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#1:初めての登校

2話目です。ついに2人の高校生活が幕を開けました!

タイトル回収はもうしばらくお待ち下さい。



 高校に着き、校門をくぐった。みんなの視線が俺たち、いや明華に集中している気がする。電車に乗るまでの間はずっと手をつないでいたのだが、電車祈った後はさすがに恥ずかしかったので手を放してもらった。




 校舎に入ると、腕に生徒会や風紀委員と書かれた腕章をつけた人が挨拶をしていた。俺たちは案内に従い、階段を目指した。三階に差し掛かったところで、一人の女子生徒が上から降りてきた。彼女は俺と目が合うとニッコリとほほ笑んだ。彼女は。黒くさらっとした長い髪、そして、なんと表現していいかわからないくらいの美しい顔立ちをしていた。


「おや、新入生だね?」


 彼女は俺たちを見るとそう問いかけてきた。俺は彼女の美貌を前に言葉を失いそうになっていた。数秒経った後、そんな俺に見かねたのか横にいた明華が自己紹介をした。


「初めまして。今日からお世話になる明華です。こっちは、千尋」

「ち、千尋です」


 俺は明華に合わせて、彼女に名前だけを伝えた。まぁ、名前しか言えなかったというのが本音だけどね。


「明華ちゃんに、千尋君か。私は仙名(せんな) 沙耶(さや)という。一応、この学校の生徒会長を務めさせてもらっている。困ったことがあったらいつでも、相談しに来てくれ」

「はい、ありがとうございます!沙耶先輩!」

「あ、ありがとうございます」

「それでは私はこれで失礼するよ」


 そう言うと、仙名先輩は階段を下りて行った。俺はそんな彼女を後ろから少しの間じっと見つめていた。


「ほら、ちぃ君行くよ?」


 隣にいた明華が俺のことを呼んだ。しかし少しだけ怒っているような声だった。


「ああ、って明華怒ってるの?」

「ん-、怒ってないけど」


 そう言うと、明華は首をかしげてそう言った。あれ、確かに怒っている感じはしないけど俺の気のせいか?


「そんなことよりも、早く行こ!四階にクラス分けが貼られているみたいだから」


 そう言うと、彼女は俺に手を差し出した。俺は特に意識することなく、彼女の手を握った。




「やった!みてみて、ちぃ君私たち同じクラスだよ!」

「本当だ、やったな明華」

「うん」


 俺と同じクラスだと知った彼女は滅茶苦茶嬉しそうにその事実を俺に伝えてきた。俺も彼女と同じクラスなのは素直にうれしい。確かに、明華を独り占めしているように見えるため、嫉妬は中学の時よく受けていたのだが結局違うクラスであってもそれは受けるためあまり意味はない。あと単純に、喋り相手がいないのは困る。


「それに明華と一緒にいると楽しいからな」

「んふふーそうでしょ?」

「え、聞こえてた?」

「うん、ばっちり」

「忘れてくれー」

「やーだよっと」


 彼女は意地悪な笑みを浮かべるとそう言った。俺たちは1-3と書かれた教室に入った。俺たちは少し早めに来たこともあってか、このクラスには誰もおらず、横に六つ、縦に五つの机と椅子が並べられていた。黒板の前にある、教卓には席順が書かれた座席票が置かれていた。それによると、明華は右から三列目の前から二つ目の席。俺は一番左の列の前から四つめの席だ。


 明華は彼女の席に荷物を置くと、すぐに俺の席に走ってきた。俺たちは他の生徒が来るまでの間、二人きりで教室で話していた。


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