・!」

ミサイルはそのスピードを緩めない。一度上空へと吐き出されたミサイルは、その後、一気に下方へと落ちる様に突き進んでいく。

 間に合わない・・・!

 そのとき、無数ともいえる光がミサイルを一つ残らず消し去った。僕はその光が来たほうを見上げる。六枚の蒼い翼を広げている青年。

「ジャスティス!!」

僕は、彼の名を叫ぶ。やはりとでもいうのか。この作戦にも介入してきた。これは偶然か。それとも運命なのか。ともあれ、こちらを助けたのは事実だった。

 ジャスティスの傍らには、紅い風のようなパーツを装備しているジャストという青年もいた。そして、さらにもう一人、僕の知らない少年もいた。

 ブレイクの艦隊が大多数のミサイルを三人に発射する。三手に分かれる三人に、それぞれミサイルが襲い掛かる。だが、その数はジャスティスが一番多かった。


 三手に分かれたうちの一人、ジャスティスは正面からミサイルへと向かった。広げていた翼を閉じ、降空状態――スカイダウンモード――へと変形させる。

襲い来るミサイルの雨を回転しながらそのなかをすり抜けていく。降空状態になると、自由に空中を飛べなくなり、地面へと落ちていくかわりに、圧倒的なスピードで動くことができるのだ。ジャスティスはミサイルを全弾避けきったあと、再び飛行状態――フライモード――へとウイングパーツを変形させる。そして、ウイングウエポンパーツの刃を切離し、チェストレーザーをチャージする。同時にレッグレーザーも起動させる。チェストレーザーのチャージが完了すると、全銃口、全砲口をミサイル群へと発射した。

「当たれぇぇぇっ!!」

ジャスティスの武器から、光の筋が発射された。


 十数のミサイルに追われていたジャストは、なんとも余裕の表情を浮かべていた。

「結構遅いんだな」

突如、ジャストは音速よもいえる速さで空中を動き回る。今まで後ろから追っていたミサイルを、今度は後ろから追う立場になった。両手にはめられているパーツから鋭利な爪を展開する。そして、追い越す要領でミサイルを切り裂いた。

 周りのミサイルは消えた。だが、背後から逃げ延びたミサイルが襲い掛かる。

「おっとぉ」

だが、そのミサイルの存在に瞬時に気がついたジャストは腰に装備しているレーザーガンを取り出し、ミサイルへと放った。


 そして、竜は襲い来るミサイルをバズーカパーツで撃ち落しながらも逃げ続けていた。今、バズーカパーツはミサイルモードへとその砲口を変える。このミサイルモードの間は大火力のレーザーを逆噴射して空中を移動することができる。そして、レーザーを使用中や、回避等の補助パーツとして、ブースターパーツを取り付けていた。

 そのミサイルから逃げ切った敵のミサイル群に対して、竜は背中に取り付けていたソードパーツを抜刀し、すれ違いざまに切り込む。周りを囲っていたミサイル群は竜が離れた後、一斉に爆発した。

 そのとき、ジャスティスとジャストの背後に、光の攻撃が走った。ブレイクのビーム砲だ。それによって、ジャストのダッシュパーツとジャスティスのウイングパーツが大破し、二人一緒に落ちていく。バズーカパーツのスピードでは追いつけない。だったら、今自分にできることは、さらなる追撃を防ぐことだ!

「しっずめぇぇぇっ!!!」

ブースターパーツを起動させ、背中のバズーカパーツをレーザーモードへと変える。チェストレーザーも同時にチャージを開始する。バズーカパーツの発射と同時に、チェストレーザーも、その砲口からレーザーを発射した。


 ジャスティスとジャストは互いを見やった。そして、ジャスティスは高速で地面へと落ちながらジャストに話しかける。

「ジャスト!あれを・・・!」

「できれば使いたくはなかったが・・・」

ジャスティスとジャストは同時にルナビートへと通信を送った。

「ジャスティスビート、射出!」

『ジャストビート、射出!』


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