ここで一休み、インドの文字を習おう(その2)!
前回では読者には、いきなりインドの現地語の表記を見て面食らったことと思う。その言語はヒンディー語で音節文字である。欧文と同じ様に左から右に読む。文字の名前はデーヴァーナーガリー文字。古代のサンスクリット語(梵語)から使われている文字でこの言語からの借用語も結構多い。読みが分からない場合、筆者迄メッセージをくださればお答えします。ヒンディー語の文が出た時は、基本、日本語訳も載せます。どうか最後までこの作品をご贔屓願います。
**ヒンディー語のデヴァーナーガリー文字の読み方**
ヒンディー語はインドの公用語の一つであり、その表記には「デヴァーナーガリー文字(देवनागरी)」が用いられます。デヴァーナーガリーはサンスクリット語やマラーティー語なども表記する文字体系ですが、ヒンディー語では44の基本文字(11の母音+33の子音)を使います。ここでは、その読み方の基本を紹介します。
### 1. 母音(स्वर, svara)
デヴァーナーガリーの母音は、独立した形と、子音に付く「母音符号(मात्रा)」の2種類があります。
**独立母音:**
- अ(a):「ア」に近い、喉の奥から出す短い音。
- आ(ā):「アー」の長母音。
- इ(i):「イ」、短い。
- ई(ī):「イー」、長音。
- उ(u):「ウ」、短い。
- ऊ(ū):「ウー」、長音。
- ए(e):「エー」(英語の"they"に近い)。
- ऐ(ai):「アイ」と読む複合母音。
- ओ(o):「オー」("go"に近い)。
- औ(au):「アウ」と読む複合母音。
- ऋ(ṛ):「リ」に近いが、巻き舌の独特な音。ヒンディー語ではあまり使われない。
**母音符号の使い方:**
子音の後に母音を表すために、文字の上下左右に小さな符号をつけます。
例:क(ka)+ा=का(kā)、क+ि=कि(ki)、क+ी=की(kī)。
### 2. 子音(व्यंजन, vyanjana)
子音は発音の位置と方法によって分類されます。主な子音を発音位置ごとに紹介します。
**唇音(ओष्ठ्य):**
- प(pa):無声音、破裂音。
- फ(pha):pに息を加えた送気音。
- ब(ba):有声音。
- भ(bha):bに送気を加えた音。
- म(ma):鼻音。
**歯茎音(दन्त्य):**
- त(ta):歯で発音する無声音。
- थ(tha):送気音。
- द(da):有声音。
- ध(dha):送気有声音。
- न(na):歯の鼻音。
**巻き舌音(मूर्धन्य):**
- ट(ṭa):舌を上あごに巻きつけて発音。
- ठ(ṭha):送気。
- ड(ḍa):有声音。
- ढ(ḍha):送気有声音。
- ण(ṇa):巻き舌の鼻音。
**軟口蓋音(तालव्य):**
- च(ca):「チャ」に近い。
- छ(cha):送気。
- ज(ja):「ジャ」。
- झ(jha):送気有声音。
- ञ(ña):鼻音(サンスクリット由来)。
**口蓋音(कण्ठ्य):**
- क(ka):「カ」。
- ख(kha):「カ」に息を加えた音。
- ग(ga):「ガ」。
- घ(gha):「ガ」に送気。
- ङ(ṅa):後鼻音(「ンガ」のような音)。
そのほか、य(ya)、र(ra)、ल(la)、व(va)、श(śa)、ष(ṣa)、स(sa)、ह(ha)などがあります。
### 3. 特殊な文字と規則
- **ह(ha)**:息の音。
- **ं(अनुस्वार, anusvāra)**:「ン」の鼻音。前の子音に付く。例:संग(sang)。
- **ः(विसर्ग, visarga)**:「ハ」と発音されることが多い。
- **ऽ(ऊम्लाउट, avagraha)**:省略を示す(主に古典で使用)。
また、子音が連なる場合、「 conjunct consonant(संयुक्ताक्षर)」と呼ばれる結合形になります。
例:त+र=त्र(tra)、क+ष=क्ष(kṣa)。
### 4. 発音のポイント
- デヴァーナーガリーは「発音通りに書く」原則があります。
- 母音符号の位置を正確に覚えることが重要。
- 送気音(pha, thaなど)と非送気音の区別が意味を変える。
- 「र(ra)」は巻き舌で「ドゥル」といった音に近い場合も。
### 5. 実際の例
- नमस्ते(namaste)=「こんにちは」
- न(na)+म(ma)+स(sa)+्(virāma)+ते(te)
- भारत(bhārata)=「インド」
- भ(bha)+ा(ā)+र(ra)+त(ta)
### まとめ
デヴァーナーガリー文字は体系的で、一度ルールを覚えれば読み書きが可能です。母音符号の位置、送気音の有無、conjunct consonantの形に注意しながら、発音と文字の対応を丁寧に学ぶことが上達の鍵です。練習を通じて、ヒンディー語の美しい文字と音をマスターしましょう。
ネット小説は今、異世界ブームですが、殆どは疑似西洋近世世界で私の様にインドを舞台とした作品は殆ど無いと思います。今後も疑似インド世界、疑似ロシア東欧世界の文化がクロスオーバーする青春活劇を書いて行くつもりです。特に、筆者が発見した近代インド言語の男言葉・女言葉の違いを日本人の目から眺めて見たいです。




