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プロローグ

新作です。ふと、思いついて書きたくなりました。

ひょっとしたらジャンルが変わってしまうかもしれませんが、基本は部活をメインにするということで、現代恋愛にしました。

 緑に広がる草原の下で、俺たちはドラゴンに遭遇した。


「うわ、本当にドラゴン!?」


 俺は驚き、ついそんな声を上げてしまった。ゲームなどで実際に見たことはあるのだが、こうも目の前に突然現れると驚いてしまう。高校生である俺が、ドラゴンと実際に戦ったことなど過去に一度としてない。目の前にいるドラゴンは俺たちのことをじっと見下ろしている。どうするべきか、俺は一人そう考えていた。


「私の技術に不可能はありません」

「今、言ってる場合か!」


「ちぃ君、あれどうやって動いているの?」

「知らんわ」


 つっこみに疲れた。どうしてこの二人はこんなに呑気なのだろうか。俺はやれやれと思い、もう一人の仲間へと視線を向けた。


「実際にドラゴンと戦えるなんてワクワクするじゃないか。あぁ、どうやってあのドラゴンを倒そうか。剣か、弓か、魔法か!?全部試すしかないだろう!」


 俺は何も見ていない。そう思って俺はドラゴンの方を向いた。するとドラゴンがブレスを吐くような動作をした。


「避けろ!」


 俺がそう叫んだ直後、ドラゴンから俺たちに向かってブレスを吐いていた。数秒経ち、ブレスがなくなった時を見計らってか、先ほどまでドラゴンをどうやって倒そうかと妄想に浸っていた彼女が、


「今だ!」


 と叫んだのを合図に俺たちは、一斉にドラゴンとの距離を詰めた。こう言う時の先輩は本当に頼りになる。俺たちは彼女の合図に合わせて、攻撃をしてドラゴンを倒した。




 ――なぜ普通の高校生である俺たちが、ドラゴンと戦っているのか。それは数週間前にまで遡る。



 ある朝、俺はいつものように重たい瞼を開き、自分の部屋がある二階から階段を使ってリビングへと降りた。リビングから降りると、キッチンで母さんが朝ごはんの準備をしていた。


「うーん、おはよう」

「あら、おはよう千尋。今日は始業式だったわね」

「うん」

 まだ眠く、完全に意識が覚めていない虚ろな状態で返事をした。


「そうそう、後ろに明華(めいか)ちゃん来ているわよ」

「うん」


 そうか明華が来ているのかぁ。虚ろな状態で母さんの言った言葉を頭の中で思い浮かべていると突然「わっ!」と明るい声とともに、肩が揺れた。


「うわっ!?」


 俺は驚いて大声を出し、眠気が一気に冷めた。声のする方向を見ると、そこには茶髪のショートカットで、少し幼い顔立ちをした可愛らしい女子がいた。


「びっくりしたでしょ?作戦大成功!見てたおばさん?」

「うふふ、見ていたわよ。千尋の驚いていた顔ったら、滅茶苦茶面白かったわ」


 彼女の名前は西野 明華。家が隣で、幼稚園にいるころからずっと一緒遊ぶ仲だった。まぁいわゆる幼馴染ってやつだ。小学校高学年くらいになると、異性の幼馴染はあまり遊ばなくなり、関係も自然消滅するとよく言われているが、彼女はそんなことは全くなかった。




 過去に気恥ずかしくなり、距離を置こうとした時期があったのだが、彼女が泣いてしまったり俺の家に居座ったりって俺の親と喋っていたりと、自分の家かのように入り浸っていた。そんな彼女を見ていると、距離を置く必要はないんじゃないかと思うようになり結果的に距離を置いたのは中学校一年生のわずか三日間だけだった。


 明華は明るくて、中学の時も人気者でよく告白されていたらしいのだがすべて断ったと本人が言っていた。なぜかと聞いたら教えてくれなかったけど。高校はさすがに別になるんじゃないかと思っていたのだが、彼女が同じ高校がいいと言い出したため俺は彼女同じ高校を受けた。


「今日から、高校生だね。どう、私の制服かわいい?」

「かわいいと思うぞ」


 スカートをつかんでくるっと回る彼女に対して、俺は目をそらしつつ言った。素直にかわいいと言えなかったのは気恥ずかしさからじゃないだろうか?




「それじゃあ、行ってきます!」

「行ってきます」

「はーい、明華ちゃん気を付けてね。千尋、明華ちゃんを守ってあげるんだよ?」

「はいはい」


 俺には気を付けてって言わねえのかよ。一応あんたの息子だぞ?


「ちぃ君、手出して」

「今日も繋ぐのか?つっても、中学校の卒業式以来か」


 俺が手を差し出すと彼女はその手をそっと握った。


「じゃあ、行こっか」

「うい」


 俺たちは中学校の時と同じように手をつないで、駅まで歩いた。


キャラはしばらく4人ぐらいで書いていきます。

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