最初にして最後 ~ドロイドの憂鬱~
漆黒の闇、神秘のベールに包まれた宇宙は、私たちの想像を遥かに超えた、計り知れないほどの広さと深さを持っている。無限の時間と、星々が織りなす宇宙空間は、足を踏み入れることのできない、神秘に満ちた領域である。
銀河系の中心にある巨大な黒穴は、その強大な重力によって周囲の星々を引き寄せ、宇宙の構造を形作する。一方で、私たちの目に見えるのはほんの一部に過ぎない。未知の惑星や恒星、ブラックホールなど、まだ発見されていない天体が無数に存在している。
私たちはこの宇宙の中で、ほんの一瞬の瞬きにも満たない、極々小さな存在にしか過ぎない。しかし、その広大さに圧倒されつつも、私たちは好奇心を持ち続け、さらなる発見を目指して探求を続ける。宇宙の神秘に迫ることこそが、私たち人類の永遠のロマンと挑戦なのかもしれない。
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遠い遠い、遥か彼方の惑星の表面を、一台のドロイドが静かに探索している。
コード様のものが飛び出したようなセンサー付きカメラ埋込み型のアームを伸ばし、未知の地形を撮影していく。薄い赤褐色の岩肌が広がり、遠くには巨大な山々が聳え立っている。大気は殆ど無く、空は濃い黒色に染まっている。
ドロイドはゆっくと前進し、地表の岩石を分析するためにアームを伸ばす。センサーで未知の鉱物が検出されると、データを送信して地球の研究所に報告する。
孤独な探査の中とはいえ、人工知能の賢明さと冷静さを発揮している。時折、太陽光を受けて輝くボディが、この荒涼とした惑星の中で際立って見える。
やがて、ドロイドは次の目的地へと移動を始める。未知の世界を丹念に調査し、人類の知見を広げていく使命・任務を、確実に果たしていく。
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しかし、この惑星探索ドロイドからの通信が届くことは無い。
もう数百年も前に地球の文明は滅びたのだ。
この探索用ドロイドは自動修復機能があり、簡単な故障なら自分で修復していまう。
動力は太陽光エネルギーなので、半永久的に駆動する。
地球からの任務解除命令が無ければ、ドロイドはこの任務を永遠に続けることになる。
短編にするつもりが間違って連載設定にしてしまったのですが、面倒なのでこのまま完結済としました。
何故地球の文明が滅んだかは、「アフター ~巨大文明社会、その後~」に譲ります。
https://ncode.syosetu.com/n3806iz/
万が一気が向いたら、追加のエピソードを書くかもしれません。