幕間
余は、シルヴァグナス。
寝るのに飽きたら起きる。
起きるのに飽きたら寝る。
遊びたくなったら大地を割る。
腹が減ったら好きなだけ喰らう。
余は、余が思うまま。
自由に、奔放に、勝手気ままに生きている。
秩序を重んじる光の神など愚にも付かぬ。
秩序とは余の翼を縛る鎖。
秩序とは自由を殺す刃。
鎖を断ち切る快音こそ、余にとって最大の愉悦よ。
影の神は何も言わない。
見もせず、聞きもせず、ただそこに在るだけ。
ゆえに、影の神こそ余にとって唯一。
余が木々を薙ぎ倒し、湖を干上がらせ、山を消したとしても、
影の神が余にかかずらわることなどない。
影の神がもたらす混沌の世界こそ、余の生きる場所。
さて。
このあたりで遊ぶのもそろそろ飽きた。
もっと面白い遊びをしたいものだ。
そうだ。今から数百年前にも戦った光の神の眷属共がいい。
光の神の加護を受け、剣を持った小さき者たち。
不快な秩序の臭いが染みついたゴミを蹂躙するのは気持ちがいい。
秩序なんぞを崇拝し、混沌を忌避する救いようのない小人どもよ。
余が窮屈な肉体から解放してやろうではないか。
そして願わくば、次なる生を影の神の元で過ごせるように。
大地が轟けば、木々は応える。
二つの爪が世界を裂くときがきた。
大地の底から、もう一つの鼓動が応えた。
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