其爲人也
・原文
有子曰
其爲人也、孝弟而好犯上者鮮矣。
不好犯上而好作亂者、未之有也。
君子務本。本立而道生。孝弟也者、其爲仁之本與。
・書き下し文
有子曰く
其の人と為りや、孝弟にして上を犯すを好む者は鮮し。
上を犯すことを好まずして乱を作すを好む者は、未だ之有らざるなり。
君子は本を務む。本立ちて道生ず。孝弟なる者は、其れ仁の本為るか。
・解釈
有さんが言われた。
親孝行で兄を敬う人柄の人が、目上の者に逆らい反抗する事は少ない。
目上の者に反抗する事を好まない人が、和を乱すことを好む事はまず有り得ない。
上に立つ者は物事の根本を正さんと努力すべきである。
物事の根本が正しくてこそ正道は開かれる。
年上の家族を敬うことこそが、人を思いやり慈しむという、仁の徳の根本に繋がるのではあるまいか。
・私言
う~ん…年上を敬えば世の中平和ってか。
嗚呼儒教という感じではある。
まぁ孔子自体が、儒教の始祖ゆえにやむを得ないのではある。
儒教も人を敬い思いやり、和を乱さず慎み深く、平和に平和に暮らそうよって話なわけだから、決して悪いものでは無い。
一個人の人として素晴らしいと思うし、皆が皆そうなったら平和だろう。
そうなったらね…(そうなったら平和というのは共産主義と一緒)
儒教は基本的に上に立つ者に従えという教えゆえに、上に立つ者には好都合だし、新しいものが生まれにくくなる。
近代化で東洋が西洋に一歩遅れたのは儒教の影響も大きいと思うのが個人的な意見である。
・用語
有子:姓は有、名は若、字は子有
仁:儒教における最大の徳