表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

プロローグ

兵庫県にある阪神甲子園球場。


全国の高校球児が夢見る舞台である。


春夏に行われる全国大会は、野球に興味がない人でもテレビで観てしまうほどの盛り上がりをみせる。


その夏の全国大会が開幕した。


開会式は夏のうだる暑さの中で、見る者に暑さを忘れさせてしまうほどの溌剌とした高校球児たちの姿を披露した。


そして現在はその開幕戦が行われていた。


ブラスバンドの軽快な音楽、高校生たちの声援。


高校野球ファン達の地響きのような大声援。


そんな中で、一人の打者が天高く打球を打ち上げた。


阪神甲子園球場特有の浜風に乗って打球は外野スタンドめがけて伸びていった。


打球が外野スタンドに近づくにつれて、大物歌手のライブの登場時のような盛り上がりになっていった。


そして打球が外野スタンドに吸い込まれると、そのボルテージは上がり、更に打者がファーストベースを越えたあたりでホームランを確信し、天高くガッツポーズをすると割れんばかりの歓声に包まれた。


アルプススタンドでは、野球に興味が無いであろう学生達までもが飛び跳ねて隣の生徒と抱き合って喜んでいる。


そして、打者はホームベースを踏んだところで立ち止まった。


そして上空を見上げると、何言かつぶやき、涙を流しながらベンチに帰って行った。


喜ぶ選手たちとハイタッチをし終えた打者はベンチに下がると、ユニフォームの胸を押さえジッと目を閉じたのであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ